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社会人3年目の男・純也は、

会社でのとある出来事をきっかけに

”いじめられる快感”を覚えてしまったー。


そんな、歪んだ感情はやがて爆発ー。

憑依薬を手に入れた彼は、己の欲望を満たすために

迷わず、今の人生を捨てたー。


いじめられっ子・史香に憑依した純也は、

いじめを受けながら不敵な笑みを浮かべー…?


★前回はこちら↓★

<憑依>あぁ、いじめられたい①~欲望~

「ーーーアンタ見てるとさ~、不快なんだよねぇ」 陰険そうな雰囲気で、そんな言葉を投げかけるー。 その周囲には2人の友人が、同じように笑っているー。 ”いじめ” どこにでもある光景ー。 鋭い視線を投げかけられ、怯えた様子の 森下 史香(もりした ふみか)は、身体を震わせながら 「ご、ごめんなさいー」と、そう...

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ーーークク…クククククー」

大人しそうな雰囲気の史香は、

その雰囲気に似合わぬ邪悪な笑みを浮かべていたー。


「ーーへへへ…まさか、こんな体験ができるなんてー」

ゾクゾクしながら、史香は上を見上げるー。


憑依2日目の昼休みー。

史香は、いじめっ子の葵からトイレの個室に

閉じ込められていたー。


雰囲気から察するに、上から水でもかけるつもりなのだろうー。


”昨日までの”史香なら今頃怯えて、

涙を流していたかもしれないー。


しかし、史香は憑依されて生まれ変わったー。

今の史香は、いじめられることに快感を覚える

”危険人物”でしかないー。


”はぁ…はぁ…早くー早く俺をいじめてくれー”

いじめられることに激しい興奮を覚えるー。

史香の身体がゾクゾクして、興奮しているのが分かりー、

憑依している純也は、そんな史香をゾクゾクさせていることに

さらに興奮して、史香の身体がより強いゾクゾクを感じるー。


「ーーひひひー」

史香は思わず笑ってしまうー。


「ーあんた、キモいのよ!」

トイレの個室の外から、いじめっ子の葵の声が聞こえて来るー。

葵といつも一緒にいる二人の友人ー、凛子(りんこ)と、美彩(みさ)の

声も、個室の外から聞こえてきているー。


そしてーー、

バケツのようなもので、葵がトイレの外から

思いっきり水をかけてきたー


大きな水の音と共に、トイレの個室にいた史香は

ずぶ濡れになってしまうー。


ずぶ濡れになった史香はーー

泣いてーーーいや…笑っていたー


「ーふふふふ…あぁ…気持ちイイー」

興奮を隠しきれない声で、史香がそう言うと、

葵は、怒りの形相で個室の扉を叩いたー。


「ーーアンタ、キモすぎ!マジでうざい!」


昨日から、”史香”の態度がおかしいー。

いじめている側の葵も当然、それに気づいていたー。


けれどー、まさか史香が”別の男”に憑依されているなどと、

そんなことは全く想像もしていなかったし、

”どうせ強がっている”ぐらいにしか考えていなかったー。


「ーーキモい?ふふーー

 ふふっ… ふふふふふふふふふふっ♡」


トイレの中から、史香の笑い声が聞こえて来るー。


「ーーーな、何なのよー…何笑ってんのよ!」

葵が逆ギレ気味にそう叫ぶと、

史香は答えたー。


「ーわたし、キモいでしょ?

 だったら、もっともっといじめてよー ひひー」

史香が、トイレの中から興奮しているような声で

そう言葉を口にするー。


史香のこんな声聞いたことないし、

史香のこんな態度も今までに見たことがないー。


「ーねぇ…アイツ、頭おかしいよー」

葵の友達・凛子がそう言葉を口にするー。


同じく、美彩も表情を歪めながら

「ーこれ以上はヤバくないー?」と、そんな言葉を口にしたー。


「ーーーー」

葵は、怒りの形相を浮かべたまま、

史香がいるトイレの扉を思いっきり叩くと、

「ーうざい!」と捨て台詞を残して

そのまま立ち去って行ったー。


「ーーはぁ…なんだよー」

史香は濡れた髪を触りながら

不満そうにそう呟くと、

「もっともっと、イジめてくれればよかったのにー」

と、クスクス笑いながらそう言葉を口にしたー。


そしてー、

史香もトイレの個室から出て、そのまま教室に戻るー。


濡れたまま教室に戻った史香を見て、

クラスメイトたちはどよめくー。


全員からいじめを受けているわけではなかったが、

友達は少なく、濡れたまま教室に戻ってきた史香を見て、

ヒソヒソと話をし始めるクラスメイトたちも多かったー。


”ーー森下さん、またいじめられたのかな?”

”あ~あ、可哀想にー”

”ってか、よくあんな状態で教室に戻って来れるよねー”

”そういえば、あの濡れてる感じ、エロくね?”


そんな、色々な声が聞こえて来るー。


史香は、思わず濡れた髪で目が隠れた状態のまま

クスッと笑うー。


「ーくくくくく…」

イジメられた喜びから笑いだす史香ー


教室中で噂されているこの状況も、

とてもゾクゾクするー。


「ーーくくくく… クククー くくー

 ふふふふふふふっ♡」


自分の座席で一人笑いだす史香ー。


そんな史香の様子を見て

クラスメイトたちは、絶句してしまったー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ーーねぇねぇ、これ以上ヤバいってー」

凛子が、リーダー格の葵に対して

そんな言葉を口にするー。


「ーーヤバいって何が?」

葵が不機嫌そうに言葉を口にすると、

凛子は「これ以上いじめると、逆に刺されたりしそうだし、

もうやめようー」と、そう言い放つー。


「ーーはぁ?なに?あんたびびってんの?」

不満そうな葵ー。


「そうじゃない!そうじゃないけど、

 でも、葵だって気付いてるでしょ?

 アイツ、昨日から何かおかしいよ!」


凛子のその言葉に、葵は険しい表情を浮かべるー。


それはー…

”言われなくても”分かっているー。


確かに昨日から、なんだか史香の様子がおかしいー


今まで、怯えて、泣いて、謝るだけだった史香ー。

だが、昨日からー、何かがおかしいー


まるで、いじめられていることを楽しんでいるかのようなー


「ーー…分かってるー。

 分かってるけど、でも、あんな奴が

 あたしたちに仕返しなんてできるはずがない」


葵はそう言い切るー。

なおも不安そうな凛子ー。


「ーでも、気味悪くないー?」

近くにいたもう一人の友人・美彩もそう言い放つー。


凛子と美彩ー

二人の言葉を聞いて、

葵も少しだけ不安そうな表情を浮かべたー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ただいま~」

流石に少し乾いてはいるものの、

濡れた制服姿で帰宅した史香ー


「ーーー…大丈夫ー?」

心配そうに、史香に声をかける母親ー。


母親も気が弱そうで、史香とよく似た感じの

雰囲気に見えるー。


「ーふふー大丈夫ー」

ニヤリと笑う史香ー。


そんな様子に、不安そうな表情を浮かべる母親ー


「ーーーふふーこういうのってさー

 なんか、興奮しない?」

史香のそんな言葉に、母親は困惑した表情を浮かべながら

「ふ…史香ー?」と、心配そうに言葉を口にしたー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・


さらに数日が経過しー、

相変わらず、いじめを受けながら快感を味わう生活を

送っていた史香は、ニヤニヤしながら

自宅の部屋へと戻り、スマホを開いたー。


「ーーそういやー、俺のアカウントを見てみるかー」

史香のスマホで、純也自身が元々使っていたSNSの

アカウントにログインすると、

ふと、メッセージを見つけたー。


”おい、返事をしてくれー おい!”

そんなメッセージを確認する史香ー


「あ~…晴彦のやつには悪いことしたなー」

史香に憑依した純也は、世間的には”消息不明”の状態に

なってしまっているー。


この前、久しぶりに会ったばかりの幼馴染・晴彦は、

純也が行方不明だというニュースを見て、

心底心配してメッセージを送ってきてくれた様子だったー。


他にも数名、純也のことを心配するような

メッセージを送ってきているー。


「ーーー…ーー…ま、晴彦には伝えておいてやるか」

史香はそんな言葉を口にしながら笑みを浮かべるー。


イスに足を広げたまま座りー、

まるで男のような振る舞いで、メッセージに返事をしていくー


”晴彦”以外の友達や、自分の両親にも伝えようか

一瞬迷ったものの、

両親は”他人の身体を奪って生きている”なんて言ったら

怒るだろうし、

既に両親も高齢であるため、なかなかこんな状況を

理解することは難しいだろうと、そう判断して、

連絡は思いとどまったー。


そして、晴彦以外の友達のことも考えたもののー、

”今の状況”を一番理解してくれそうなのは晴彦だったために、

”晴彦だけ”に、メッセージを返すー。


”悪い悪いー 俺はちゃんと生きてるよ”

そんなメッセージを晴彦のアカウントに送るー。


すぐに、晴彦から返事が来て、

それを確認する史香ー。

そこには”お前、今、どこにいるんだよー?”と、

心配するようなメッセージが刻まれていたー。


”ーーそうだなぁ、明日の夕方とか会えるなら、

 会おうぜー”


史香はそうメッセージを送ると、

「ーふふー驚くだろうなぁー

 こんな可愛くなった俺を見てー」と、

静かに笑みを浮かべたー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


翌日ー。


待ち合せ場所に先にやってきていた晴彦の姿を確認すると、

史香に憑依した純也は、晴彦の背後から声をかけたー。


「ーー晴彦」


そう呼ぶ史香ー。


突然”女”から、そう呼ばれた晴彦は、少し驚いた様子で

「ーーえ?」と、戸惑いながら振り返るー。


「ーははは、何て顔してるんだよー。

 ”俺”だよー。純也ー」


史香が自分を指差しながら言うと、

「ーーは……はい?」と、晴彦は戸惑いの表情を浮かべるー。


流石に、すぐに純也だと理解することができなかったのか、

完全に戸惑っている様子だー。


「い、いや、あのー…

 え?どちら様ですか?」

晴彦の戸惑う表情に思わず笑ってしまう史香ー。


「ーはははっ、いやぁ、まぁそうだよなー。

 びっくりするだろうけど、でも、ちゃんと俺なんだー」

史香はそう言うと、

「ーーこの前会った時”いじめられたい”って話しただろ?」と、

晴彦に対して言い放つー。


晴彦は「ーーど…どういうことー…?え?女装ー?」と、

そう言葉を口にすると、

史香は「違う違うー。この身体は森下 史香って子の身体なんだけどー」と、

そう言葉を続けたー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


近くのファミレスで、これまでの状況を全て話した史香ー。


「ーーへへ それで今、俺は

 いじめられっ子の史香ちゃんってわけだー

 すごいだろ?」


自分の身体を自慢するかのような仕草をしながら

不敵な笑みを浮かべる史香ー。


それを聞いて、晴彦は戸惑いの表情を浮かべたー


「ーひ、人の身体を乗っ取るなんて、あり得ねぇだろ…

 その子を殺したのと同じようなもんじゃねぇかー」


晴彦は呆れ顔でそう言葉を口にすると、

史香は「へへー…まぁ、それもそうなんだけどさー」と、

ジュースを口にしながら、少しだけ笑うと、

表情を曇らせながら言葉を続けたー。


「ーー俺さー、疲れてたんだー”自分”にー」

史香の言葉に、晴彦は「?」と、表情を歪めるー。


「お前も、この前俺と会ったとき、言ってただろ?

 ”「ーーーしかし、お前ってどこ行っても人気者だよなぁ」”

 ってー。


 確かに俺は小さい頃から、学校でもー

 人気者って呼ばれるような状態だったし、

 どこに行っても、そんな感じだったー。

 

 ーーーあ、自慢じゃないからな?」


史香はそこまで言うと、

「ーそれが、疲れたー」と、大きくため息をつくー。


「ーーー島野ー…」

晴彦は戸惑いの表情を浮かべるー。


確かに、イケメンで何でもできて、性格も良い純也は

”どこかで”無理をしていたのかもしれないー。

そうなりたいと願ってそうなったならともかくー、

純也がそれを望んでいなかったとすればー


「ーーそれでさー、就職して初めて嫌がらせされてー

 なんかー、楽しくなっちゃってさー」


史香は自虐的に笑うー。


”望んでないのに人気者になってしまって、そう振る舞わざるを得なかった”

人生を送って来てー、そんな中、社会人になって

始めて嫌がらせを受けてー、おかしな感情に目覚めてしまったー。


小さい頃から”嫌なことをされる”経験を全くせずに育ってしまった純也は、

何か、いびつな人間に育ってしまったのかもしれないー。


「ーーへへー でも、まぁ、この身体は最高だぜー?

 いじめられるとすごく興奮するしさー」

史香はそう言うと、晴彦は戸惑いながら「ダメだろそんなのー」と、

言葉を口にするー。


「ーお前がいなくなったら、心配する人だっているだろ?

 親もー、会社のやつらだってー、

 それにー…その子の人生はどうなる?

 いじめられてて辛い人生だったかもしれないけど、

 まさか、その子本人に「これから身体を乗っ取ります」って

 言って、許可を取ったわけじゃないだろ!?」


晴彦のそんな言葉に、史香は自虐的に笑ったー


「ーー…っていうか、何で俺にそんなこと言ったんだよ!?

 ずっと黙ってりゃ、誰にも気づかれはしなかったはずなのにー!


 聞けば、俺だってお前のことを止めようとするし、

 そうなりゃ、お前にだって都合が悪いだろ!?」


晴彦は戸惑うー


何故、”憑依”のことを純也は、わざわざ晴彦に告げたのかー。

一緒に”すげぇ~!へへへ”と、でもなると思ったのだろうかー。


「ーー確かにな」

史香は、そう呟くと少しだけ笑うー。


「ー誰かに、”俺は生きてる”ってことを知っていて貰いたかったのかも」

史香はそれだけ言うと、そのまま座席を立ち上がるー。


「ー金は、俺が払っとくからさー。

 今日は、話を聞いてくれてありがとなー」

史香はそう言いながら立ち去っていくー。


そんな、”他人の身体を奪った親友”の後ろ姿を見つめながら

晴彦は戸惑うことしかできなかったー。


”さてー…明日はどんな風に俺をいじめてくれるかなー”

ファミレスを出た史香は、

いじめっ子の葵たちのことを思い浮かべながら

興奮した様子で顔を赤らめると

「ー楽しみー」と、不気味な笑みを浮かべたー。


③へ続く


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


コメント


いじめられるために憑依する…★

なんだか、恐ろしい目的ですネ~!


この先、どうなっていくのかは

また次回のお楽しみデス~!


今日もお読み下さりありがとうございました~!☆

全ての皆様に感謝デス~!☆!

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