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とある大学生カップルー。


二人は、同居しながら大学に通っている仲良しカップルだー。


「ーはぁ~…まさか急に呼び出されるとは思わなかったなぁ」

彼氏の関谷 治樹(せきや はるき)が、苦笑いしながら、

そう言葉を口にするー。


そんな治樹に対して、

「ーー大丈夫?あまり無理しないでねー」

と、心配そうに声をかけるのは、

彼女の永坂 瑠香(ながさか るか)ー


今日は二人でのんびり過ごすつもりだったのだが、

治樹のバイト先で、急に休んだバイトがいたため、

急遽治樹がバイト先から呼び出されて

ドタバタしている最中だったー。


「ーごめんなー。急にこんな風になってー」

治樹がそう言うと、瑠香は首を横に振りながら

「ーーううんー。全然ー。仕方ないよ」と、笑うー。


二人は、小さい頃からお互いのことを良く知る幼馴染同士で、

お互い、家族ぐるみの付き合いがあったー。

そのため、大学生になった後、互いの両親の勧めもあって

トントン拍子にこうして同居することになって、今に至るー。


二人とも、大学卒業後には結婚するつもりでいてー、

誰もが、二人の絆に亀裂が入ることなどない、と、

そう思うほどに仲良しなカップルだったー。


「ーー遅くなったら、先に寝てていいからー」

治樹の言葉に、瑠香は「うん」と、頷くと

「頑張って!」と、優しくそう言葉を口にしたー。


「いってきますー」

治樹は、そう言葉を口にしながら家を出るとー、

”はぁ~今日は杉下(すぎした)くんの日だから

 嫌な予感はしていたけどなー”

と、心の中で呟くー。


急に休んだバイトはー、

杉下 貞夫(すぎした さだお)という名前の、

現在、高3のバイトだー。

いつもやる気がなく、一緒にシフトに入ることが多い

治樹はよく、注意をしているものの

一向に態度が改善される様子もなくー、

しかも、今日みたいに急に休んだりすることも多く、

その都度、店長からも指摘されているー。


そんな、問題児だー。


「ーーま、でも、大学に進学すればバイトも辞めるかもしれないしー

 もう少しの辛抱だなー」

治樹はそんなことを思いながら、

気持ちを入れ替えてバイト先に向かって歩き出したー。


がーー…

「ーーーーーー」

その物陰から、男が笑みを浮かべながら

その様子を見つめていたー。


そしてーーー

治樹の姿が見えなくなると、男は

ゆっくりと治樹と瑠香が暮らす家に向かって歩いていくー。


♪~~~


インターホンを鳴らす男ー。


”はいー”

中から瑠香がそう返事をすると、

男は、ダンボール箱を手にしながら

「関谷 治樹さん宛てにお荷物ですー」と、

そんな言葉を口にしたー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ーー悪いねー…急に呼び出すことになっちゃってー」

バイト先に到着すると、

店長が申し訳なさそうにそう言葉を口にしたー。


「いえー…杉下くんからは何か連絡はあったんですか?」

治樹が準備をしながら聞くと、店長は「いやぁ、それがー」と、

苦笑いしながら、

「今日はついに、何の連絡もなくてさー」と、困惑の表情を浮かべたー。


バイトの時間になっても、連絡がないままの状態が続いており、

LINEも電話も無反応だというのだー。


「ーーーあ~~…ついにアレですかねー…

 急に来なくなったって感じのー」

治樹がそう言うと、店長は「まだ分からないけどー」とした上で

「もし杉下くんが辞めるなら、新しいバイトを補充しないとなー」と、

そんな言葉を口にしたー。


「ーー…今度はちゃんとしたバイトだといいですけどねー」

治樹が苦笑いしながら言うと、

店長は「ははーそうだねー」と、静かに頷いたー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ーーな、な、なんですか一体ー!?」


一方ー、

治樹の家では、彼女の瑠香が困惑した様子で

声を上げていたー。


「ーークククー

 僕さ、君の彼氏のバイト先の後輩なんだー」


お届け物と偽り、玄関の扉を開けさせて

中に入り込んできた男ー

彼はー、治樹のバイト先の後輩ー

ちょうど今日、”無断欠勤”をした杉下 貞夫だったー。


「ーーけ、警察を呼びますよ!?」

瑠香が声を上げるー。


治樹のバイト先の後輩であろうと、

急に家の中に入り込んでくるなんて普通じゃないーー。

そう思った瑠香は後ずさりしながら、貞夫に対して

そう言葉を口にしたー。


「ーーークククー

 やっぱ、関谷さんと同じだー」

貞夫はそう言うと、

ニヤリと笑みを浮かべながら、瑠香の方を見つめたー


「ーやっぱ、ムカつくなぁー」

とー。


貞夫は、バイト先で度々問題を起こしー、

その都度、治樹に注意されていたー。

治樹の注意の仕方は、別に強く言いすぎているわけでもなく、

嫌味っぽく言うわけでもなくー、

バイト先の先輩として当たり前のようなことを

言っているだけだったもののー、

貞夫は、そんな治樹を逆怨みしていたー。


そして今日ー、

他のバイトスタッフのシフトや予定などから計算した上で、

”自分が休めば治樹が呼び出される”と、判断ー

”わざと”バイトを無断欠勤しー、

こうして、治樹の家に乗り込んだー


「ーーーーー」

瑠香は”話が通じない”と、判断して慌ててスマホを手にするー。


警察に通報しようとする瑠香ー。

しかし、貞夫はそんな瑠香の方に迫ると、

笑みを浮かべながら呟いたー。


「ー僕が、お前になってー、

 関谷さんに苦しみを味合わせてやるー」

とー。


「ーー!?」

瑠香は身の危険を感じて、警察に電話を掛けながら

貞夫から離れようとしたー。


だがーーー


ぷすっ、と、イヤな感触がするとー、

急に身体から力が抜け始めたー。


「ーーえ…?」

瑠香が表情を歪めるー。


貞夫の手には、注射器のようなものが握られているー。


「ーお前は、僕の服になるんだー

 怖くなんてないよ」

貞夫はニヤニヤしながら、そう言葉を口にするー。


瑠香は、恐怖に満ちた表情を浮かべながら

「は…治樹ー…」と、苦しそうに言葉を口にすると、

そのまま”洋服”のように、ペラペラになって床に崩れ落ちたー。


そんな瑠香を見て、貞夫は笑みを浮かべると、

その瑠香を、まるで洋服を着るかのように着始めるー。


”もしもしー?どうしましたー?”

ふと、瑠香が持っていたスマホが、既に警察に繋がっていることに気付き、

”瑠香”を着て、瑠香を乗っ取った貞夫は

笑みを浮かべたー


「ーすみませんー間違えましたー」

とー、そう”瑠香の声”で呟きながらー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ーーーお疲れ様でした~!」


ようやくバイトを終えた治樹は、

スマホを確認すると、

瑠香からメッセージが届いていることに気付いたー。


”治樹に見せたいものがあるのー

 真っすぐ帰って来てねー”


とー。


「ーーー見せたいもの?ははー何だろうな?」

そんなことを呟きながら治樹は

”今終わったよー”と、返事を送ると、

そのまま家に向かって歩き出すー。


”見せたいもの”とは何だろうかー。

別に今日は誕生日でもないし、何の記念日でもないー。

何を見せられるのだろうと、少しドキドキしながら

ようやく家にたどり着くと、鍵を開けてその中へと入っていくー。


「ーーーただいまーー」

家の中に向かって、治樹がそんな言葉を口にするー。


がー、返事はないー。


「ーー瑠香?」

多少、時間が遅くなってしまったこともあり、

”もう寝ちゃったかな?”と思いながら

それ以上、呼びかけることなく、中へと入っていくー。


すると、その先には、背を向けた状態で

イスに座っている瑠香の姿があったー。


「ーーーおかえり」

瑠香がそう言葉を口にするー。


一瞬、既に寝ているのかと思っていた治樹は

少し驚いた様子で「あ、起きてたんだー。ただいまー」と、

そう言葉を口にすると、

瑠香はクスクスと笑いながら、イスから立ち上がって

治樹の方を振り向いたー。


「ーー見せたいものってー?」

瑠香の雰囲気が少しいつもと違うような気がして、

少し戸惑いながら治樹がそう言葉を口にすると、

瑠香は突然、堪え切れないという様子で

笑い声をあげ始めたー。


「ーーふふー…ふふふふー…ふふふふふふふっー」


突然笑いだした瑠香を前に治樹は

少し苦笑いしながら

「ーーえ?え??急にどうしたんだよー?」と、冗談めいた口調で言うー。


すると、瑠香は

「ごめんーふふふーーははは…ーー

 これから、”お前”がどんな顔するかー、

 想像しただけでーー クククーーー

 笑いが堪えられなくってぇ… くくくくくっ」

と、反笑いで言葉を口にするー。


「ーーる、瑠香ー?」

治樹の表情から、笑顔が消えていくー。


瑠香の様子が何だかおかしいー。

それに今、瑠香に”お前”と言われたような気がするー。


瑠香に”お前”と呼ばれたことは今までにないー。

何が起きているのかは全く分からないけれどー、

何か、とてもイヤな予感を感じながら、治樹は瑠香の方を見つめると、

瑠香は「ーー見せたいものー見せてあげるね」と、

ケラケラ笑いながらー、突然、自分の頭に手をかけーーー、


まるで”服”を脱ぐかのように、自分の頭を”脱ぎ”始めたー


「ーーー!?!?!?!?!?」

瑠香の”顔”がまるで”着ぐるみ”のようにめくれていくー。


その光景に、治樹は何が起きたのか理解することができずに

表情を歪めるー。


さらにーーー

”瑠香”がめくれて、その下から出てきたのはーー


今日、治樹が突然バイト先に呼び出される原因を作った

後輩のアルバイトー…貞夫だったー。


瑠香の首から上だけを脱いだ状態で、貞夫が笑うー


「ーくくくくー先輩~~~僕ですよぉ~?」

とー。


「ーーーな…、、な…

 え…す、杉下くんが何でここにー!?」」

治樹が困惑しながら言うと、

「ーー先輩が留守の間にーー先輩の彼女を

 ”皮”にして乗っ取っちゃいましたァ!」

と、貞夫は嬉しそうにそう宣言するー。


「ーーな、なにを言ってるんだー…?

 る、瑠香はどこだー!?」

治樹は、目の前で貞夫が着ている

”ペラペラの瑠香”が、まさか本物だとは思わずー、

”バイト先の後輩が、彼女そっくりの着ぐるみを作った”のだと、

そう解釈して、声を上げるー。


がーーー


「ーいるじゃないですかぁ…ここに」

首から下を着たままの状態で、瑠香を指差す貞夫ー。


「ーーど…どういう意味だー…?」

治樹の表情がさらに険しくなっていくー。


「言葉の通りですよォ~?

 このペラペラな着ぐるみみたいになっちゃってるのがー、

 ーーー先輩ー…

 いいや、お前の彼女だって言ってんだよ」


貞夫が後輩としての”振る舞い”を捨てて

そう言い放つと、瑠香の”頭”を着て、笑みを浮かべるー。


「ーすごいでしょ?ふふー

 わたし、”皮”にされて乗っ取られちゃったぁ♡」


狂ったように笑いだす瑠香ー。


瑠香の狂ったような笑い声が部屋の中に響き渡るー。


瑠香のそんな声、聴きたくないー…と、

そう思いながら治樹は「ふ、ふざけるな…!」と、

声を上げると、乗っ取られた瑠香に詰め寄るー。


「ーー瑠香は無事なんだろうなー!?

 る、瑠香を早く元に戻せ!」

治樹が必死にそう声を上げながら、瑠香の腕を掴むー。


「ーーいった~~~い…」

瑠香はわざとらしくそう声を上げると、

治樹は「!」と、ハッとした表情を浮かべながら手を離すー。


「ーー…くくくー

 わたしを助けたい?」

瑠香は挑発的な笑みを浮かべながら言うー。


治樹は「お前っ…!ふ、ふざけるなよ!?いい加減にしろ!」と

声を上げるー。


しかし、瑠香はそれを無視して、壁際にいた治樹に壁ドンをすると、

治樹を睨みつけながら言ったー。


「ー僕はねぇ、いつもいつもお前にうるさい小言を言われて、

 いつもムカついてたんだー

 だから、こうしてお前の一番大事なものを乗っ取ってやったんだよー」


瑠香の睨むような視線ー。


その視線に恐怖すら感じながら、治樹は

「ーーそれは、お前がー!」と、反論するー。


治樹の”注意”は、一般的に見れば決してやりすぎなこともなく、

むしろ、貞夫の振る舞いの方に問題があったー。


しかし、この貞夫はそれを逆怨みしていたー。


「ーわたしを助けたかったらーーー」

瑠香はそう言いながら笑みを浮かべると、

言葉を続けるー。


「ーーー大人しくわたしに尽くせよー

 この家でー」


ーーそんな、悪魔のような言葉を囁く瑠香ー。


「ーーふざけるな!警察にー」

治樹がそう言いかけるー。


がー、それも通じなかったー。


「ー警察に?あははっ!

 何て説明するの?

 彼女が乗っ取られました~!助けてくださ~い、とでも言う?


 ”お前”が頭おかしいって思われるだけだよー?」


瑠香はそう言い放つと、ニヤニヤしながら台所の方に向かっていくー。


「お、おい!瑠香!目を覚ませ!」

警察もダメだと悟った治樹はそう叫ぶー。


だがーー

瑠香は包丁を手にすると、それを自分の首に突き付けながら笑ったー


「ーわたしを死なせたくないでしょ?」

と、そう呟きながらー


「ーー…や…やめろ!やめてくれ!」

必死に叫ぶ治樹ー。


「ーーだったらー」

瑠香はクスッと笑うと、脅すような口調で言葉を続けたー。


「無駄な抵抗はーやめようね?」

とーー。


②へ続く


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


コメント


ダークなゾクゾク感漂う皮モノデス~!


このあとも過酷な状況が

続いちゃいそうな予感ですネ~!


続きはまた次回デス★!

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