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謎の施設の中で目を覚ました安裕香は、

不気味な笑みを浮かべる”自分自身”の映像に翻弄されながら、

謎の”ゲーム”に挑まされるー。


ここは、意のままに操り、悪事に加担させた人間を”廃棄”する場所ー

通称・”奈落のゴミ捨て場”ー。


男がモニター越しに安裕香が戸惑う様子を見てあざ笑う中ー、

何も知らない安裕香は、真実を求めて出口を目指すー。


しかしー、安裕香が意識を失う直前、

一緒に下校していた友達・百恵も悪の組織の手中に落ちていたー…


★前回はこちら↓★

<MC>奈落のゴミ捨て場①~目覚め~

薄暗いその場所で、彼女は目を覚ましたー 「ーーー……え???」 暗い、冷たい部屋ー。 広々とした部屋であるものの、特に何かが置かれているわけでもなく、 冷たい風だけを、うっすらと感じるー。 「ーーー……ーーわたしーーー…あれ…?」 彼女ー、岡島 安裕香(おかじま あゆか)は、困惑の表情を 浮かべながら周囲を見...

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第4ステージの鉄球部屋を何とか突破した安裕香ー。


その先の通路で”洗脳されている安裕香”の映像ー…

昨日撮影された録画映像が流れ始めるー。


”ふふふーおめでとう。また1ステージクリアしたようねー”

バニーガール姿の”洗脳されている安裕香”の映像ー。


しかし、これが録画映像だとも、

昨日”自分が言わされていた言葉”だとも知らない安裕香は

困惑の表情を浮かべながら、

「ーー早くここから出してよ!」と、叫ぶー。


が、相手は録画映像ー。

その言葉には反応せず、予め用意された通りの言葉しか喋らないー。


”ここはー

 我々”ジオ・デビルズ”の施設ー。

 技術の研究やー、あなたのような人間の”廃棄”を行う場所ー”


バニーガール姿の安裕香が邪悪な笑みを浮かべるー。


「じーー…じおでび…???」

聞きなれない名前に困惑する安裕香ー。


”ふふふふー

 ”次”の情報はまた次のステージを突破したらー”


バニーガール姿の安裕香はそう言うと、

心底楽しそうに、悪女のような笑みを浮かべたー。


”次のステージで、あなたがどんな反応をするのかー

 ほんっとうに楽しみー

 ふふ…あはははははははっ!”


そんな、洗脳された安裕香の笑い声と共に映像は途切れるー


安裕香はイヤな予感を感じながらも前に進むー。

次の部屋に進む以外、”今の状況”が全く分からない安裕香からすれば

方法はなかったー。


”第5ステージ”の扉を開いた安裕香ー。

そこにはーーー


「ーーー安裕香…久しぶり~~~」

チャイナドレスの女がいたー。


「ーーー…え…」

その女は、安裕香のよく知る女ー。


「ーーーえ……も、百恵…?」

安裕香が”ジオ・デビルズ”に連れ去られた際に

一緒に下校していた友達ー。


そうー。

ジオ・デビルズはあの日、安裕香と百恵の二人を洗脳、

そのままジオ・デビルズの悪事に加担させ続けて来たのだー。


3年間ー、洗脳され続けた末に

行動計画会議により、安裕香は廃棄が決定、

こうして今日、この奈落のゴミ捨て場にいるー。


しかし、百恵の方はまだ、ジオデビルズの構成員として

今も悪事に手を染めているー


「ーーー百恵…な、なんなのその格好…?ここはどこ!?」

安裕香がそう言い放つと、百恵は太腿に巻き付けていたポーチから

ナイフを取り出し、それをペロリと舐めるー。


「ーー忘れたの?3年前ー

 わたしたちは洗脳されて、ジオ・デビルズの構成員になったー

 安裕香もわたしも、”新しい自分”に生まれ変わって

 た~っぷり楽しんだじゃない?」


百恵の言葉に、安裕香は「な…何を言ってるのー?」と、

震えるー


「ーーふふー”廃棄”された安裕香には分かんないかー」

百恵はそう言いながらナイフを安裕香に向けるー。


「ーー喜びなさい安裕香ー

 親友のわたしが、あんたに引導を渡してあげるー」

百恵はそう言うと、ナイフを手に安裕香に迫って来たー


「ね…ねぇ…何なのこれ?訳が分からないよー…

 ねぇ…百恵…

 ど、ドッキリなら、もういいからー!」


安裕香が涙目で言うー。


一瞬、目覚めてから今までの出来事が

全部、百恵や他の友達たちによるドッキリか何かなのではないかと、

そんな現実逃避までしてしまう安裕香ー。


「ーーーふふーー

 あんただって、嬉しそうに人を殺してたじゃない」


百恵はそう言うと、安裕香に容赦なくナイフを突き立てようとするー。


「ーーひっ!?」

安裕香が涙目で何とかそれを交わすも、

百恵はさらに、安裕香に向けてナイフを振るうー


ピッ、と頬に痛みが走るー


「ーーー!!!」

安裕香が慌てて、頬に指を付けると、

自分の指に血がついているのを見て、悲鳴を上げたー。


うそーー…?

どうしてーー?

百恵が、本気でわたしを殺そうとしてるー?


そう思った安裕香は、必死に逃げ始めるー


「ーーあはははははっ!

 安裕香ー…さいこう!!

 そうやって逃げ回るやつを殺すのって

 本当に…わたし、興奮しちゃう!」


百恵は狂ったように笑いながら、安裕香を追いかけてくるー。


「百恵!やめて!やめてってば!」

泣き叫びながら逃げる安裕香ー。


しかし、洗脳されている百恵にそんな言葉は通じないー。


チャイナドレス姿の百恵が、安裕香をあっという間に追い詰めー、

安裕香を切りつけようとするー。


「ーーやだっ!いやだ…死にたくないよ!やめて!」

安裕香は、必死に暴れながら抵抗するー。


「ーーーふふふふふ…あはははははははは!」

狂ったように笑いながら、安裕香にナイフを突き立てようとする百恵ー。


しかし、暴れる安裕香に思った以上に手を焼き、

百恵は表情を歪めるー。



”クククククククーー”

その様子を見つめていた”ジオ・デビルズ”の構成員ー

通称・黒蛇は笑みを浮かべるー


「かつての親友同士の殺し合いー

 実に美しいー」


廃棄が決定し、正気に戻った人間を弄ぶことに喜びを感じる黒蛇は、

二人の様子を見つめながら、興奮していたー。


「ーーしかし…あの小娘もなかなかしぶといなー」


必死に百恵を振り払って逃げる安裕香を見つめる黒蛇ー。

安裕香もナイフで何度か傷を負ってはいるものの、

致命傷は未だにないー。


がーーー


それでも、百恵は次第に安裕香を追いつめつつあったー。


”ふふふふー

 あの先にはトラップがたくさん仕掛けてあるー

 間違えてトラップを踏んだ瞬間ー

 安裕香ーあんたは死ぬのよー”


そう思いつつも、百恵は安裕香の血がついたナイフを

ペロリと舐めると、壊れた笑顔を浮かべるー


「ーーでも、できればあんたはわたしが殺したいー

 だってーー、安裕香はわたしの友達だものー」


クスクスと笑う百恵ー。


安裕香が逃げ込んだトラップ地帯に足を踏み入れ、

トラップの位置を確認しながらゆっくり歩く百恵ー。

謎の機械で迷宮のように入り組んだ道ー。

そこを、トラップの位置を正確に把握している百恵が、

安裕香のあとを追って歩くー。


がー、

その時だったー


「ーーー!?!?」

百恵は”何か”に、自分の身体が引っ張られていることに気付き、

表情を歪めるー。


すぐに振り向く百恵ー。


「ーーー!!!!!!!」

さっきー、安裕香と乱闘状態になった際に、

百恵が着ているチャイナドレスは何か所か破れていたー…


そして、その破れた個所の一部が、

機械に引っかかってー、それに気付かずに

無理に歩こうとした百恵の身体が、引っ張られたのだー


「ーーっっっ…!?」

百恵は、バランスを崩して”トラップ”のスイッチを踏んでしまうー。


「ーーー……う…嘘…

 ま、まさか、このわたしがー…!?」


トラップのスイッチを踏んだ百恵が、

”奈落の落とし穴”に転落していくー。


「ーー百恵!」

近くに身を潜めていた安裕香が、それに気づいて

”洗脳された百恵”を助けようとするー。


がーーー

百恵はニヤリと笑うと、「あんたなんかに助けられるぐらいなら!」と、

自分で手を振り払いーーー、

”洗脳されたまま”ー2度と正気を取り戻すことなく、

そのまま”落とし穴”に転落ー…

その生涯を終えたー。


「ーーーそんな……」

安裕香が絶望していると、

”見事だったわー”と、そんな声が部屋のスピーカーから聞こえたー。


”第5ステージのデスマッチは、相手が死亡したことで、

 これでクリアー…

 もう、トラップも無効化されたから、安心して先に進みなさいー”と、

”昨日録音された”安裕香の声が響き渡ったー。


第5ステージを突破した安裕香ー。


”録画映像”の安裕香は、

これが録画映像であることと、自分は”洗脳されたわたし”であること、

この映像は昨日、洗脳が解除される前に

撮影されたものであることを告げたー。


「ーーーーー…洗脳ってーーー…」

安裕香は震えながら叫ぶー。


「ーーどこかで見てるんでしょ!?

 何でこんなひどいことするの!?

 何が目的なの!?!?!?」


恐怖よりも、怒りが勝った安裕香がそう叫ぶと、

安裕香の録画映像が乱れてー、

男の顔が映し出されたー。


男は、モニター越しに拍手をしているー。


”クククー

 全ステージクリアおめでとうー。

 安心したまえー

 これは録画映像ではないー

 ライブ映像だー”


犯罪組織ジオ・デビルズの男・”黒蛇”がそう言葉を口にすると、

”奥の部屋へ進みたまえー。そこで全て話そう”と、

そう言葉を口にしたー。


「ーーーー」

安裕香は涙目のまま、怒りの形相で奥の部屋へと向かうー。


すると、そこは”黒蛇”が、安裕香の行動を監視していた

コントロールルームへと繋がっていたー。


「ーおめでとうー」

黒蛇が笑いながら拍手をすると、

安裕香は「ふざけないで…!」と、叫ぶー。


「ーーククククー…

 威勢がいいなー。

 まぁいいー。

 全部のステージをクリアしたご褒美だー。

 全て、教えてやろう」


黒蛇はそう言うと、安裕香に対して

全てを語ったー。


3年前、下校中だった安裕香を捕らえ、

そのまま洗脳し、ジオ・デビルズのために働かせ続けていたことー。


洗脳されている間の安裕香は、嬉々として悪事に手を染め、

人殺しに色仕掛け、あらゆる罪に手を染めていることー。

そして、身体の酷使が原因で安裕香の身体はある病気に侵されていて

半年間の余命宣告を受けていることー。

それ故に”廃棄処分”が決定し、今日、正気を取り戻したことー。


それを、説明したー


「ーーう…嘘……? よ、余命ー…?」

安裕香が呆然とすると、

”黒蛇”は、「残酷なことだがー…」と、わざとらしく、

申し訳なさそうに首を横に振ったー。


「ー君の身体はもう、ボロボロだー。

 我々の仲間として働いている間に、随分身体を酷使したからなー

 もう、長くは持たないー。

 だからこそ、廃棄が決定し、こうして正気を取り戻したんだー」


黒蛇はそう言い放つと、呆然としたままの安裕香の方を見つめるー。


「ーーー…ーーー…‥‥」

放心状態の安裕香ー。


だがー、やがて安裕香は何かを口にしたー。


「ーーーーい」


「ーーン?」

黒蛇は笑みを浮かべながら、安裕香の方を見つめるー。


「ーーーーーー許さない!!!!」

安裕香は泣き叫びながら、黒蛇の方に向かって走り出すー。


「ーーー!」


がーーー


「ーー!?!?!?!?!?」

安裕香は、”黒蛇”の身体をすり抜けてしまったー。


「ーークククー残念ー。

 これはホログラム映像でねー。

 俺の本体は別の場所にいるー。」


黒蛇はあざ笑うようにしてそう言い放つと、

「ーー十分に楽しめたよー」と、そう言いながら

そのまま姿を消していくー


「ーーま、待って!」

安裕香はそう叫ぶも、黒蛇の姿はそのまま消え、

近くにあったモニターに映像が映し出されるー。


モニターには”バニーガール姿の安裕香”ー。

昨日、洗脳解除前に撮影された録画映像だー。


”クリアおめでとうー。

 あなたは無事に脱出よー”


その言葉と共に、奥の部屋の扉が開くー。


「ーーーーー…」

解放されるー…

でも、余命はもうあとわずかー


「ーーーー…」

涙目で、安裕香はしばらくその場に立ち尽くすー


いやー…

でも、”まだ”命はあるー。


ならばせめてー、

ここから脱出して、このことをー、世間にー…


そう思いながら”出口”の扉を開けー

外に出た安裕香ーー


がーーー

突然、地面が落とし穴のように開いて、そのまま落下していくー


「ーーえっーーーー!?!?!?!?」

深い深い落とし穴の中に転落した安裕香ー。


困惑しながら、上を見上げようとしたその直後ー、

毒ガスのようなものが噴き出し始めたー


落とし穴の底にも設置されていたモニターに

”洗脳されている安裕香”の録画映像が再生されるー


”あぁそうそうー、出口って言うのは、

 ”この世からの出口”のことねー ふふふ


 お疲れ様”わたし”ー

 ゆっくり休んでねー”


 ふふふふー

 ふふふー

 あははははははっ!”


昨日ー、

”明日死ぬ、自分へのメッセージ”を録画させられた

洗脳状態の安裕香ー。


狂ったように笑う”わたし”の声を聞きながらー、

安裕香はなんとかその場から逃げ出そうとするー


けれどーーー


それは、叶わなかったーーー


”ーーーーーーーーーーー”


それを別の場所からモニターで見つめていた男・黒蛇は

笑みを浮かべたー。


「ーー処理完了ー」

黒蛇はそう呟くと、

「今日も良い余興だったー」と、それだけ言葉を口にして、

そのままその場を後にしたー…


おわり


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


コメント


完全にバッドエンドのお話でした~…!


”操られている頃の自分に煽られながら、脱出を目指す”を

コンセプトに考えた作品ですネ~!

最後の瞬間まで、”洗脳されていた自分”に煽られながら

命を落とすなんて…とっても嫌な最期デス…!


お読み下さりありがとうございました~~!★

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