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魔族がこの世界を支配してから100年以上の時が経った。


突然現れた強大な力を持つ魔族に抗う術もなく、先祖達は服従を誓う他無かったのだ。


絶望が待っているかと思われたが、魔族に服従した人間達を待っていたのは、思った以上に平穏な生活だった。


魔族が人間に望んだのはたった一つだけ。


国籍性別問わず、20歳になった年の1年を魔界で暮らすこと。


人間は20歳になると強制的に魔界へと連行され、そこで1年を過ごすことになるのだ。


その1年、魔界で人間達がどんなことをされるのか。


それは全く謎に包まれていた。


と言うのも、1年経って戻ってきた人間達は、魔界での記憶は全て消されていたからだ。


人間達の間でも様々な意見があったが、解明したところで魔族へ反抗などできないし、戻ってきた人間達は怪我や病気になった様子も無く、むしろ病気だった者や怪我をしていた者が完治して戻り、死亡例も無かったため、次第にその魔族たちの要求に反対する声は少なくなった。


そして100年経った今では、それは20歳になった時のただの通過儀礼でしか無くなっていた。



■■■■■■■■■■■■■■■■



魔族。



俺が生まれた時には既にその存在が当たり前で、特に恐怖を抱く対象では無かった。


と言うのも、生まれて今まで魔族の姿を見たことは無いし、20歳の時に魔界に行くのはただの成人になるための通例という認識だったからだ。



1年は長いけど、まぁ全員が経験するものだから仕方ないか。


ここに来るまでは俺はそう軽く思っていた。



この地獄のような光景を見るまでは。



魔界で何が行われているかは全く知らなかったが、家族含めて魔界に行くことを悪く言う人はいなかったし、本当に皆そう思っているのだと思う。


戻って来る人間達が魔界の記憶が無いことを、もう少し深く考えるべきだった。


俺は魔界に着いてそれを深く後悔した。


考えたところで何もできないが、それでも少しは心構えが違ったはずだ。



「あぁぁあ"あ"あっっ♡誰がぁああっ!!俺を買っでぐだざいぃぃいいっっ!!」


「おふぉぉおおおっ♡ありがどうございまずぅうううっ♡」


「俺もぉぉおお"おお"っ!!んひぃいいいっ♡俺も買っでぇええええっっ!!」



目の前には、チンポと頭だけを出されて箱に入れられ、絶叫を上げながら並べられる男達の姿があった。


その箱にの周りには、一見人間に見える魔族の女達が群がって箱の人間達に何かをしていた。



「これからお前らには1年、あの箱に入ってもらう」


俺らのグループを引率して魔界に連れてきた魔族の女が、俺らに向かって何てことないように言う。


角や黒いコウモリのような羽が生えていること以外は人間と変わらず、人を惑わすのに最適な美しい顔立ちをしているが、あまりに冷たい目で見ながら言われてゾッとした。


「な、何を言ってるんですか?」


「あの箱はなんなんだよ!!」


「何されんだ俺ら!!」


魔族の言葉に、グループの男達が一斉に戸惑い騒ぎ始める。


しかし慣れているのか魔族の女は全く表情を変えず、淡々と話し出した。


「私達魔族は人間を支配しているの。少し本気を出せばお前らの世界を滅ぼすなんて簡単よ。本当なら滅亡させても良かったんだけど、お前ら人間にも私達の役に立つことがあることが分かったの」


「おい!!質問に答えろ!!」


「俺らを帰せよクソが!!」


魔族が説明する中、威勢の良い男が怒声を上げて食ってかかった。


「……丁度良いわ。ねぇ、その2人を箱に入れなさい」


女は説明を中断し、俺らの後ろに控えていた異形のおぞましい悪魔達にそう命令すると、その悪魔達は凄まじいスピードで怒声を放った男2人を捕らえた。


「なっっ!!離せ!!」


「ざけんな!!!」


捕まったのはヤンキー風の2人。


人間の中では身体は大きい方だが、その異形の悪魔達に比べると子供のように見えた。


「ここにお前らが入るのと同じ箱がある。そいつらを実際にこれに入れて説明してあげる」


「やめっ!!クソっ!!」


「なんだよこれっ!!おい!!出せ!!」


皆の前に並べられた2つの箱。


抵抗虚しく2人はその箱へと無理やり入れられてしまい、箱の上から頭だけが出ている状態になっている。


中で身体を暴れさせているのか、内側から箱を叩く音が響いていた。


「さっきの説明の続きを先にするわ。お前ら人間の生命力は私達のエネルギーになることが分かったの。お前らから生命力を搾取する方法は色々あるけど、雄なら精液を搾取し、雌なら私達の雄と実際に交わるのが一番上質な生命力を得られることが分かっている。だからお前ら人間は、20歳と言う一番人間が生命力に溢れる時期、雄はこの箱で搾取され、雌は別部屋で雄の相手をして貰うことになっている」


もう理解ができなかった。


精液を搾取される?


あんな箱の中で1年も過ごせって言うのか?



狂ってる。



叫んで逃げ出したい気持ちに駆られるが、ここはもう魔界。


周りを囲む異形の悪魔達から逃げられる訳もなく、それに箱に入れられた2人を見て、恐怖で身体が動かなかった。


「死ぬわけじゃないから安心しなさい。じゃあこの箱の説明をするわね。今回は分かりやすくする為に箱を透明にしてあげる」


女が2人の箱に触れると、瞬時にその箱は透明になり、箱の中の2人の身体が見えた。


現状特に変わった様子もなく、2人は頭を箱の外に出したまま中で立ち、内側から箱を蹴ったり殴ったりしていた。


「では始める」


女がそう言うと、2人の箱をポンと叩いた。


すると中で霧のような靄が立ち始め、2人の身体を包み込み始める。


「な、なんだよこれ!!」


「おい!!やめろ!!」


2人は中で何をされているのか分からず、不安げに声を荒げていた。


その霧はすぐに晴れ、2人の身体が再び箱の中に見える。


「!?!?」


しかし現れた2人の身体を見て、俺を含めた皆が驚いた。


なぜなら、さっきまで着ていたはずの服や靴がなくなり、2人は一瞬で全裸になってしまっていたのだから。


「え、あれ、なんでだよ!!」


「おい!!てめぇら見てんじゃねぇよ!!」


自分達が全裸になってることに気付いたのか、顔を赤くしながらも荒い口調で俺らにまで悪態をついてきた。


しかしその態度も長くは続かない。


何故なら、箱の中にどこからともなくいくつもの手が現れ、男達の身体へと触れたからだ。


「うわっ!!やめろ!!」


「なんだよこれ!!触わんな!!」


その手達は、魔族の女達が嵌めているような黒革の手袋が意思を持ったように動いており、男の身体を固定していく。


身体を持ち上げて浮かせると、腰を前に突き出させて箱に空いた穴から男の股間を出した。


先程見た男達のように、頭とチンポだけが箱の外に出ている状態が出来上がったのだ。


「っざけんな!!やめろ!!」


「おいてめぇ!!殺す!!」


恥ずかしい格好にされ、身体をめちゃくちゃに暴れさせる2人だが、その革の手袋達の力が強いのか、あっという間に取り押さえられてしまっていた。


箱にはザッと見ただけで20は越える黒い革の手袋達が浮き、男達の身体に張り付いていた。


そして次に現れたのは、1本の触手のような柔らかそうな物体。


縄程の太さのその触手も、意思を持ったようにウネウネと動きながら男の身体に近付き、そのまま男の尻の穴へとくっついた。


「なっ!!!!何すんだ!!!」


「気色わりぃな!!やめろ!!」


そんな2人の言葉などお構い無しに、その触手は何やらヌルつく液を吐きながらグニグニと動き、少しずつ少しずつ男の尻穴へと入っていった。


「や、やめろ!!やめてくれ!!」


「ひぃぃっ!!やめろぉおおおっ!!」


流石にそこへと触手が入っていくのが怖いのか、悲鳴に近い声で叫ぶ2人。


しかし触手はその液のヌルつきと触手自体の柔かさで、男の尻穴へとどんどん入っていく。


15センチ程触手が入ったところで動きが止まり、今度はドクドクと何かを身体へと注入しているようだった。


「あぁぁぁああっ!!やめろぉおっ!!!」


「た、助けでぇええええっっ!!」


泣きそうな顔で俺らに助けを求めるが、俺らに何かできる訳がない。


だってあの箱には遅かれ早かれ入れられる運命。


しかもこんな魔界に連れて来られた中、俺らにできることなんて何もない。


「あの触手はお前らの粘膜に直接栄養を供給する。あれが入ってる限りお前らは健康体のまま生き続けることができるの。それともう1つ効果があるんだけど…よく見てなさい」


箱に入れられた2人は泣きそうな顔で叫んでいたが、次第に何故か大人しくなっていった。


「そろそろね」


魔族はそう言うと、リングを2人の頭へと装着した。


さっきまでとは打って変わって、大人しくそのリングを付けられる2人。


その2人の顔は熱があるかのように赤く、息が荒くなっている。


2人がどんな状態なのかは、箱の前に出された2人のチンポを見れば分かった。


なぜなら2人のチンポは見事に勃起し、硬く反り勃っていたのだ。


「見て分かるように、あの触手から与えられる栄養は、人間の生命力を格段に上げる。まぁ簡単に言うと、精力を上げて強制的に発情状態にするってことよ。感度も上がって、すぐにでも射精できるようになるの」


「ふざ…けんなっ…ぐっ」


「こんな…くそっ…」


2人は苦しそうな声でそう言うと、まだ抵抗する気力があったのか、魔族の女をギッと睨み付けた。


しかしそんなことで魔族の女が怯むはずがない。


「すぐに射精されても無駄になるから、お前らにはこのリングを頭に取り付ける。このリングが起動してる限りお前らは絶対に射精できないわ」


淡々と話すが、内容はとんでもないことを言っている。



発情させられた上に射精を禁止…



未知数ではあるが相当に辛いだろうことは予想がつく。


現に既に箱に入った2人は辛そうに顔から汗を流していた。


「この箱はお前ら人間の世界の機械を参考にしたんだけど、なんと言ったかしら…そう。自動販売機って言ったわね。ほら、ここにコインを入れる場所があるでしょ」


そう言って指差した先は箱の隅。


確かにそこにはお金を入れるような口があった。


「ここに入れるコインは私達魔族なら簡単に作り出すことができる。ほら」


女が手を広げて上に向けると、そのピッチリと黒い革の手袋を嵌めた手の上に、手品のようにコインが一瞬で現れた。


「このコインをここに入れることによって、一定時間リングの効果が切れるようになっているの。つまり、コインを入れれば射精ができるようになるということよ」


そう説明しながらも、2人の箱にコインを入れる気は無いのか、持っていたコインを宙に投げるとコインはそのまま消えてしまった。


「それと箱の中の手袋達だけど、お前らを拘束する為だけにある訳じゃないわよ。見てなさい」


魔族が指をパチンと鳴らすと、再び箱の中に霧が吹き出し始めた。


先程とは少し違うその霧が2人の男の身体につくと、とろみのある液体へと変わって身体を濡れさせる。


ローションのようにネットリとしたその液体を、箱の中の手袋達は掬うように手袋全体に馴染ませるように動くと、そのまま一斉に男の身体へと張り付いた。


「ひぃぃいっ!!」


「な"っっ!!」


ビクリと身体を震わせて驚いた声を上げた男達だが、次の瞬間別の声を上げ始めた。


「やめっ、んぁああああっ」


「おぉおおおぉおっ」


喘ぐような声を上げながら、首をブンブンと振って踠く男達。


それもそのはず。


その液体にまみれたいくつものヌルつく手袋達は、男達の身体をゆっくりと撫で回し始めたのだから。




続きは5月15日に他プランでも公開予定

現在タバコプランにて先行公開中

全文約14100文字

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