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「今日の練習はここまで!!」

「「「押忍!!」」」

団長が言うと、団員の俺らは威勢良く返事をし、頭を下げた。

難波慶(なんば けい)

俺らの所属する応援団の団長だ。

黒髪短髪に強面の顔、焼けた肌にガッチリとガタイの良い身体。

応援団の衣装である学ランが良く似合う男だった。

「今週末は野球部の応援だ。気合い入れてけよ!!」

「「「押忍!!」」」

頭を下げたまま俺らは返事を返す。

「解散!!」

団長のその声でやっと俺らは頭を上げ、各々帰る準備を始めた。

団長も「ふぅ」と一息をつきながら、水筒に入った水を一気に煽っている。

応援に興味のない俺が応援団になんかに入ったのは、この団長が目的だった。

「団長」

「ん?なんだ五十嵐」

団長は水筒から口を離し、俺を見て言う。

あぁ…団長、今日も可愛いなぁ…

「実は折り入って相談があって…」

「どうした」

「ちょっとここだとあれなんで、皆帰った後、部室に来て貰っても良いっすか?」

「おう、分かった。おーい、みんな。もうすぐここ閉めるから急げよー」

団長は快く頷くと立ち上がり、それとなくみんなを早く帰るように促してくれた。

普段は硬派な上に見た目もいかつくて男臭いのに、こういうところは優しい。

そんな団長のことが、俺は大好きだったのだ。

ただ、その好きはちょっと歪んだものなのだが。

俺も帰る準備をすると、一足先に部室の方へと急いだ。


部室の中は、男女混合の応援団のせいで比較的整理されていた。

隅にある椅子に座り、スマホを開く。

「えっと…これだな」

画面をスクロールしてアプリを辿っていくと、ピンク色のハートマークのアイコンのアプリがある。

俺はそれをタップした。

『フェチ管理アプリ』

画面にそう文字が出ると、カメラの画面に切り替わり、部室の映像がスマホに映り始める。

「どうすっかなぁ…」

部室を見回すと、半透明の箱に納められたある物が目に入った。

それは、応援団が実際に応援する時に嵌める、白いナイロンの手袋だった。

白い手袋は汚れやすいため普段の練習では嵌めず、本番のためにこの箱に入れて保管してあるのだ。

「これにすっかな」

俺はその箱を取り出すと、中に無造作に入れられたそのナイロン白手袋を取り出し、自分の片手に嵌めてさっきのアプリでカメラに映した。

写真を撮った時のように、一瞬俺の手袋を嵌めた手の静止画が画面映り、今度は何やらグルグル渦巻くような模様が動く画面へと切り替わる。

俺はその画面が出るとすぐにスマホを伏せ、自分には見えないようにすると、その直後外から足音が聞こえた。

俺は急いで手袋を脱いで箱にしまうと、元の場所へと戻し、その足音の人物を待ち受ける。

ガチャリとドアノブを回す音と共に扉が開き、中に入ってきたのは団長だった。

「待たせたな」

「いえ、俺こそ呼び出しちゃってすいません」

「大丈夫だよ。で、どうしたんだ」

「あ、その前に、鍵閉めて貰っても良いすか?」

団長は余程深刻な話があると勘違いしたのか、神妙な顔になると、部室のドアの内鍵を閉めた。

鍵は部室の中だし、これでもう外から入ってくることはできない。

団長と二人きりの部室。

興奮で段々と息が荒くなっていくのを感じた。

「で、どうしたんだよ」

団長はテーブルの椅子に座りながら、心配そうな様子で俺に聞いてくる。

「あの…その前にこれを見て欲しいんすけど…」

俺はさっきの画面を団長に見えるように差し出す。

「ん?なんだこれは」

不思議そうに言いながらも、素直に受け取る団長。

「そのまま1分だけ何も言わずにその画面を見ててくれませんか?」

「は?」

「お願いします!!」

「な、なんだよこれは…相談事じゃなかったのか?」

「相談に関係のあることなんです。1分だけで良いんで…お願いします!」

団長は本気で戸惑っているような顔で俺を見ていたが、俺の必死な姿に何かあると思ったのか、スマホに目を向けてくれた。

「1分で良いんだな」

「はい!こっちで計っとくんで」

「分かった」

よっしゃぁああああ!!

俺は危なくガッツポーズを取りそうになったのを、なんとか抑えた。


団長が今見ている画面。

それは、人にフェチを植え付けるためのアプリの画面だ。

偶然ネットで色々漁っていた時に見つけた、怪しいサイトで配布されていたこのアプリ。

あまりの胡散臭さに、ちょっとネタのつもりでスマホに入れてみたのだが、効果は物凄かった。

アプリの画面にフェチにしたい物を映し、その後に表示される画面を1分見るだけで、そこから1時間、見た人物はその映した物に興奮するようになってしまうのだ。

前に試しにタオルを映してから自分自身に使ってみたが、そこから1時間、自分でも信じられない程にタオルに興奮するようになってしまった。

タオルが何よりもいやらしい物に見え、見るだけでも勃起してしまい、それに触れた瞬間我慢汁が溢れる。

そのままチンポにタオルを巻きながら射精したが、それでもタオルフェチは治まらず、効果が切れるまでスマホでタオルの画像を見つけてチンポをシゴきまくっていたのだ。

効果が切れるとさっきまでのタオルへの執着が嘘のように消え、特に興奮することもなくなったが、身を持ってこのアプリの効果を実感した。


そして俺は先ほど手袋をアプリに映した。

つまり、団長はもうすぐ、あの手袋に異常な程興奮するようになってしまうだろう。


あぁ…楽しみだ。


俺の目的は、団長を何かのフェチにすることではない。

団長を屈服させることだった。

思春期真っ盛りの中学時代、帰り道で拾ったゲイ向けSM雑誌。

そこには屈強な男があられもない姿を晒し、男から快楽を与えられ、溺れていく様が載っていた。

それを見て俺は、今までに感じたことが内容な興奮に襲われ、そして自分の中ではっきりと歪んだ性癖が形成されていくのを感じた。


今目の前で俺のスマホを見続ける団長を、男臭くて屈強な男である団長を、硬派なせいでまだ童貞の団長を、俺は快楽で屈服させたくて仕方なかったのだ。

だけど団長はノーマルであり、団員の女の子と付き合っているのを知っている。

半分諦めていた俺の夢を、このアプリのおかげで今実現しようとしていた。

これが嬉しくないはずがない。


「なぁ、そろそろ1分じゃないか?」

団長の声で部室の時計を見ると、既に1分半程経っていた。

「そうですね。もう大丈夫です」

団長は画面から目を離すと、そのままスマホを俺に返してくる。

「なんか目ぇ回るような画面だったが、これが何なんだ」

訳が分からないと言う顔で俺を見る団長。

本当にフェチになっているかの効果は、実際に手袋を見ないと本人も自覚をしない。

「団長、相談って言うのが、これのことなんです」

俺は先ほど戻した手袋の入った箱を取り出し、テーブルの上に乗せると、その蓋を外す。

「ん?」

その箱を団長は覗き込むと、そのまま固まってしまった。

「団長…?」

「ん?あ、あぁ、すまん。で、これがどうした」

団長は何事も無かったかのように俺に聞いてくる。

あれ?団長は今手袋に興奮するはずなのに…

俺は箱から一双の白手袋を取り出してみる。

すると団長は、顔を赤くしながらその取り出した手袋から明らかに目を反らした。

これは効果が出てるな…

半ば確信に近い思いで団長に言った。

「これ、嵌めてみてくれますか?」


■■■■■■■■■■■■■■■


「これ、嵌めてみてくれますか?」

団員の五十嵐が手袋を俺に渡しながら俺に言ってきた。

その手袋は応援の際に嵌める物で、嵌めることなんて特になんでもないことのはずなのに、俺はその手袋を受け取ることすらできないでいる。

「団長?」

五十嵐が不思議そうな声で俺に聞いてきた。

「あ、あぁ…でもなんでこれを?」

時間稼ぎのために疑問を口にする。

「大事なことなので…」

真剣な顔で言う五十嵐に、断れない空気を感じた。

手袋を五十嵐から受け取ろうと手を伸ばすが、なぜか照れて手袋を直視することができない。

なんで。

なんでこんなに手袋をいやらしく感じてしまうんだろう。

五十嵐の手にある手袋が、とても性的に見え、見てるだけでドキドキしてきてしまう。

手袋に触れたい、手袋に触れられたい。

そんな思ったこともないような感情を、俺は感じてしまっていた。

まるでそれが極上のエロ動画のように、見ているだけで想像を掻き立てられられ、いやらしい気持ちが治まらない。

ふと五十嵐の手から目を反らすと、箱に入った大量の手袋達が目に入った。

「うっ…」

いやらしい物が大量に入ったその箱を、これ以上見たらまずい。

それなのに、見たくて仕方がない。

めちゃくちゃ美人の女の豊満な胸を覗いているような、いや、それよりもいやらしい物を覗き見ているようで、手袋を見ているだけで股間が熱くなっていった。

「団長、見てください」

手袋を受け取れずにいると、五十嵐は何かを思いついたような顔で言う。

何をするのかと思いきや、五十嵐はその手袋を自ら嵌め始めたのだ。

「なっ、おいっ!!」

「ん?なんすか?」

右手の指先を手袋に挿し込み、少しずつ焦らすようにその白い手袋を被せていく。

五十嵐の大きい手はドンドンその手袋に吸い込まれていき、萎んでいた手袋の指先へと嵌っていく。

一本、また一本とその白手袋が膨らみ、全ての指と平が手袋に納まった。

そして手首のボタンをパチリと留めると、完璧に五十嵐の大きい手にピッチリと手袋が嵌った。

手を馴染ませるために指をグイグイと動かしている姿が、なんとも艶っぽく感じてしまう。

手袋の裾も手首にピッチリと嵌ったその手袋の手は、先ほどの嵌める前の手袋とは比べ物にならない程にいやらしく、俺のチンポを滾らせてくる。

「どうです?手袋がぴったり手に嵌っちゃいました」

そう言って俺に見せるように目の前に差し出してきた。

「なんでっ…」

ただ五十嵐が手袋を嵌めて見せてきただけ。

それなのに俺は異常な程に興奮し、五十嵐が『手袋』と言っただけでドキッとし、その手袋の手を今すぐ触りたい衝動に駆られた。

「どうしました?団長。この手袋がどうしました?」

五十嵐の言う『手袋』という単語にどうしても敏感に反応してしまう。

「なんでもっ…んおっ!!」

なんでもない。

そう言おうとした瞬間、五十嵐が俺の手を握ってきた。

その手袋を嵌めた方の手で…

サラリと滑らかなナイロンの感触で俺の手を掴み、中に入った五十嵐の手の弾力を手袋越しに感じる。

早く離さないと大変なことになる。

そう思っているのに、その感触があまりにいやらしく、もっと触りたい衝動が止まらない。

ただ握手をしているだけなのに、手全体がくすぐったく感じ、自分がどうしようもなくその行為に興奮しているのが分かった。

「すいません。なんか手ぇ出してたんで握手したいのかなぁって…違いました?」

「…!!」

俺はどうして良いのか分からず、何も返すことができない。

「なんで応援団って手袋するんすかねぇ」

俺の手を離し、笑いながら言う五十嵐。

それに少し安堵する反面、その手袋が離れてしまうことへの残念な気持ちの方が大きく感じた。

「白い手袋すると手が目立つようになるし、応援が良く見えるから…とかですかね」

もう片方の手も手袋を嵌めながら、五十嵐がそう言って笑った。

返事をしようとするが、同じ動作で手袋を嵌めていく五十嵐の手から、どうしても目が離せない。

両手に手袋を嵌め、その手を組んで指の股をグッと押し、益々指先までピッチリと嵌る白い手袋。

脳内に自分の欲望が溢れていく。

五十嵐がその手袋の手で俺を…

考えただけでチンポの先からダラリと我慢汁さえ出始めてしまった。

そもそも俺はゲイではない。

しかも前にいるのは女のように細く華奢な男などではなく、応援団に所属する、女らしさの欠片もない列記とした男。

背も高く、ガタイだって良い。

それなのになんでこんな男の嵌めている手袋に、ここまで魅力を感じてしまっているのかが自分でも理解できなかった。

「なんで団長さっきから黙ってるんすか?って、えぇ!?」

なんとなくワザとらしさを感じる声で驚き、俺の股間を見つめる五十嵐。

その手袋に興奮した俺の股間は、制服のズボン越しでも隠せない程に大きく盛り上がっていた。

「なんで勃起してんすか!?」

「ち、違う!!これは…」

「え、嘘。団長そっち系っすか!?」

「そうじゃない!!絶対に違う!!」

「じゃあなんでそんな…」

「こ、これは生理現象と言うか…」

我ながら苦しい言い訳をするが、この場で勃起している不自然さを誤魔化すことなんて当然できない。

「いやいや…意味わかんないすよ…なんか興奮するものでもありました?」

勘の鋭い五十嵐の言葉にドキッとする。

「なんかさっきから様子がおかしいなとは思いましたけど…確かこの箱を出したあたりから…」

「ち、違う!それは関係ない!!」

「怪しい…もしかして、『手袋』っすか?」

「!!」

バレてしまったという気持ちと、『手袋』と言う単語に興奮する気持ちが交差したせいで、思わず動揺が顔に出てしまった。

「あぁ、やっぱそうなんすねぇ。でも残念。これは男子用の箱なんで、女の子の手袋じゃないっすよ」

「だから違う!!」

「あ、まさか男の手袋が好きとか…?」

「違う!!男のとかは関係ねぇ!」

「手袋が好きってのは否定しないんすね」

しまった…

冷静でなくなっていたせいで、肯定するような発言をしてしまった。

「いや、それはっ」

五十嵐の嵌める手袋のせいで頭が上手く働かず、否定の言葉すら出て来なくなる。

「あぁもう良いっすよ。別に団長が手袋フェチだろうが俺は気にしないんで」

「だから違うっ」

なんとか搾りだした否定の言葉。

さっきまでの勢いは言葉にもう無かった。

「じゃあ団長。もしここで認めるなら、この手で団長が好きなことしてあげても良いですよ?」

そんな俺に対し、五十嵐が発した言葉は予想だにしない言葉だった。

好きなことをしてくれる…?

五十嵐はその手袋の両手を俺の方へと向け、ワキワキと指を動かして煽ってくる。

その手で好きなことを…

考えただけで身体が疼いて仕方なくなってきてしまった。

「そんなこと…」

言葉を続けたくても、俺の脳内の手袋での行為についての思考で邪魔をされる。

「良いんすか?団長が認めるならこの『手袋』の手で、その勃起してるチンポ、触ってあげても良いんですよ?」

敢えて手袋と言う単語を強調して言った五十嵐は、手で筒を作り、そのままチンポを上下にシゴくような動きをした。

「っ!!!」

なんていやらしい動きなんだ…

その手袋の指達の隙間に空いた空洞に、俺のこのチンポを突っ込めたらどんなに気持ち良いか…そんな欲望で脳内が埋めつくされていく。

「この『手袋』でチンポシゴきながら、乳首もいじってあげましょうか?」

その言葉にまた身体がビクリと反応する。

あぁ…なんていやらしいことを言うんだ…

「この指先で乳首を摘まんだり、くすぐったり…」

指をバラバラに動かし、くすぐるような動きを見せつける五十嵐。

そんな物を見せつけられたら…

「乳首を散々『手袋』で弄られながら、そのままチンポもこの『手袋』で思いっきりシゴかれたら気持ち良いでしょうねぇ」

俺の乳首とチンポの高さに手を持っていき、空中で俺の身体を責めるような動きをされる。

このまま服を脱ぎ捨てて、その手に身体を押し付けたい…

その手袋で思い切り射精したい…

相手が男だからとか、彼女がいるとかもうどうでも良い。

今はただその手袋で気持ち良くなりたい。

「団長、認めますか?」

気が付くと、ニヤニヤと笑いながら言う五十嵐の言葉に、俺は頷いてしまっていた。

「ははははっ!!やっぱそうだったんすねぇ!こんな手袋の何が良いんすか。訳分かんないっすよ」

「くっ……」

馬鹿にするような物言いに、羞恥で顔が熱くなっていく。

それなのに俺のチンポは萎えるどころか、これからのことを期待してヒクヒクと動き、まるで喜んでいるようった。

「まったく、団長がまさか変態とはなぁ…まぁでも約束ですからね。ほら、早く服脱いでくださいよ。勿論全部ですよ」

笑いを堪えるような顔で俺に言う五十嵐。

しかし俺は何も言い返すことなんてできない。

今何よりも優先すべきなのは、その手袋の手で快感を得ることなのだ。

俺は着ていた学ランとワイシャツを脱ぎ、上半身を露わにした。

「流石団長、良い身体してますねぇ」

茶化すように言う五十嵐の言葉を聞き流し、ズボンのベルトに手を掛ける。

興奮で上手く手が動かず、手惑いながらもなんとか外し、パンツごとズボンを摺り下げた。

「うっわ、でっかいすね!すっげぇビンビンじゃないですか」

俺のチンポをまじまじと見ながら五十嵐は面白そうに言った。

男の前で裸になること自体は別に何も思わないが、勃起しているチンポを見せ、こんなにまじまじと見られるのは流石に羞恥だ。

だけど今はそんな恥ずかしさよりも、目の前の五十嵐にその手袋の手で触れて欲しくて仕方ない。

「そんなにこの手袋で触って欲しかったんですか?」

五十嵐は俺を煽るように、手の甲の三本線を見せつけてきた。

パツパツに嵌ったその手袋の甲に浮き出る三本線。

その三本線が、手袋の卑猥さを際立たせている。

なんていやらしいんだ…

「はぁ…はぁ…」

発情したように全身が熱くなり、息が荒くなっていく。

「はははっ!!興奮し過ぎっすよ団長。ほら、乳首触ってあげますから、手を頭の後ろにやって、俺の方に胸突き出してください」

五十嵐は俺の前にあった椅子に座りながらそう言った。

言われた通り俺は頭の後ろで手を組み、乳首を五十嵐に触りやすいように前に突き出した。

「みっともない格好っすね。そこまでして触って欲しいんすか」

五十嵐の言う通り、裸で勃起させ、弄ってくださいと胸を突き出す様は傍から見るとどうしようもなく情けない姿に見えるだろう。

だけど身体はその手袋の手で早く触れて欲しいと疼いて仕方ないのだ。

「ほら、何して欲しいか言ってくださいよ」

意地の悪い笑顔で五十嵐は俺に言う。

「……っ」

どうやら五十嵐は簡単には俺に触れてくれる気はないようだった。

乳首を触って欲しい。

それを言うだけなのに、羞恥でなかなか言葉にならない。

「ほら早く。言わないと触ってあげませんよ?」

俺を指すように一本の指を出し、クイクイと乳首の前で動かし始める。

「あぁっ…」

その動きのいやらしさと僅かに感じる空気の流れだけで、俺の乳首は敏感に反応し、声が漏れてしまう。

その指先が本当に触れたらどんなに気持ち良いか。

考えただけでチンポの奥から我慢汁が上がって来るのを感じた。

「乳首を…触ってくれ…」

顔が熱くなっていくのを感じながら、俺はなんとか口に出す。

「もっと詳しく言わないとダメっすよ。俺の何で触って欲しいんですか?」

「…っ!! !!その…て、手袋…で…」

思った以上に『手袋』と言うのが恥ずかしい。

一番いやらしいと感じる物の名前を言うのがこんなに羞恥だとは思わなかった。

「何言ってんすか?聞こえないですよ~」

ニヤニヤと俺のそんな様子を楽しんでいる様子の五十嵐。

怒りの感情が芽生えるが、それよりも圧倒的に身体の疼きの方が勝っていた。

「五十嵐の…て、手袋、嵌めた手でっ…俺の乳首を…触ってくれ」

口ごもりながらもなんとか最後まで言う。

その瞬間。

「こうっすか?」

「んおぉぉおおおっっ♡!!」

俺の二つの乳首をその五十嵐の手袋の両手で、いきなりグッと親指を人差し指で摘ままれたのだ。

滑らかな手袋に包まれた弾力のある指先。

それに上下から乳首を挟まれ、そのままコリコリと潰すように擦られる。

それは俺に異常な程の興奮と快感を与えてきた。

「あっはっはっはっ!!なんすかその声!そんな乳首感じちゃってんすか?」

「あぁあああっ♡おぉぉおおっ♡」

グリグリと指を擦り合わせ、乳首を転がすように撫で擦りながら言われる。

その言葉に対する羞恥など気にならないぐらい、その手袋での乳首への刺激は気持ち良かった。

「すっげ。チンポから我慢汁ダラダラ出てますよ?手袋好き過ぎでしょ」

摘まむのを止め、指先でピンと乳首を弾きながら俺を煽る五十嵐。

そのサラサラの手袋の指先が乳首の先端を、何度も何度も弾き続ける。

「んおぉおっ♡あぁああっ♡おぉっ♡んはぁっ♡」

乳首を擦られるのに合わせて声が漏れ、乳首で感じたことの無いような快感がチンポの奥まで響いてくる。

「乳首もビンビンっすね。おらっ」

「んほぉぉおおっ♡」

ギュッと力強くその指先で乳首を摘ままれ、そのままグリグリとまた乳首を潰される。

痛みの混じるその刺激も、興奮で疼いている身体には凄まじい快感として伝わってきた。

チンポは反り返り、刺激が欲しくて仕方ないと泣くように我慢汁を垂らしている。

興奮と快感で、理性と言う名の羞恥が段々と薄れていくのを感じた。

「こんな強く握ってんのに、手袋でされると感じちゃうんすね。じゃあこれは?」

パンッと乾いた音と共に、俺の勃起したチンポへと衝撃が来る。

「んおぉぉおっ♡!!」

そう、五十嵐が俺の竿をその手で軽くビンタをしたのだ。

横向きに手袋の平で叩かれ、痛みと僅かな快楽がチンポから伝わってくる。

「どうです?だーい好きな手袋でのビンタは」

「あぁあああっ♡!!」

再びパンッと言う音と共にチンポを平で叩かれる。

欲しくて欲しくて仕方なかったチンポへの手袋での刺激。

例えそれが痛みの混ざるビンタだったとしても、俺の身体は興奮していた。

「ほら、ご褒美ですよ」

2発チンポへとビンタをした五十嵐は、今度は俺の勃起しているチンポをその手で握り、軽く上下にシゴき始める。

しかももう片方の手で、乳首をコリコリと手袋の指先で優しく擦りながら…

「あぁああああっ♡おぉおおおおっ♡」

やっと貰えたちゃんとしたチンポへの手袋での快感。

乳首へと刺激と見た目のいやらしさも合わさって、全身が気持ち良くて震えてしまう。

すげぇ…手袋でチンポシゴかれながら乳首も擦られちゃってる…

あまりにエロ過ぎる行為に興奮で頭がおかしくなりそうだった。

「ほらほら、団長の大好きな『手袋』でチンポコかれて、乳首も弄られちゃってますよ~。嬉しいですか?」

「あぁっ、あぁあぁっ♡嬉しっ」

あんなに恥ずかしかったはずなのに、今はこの行為に興奮し過ぎて、素直に言葉が溢れてきていた。

「そっすか…じゃあ」

パンッ

再びチンポをその手でビンタをされ、乳首をギュッと強く握られる。

「おぉぉおおおっっ♡!!」

快感からの突然の痛み。

それでも俺の身体は興奮し、チンポは萎えるどころか更に硬くなっているようにすら感じた。

「はいまたご褒美ですよ」

そして痛みの後には乳首とチンポをいやらしく触られ、甘い快感を与えられる。

俺の我慢汁のせいか、チンポをシゴく音に僅かにクチュクチュという水音が混ざり始めていた。

「あぁああっ♡んはぁっ、おぉぉおおっ♡」

気持ち良いっ、気持ち良いっ。

あまりの興奮に、チンポは既にイってしまうのではと思う程に快感を得ていた。

「手袋コキでチンポピクピクしてますね。じゃあ…」

再びパンッとチンポへとビンタをされ、ギュッと乳首を潰される。

「んほぉおっ♡!」

そして再び手袋によって痛みを与えられた。

そしてまたその手達は、俺に快感を与えるためにユルユルと動き始める。

「おぉぉおっ♡あぁっ、気持ちっ」

パンッ!

「あぁあああっ♡!」

凄まじい快感の後に必ずくるビンタの痛み。

「はぁあっ♡あぁああっ♡」

クチュックチュッという音と共に、再び訪れる手袋による快感。

パンッ!

「おぉぉおおっ♡!」

そしてまたビンタ。

これを何度も何度も繰り返された。


「おぉっ…♡あぁああっ♡」

パンッ

「んはぁああっっ♡」

いつの間にか、その手袋の手でのビンタが、痛みよりも快感が強くなっていた。

パンッパンッパンッ

「あぁああっ♡おぉぉっ♡ひぁあっ♡」

「やばっ。団長手袋でされるならビンタでも気持ち良くなっちゃうんすか?」

パンッパンッ

「あぁあああっ♡」

五十嵐の言う通り、俺は五十嵐の手袋の手がチンポに当たる度に、強い快感を感じていた。

しかしそれでイくことはない。

イくにはやはりチンポをシゴかれないと無理だった。

「あ~あ、いくら手袋が大好きでも、やっぱビンタだけでイくのはまだ無理かぁ」

それを察したように五十嵐は言う。

そして俺から手を離すと、手袋が詰まった箱を漁り、また一双の手袋を取り出し、俺の方へと差し出した。

「はい、団長も嵌めてください」

笑顔で言う五十嵐から、俺は手袋を受けとる。

先ほどは羞恥のあまり嵌めることのできなかった手袋。

しかし今は、自分も手袋を嵌めてもっと興奮したいという気持ちが勝っていた。

手袋を広げると、そこに自分の手を滑り込ませる。

サラサラのナイロンの感触が手を包み込み、締め付けていく。

俺の大きな手には少し小さいその手袋は、指先まで入れると五十嵐以上にパんパンになってしまう。

だがその手袋によって締め付けられる手が、また俺を興奮させた。

手首のボタンを留めてさらに手を締め付けると、べったりと手袋が手に張り付く。

あぁ…なんていやらしい…

先ほどまではなんてことなかった自分の手が、今はこの卑猥な白手袋を嵌めることによってなんとも言えないいやらしい手へと変わったのだ。

この手で思い切りチンポをシゴいたらどれほど気持ち良いだろうか…

俺はもう片方の手袋も急いで嵌めた。

「さすが団長っすね!手袋が凄い似合ってますよ」

五十嵐はなぜかスマホをテーブルに立てていた。

しかしそんなことよりも、今はこの自らの手袋に包まれた手がいやらし過ぎてそれを気にしている場合ではない。

無意識に俺は手を自らのチンポへと伸ばしていた。

「団長、もし自分で触ったら、もう俺は何もしてあげませんよ?」

俺に広げた手を見せつけながら五十嵐が言う。

その言葉に俺の手はチンポに届く寸でのところで止まった。

自らの手袋の手も魅力的だが、五十嵐のその手はそんな自らの手などより何倍も魅力だったからだ。

「これでイくまでシゴかれたくないんすか?」

先ほどまで俺のチンポに触れていた五十嵐の白い手。

それをワキワキを動かし、俺を誘惑してくる。

「されてぇ…」

羞恥心など既に興奮でかき消されていた俺の口からは、ただただ自らの欲望が発せられた。

「良い子ですねぇ。じゃあそのままガニ股になって俺の方にチンポを突き出してください」

俺は足に引っ掛かっていたズボンを完全に脱ぎ捨てると、そのチンポを五十嵐の手でもっと触って欲しいという一心で、五十嵐の前でガニ股を披露した。

悲しい程に勃起して我慢汁を床に垂らす俺のチンポ。

みっともない格好をしていると自覚はしているが、それでも五十嵐の手袋の魅力には勝てなかった。

「じゃあそのまま自分の乳首弄りながら、腰振っておねだりしてください」

「っっ!!」

あまりのことに一瞬身体が硬直する。

そんなことできる訳…

「早くしてくださいよ~。ここにチンポ突っ込みたくないんすか?」

五十嵐は手で丁度チンポが入るような筒を作り、それを前後に空中でシゴく動きをする。

「大好きな手袋に包まれて、イくまで手袋でコかれちゃうんすよ?」

「あぁ…あぁ…」

想像しただけで堪らないその光景。

俺は手を自らの乳首へと持っていくと、そのまま自分の手で乳首を摘まみ上げた。

「おぉぉっ♡」

自らの手とは言え、手袋に包まれたいやらしい手だ。

乳首に感じるのは確かな快感。

サラサラのナイロンの指先で擦り、それが気持ち良くて指が止まらない。

「おぉぉおっ♡おぉぉおおっ♡」

「一人で楽しんでないで、さっさと腰振っておねだりしてくださいよ」

勃起した乳首を指で摘まんでコリコリと擦り上げながら、俺は腰をピストンさせ始めた。

そして…

「チンポを手袋でしごいてくれぇえっ♡」

気付いた時には情けない台詞を吐いていた。

「あははははははっ!!!!俺にシごかれたいんすか?」

「五十嵐の手袋の手でチンポシゴかれてぇっ♡」

「あっはっはっはっ!!面白過ぎ。こんな面白い物見せられたらご褒美あげないとっすねぇ」

五十嵐は俺の前後に揺れるチンポを掴むと、そのままグチュグチュと我慢汁を含ませながらシゴき始めた。

「あぁあああっ♡おぉぉおおおおっ♡」

「ほら、このままイくまでシごかれるんすよ?嬉しいっすか?」

「嬉しぃっ♡あぁああっ、嬉しいぃっ♡」

「もっと淫語吐きながら言ってくれたら、もっと気持ち良くしてあげますよ」

片方の空いている手をこちょこちょと動かし、俺の玉に触れるか触れないかの場所で動かす。

「あぁあっ♡手袋ズリコキ気持ぢぃいっ♡もっと、もっと俺にその手で触れてくれぇえっ♡」

「あはははははっ!!ほらっ」

五十嵐は俺の玉をこちょこちょとくすぐりながら、シゴいてる方の手の指を波打たせるように動かした。

玉へのくすぐったいような快感と、チンポへの強い快感。

そして乳首も自ら強く摘まみ、刺激を強める。

「あぁああっ♡きもぢぃっ、手袋好きぃいっ♡」

「団長、今団長は何してるんですか?」

「おぉぉっ♡手袋で乳首擦ってぇ、チンポ手袋でコかれでるぅっ♡あぁああっ♡」

淫語を吐くと自分がされていることを聴覚でも自覚し、身体の興奮は高まり、全身を包む快感が強くなっていく。

「ほんと変態っすね。男の俺の手袋にそんな感じるんすか?」

「あぁああっ♡好きっ♡五十嵐の手袋気持ち良ぃいいっ♡」

チンポを握る手が強くなり、五十嵐に思い切りシゴかれる。

熱い精液がチンポの奥から上ってくるのを感じた。

「あぁああああっ♡イクッ♡五十嵐に手袋でコかれてイくぅうっ♡」

「ははははっ!!良いっすよ~。手袋にいっぱい出してください」

「お"ぉ"お"お"っ♡出すっ♡手袋に出ちゃうっ♡」

ズリズリと手袋がチンポを這い、自らの手で乳首をこねくり回し、快感の頂点に達する。

「あぁあああっ♡手袋イきするっ♡気持ぢぃっ♡手袋気持ぢぃいっ♡あぁっ、あぁあああああああっ!!♡」

全身が震え、俺はチンポから精液を思い切り吐き出した。

「おぉぉおっ♡おおぉぉおおおっ♡」

手袋で興奮の頂点に達しての射精は、オナニーとは比べ物にならない程に快感が強かった。

寸でのところで手袋で亀頭を包まれ、五十嵐の手の中に大量の精液が溜まっていく。

「あぁっ、手袋ん中にすっげぇ量出てますよ」

それを嬉しそうに五十嵐は受け止めていた。

「おぉぉっ♡んひぃあっ♡」

射精したと言うのに、まだ興奮が治まらない身体。

そしてチンポも依然として勃起したままだった。

「手袋が団長の精液でぐっちゃぐちゃですよ。このままシゴいたら…」

グチュッグチュッと音を立て、再び俺のチンポをシゴき始める五十嵐。

「あぁあああっ♡すっげ、ヌルグチャ手袋すっげぇえ♡」

射精の余韻など感じる暇なく訪れる興奮と快感。

俺は五十嵐の手の動きに合わせるように自ら腰を振った。

「イッたばかりなのに凄いっすね。手袋でされたら何回でもイけちゃうんすか?」

「あぁああっ♡手袋でもっと、もっとシゴいてくれぇえっ♡」

もはや理性など無かった。

ただただ五十嵐に与えられる快感と、手袋のいやらしさを無我夢中で楽しんだ。

「団長が気が済むまで手袋で搾り続けてあげますね」

「おぉぉおおっ♡手袋嬉しいぃいっ♡手袋好きぃぃいっ♡」

俺は狂ったように『手袋』と叫び、ただひたすらに乳首を自ら弄り、腰を振り続けた。


■■■■■■■■■■■■■■■


「はぁ…はぁ…」

ようやく効果が切れたのか、団長は息を切らしながら床に突っ伏していた。

嵌めていた手袋は、三度射精した団長の精液でグチャグチャになっている。

「団長がまさかこんなに手袋フェチの変態だったとは思いませんでしたよ」

白々しく言うが、そうしたのは俺だ。

当の団長は恐らくなんであんな状態になったのか気付いてはいないだろうが…

今の射精後の冷静な頭で考えて、自分が何をしてしまったのか徐々に理解していき、顔が絶望に染まっていく団長。

「ち、違っ…俺は…」

「見てくださいよ。手袋が団長の精子でグチョグチョになってます」

まだ嵌めている団長の液が大量についた手袋を、見せつけるように動かす。

「男にされてんのにあんなに感じるって…彼女が知ったらどう思うんでしょうね」

「ち、違う!!さっきはなんか身体が変で…」

「そんな言い訳通じると思います?ほら」

俺は手袋を脱いで立てていたスマホを手に持ち、さっきから撮影していた団長の動画を再生した。

動画内でチンポを勃起させながら淫語を吐いて、手袋に感じる団長の姿がはっきりと映っている。

「こんな姿晒しておいて、身体が変だったって」

「お前っ、撮影なんてっ…!!違う!!なんかさっきは異様に手袋に興奮しちまって…今はなんともねぇんだよ。ほら、手袋なんて別になんとも思わねぇ」

「はいはい。もう良いですよ団長」

俺はスマホの画面を閉じながら顔を伏せ、笑いそうになってしまったのを堪えて言った。

「そ、その動画、消してくれるよな?」

不安そうな声で俺に聞いてくる団長。

あぁ…そんなでかい身体してるのに怯えた顔して…

俺の嗜虐心に益々火が付くのを感じた。

「団長、動画の長さは全部で30分程あるんすけど…」

「それがどうした」

「俺の言うことを聞く度に30秒分消してあげます。つまり、60回言うことを聞いてくれれば全部消えるって訳です」

「はっ!?」

俺のことを若干怒りを含んだ顔で見る団長。

身体を構え、俺に飛びかかろうとしてるのを察した。

「言っておきますけど、俺のスマホ奪っても無駄っすからね。もうサーバーに上げてるんで、このスマホ壊されてもデータは残ります」

「なっ!!」

当然だ。こんな状況を想定してないはずがない。

「で、団長。どうします?早くしないと、団長の彼女にこの動画送っちゃいますよ?」

明らかに俺を敵意のある目で見てくる団長に、俺は内心ゾワゾワしていた。

こんな団長を、俺はこれからじっくり時間を掛けて調教できるかもしれない…

そう考えただけで、俺のチンポは段々と熱く硬くなっていった。

「お前は…俺に何を頼むつもりなんだ…」

「さぁ…けど団長。団長にとって、この動画が出回るよりも悪いことなんてないじゃないですか」

「……」

団長は苦虫を嚙み潰したような顔で、精液に濡れたテーブルの上の手袋を見る。

そして…

「……分かった…」

そう静かに言った。


END

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