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間が空いてしまいましたが、ヒトミ先生の保健室ができるまでの話です。


前回: https://shakekoujou.fanbox.cc/posts/6725673


とりあえず単眼娘を主役に読み切り1本描こうと思いまして。

初期設定は病院の単眼女医「茉奈子(まなこ)先生」とナースの樹くん、診察に訪れる患者の女の子が「設楽さん」となってますが………

もうだいたい連載第1話のベースができてますね。


この頃は紙にネームを描いてたので、文字が手書きで読みにくくてすみません!

(2013年1月10日製作)




















ちなみに、シナリオはこんな感じで書いていました。

シナリオ段階で樹くんが犬彦になってますし、設楽さんが女子大生になってました。


(シナリオを読まずに次回へ進む場合はこちら→https://shakekoujou.fanbox.cc/posts/7150699)



*********


キャラ:

・茉奈子先生 形成外科の単眼女医

・犬彦君 助手のナース(性別不明)

・設楽さん 舌長い女子大生


あらすじ:

単眼女医茉奈子先生の診察室に舌が長い女子が相談に来て、コンプレックスの克服を図る。





とある病院


診察室に設楽さんと茉奈子先生


茉奈子「それで設楽さん

    どのようなことでお悩みでしょうか」

うつむき、茉奈子の顔を見上げる

設楽「えっと…その…

   今更ですけど…

   私の悩みなんて小さくて

   恥ずかしいって言うか…」


茉奈子「体の悩みに

    大きい小さいは関係ありませんよ

    どんなことでも遠慮なくご相談下さい」

茉奈子の目は一つしか無い


設楽(単眼の人を実際に見るの初めて…

   こんな大きな瞳で見つめられたら

   なんだか隠し事もできない気がする)

犬彦「茉奈子先生近すぎですよ」

茉奈子「あっ ごめんなさいッ

    私、単眼だから

    立体視できなくて

    距離感を掴むのが苦手で…」

犬彦「3日に1回は壁にぶつかってますよね」

設楽(それは距離感云々というより

   ただのドジっ子じゃ…)

茉奈子「人間の大きさはね

    どれだけの壁にぶつかって

    乗り越えるかで決まるのよ」どやっ

犬彦「物理的な壁の話じゃないですよね」



設楽「わ、私、人より舌が長くて…」

茉奈子「なるほど

    設楽さんと同じように

    舌が短かったり長かったりして

    悩んでる方は多いんですよ

    よく舌を噛んだり

    喋りづらかったりしますか?」

設楽「それは大丈夫なんですけど…」

犬彦「先生は普通に喋ってて

   よく舌噛みますよね」

茉奈子「犬彦君ッ 余計に゛ゃこ…」ガリッ

口を抑えてぷるぷる震える茉奈子

犬彦「期待に応える人だなあ」

設楽「…」


犬彦「でも舌が長い人って

   キスが上手って言いますよね」

設楽「えっ…いや…」

犬彦「…あ、失礼しました

   舌が長い人って

   エロいって言いますよね」

設楽「なんで言い直したんですか!?」

犬彦「サクランボの枝とか舌で

   蝶結びもできるんじゃないですか」

設楽「さすがに蝶結びは無理ですよ

   もうちょっと長いものじゃないと」

茉奈子(長かったらできるの!?)


設楽「その…ええと、逆っていうか…

   舌が長すぎるから気になって

   気持ち悪いって思われたら

   どうしようかと…」

犬彦「ああ逆に

   ベロチューはできないと」

茉奈子「えほッ」

設楽「ベロ…?

   あ…いや…ハイ…


   …それにお酒が回ってしまった

   時とか…だらしなく出ちゃって

   

   恥ずかしくて…」



茉奈子「そええは おえくあいああいあ

    うぃへへふははい」モゴモゴ

犬彦「(訳)ベロ出してみて下さい」

設楽さんがべっと舌を出す

犬彦「そんなに長くないんじゃないですか?」

茉奈子「………

    とりあえず計ってみましょう」

手袋をはめ舌をつまむ茉奈子

少し引っ張りますねと言って後ろに下がりながら伸ばす

ズルズルと伸びる


茉奈子「えっ

    これどれくらい長いの

    距離感がつかめなくて

    わからないんだけど」

犬彦「口外から283センチです」

茉奈子「長っ」

思わず手を離すとびゅるっと巻き戻って

設楽さんの顔にぺちっと当たる

犬彦(掃除機のコードか)


設楽「…ここまで長いと

   自分でも引きます」

茉奈子「………」

犬彦(確かにあの長さで舌を入れたら

   肛門から出てきそうだ)

設楽「こんなカエルみたいな舌

   もうイヤです!

   親も兄弟も普通の舌なのに

   どうして私だけこんな…」

ポロポロ泣き出す

   

設楽「お願いします先生

   舌を切って短くして下さい!」

犬彦「落ち着いて下さい

   そんな失恋したから髪を

   バッサリ切って下さいみたいな

   カジュアルな感じで切れませんよね

   ねえ先生」

茉奈子「何年も前のことを

    持ち出さないでー!」

犬彦「いや何も言ってませんけど」


茉奈子「…確かに簡単ではないけど

    できないことじゃないわよ

    目とか腕とかを増やしたり

    する訳じゃないからね」


設楽(目…)

  「先生は…その…失礼ですけど

   その目で悩むことはありますか」

茉奈子「うーん まあ距離感の他にも

    視野が狭くなったり

    眼鏡が特注だったり

    不便なこともあるけど

    生活に困る程ではないわよ」

設楽「…そうですか…

   …でも…あの…」

茉奈子「設楽さんも生活に支障がある

    訳じゃないのね

    むしろ周りから見られてる

    ことで悩んでいる」

設楽「…はい…」


茉奈子「誰にも大なり小なり

    コンプレックスはあるものよ」

設楽「…(それは分かってる)

   (また同じか)」

「そんなこと気にするな」

「悩むだけ時間の無駄」と囁く影


茉奈子「『人と違う体は個性である』

    …なんて言い切れる人は

    強い人間だけよ


    皆が皆そんなに強くはないもの」

設楽「私…」

茉奈子「コンプレックスを抱くのは

    苦しいことだけど

    それはすぐに克服できるものじゃないわ

    

    もちろん医療面で改善できる

    事は手助けしてあげられるけど

    

    まずはコンプレックスを抱く自分を

    嫌いにならないで受け入れてあげて」

設楽「…はい…やってみます!」


設楽「茉奈子先生も…その

   コンプレックスに

   感じることはあるんですか?」

茉奈子「もちろんあるわよ!

    これだけ大きいとやっぱり

    人の視線を気にしたりしちゃうもの

    …もっと胸が小さいほうが良かったわ」

設楽「そっちのほうですか!

   絶対みんな顔のほうに

   目が行くと思うんですけど!」

茉奈子「えっ!やだ!

    また顔に何かついてる!?」

犬彦(この人おでこにご飯粒付けるという

   器用なドジッ子技を持ってるしなあ)



******


またここから連載の形になるまでには色々変更があったのですが、それままた次回に。


前回:https://shakekoujou.fanbox.cc/posts/6725673


次回:https://shakekoujou.fanbox.cc/posts/7150699

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Comments

moto221

UPお疲れ様です! 貴重なネームの公開、ありがとうございます!ベースはほぼこの時点で出来上がっていたんですね〜。こういった裏話を聞くと、さらにヒトミ先生や皆さんが愛おしくなりますね!