幻想万華鏡18話・セル③ (Pixiv Fanbox)
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制作中の幻想万華鏡18話から、以前お見せした魔理沙のカットもセルの状態になっているのでお見せします。
これも元の原画と見比べると面白いかもしれません。
全体的に赤いですね。
赤い光源の下なのか、いわゆるアブノーマル(イメージとかの表現)的なかんじでしょうか。
あと、下の方に線がはみだしているのが気になる人もいるかもしれませんが、これは画面に映らないのでこうなってます。
実際に映る範囲よりも少し大きめに作るんですよ。
つまりこのセル(ペイントデータ)の状態だと、映像になったときには見えないところが見えていてお得!というかんじですね。
坊主頭の絵ですが、これは別セルで髪のなびきが描かれているからです。
下の方ににあります。
驚きの表情のようですね。
なにか大きなショックを受けているようです。
魔理沙のこういう表情は初めてですね。
振りかぶって、
叫びながら指をさす。
これも坊主頭になっているのは、髪のなびきが別セルで描かれてるからです。
これがその別セル。
よく見ると、魔理沙の眉毛やまつ毛の部分が白く抜けているのがわかりますね。
これ、アニメやマンガでよくある問題なのですが、
「髪に隠れている目や眉毛をどうするか」
物理法則に従えば見えないのが正しいのかもしれませんが、それだとキャラの表情が見せられない。
幻想万華鏡では基本的には「目・眉は髪に透ける」というルールで描かれています。
(髪がすごくなびくカットとか、意図して目を隠したい時は透けないようにしてることもあります)
絵ですからね。
物理的な正しさよりも、表現したいものがちゃんと受け手に伝わるほうが大事なのです。
これは指差した時のなびきですね。
口パクのセルもお見せします。
なんだかよくわからないかもしれませんが、口と、口の周りの肌が塗られています。
なんでかというと、このセルの下には別の形の口が描かれているので、隠すためにまわりも大きく塗っているのです。
かなりの枚数ですね。
こうやって複数のセルを組み合わせてアニメの絵が作られているのです。
(本当は涙の色のセルとかもあるのですが、枚数が多くなりすぎるので省略しました)
アニメで創作画枚数とかセル枚数とか言われる時は、このセルの枚数を指すのが普通です。
秒間最高24コマとは言っても、このようにセル重ねが増えていくと、枚数は爆発的に増えていくわけです。
アニメの絵作りは、単に絵をかくだけではなくて、こういったセルの組み合わせも設計する必要があるんですねえ。
そしていったいどういうシーンなのか、魔理沙に何が起きているのか、ここが一体どこなのか、謎はますます深まったかんじですね。
では次回もお楽しみに。