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巨人、それはこの世界の支配者の種族である。


小人の方はと言うと、巨人によって完全に支配された種族だった。

小人は巨人によって許可された区域でのみ、安全に暮らすことを許されている。


その小人区域は長く安定した運営により、巨人の身長にも引けを取らない高層ビルが立ち並ぶほど発展していた。

ただ、こうした状況では、いつの間にか小人が兵器などを密造して武力蜂起してくる危険が生まれる。


しかし、その区域を所有する巨人はある策を講じていた。


それが、管理人の配備である。

巨人がいない小人区域に、管理人として例外的に巨人を配置するのだ。


これにより、小人が巨人に怯えず自由に暮らせる区域としつつも、小人たちが支配される種であることを忘れさせることはない。

管理人は支配のシンボルとしてだけでなく、小人を密猟に来る侵入者の巨人を撃退するなど、巨人にしかできない業務も遂行するため、ヒーロー的な側面も併せ持っている。


管理人が小人区域においてどのような扱われ方をしているかは、その管理人の人柄に大きく左右される。


この区域の管理人の一人に青原ソウトという男がいる。

自らを小人区域の警察署の署員と位置づけて業務にあたっていた。






巨人である彼は当然、この小人区域において絶対的な権力を持っている。

しかし、先輩には敬語を使い、後輩には世話を焼き、善良な市民には優しく接するようにしていた。

彼にとって、強権を振るって小人を怖がらせるのは短期的には楽しくても、長期的には退屈してしまうからだ。


そんなソウトの、巨人としては珍しい接し方に、最初は恐る恐るだった先輩署員も、徐々に後輩に対するかのように接するようになっていった。

小人たちの方も、圧倒的な支配者である巨人が自分たちの仲間として友好的に接してくることに、猛獣を手なづけたような得も言われぬ快感を覚えていたのだ。





巨人が優しく接することで、小人が安心して対等に接してくる。

単に小人をペットとして飼っていたのでは味わえないその状況を、ソウトは楽しんでいた。


しかし、とはいえ…



ソウトが優しいからって、あまりに調子にのると



巨人らしくないソウトの、巨人らしい一面を目の当たりにすることになる。

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Comments

ichiya

小説の世界観含めとっても好きです……!! ソウトの立ち位置がいいですね!絶対的な権力があるのに対等のようにふるまうのが最高です… 屋上らしきところで先輩から注意されているところの胸がはだけてるシーンと最後に吊り下げてる署員を口の中に降ろしちゃうとこ特に好きです…いくらソウトが優しいからと言って調子に乗ってるとこうなっちゃうんですね…