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入れ替わりアプリを使って

入れ替わりを楽しんだカップルー。


しかし、彼氏の正孝は入れ替わりアプリに登録した際の

パスワードを忘れてしまい、

元に戻ることができなくなってしまうー。


思い当たるパスワードを入力していく正孝ー。


しかし、麗奈は”何度も間違えると、ロックされたりしない?”と、

不安そうな表情を浮かべー…


★前回はこちら↓★

<入れ替わり>パスワードを忘れちゃいました①~困惑~

「じゃあ、そろそろ元に戻るかー。」 可愛らしい雰囲気の彼女ー…松永 麗奈(まつなが れいな)が、 その雰囲気に似合わない言葉遣いで、言葉を口にするー。 胡坐をかいている麗奈は、 まるで男のようだー。 「ーーうんー…!なんかすごかったねー!」 隣にいた彼氏の村山 正孝(むらやま まさたか)が そう言葉を口に...

・・・・・・・・・・・・・・・・・


麗奈(正孝)は、冷や汗をかきながら、

スマホの方を見つめたー。


麗奈の綺麗な手が、手汗でびっしょりとなっているのに気づき、

「ご、ごめんー」と、落ち着かない様子を見せるー。


「ーーと、とにかく落ち着いてー。

 どんなパスワードを設定したのか、冷静に考えてみてー」

正孝(麗奈)も、さすがに不安になってきたのか、そう言葉を口にするー。


すると、麗奈(正孝)は手汗をスカートで拭きながら、

「ーーこういうの登録するときは、いつも使ってるパスワードが

 あるんだけどー」と、

そう言葉を口にするー。


「ーーそのパスワードは違ってたの?」

正孝(麗奈)が確認すると、麗奈(正孝)は頷くー。


が、もしかしたら、”入力ミス”をしただけの可能性もあるー。

登録の時ではなく、さっき、入れ替わりを解除しようとして

入力した際にスペルを一つ間違えていた、だとか、

そういう可能性なら十分に考えられるー。


「ーー…確かにそのパスワードにしたような気はするんだけどー…」

麗奈(正孝)が落ち着かない様子で、再びスカートで手汗を拭くと、

「ーあ、ごめんー。それはちょっとやめてほしいなー」

と、正孝(麗奈)が、麗奈(正孝)に指摘するー


「えっ!?あ、ごめんー」

何となく、いつもの癖でスカートで手を拭いてしまっていたー。


そのことを詫びると、正孝(麗奈)は

「ーーハンカチ持ってきてあげるからー」と、そんな言葉を

口にしつつ、ハンカチを持ってくるー。


「はいー。ゆっくり冷静に考えてみて」

正孝(麗奈)の言葉に、麗奈(正孝)は「本当にごめんなー」と、

今一度、謝罪の言葉を口にするー。


「ーーーーー」

麗奈(正孝)は、腕組みをしながら目を閉じて、

真剣にパスワードを考えるー。


しかし、やっぱり何度考えても、

”いつもよく使うパスワード”を入力した気がしてならないー。


やっぱり、さっき入力した時に間違えたのだろうかー。


登録時は”パスワードをもう一度入力してください”という

項目があったために、”2度も入力ミスをした”とは思えない。


がー、登録後に、普段、入れ替わりアプリを起動する際に

入力するのは1回だけだから、その1回でスペルを間違えたり、

別のボタンに触れたりしていたら”間違い”になるー。


「ーー……やっぱ俺、いつものパスワードだと思うんだー」

麗奈(正孝)は、そう言うと、正孝(麗奈)は

「じゃあー…ゆっくり押してみて」と、そう言葉を口にするー。


麗奈(正孝)は頷くと、よく自分自身が使うパスワードを慎重に、

今度は”入力した文字を表示する”にした状態で

間違いがないことをしっかり確認した上で入力したー。


だがーーー


”パスワードが違います”


そう、表示されてしまうー。


「ーくそっ!やっぱ違うのかよ!」

麗奈(正孝)はイライラした様子で、麗奈の髪をかきむしるー。


「あっ!ちょっと!落ち着いて!」

自分の髪が、物凄い乱暴にかきむしられているのを見て、

慌ててそれを止める正孝(麗奈)ー


麗奈(正孝)は「ごめんー」と言いつつも、

さっきよりもさらに余裕のない様子で、

自分の指を意味もなく触ったりして、

ソワソワしているー。


パスワード再発行のためのメールの送信を求めても、

何故かそれが送られてこない状態ー。


やはり、パスワードを解き明かすしかないー。


「ーーーふぅーーー」

大きくため息をつくと、麗奈(正孝)は

「1回ちょっと、時間を空けようー」と、

念のため、時間を空けることを提案するー。


連続でミスを繰り返していると

”入れ替わりアプリ”自体が使えなくなったり、

最悪の事態が起きる可能性も否定はできないー。


既に、何度も何度も入力をミスしている以上、

慎重にいかないといけないー。


「ーーうんー。そうだねー。

 わたしはちょっと、トイレに行ってくるー」

正孝(麗奈)のそんな言葉に、麗奈(正孝)は頷くと、

ぼーっとスマホを見つめるー。


自分のSNSにログインして、

”やべぇ…どうしよう”などと書き込みをする

麗奈(正孝)ー。


”これから彼女と入れ替わり”ーと、嬉しそうに

投稿していた数時間前が嘘のような状況だったー。


「ーーーーー…はぁ」

頭を抱える麗奈(正孝)ー

髪を垂れさがらせながら、そのままの姿勢で

ずっとしばらく硬直するー。


「ーーーーーー…はぁ…」

もう一度、大きなため息をつくー。


”麗奈の身体”は、別にイヤじゃないー。

しかし、正孝は別の麗奈の身体を奪うつもりじゃなかったし、

”麗奈の身体”には、やっぱり麗奈が一番似合うー。


自分が麗奈になってみても、”いつもの麗奈”の方が

可愛いし、キラキラしてるー。

そんな風に思うー。


それにー、麗奈にも迷惑を掛けたくないー。

このまま、元に戻れないような状況が続けば

当然、麗奈にも迷惑をかけてしまうし、麗奈に嫌われてしまうかもしれないー。


焦りの表情を浮かべながら、

”また”ついつい、スカートで手汗を拭いてしまうと、

そのままスマホに向かってパスワードを入力し始めたー。


”もしかして、大学で使っているパスワードかもしれない”

そう思ったのだー。


しかしーーー


”パスワードが違います”


再び、そう表示されたー。


「ーーー…くそっー…何なんだよー…メールもこねぇしー」

麗奈(正孝)は頭を抱えながら、

それでもなお、”答え”を見つけようと頭の中で

”正解”を探し始めたー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ーーーーーーーーー」

トイレを済ませた正孝(麗奈)は、

”男の人のトイレって不思議な感覚ー”と、

改めて思いながら、そのまま手を洗い始めるー。


鏡を見つめる正孝(麗奈)ー


「ーーーーーー」

正孝のことは信頼はしているー。


けれどー、一方で麗奈は”ある違和感”も覚えていたー。


それはー

”正孝が、そう簡単にパスワードを忘れたりするかな?”という

疑問だー。


今まで、そんな姿を見たことがないし、

大学でも正孝はとにかく”忘れ物”をしないタイプだー。

一度言ったことも絶対に忘れないし、

パスワードの管理みたいなものもしっかりとしている

イメージがあるー。


記憶力のいい正孝が、あんな風に

パスワードを忘れたりするものだろうかー。


「ーーーー…そんなことないと思うけどー…」

正孝(麗奈)は不安そうな表情を浮かべながら

手を洗い終えると、鏡を見つめるー。


”本当は、パスワードを覚えていて、”わざと”忘れたフリを

 しているんじゃー…?”


そんな疑念が、正孝(麗奈)の中に浮かんできてしまうー。


すぐに、首を横にぶんぶんと振る正孝(麗奈)ー

そんなことー、そんなこと、正孝がするはずがないー。


けれどー、彼女として同じ大学に通う誰よりも、

恐らく正孝と過ごしてきたであろう麗奈は、

正孝の性格をよく知っているー。


その正孝が、”大事なパスワードを忘れる”なんて

失態を犯すだろうかー。


それが、どうしても腑に落ちなかったー。


”ーーでも……正孝がそんなことする理由なんてー…ないよねー?”

正孝(麗奈)は、すぐに心の中でそう思い直すと、

今一度深く息を吸ってから、

そのまま麗奈(正孝)の待つ部屋の方に向かって歩き始めたー。


「ーーー…あぁ、くそっー!」

部屋に戻ると、麗奈(正孝)がイライラした様子で

髪をかきむしっていたー。


「ーーーーくそっ!確かにちゃんと設定したはずなのにー…

 それに、何でメールも来ないんだー…」

麗奈(正孝)は、焦りのあまり、

正孝(麗奈)が戻ってきたことにも気付かず、

何度も何度もパスワードの入力を繰り返しているー。


「ーちょ、ちょっと!」

正孝(麗奈)が慌ててそれを止めるとー、

麗奈(正孝)は「あ…ごめんー戻って来てたんだー?」と、

そう言葉を口にするー。


”パスワードが違います”

入れ替わりアプリの画面には、再びそんな文字が表示されているー。


がー、その文字は先ほどまでとは違い

”赤い文字”で警告されているー。

まるで、”これ以上間違えたらアウト”と言わんばかりにー。


「ーー……ちょっと!正孝!落ち着いてってば!」

正孝(麗奈)がそう叫ぶと、

麗奈(正孝)は「絶対、アプリをちゃんと起動するからー!」

と、そう言葉を口にしながら

お構いなしに、また別のパスワードを入力したー。


”パスワードが違います”


そう、表示されるー。


そしてーーーー

”不正利用が検知されました アカウントをロックします”と、

そう表示されたーーー


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ーーーへへへへへー」

男が、ニヤニヤしながらパソコンを見つめていたー。


男は、SNSで”入れ替わり”のワードを繰り返し検索しつつー、

”入れ替わりアプリ”をこれから使うー、あるいは今使っているー、

そんな人間の書き込みを見つけては、

”妨害”して楽しんでいたー。


特にー、

カップル同士の入れ替わりらしき発言には、

異様なまでの反応を見せているー。


パソコンにはーー…

”正孝”のSNSアカウントが表示されているー。


正孝が”これから彼女と入れ替わり”と、そう発言したSNSの

アカウントがーー。


そしてーーー


”♪~~~”


”不正利用検知 解除には手続きが必要です”

入れ替わりアプリからの”メール”が届くー


「おやおやおやおやぁ

 へへーパスワード焦って入力しまくって

 ロックされちゃったかぁ~


 あちゃ~~~」


男は、軽い調子で笑うー。


そうーー

正孝は”パスワードを忘れた”わけではないー。


確かに”いつも使っているパスワード”を登録したのだー。


しかしー、

正孝がSNSなどでも使っているパスワードを、

この男は、正孝の発言などから分析し、

手に入れてしまっていたー。


正孝と麗奈が入れ替わりアプリを使用後に、

男は、正孝の”いつも使っているパスワード”を使い

入れ替わりアプリにアクセス、

”正孝の入れ替わりアプリを乗っ取って”しまったー。


「ーーへへー

 俺がパスワードも、メールアドレスも変更したからなー」


ニヤニヤ笑う男ー。


正孝の入れ替わりアプリのアカウントを乗っ取ったあと、

男はまず、登録メールアドレスを変更ー、

さらには、入れ替わりアプリ自体のパスワードも変更したー。


そのためー、

正孝がどんなにパスワードを入力しても、

入れ替わりアプリを起動できるはずなどなかったのだー。


加えて、”パスワード再発行メール”も、

登録メールアドレスを変えられてしまったために、

メールが届かない状態になっていたー。


正孝には、IDしか分からない状態になってしまっていて、

何度もパスワードの入力に失敗した結果、

アカウントは”凍結”されてしまったのだー。


「ーぐへへへへっ!ざ~んねん!」

男は、”入れ替わりアプリ”の利用を妨害して

楽しんでいるただの愉快犯ー。


きっと、どこかで入れ替わってイチャついているカップルが

元に戻れなくなったであろうことを確信し、

男は「ーミッションコンプリートォ!」と、嬉しそうに叫んだー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


半月後ー。


結局、二人は入れ替わりアプリがロックされてしまったことにより、

元に戻ることができなくなってしまったー。


ロックを解除するためのメールも、

入れ替わりアプリのアカウントを乗っ取った男が、

登録メールアドレスを変更してしまっていたために、

正孝たちの元へは届かなかったー。


そしてー…


「ーーーーふん」

正孝(麗奈)は、麗奈(正孝)と顔を合わせると同時に

不快そうな表情を浮かべたー。


「ーー楽しそうで良かったね」

嫌味っぽく呟く正孝(麗奈)ー


麗奈(正孝)は「だ、だから、違うって言ってるだろー?」と、

そう言い返すー。


がー

正孝(麗奈)は「パスワードを忘れたふりして、

わたしの身体を奪うなんて、この先もずっと許さないから」と、

そう言葉を口にして立ち去っていくー。


麗奈(正孝)は、悲しそうな表情を浮かべながらも、

”こうなったのはパスワードを忘れた俺のせいだー”と、

それ以上言い返せなかったー。


あの後ー、

正孝(麗奈)は、”正孝がパスワードを忘れたフリをしてわたしの身体を奪った”と

思い込んでしまい、麗奈(正孝)は必死に弁明したものの、

”じゃあ元に戻してよ!”と言われてしまって、

何も言い返せなかったー。


結局、二人の関係には亀裂が入り、破局ー。

今はお互い、相手の身体で過ごしているー。


「ーーーーーはぁーー」

帰宅した麗奈(正孝)はため息をつくー。


「ーーーーーー」

自分の身体を失い、彼女も失ってしまったー。


真相を知らない麗奈(正孝)は

”どうして、俺、あんな大事なパスワードを忘れちゃったんだろうー”

と、そう言葉を口にするー。


けれども、もう後悔してもどうすることもできないー。


「ーーーーー」

麗奈(正孝)は、少しだけ、正孝(麗奈)のことを

想いながらもー、

”いつまでも落ち込んでいても仕方ない”

と、静かに立ち上がるー。


どうせ、もう元に戻れないんだしー、

もう、麗奈に嫌われてしまったんだしー


それならーーー


「ーーーーーー…やばっ♡」


最近は、麗奈の身体でコスプレを楽しみ始めたー。


この身体で生きていくことになった以上ー、

楽しく生きるー


それが一番だと、麗奈(正孝)は思い始めていたー。


メイド服姿に着替えた自分自身の姿を鏡で見つめながら

麗奈(正孝)は、嬉しそうに「かわいい~~~♡」と、

ひとり、声を上げるのだったー。



おわり


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

コメント


元に戻ることができなくなってしまいました~~!☆


入れ替わりアプリがもしも実際に使えるようになったら、

色々気を付けて使わないとダメですネ~笑

(物語の中の正孝くんはなんだか最後は嬉しそうですケド…★)


お読み下さりありがとうございました!★!

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