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ある日の帰り道、会社員の修武は

路上で倒れているOLらしき人物を発見したー。


その人物を助けた修武。

しかし、彼女は

”自分が男だったことしか覚えていない”のだというー。


ひとまず、独身で一人暮らしの修武は

彼女を家で匿うことにしたものの…?


☆前回はこちら↓☆

<女体化>男だったことしか覚えていない①~記憶喪失~

「ーーお疲れ~」 30代前半の会社員・矢島 修武(やじま おさむ)は、 同期の春日部 和夫(かすかべ かずお)に手を振ると、 駅に向かって歩き始めたー。 修武はごく普通の会社員ー。 無難に仕事をこなし、無難に会社からも評価されているー。 出会いには恵まれず、今も一人暮らしだが 本人は”出会いがあれば結婚す...

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ーーすみませんー

 そんな服しかなくてー」

修武がそう言いながら、”深雪”を名乗るOLに

自分の服の中で、女性でも使えそうなものを見つけて手渡すー。


「ーーあははー…僕こそすみませんー。」

”深雪”は、そう言いつつ服を受け取るー。


自分が元々男だったこと以外、何も覚えていないという

このOLー。

”深雪”と言うのも、とりあえず呼ぶ名前がないと困るから、という理由で

本人に考えてもらった名前だー。


「ーーーって、おわっ!?」

修武が声を上げるー。


”深雪”が目の前で突然着替え始めたことに、

思わず、飲もうとして口をつけていたペットボトルのお茶を

吹き出してしまった修武ー。


「ーーえ… あ…… あ、す、すみませんー

 ぼ、僕、男だったのでついー」

”深雪”は、目の前でいきなり着替え出したことに

修武が戸惑っていると気付き、顔を赤らめながら謝罪するー。


「ーい、いや、お、俺の方こそすみませんー」

修武がそう言うと、”深雪”は

「あ、あっちで着替えてきますー」と、そう言葉を口にしながら

少し恥ずかしそうに一度、立ち去っていくー。


「ーーーーー」

一人残された修武は、表情を曇らせながら”深雪”について考えるー。


路上に倒れていて、しかも記憶喪失になっている彼女ー。

何かあったには違いないー。

自分のことを”元は男だった”と言っているのも気になるー。


が、彼女は女装している男性ではないし、

間違いなく女性のように見えるー。

急に男が女になるなんてこと、あるとは思えないー。


いったい、何があったのだろうかー。


そうこうしているうちに、”深雪”が戻ってきて、

「すみませんー。ありがとうございます」と、改めて

お礼の言葉を口にしたー


「ーいえいえ、別に構いませんよー」

そう言いながら、修武は「それで、記憶は戻りそうですか?」と、

そう言葉を口にすると、

”深雪”は首を横に振ったー。


「ーー今、覚えてることは

 そのー…深雪さんが元々”男だった”ってことだけですかー?」

修武が改めて確認すると、

”深雪”は「はいー…そうですねー」と頷くー。


常識的な部分や、日常的なことは分かるものの、

自分に関することは”男”だったこと以外

一切記憶にない、と、”深雪”は再び、少し申し訳なさそうに

説明したー。


「ーーーどうして、自分が男だったと思うんですかー?」

修武が確認すると、

”深雪”は「う~ん…」と言いながら、

「最初に目を覚ました時、”えっ!?僕、女になってる!”って

 思いましたしーートイレもそうですけど

 ”男”としてのやり方しか分からないんですよねー

 だから、僕、男だったんだと思います」と、そう説明したー。


「ーー…そ、そうですかー」

修武は困惑したような表情を浮かべながら言うと、

”深雪”は「ーだってほらー、僕、今、自分の胸を見て

ドキドキしてますしー」と、借りた服の上から、

胸の膨らみを見ながら少しだけ顔を赤らめるー。


「ーは…はははーそ、それは確かに

 ”深雪”さんは男だったのかもしれませんねー」

修武は苦笑いしながら言うー。


「ーーーえへへ…こうするとホント、ゾクゾクしますしー」

”深雪”が、そう言いながら突然自分の胸を

嬉しそうに揉み始めるー


「ーちょ、ちょっとー」

修武が顔を赤らめながら目を逸らすと、

”深雪”は「ーーあ、すみませんー」と言いながら

「ーでも、やっぱ僕は自分が男だったと思うんですー」と、

改めてそう言葉を口にしたー。


「ーーな、なるほどー」

話を聞き終えた修武は、少し戸惑った表情を浮かべながら

頷くと、

「まぁ、記憶がある程度戻るまでは

 ここにいて貰っても大丈夫ですしー、

 ゆっくり、思い出していって下さいー」

と、修武はそれだけ言葉を口にしたー。


「はい!頑張ります!」

”深雪”は、それだけ言葉を口にすると、

少し可愛らしい仕草をしたのを見て、

”やっぱ、女の人にしか見えないけどなぁ”と、

修武は心の中でそう言葉を口にしたー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


翌日ー


「ーーーあのー俺は仕事に行きますのでー」

修武がそう言うと、

”深雪”は少しハッとしたような表情を浮かべると、

「あ、じゃあ、わたしもお出かけしますねー」と、頷くー。


「ーーえ?」

修武が少し不思議そうにすると、

”深雪”は「え?ってー、だって、昨日出会ったばかりの僕が

家にいたら気になりませんかー?」と、

そんな言葉を口にするー。


「気になるって?」

修武がなおも不思議そうにするー。


すると”深雪”は笑いながら

「僕が何か家の中で悪さをしたりとか、考えないんですか?」と、

苦笑いするー。


「ーはははーーなんだ、そういうことですかー」

修武は少しだけ笑うと、

”確かにそれもそうだなー。この子のこと、まだ何も知らないしー”と、

そう心の中で考えると、

「ーじゃあ、俺の勤務先はここなのでー

 17時頃になったら、ここにある広場で合流しましょうー」と、修武は

そう提案するー


本当は、”深雪”と連絡が取れればそれが一番なのだが

裏路地で倒れていた”深雪”はスマホなど持っていないー。


「ーありがとうございますー!」

”深雪”は、お礼の言葉を口にすると、

修武は少しだけ考えてから、財布からお金を少し取り出したー。


「ーーえ?これは?」

”深雪”が不思議そうに首を傾げるー。


「ーいや、あのー…

 俺の家、女性が使うようなものも、服も何もないんでー

 あれだったら今日、このお金で必要なものを

 揃えて来てくださいー」

と、修武はそう言葉を口にしたー


「ーあはは…ありがとうございますー


 でもーー

 僕も、”男”だったので、正直あまり必要なもの

 分かんないんですけどー」


と、苦笑いするー。


「ーーははー…それもそうかもしれませんねー」

修武はそれだけ言うと、

「でもほら、服とかー、あと…下着とかー…

 俺の家ーーそういうのはないですしー」

と、言葉を付け加えたー


「ふふー。確かにあったらびっくりしちゃいますねー」

”深雪”がクスクスと笑いながら微笑むー。


修武はそんな”深雪”の笑顔に少しドキッとしながらも、

「ーーそれで、必要なものがあれば買ってきていいですからー」と、

改めてそう言葉を口にすると、”深雪”も嬉しそうにぺこりと頭を下げたー。


修武が仕事に出かけ、修武が帰って来るまでの間

”深雪”は、外で適当にぶらぶらとしていることになったー。


修武はいつものように職場にたどり着くと、

そのまま仕事を始めるー。


がー、”深雪”の笑顔が頭の中に浮かんできてしまって、

ぶんぶんと首を横に振ったー。


「ーーん?どうした?なんか今、一人でニヤニヤしてなかったか?」

同じ部署で働く同期の和夫が苦笑いしながら

声をかけて来るー。


「えっ、あ、いや、な、なんでもないー」

修武は慌てた様子でそう言葉を口にすると、

和夫は「彼女でもできたのかぁ~?」と、揶揄うように言い放つー


「ば、馬鹿言うなよ!俺は生涯独身だぞ!」

修武がそう言い放つと、和夫は「ははー冗談だよ冗談」と、

笑いながら立ち去って行ったー。


「まったくー」

苦笑いしながら、和夫の後ろ姿を見つめる修武ー。


”しかし、どうしたもんかなー”

自分のことを元男だと言い張る謎のOL…深雪のことを

思い出しながら、戸惑いの表情を浮かべたー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・


仕事が終わりー、

オフィスを出ると、

「ー矢島さん!おつかれさまでした!」と、

修武を呼ぶ声が聞こえたー。


ビクッとして、振り向くと

そこには”深雪”の姿があったー。


しかも、落ち着いた雰囲気の女性らしい服装に着替えていて、

修武のポロシャツを着ていた朝とは別人のようだー。


「ーーう、うわっ!?深雪さんー、何でここに!?」

修武は思わず声を上げるー。


”この先の広場で合流する約束”で、

会社の前で合流する約束はしていないー。


「ーえへへ…つい、来ちゃいましたー」

照れ臭そうに笑う”深雪”ー


「ーー…ま…まぁ、別にいいけどさー」

修武がそう言いかけると、

背後から「お~~~お~~~お~~~」と、

聞き覚えのある声が聞こえたー


「ーげぇっ!?」

修武は振り返ると、思わずそんな声を上げたー。


そこにいたのは、修武の同期・和夫ー。

さっき、”彼女でもできたのかぁ~?”と揶揄ってきた男だー。


「ーーーほほぅーやっぱりなぁー

 へへへへー

 彼女と会社前で待ち合せてイチャイチャかぁ~?」

和夫が揶揄うように、そう言葉を口にするー。


「ーーい、いやいやいや、か、彼女はー

 そういう感じじゃなくてー」

修武が顔を真っ赤にして言うと、

”深雪”は「ーーあー、え、えっと、ぼー…わたしは友達ですー」と

修武に話を合わせるかのように、そんな言葉を口にしたー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


帰宅した二人ー。


玄関の扉を開けて、家の中に入った修武は、

少し恥ずかしそうにしている”深雪”を見て、

首を傾げたー。


「ーん?どうかしましたかー?」

修武が言うと、”深雪”は、

「あ、あのー僕、男だったんでスカートとか履くの多分初めてでー」と、

ソワソワした様子を見せるー。


「ーあ、あぁ…な、なるほどー…

 それなら、無理をしてスカートを買わなくても

 良かったんじゃないですかー…?」


修武が苦笑いしながら言うー。


女だからスカートを履かないといけないなんてルールは

少なくとも、プライベートにおいては存在しないー。

別に、ズボンでもよかったはずー。


「ーーあははー、なんか、つい、女になったので

 スカートってイメージが僕の中にあったんでー」

と、今朝、修武から預かったお金で買ったスカートを

触りながら笑ったー


また、顔を赤らめている”深雪”を見て、

”やっぱりこの子、本当に元男なのかなぁ”と、

心の中でそう言葉を口にしたー。


「ーあと、下着とか僕、あまりよく分からなくてー

 困っちゃいましたー」

と、”深雪”は、修武が仕事中の買い物の出来事を

色々と口にするー。


「ーはははー…本当に深雪さんが男だったならー

 確かにそうなりますよねー」

修武が仕事帰りの片づけをしながら、そう言葉を口にすると、

”深雪”は「デパートで間違えて男子トイレに入っちゃったりも

しましたしー」と、照れ臭そうに笑ったー。


「えぇっ!?

 流石に深雪さんみたいな人がトイレに入ってきたら

 それはビビりますよー」

修武が笑いながら言うー。


そして、「そういえば、記憶はどうですかー?」と

記憶が戻ったかどうかを確認するー。


「ーいえ、まだ全然ですねー。

 僕が男だったことは思い出せるんですけどー

 どんな顔をしてたか、どんな名前だったかは全然ー…」

”深雪”は申し訳なさそうに首を横に振ると、

「ー警察に相談しますか?」と、修武がそう確認したー。


がー、”深雪”は表情を歪めると、

「ーそもそも、僕のこんな状況、信じてくれそうにないですしー」と、

困り果てたような表情を浮かべたー。


「ーま、まぁ…それもそうですけどー」

修武はそう言いながら、首を横に振ると、

「ーーーまぁ、慌てずゆっくりと思い出していきましょう」と、

そんな言葉を口にしたー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


”深雪”がお風呂に入りー、

修武は部屋でテレビを眺めていたー。


”しかし、ずっと独身だったから家に他の人がいるってのも

 変な気分だよなぁ…”


修武は、そう言葉を口にしながら

ニュースの画面を何となく見つめるー。


”ーしかも、男を自称してるけど、一応女の人だしー”

修武が戸惑ったような表情を浮かべるー。


がー、その時だったー。


”元交際相手の同僚の男に刺されて

 昏睡状態だった会社員の女性・中谷 深雪さんの死亡が

 先ほど確認された模様ですー。

 

 中谷さんはかねてからー”


「ーーー…!」

修武は表情を歪めるー。


このニュースには見覚えがあるー。

たしか、

昨日、女体化したと主張する”深雪”と出会う前に

仕事帰りの電車の中、モニターでも流れていたニュースだー


その時は、まだ被害者の女性は”意識不明の重体”と流れていたー。


が、どうやら助からなかったらしく

その名前と共に報道が行われているー。


”中谷 深雪”


被害者の名前がそう表示されているー


「ーーー…」

修武は、お風呂がある方向を見つめるー。


”今”いっしょにいる”元男を名乗る彼女”も

”深雪”を名乗っているー。


偶然だろうかー。

それともーーー…?


修武は、自分の中で急速に不安が強まっていくのを感じながらー、

表情を曇らせつつ、今一度、テレビのほうを見つめたー…。


③へ続く


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


コメント


”記憶喪失の女体化した元男”の彼女の身に

起きたこととは…?

真相は、次回の最終回で確認してくださいネ~!


今日もお読み下さりありがとうございました~~!☆!

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