Home Artists Posts Import Register

Content

・2023/04/20


冨田勲さんのMOOG話、肉声が残ってるって大事ですね。

丁度冨田さんが40代前後のお話と言うのがとても共感できます。

当時価格で1000万円、税関で止められて一悶着あったり、やっとこ家に持ち帰って説明書読んでも思うように音が作れずにノイローゼになりかかったなど凄く面白い。


SF作家の小松左京さんとの対話のくだりはすごくためになります。

SFを書く時に必要なのは「人間社会の常識や、自然科学に対する様々な知識」であり、突拍子がない物語(支離滅裂は論外ですが、ああこう言う事かと感覚を重ねる事のできないもの)は、誰も読まない。

「常識からちょっと外れた所に良さがある」と言う言葉は金言だと思う。


例えばスターウォーズでも、R2D2のあの可愛らしいピコピコ音は人間の発声の抑揚をヒントに作られています。

それにコミカルな動きが合わさる事で、あの箱ロボットに人間は個性を見い出し愛着が湧くわけです。

設定がドロイドであっても、それを視聴者に「キャラ」として認識させる「演出」に制作側の人間観察能力や人間くささ、芝居演出の手腕が必要になっているわけです。

スターウォーズそのものが「宇宙を舞台にした親子喧嘩」と言う、人間的に感覚を重ねられる分かりやすさも大事。


音も同じで、シンセは色んな音が出せるけど「突拍子もない音は人間の耳にはほとんどが雑音」であり、「人間の耳で聴いた時に、常識(その時代の流行とも取れる)からちょっと外れた所に新鮮さがある」って言うのは凄く理解できる。


人間が電気の音をコントロールして、そこに気持ちよさやノスタルジーを込められるのは、昔聴いた楽器だったり口笛だったり雷だったり、列車が轍を超える音や物体がぶつかり合う音、動物の鳴き声だったりと言う、耳が捉えた自然界の音の記憶の断片があるからだと思う。


小松先生との対話後、冨田さんがMOOGで色んな楽器や自然界の音を真似る「シンセで音のスケッチ・デッサンをした」というお話は、これこそ何か作る時の大事な経験値だと唸ります。

まず優れたお手本を模倣してみないと引き出しも増えないし、外し方もわからない。


芸人のコロッケ氏が、美空ひばりさんのモノマネをする中で、ひばりさんの所作の中に日本舞踊を見出した点もこれに重なります。

旧来の型を踏襲しながら、そこから新しいものに発展させる、守破離の考え方にも近いと言えます。


何かに取り組んでいる時、今目指しているゴールに行く事には直接役に立たないけど、いつか他のゴールを目指す時にクリティカルに使える技術を会得している事が少なくないです。

「遠回りが1番の近道」と言われる所以の1つはこの点。

大小様々ないろんな山を登るうちに登山用具・テクニック・体力・天候の見極めなど、ギアと心技体のハードウェアとソフトウェア両面が揃って、難しい高山雪山登山が可能になる感じ。


常識からちょっと外れた所にある新鮮さ(自分のノスタルジーをベースに、色々見飽きた自分でも新鮮で面白いと思えるモノや音)は、自分で探して気が付かないといけない。

それを時代ごとに的確に見つけだし、引き寄せるために、基礎になるスケッチ・デッサンが必要なのは絵も音楽も似ています。


例えば今のキャライラストで言うと、ソシャゲなどで主流のシンプルフェイスのキャラは表情の幅が狭く、常に発情してるような表情で見る側に劣情を催すため、キャラクターが出来る演技やドラマが限られてしまうという弱点があります(同人時代のキャラの強みであり弱みというか、エロいシチュ以外はお話が作りにくい顔の造形。自分のキャラはまさにこれと同系統にあります)

特に最近は顔のタイプが収斂して、作品違うのにみんな似たような顔つきになってしまっているため、新鮮さが薄くなっている。

この顔が今の時代の標準、いわば文化的な「常識」になり、そこからちょっと外れたものに新鮮があるように思う。


対して80年代後半から90年代のキャラは漫画・アニメで動かす事を前提に表情含めキャラデザされているため、非常に演技の幅が広い。

個人的にキャラデザにおける「2020年代の常識からちょっと外れた所にある新鮮さ」は、80〜90年代のもの凄く作画の上手いアニメ、セーラームーンやジャイアントロボなどのOVA作品、昔の少女漫画表現に答えがあると思っています。

ラングリッサーのうるし原先生や、ロードス島の結城信輝先生、ドラゴンスレイヤーの田中久仁彦先生、バブルガムクライシスの園田先生はじめ、80〜90年代は手描きで誤魔化しが効かなかった上に、セル塗りやアクリルガッシュなど個性溢れるそれぞれの手法で、骨太でエッジの効いた表現をされていた方々のキャラクターの造形がそれにあたると思っています。


アニメ漫画ゲームをずっと触れてきた今の40歳以上の日本人には新鮮味が薄いけど、ほんのちょっと手を加えるだけでノスタルジーを含んで現代にも通用するし、今のキャラ絵しか知らない人にも響くと思う。

一部海外の方で我が道を行くという感じで、80〜90年代の日本アニメの絵柄をひたすら追求してる方々をちらほら見かけますが、もう気づき始めてる人は世界に居る印象があります。


自分の場合、キャラの顔の造形はメカと女の子を馴染ませるため、極力プレーンにしてきた結果のものなのですが、もう少し80〜90年代のタッチを取り入れたいなぁと常々思っています。

エッチさももちろん大事なんですけど、華やかさと凛とした感じと生き生きとした勢いと演技の幅が80〜90年代の絵にはあって、それが羨ましい。


演奏が上手くなるコツの1つは「恋人や親に聴かせるような気持ちで」って言われたりしますが、何事も人間相手にやってるって事を忘れちゃダメなんですね。

「ピーターラビット」も、最初は1人の男の子に向けた絵手紙から始まりました。


「自分が褒められたい」事が目的ではなく、「相手に楽しんでもらおう」とするのが娯楽の本質。


映像も音楽も、人間のための娯楽であり、作るのも人間、見て楽しむのも人間。

宇宙人やロボットに対して作ってるわけでじゃない。

後半は手塚治虫先生の話が出てきて面白いです。

「深夜電話がかかってきたりして、あれ迷惑でね〜(笑)」

色々あったんだなぁと、人間が歴史を作ってる感がたまりませんw



話変わって、FFピクセルリマスター買いました。

そもそも昔のテレビはブラウン管で今と表示方法も違うし、モニターが曲面だったと言うこともあり、平面の現在のモニターで当時を再現するのはまず無理。

なので新旧細部を比べる事自体が不毛。

ただただSwitchでプレイできて万歳という気持ち。


とりあえずFF5をやってるのですが、レナのドットがとても可愛いのでコレだけでも買ってよかったというチョロい消費者になっています。フヒヒ♡

ドットとSDキャラからしか得られないトキメキは昔のスパロボにも通じる魅力です。


画面も精細なドットと昔のアナログっぽい処理したものが選べて、音楽もアレンジとオリジナルを切り替えられるのがGOOD(ただ、流れで突入するイベントシーン中は音の切り替えができないので、アレンジ流しててここはオリジナルで聴きたかったな・・と言う事もたまにあるのが玉に瑕)


フィールドを斜めに移動できるだけでこんなにプレイにストレス無いのかと思いました。

ブースト機能でギルや経験値の獲得割合を変えたりできるので、レベル上げにくくしてじっくりやりたい人、サクッと進めたい人と自分に合わせて調整できるのもいい感じ。


アレンジ音楽もカッコイイだけの壮大フルオーケストラ感はなく、雰囲気大事にしたかつてのFFの生楽器アレンジCDを彷彿とさせるもので良かった。


文字も当時のドット風の文字を選択できるので、安い海外ローカライズゲーというかエミュレーターでアプリゲームやってる感が薄れて良いです。

こう言う文字周りってホント大事。文字もロゴもキャラクターですからね・・


後はSwitchのテレビとケータイ機の画面切り替え、これがとても素晴らしい。

まさに小学生の頃夢見たゲームのスタイル。

昔は一家に一台のテレビを占有するし、RPGって時間かかるしで、携帯ゲームは相性ばっちり。

最近微妙に小さい文字を見るのがキツくなってきたので、テレビの大画面に切り替えられるのは非常に需要にあっています(笑

まさに自分たちのような中年オッサン接待ゲー!

Switch版買って大正解でした。


サムネでFF1〜6を並べたくて単作買いしようか悩んだんですが、全作コンプリートタイトルを買っても結局単作サムネで並びます

聖剣伝説コレクションみたいに、「統合された画面から遊ぶタイトルを選ぶ方式じゃない」ので、全作遊ぶ予定の方はコンプリートタイトル買いがお得。

単作で1つ1つ買わずに良かった・・・


サウンドモードがあってオリジナルとアレンジを聴けるのも嬉しい♡




・2023/04/16


FF1〜6のピクセルリマスターがSwitchに4月20日に来るので楽しみにしています。

PS VITAや3DSでもFFの旧作は買ってたんですが、VITAは PS版の移植(ムービー有りで各所に読み込みがある)、3DSは旧作に忠実ながら画面が小さかったりと、今までどれもイマイチ決定版にならなかった。


今回はオリジナル製作陣の監修でドットも音楽もいい感じに調整されて、大画面のSwitchに保存しておけるので、SFCに夢中になった世代に向けてのFFメモリアル商法(笑)に乗った最後の思い出として買うつもりです。

オリジナル製作陣の方々もお年を召されたし、自分ももうオッサンになりました。



・2023/04/12

3月もありがとうございました!

最近ちょっと色々考えてしまって手が止まっていました。

1つはデジタルで売っていく事の今後。

1つは昨今のAIの進化とイラストAIを取り巻く状況。


どちらも答えが出ないので考えてもしょうがないんですけど、考え始めると虚無感が募って、他のことも重なってちょっと一定ラインを超えてしまった。


30代のうちは「やるしかない!作るしかない!」と色々燃えられたんですが、40歳の誕生日は思ってた以上に重く、あと20年経ったら自分ももう定年の歳になってしまうのか、今子供が作れたとしても、子供が成人する頃には60歳なのかという事実に言いようの無い虚無感に包まれ、デジタル販売した成人同人作品の売れ行きも恥ずかしながら予想をかなり下回るものだった事もあり、今年から始まるインボイスなどこの先自分の稼業への不安で割と精神的にへばっていたのがここ数日でした。

「情けねぇ〜」と自分自身で思いつつ、ウソでも明るい未来が描けないと人間弱いもんです。


最近やっと持ち直してきました。

情報入れない、家事する、日中に外に出て太陽の光浴びて歩く、描く。

結局これが持ち直しの最短ルート。

頭で考えるのはある程度で止めて動物に戻るというか、犬が散歩するように外に出て歩くのが1番。



今回のブルマ漫画でネタにした「風呂敷」

ビニール袋が有料化してからエコバッグなどが出てきたんですが、嵩張るし食材によっては汁が出たり汚れやすい。

持ち運ぶ袋そのものの洗濯も必要になる。

総合的に「風呂敷」が最も利便性が高いと言う所に行きつきました。


人工衛星に使われている技術にも「ミウラ折り」という折り紙の技術があります。




畳めばコンパクト、広げれば大きな面積、そして立体的にモノを包むこともできる。

ガンダムF91において、親子の「あやとり」が物語上重要な意味を持つシーンがありますが、手で覚えたものって一生モノで、とても実用性があります


この風呂敷も、代替品がわんさかある現代生活では目新しさのない枯れた技術ですが、使わないときはここまでコンパクトにできて、結び方さえ知っていれば予想以上にモノを入れて運ぶ事ができる利便性はいまだに見直すべき点、活用できるシーンが多々あります。


特に「結ぶ事」は3次元パズルのように目と脳で空間座標を覚える高度な技術で、昨今の何でもかんでも情報処理が平面のタッチパネル化していく時代にあって、人間の脳の立体的な空間認識能力をフルに使う技術の1つ。


シンセ使っていても、物理ノブでアクセス出来るパラメーターが多いほど直感的な利便性があり、慣れるとどこを回せばどんな変化が起こるか空間座標で認識操作できる。

究極、目を瞑ってもどこに何があるのかを空間座標で認識し、腕を伸ばす場所と指の感覚で思った操作できるのが物理的に存在するものの強み。

画面を確認しないと物事が始まらないタッチパネルには、人間の優れたこの感覚が使えない。


バイクのトップケースの中の荷物パッキングにも風呂敷は使えるし、デジタルまみれの現代において「風呂敷さえあれば、とりあえず物理的な荷運びは大概なんとかなる」と言う謎の安心感は、日常生活において不思議な潤いを与えてくれます♡


と昔の技術を讃えつつ、電子レンジでさつまいもをチンして調理する現代っ子。

栄養たっぷりのさつまいも食べて4月も頑張ります♡

なんか最近一気に気温が上がってきました。

皆さんも温度差に気をつけてお過ごしください♡

Files

Comments

Anonymous

お仕事お疲れ様です。3月もお疲れ様で御座いました!新たな門出の4月に入りましたが、暑い日が続いたり急に肌寒くなったりと不安定な状態です。rondo bell先生もお身体にお気をつけてお過ごし下さいませ!

rondobell

ありがとうございます! ウィルス禍が日常化した事による経済的ダメージに加え、今度はインボイスや宣伝目的で使用しているTwitterのシャドウバン等の仕様変更、その上急速に始まったAI化で、個人でやって行くには一気に厳しい時代になってしまい、まったく先が予想できずにちょっと気持ちがフワフワしておりました。 AIに何か明確な規制ができればいいのですが、まったく対策の無い現状は、ある意味今のウィルス禍よりも個人的には遥かに脅威を感じています。 早急にAIに対しては明確な著作権対策がほしい所なのですが、いやはやどうなる事やら・・ そんな状況でもう4月も半ばかと思うと冷や汗が出ます。 お互い体に気をつけて参りましょう!

あーりえ

いつもお疲れ様です。 売れ行きは少々残念でしたが、自分はしっかり楽しませていただきました。素敵な作品をありがとうございます。 新年度になりましたが、本年度は素晴らしい一年になれるとよいですね……!

rondobell

ありがとうございます! お買い上げありがとうございます、喜んで頂けてとても嬉しいです♡作って良かったです。 なんか最近メモノートでは弱気な事を書いちゃってお目汚しすみませんです。 AIやTwitterの仕様などは、おそらくすべての絵描きさんが直面してる不条理だと思うので、色々考えてしまうのは自分だけじゃないと頭切り替えてやれる事をやってかないといけません。 新年度、お互い体に気をつけて参りましょう!