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「ーーーな…な、なんだこれー…!?」

「ーーど、どういうことー…!?」


たった今、階段から転落してしまった二人は、

戸惑いの表情を浮かべていたー。


階段から転落した二人のうちの一人、

見るからに”不真面目”な雰囲気の漂う男子ー、

佐々山 勝平(ささやま かっぺい)ー。


彼は入学早々、授業をサボったり、

無断欠席をしたり、早速”問題児”っぷりを発揮しているー。


そして、勝平と共に階段から転落して戸惑っていたのはー、

勝平とは正反対の真面目な雰囲気を漂わせている

女子生徒・久本 真由美(ひさもと まゆみ)ー。

彼女は、高校入学前には生徒会会長を務めていたこともあり、

見た目通り、真面目な生徒だー。

”真面目すぎて”少し融通が利かないところもあるものの、

周囲からはそれなりに信頼されているー。


だがー、真由美はスカートの中が見えることも気にせず、

胡坐をかきながらニヤニヤとした笑みを浮かべ始めるー。


「ーへへっ…すげぇー…なんで俺が久本になってるんだー?」

”真由美”が、普段の真面目な雰囲気を台無しにするかのような

下品な笑みを浮かべつつ、そう言葉を口にするー。


「ち、ちょっと!何してるの!?やめてよ!」

一方の”勝平”も、その見た目に似合わぬ振る舞いで、

そう声を上げるー。


二人はーーー

入学早々の4月下旬ー…

階段から転落して、入れ替わってしまったのだったー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ーへへへへ まぁそう言うなよー。

 ってか、この身体、最高だなー」


放課後ー。

ニヤニヤしながら胸を揉む真由美(勝平)ー


イスにだらしなく座って、足を広げながら

ニヤニヤしつつ、自分の胸を揉んでいるー。


「ーふ…ふざけないで!今すぐわたしの身体を返してよ!」

勝平(真由美)が顔を赤らめながら言うー。


二人が階段から転落してしまったのは、

元はと言えば、”勝平”のせいだー。


階段を上ったところで、同じクラスの友人・康彦(やすひこ)と

勝平が悪ふざけをしていた際に、足を滑らせて階段から転落ー。

ちょうど階段を上って来ていた真由美とぶつかってしまいー、

そのまま身体が入れ替わってしまったー。


「ー返せって言われてもなぁ?」

ニヤッと笑う真由美(勝平)ー


「久本さんの身体、滅茶苦茶いい感じだしー

 へへっー返したくねぇなぁ」

真由美(勝平)が、邪悪な笑みを浮かべるー。


「ーーーい、いい加減にして!」

勝平(真由美)がそう言い放つー。


がー、真由美(勝平)は、足をさらに広げながら、

「ーーまぁまぁ、元に戻る方法も分からねぇんだしー

 こうなっちまった以上、仕方ねぇだろ?」

と、ニヤニヤしながら言葉を続けるー。


勝平(真由美)は「だ、だったら、元に戻る方法を

一緒に探そうよ!」と、そう提案するー。


がー…


「ーー嫌だねー」

真由美(勝平)はそれだけ言うと静かに立ち上がるー。


「ーー俺はお前の身体で好き放題させてもらうぜー。

 その代わり、お前も俺の身体で好き放題してもいいからさー」

真由美(勝平)はそれだけ言い放つと

そのまま立ち去ろうとするー。


勝平(真由美)は「ちょっと待ってよ!」と、

慌てて真由美(勝平)の腕を掴むー。


しかしー


「ーー”佐々山くん”ー

 ”わたし”が今、ここで悲鳴をあげたらどうなると思うー?」


真由美とは思えないような、邪悪な笑みを浮かべながら

真由美(勝平)がそう言葉を口にするー。


勝平(真由美)は、”佐々山くん”と、勝平の名前で

呼ばれたことに強い不満を抱きながらも、

「ーそ、それはー」と、戸惑いの表情を浮かべるー。


「ーみんなは真面目で優等生の”わたし”が、

 不良の”佐々山くん”に襲われたと思うだろうなぁ~…

 ひひっーくくくくーー


 な?だから、大人しくしてろよー?

 お前の身体なら、何だってできるんだぜ?」


真由美(勝平)はそれだけ言うと、

笑いながらそのまま空き教室の外に出て行ってしまうー


「ちょっとーーーー!!!!」

勝平(真由美)が叫ぶー。


しかしー、真由美(勝平)は全く聞く耳を持たず、

むしろ”入れ替わったこと”を喜ぶかのような

生活を送り始めるのだったー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


それからは、”入れ替わったまま”の生活が続いたー。


しかし、真由美(勝平)に協力する素振りはなくー、

好き放題を続ける日々ー。

勝平(真由美)も、そんな真由美(勝平)にうんざりする

日々を送っているー。


「ーーえ~~?マジで?ヤバくね~?」

真由美(勝平)が、入れ替わる前から仲のよかった康彦と

笑いながらそんな言葉を口にしているー。


黒だった髪は茶髪になりー、

耳には校則違反のピアスー、

化粧も濃くなって、スカートもわざと見せるかのように

短くしているー。

爪にも、派手なネイルが輝いていて、

完全に勝平から見て”俺好み”に変えられてしまっているー。

そんな状態の真由美の姿がそこにはあったー。


「マジだよ!アイツ、やべぇよなー」

誰かの噂話をしながら、康彦はそれだけ言うと、

真由美(勝平)の足をチラッと見つめるー。


「ーへへ 何見てんだよー。

 そういう視線、分かるぜ?」

真由美(勝平)がそう言うと、

「ーっていうか、一番ヤバいのはお前だよ!

 エロすぎだろ!」と、康彦がそう言葉を口にするー。


「ーーへへへへーせっかく”美少女”の身体が

 手に入ったんだからよー。

 お前にもこうしてサービスしてやってるんだよ」

真由美(勝平)は入れ替わって早々、友人だった康彦には

入れ替わったことを明かして好き放題しているー。


「ーーははー…見た目と行動にギャップがありすぎて

 やべぇぜ」


康彦がニヤニヤしながらそう言葉を口にするー。


「ーーそれにしてもお前、”男遊び”しすぎじゃね?

 もうさー、クラス中で噂になってるじゃんー」

康彦のその言葉に、

真由美(勝平)は「へへへーいいじゃねぇかー。

今は俺の身体なんだしー」と、胸を揉みながら笑うー。


「ーーーはははは 今度俺とも遊んでくれよー」

康彦が、少し照れくさそうにそう言うと、

真由美(勝平)は「へへへ~…康彦くんも”わたし”と遊びたいんだー?」と、

真由美っぽい口調でそんな言葉を口にしたー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ーーーはいはいー」


2学期早々ー。

真由美(勝平)は、生活指導の先生から

ピアスを注意されて、反抗的な態度を取っていたー。


勝平(真由美)は、その光景を見つめながら

”わたしの身体で、そういう態度取らないでよー”と、

不満そうに呟くー。


勝平になってから、真由美は

”真面目な生活”を続けていて、今や”不良”だった勝平は

すっかりと”真面目な男子”になっていたー。

周囲もその変貌に驚きながらも、とりあえず”不良”という

イメージは払拭されたようだー。


がー、”真由美になった勝平”は、今ではすっかり

”問題児”で、1学期にも一度停学処分を受けているぐらいだったー。


「ーーーちょっと!!!」

昼休みに入ると、勝平(真由美)が、不満そうに声を荒げたー。


「ーーあ?」

ガムを噛みながら振り返る真由美(勝平)ー


「ーあんまりああいうことしないで!

 お母さんとか、お父さんに心配かけたくないの!」

勝平(真由美)がそう言い放つもー、

真由美(勝平)はニヤニヤしながら勝平(真由美)を

見つめ返して来たー。


入れ替わった直後、当初、勝平になった真由美は

周囲にそのことを伝えようとしたー。

しかし、真由美(勝平)がそれに反対ー。


”もし、言ったら

 お前の身体で、とんでもないことをしてやるからなー”

と、脅されて周囲には言えない状態が続いていたー。


”真由美”と”勝平”の様子が明らかにおかしいことには

周囲も気づいているものの、

まさか二人の身体が入れ替わっている、などとは

誰も想像もしていないー。


「ーーククーあんな母親と父親のどこがいいんだよー」

真由美(勝平)が笑うー。


「ーあ、あんたにとってはイヤな親でも

 わたしにとっては大事なの!」

勝平(真由美)が不満そうにそう言い放つー。


「ーへへ 知るかよー。

 もう、”お前の親”じゃないんだからー

 どうしようが、”わたし”の勝手でしょ?」

真由美(勝平)は、真由美の口調でそう言いながら

勝平(真由美)を睨みつけるー。


「ーーそ…そんなー…

 ふ、二人に何もしないで!」

勝平(真由美)がそう叫ぶと、

真由美(勝平)はニヤニヤしながら言うー。


「ー別に 何もしてねぇよー

 ただ、うるせぇからシカトしてるだけさー」

真由美(勝平)はそれだけ言うと、

「ちょっと前まで、毎日のように

 ”真由美!どうしちゃったの!?”とか

 ”真由美!いい加減にしなさい!”とか、

 母親もオヤジもうるさかったけどなァ?」

と、嬉しそうに笑いながら言い放つー。


「ーふ、二人を悲しませないで!」


「ーうるせぇよー

 お前も、俺の身体で好き放題してるだろー?

 そんな、真面目ぶった雰囲気になりやがってー。」

真由美(勝平)はそう言うと、勝平(真由美)の

黒になった髪を触るー。


「ーーふふふふー

 ”俺”の身体に、真面目な雰囲気は似合わないと思うけどなぁ~?」

真由美(勝平)は、顔を近づけながらそう呟くー。


勝平(真由美)は不覚にも”元自分”にドキッとしてしまいながら、

「あ、あまり近寄らないで!」と、そう声を上げると、

真由美(勝平)は「あっれぇ~?元自分にドキッとした?」と、

揶揄うように笑うー。


「ーう、うるさい!

 とにかく、わたしの身体であまり勝手なことしたら

 許さないから!」


勝平(真由美)はそれだけ言い放つと、

そのまま立ち去っていくー。


「ーへへー知るかよー。

 今は俺が”真由美”なんだからー ふふー」

一人残された真由美(勝平)は、笑みを浮かべながら

そう言葉を口にしたー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


体育祭が行われるー。

勝平(真由美)は”勝平の身体”を生かして一生懸命、行事に取り組むー。


”ー男子の身体ってやっぱこういう時は便利だよねー”

勝平(真由美)はそんなことを改めて思うー。


文化祭が行われるー。

真由美(勝平)は、”せっかくだからエロい格好、見せてやるぜ”と、

クラスの男子たちにそう言いながらー、

文化祭当日には、巫女服を着て学校にやってきたー。

勝平(真由美)は、すぐに真由美(勝平)に文句を言ったものの、

「かわいいだろ?」と、軽くあしらわれてしまうー。、


続く合唱コンクールでは

真由美(勝平)は、練習をサボりまくりー、

クラスの真面目な子たちに文句を言われていたー。

勝平(真由美)も、真由美(勝平)に文句を言ったものの

聞く耳を持たずな状態ー。


真由美(勝平)は、とにかく好き放題を繰り返し、

勝平(真由美)はそれに振り回される日々ー。


自分の身体を取り戻そうと、この1年間色々と頑張っては来たけれど、

”どうやれば元に戻れるのか”も分からないし、

入れ替わりのことを周囲に伝えようとしても、

”入れ替わったことを言ったら、お前の身体で悪いことしまくってやろうか?”

と、常に脅されているために、なかなか表立って行動することも

できないー。


「ーーーーー…」

勝平(真由美)は、放課後に廊下を歩きながら

溜息をつくー。


「ーーー!」

通りがかった教室から、”声”が聞こえてきて、表情を歪めるー。


”わたしの喘ぎ声”が、聞こえたのだー。


”複数の男子と遊びまくっているー”

そんな噂は本当だー。


”堕ちた自分”の姿をちらっと覗くと、

嬉しそうに声を出している真由美(勝平)を見つめながら

”わたしの身体で好き勝手してー…”と、

歯軋りをするー。


しかし、もう入れ替わって1年が経過しようとしているー。

真由美自身も勝平の身体での生活に慣れつつあったしー、

元に戻れない時間が長くなればなるほど、

”元の生活に戻ることはもうできない”という、そんな思いが

強くなってきたー。


数日後ー


今度は校舎内で煙草を吸っている真由美(勝平)の姿を見つけたー


「ーーへへへーなんだよその顔ー」

真由美(勝平)がニヤニヤしながら言うー。


「ーーーー……」

悔しそうにその姿を見つめる勝平(真由美)ー


「ーへへー。誰にも言うなよ?

 まぁ、言えば、お前が”不良女”として停学になるだけだけどなぁ

 へへー

 

 この身体がお前のもんだってことを、忘れんなよ?」


胸を揉みながら真由美(勝平)が立ち去って行こうとするー。


しかしー

勝平(真由美)は意を決して振り返ると、

真由美(勝平)の背中に向かって叫んだー。


「ーわたしー、もう元に戻れなくてもいいー!

 あんたに、これ以上好きにはさせない」

とー。


「ーーへぇ」

立ち止まった真由美(勝平)は笑みを浮かべるー。


「ーーあんただって、元に戻る方法は分からないんだし、

 ”わたし”として、色々広まればあんたも困るはずよ!」


勝平(真由美)の言葉に、

真由美(勝平)はクスクスと笑うと、

笑みを浮かべながら振り返ったー。


「ーーふふふーじゃあ、好きにすればー?

 ”わたし”も好きにするからー」

真由美(勝平)は、それだけ言うとそのまま立ち去っていくー。


”煙草の件”を先生に報告しー、

”真由美”は停学処分を受けたー。


全く協力する気の無い二人は、

1年目の高校生活を終え、そのまま2年目に突入するー。


真由美(勝平)も、ギリギリ単位が足りたらしく、

勝平になった真由美と同じように、留年することはなく

そのまま2年目を迎えたー。


「ーーークククー」

金髪に近い髪色に変わりー、ますます別人のようになった

真由美(勝平)は、教室の前で勝平(真由美)と鉢合わせするー。


真面目になった勝平と、

すっかり不良になった真由美ー。


入れ替わった二人の悪夢のような青春は、

まだあと2年ー、残されていたー。


②へ続く


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


コメント


”貴重な学生生活を入れ替わったまま3年間過ごす…”

そんなテーマの入れ替わりデス~!


現在連載中の入れ替わり長編と同じテーマから作った作品ですが、

長編では”協力的なふたり”なのに対して、

こちらは”もしも非協力的な二人が入れ替わったら?”を、

描いています~★笑

(長編と関係のある作品ではありませんが、あえて題名も意識してます~★)


「俺とお前の~(この作品)」は、長編ではないので

3話で3年間を描く、とっても駆け足な展開ですが

あと2年分も、ぜひ楽しんでくださいネ~!


今日もお読み下さりありがとうございました~!☆

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