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自分が憑依される夢を見たー。


妙にリアルな感じの”夢”に不安を感じた姫梨は

彼氏の康博にそのことを相談するー。


しかし、相談を受けた康博自身もやはり”夢”だと判断し、

姫梨が怖い夢をこれ以上見ないようにと、安心させようとする

言葉を口にするー。


ーが、それは”夢”などではないことを

姫梨はまだ知らないー。


☆前回はこちら↓☆

<憑依>憑依される夢をみた①~不安~

「ーー今日はなんだか嬉しそうだねー!  何かあったの?」 三枝 姫梨(さえぐさ ひめり)が、 嬉しそうにしている彼氏の今岡 康博(いまおか やすひろ)に、 そう言葉を掛けると、康博は「え?そうかなぁ?」と、 ご機嫌そうに笑いながら言葉を口にするー。 姫梨は、そんな康博を見て 「どうして嬉しそうなのか、当...

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また、”憑依される夢”ー

そう思いながら、姫梨は何とか自分の身体を

取り戻そうとするー。


しかし、チャイナドレス姿の姫梨は、

モデル歩きをしながら、自分の足をうっとりとした表情で

見つめたり、自分のお尻を触って、ニヤニヤしたりを

繰り返しているー


”そ、そんなことしないでよー!完全に変態じゃん…!”

姫梨の意識が必死に抵抗しようとするー。

けれどもやっぱり、自分の身体のはずなのに

何もすることが出来ずー、

只々、勝手に身体が動いてしまうー。


「ーこれが本当のわたしー」

鏡の前で妖艶なポーズをとりながら、

姫梨が勝手にそんな言葉を口にするー。


”もうー…なんでこんな夢ばっかり見るのー?”

姫梨の意識はそう思いながらも、抵抗するのをやめるー。


どうせ夢なら、起きたら元通りー

抵抗する必要はないと考えたのだー。


その後も、”憑依された姫梨”は、チャイナドレス姿のまま、

欲望の限りを尽くしていくー。


「ーあぁ~~~…ホント最高♡ んっふふふふ…」

完全に興奮している状態の自分を見るのは、

苦痛だったー

姫梨の意識は、それを見ないようにして、

”早く目覚めてー”と、繰り返し自分自身に念じていくー。

起きてしまえば、こんな悪夢からは解放されるー。


そう思っていると、やがて、意識がスーッと

眠りに落ちて行きー…


そのまま、目を覚ましたー


「ーーー~~~~~~…」

姫梨は周囲を見渡すー。


周囲の様子は”いつも通り”ー。


当然、家の中にチャイナドレスなど存在しないー。


けれどー…


「ーーーーー…」

何か、言葉に言い表せないけれど、

身体が少しドキドキしているような、そんな違和感を感じるー。


”ーーあんな夢を見たからかなー…?”

姫梨は、そう思いつつも、ふとあることを不安に思うー


”わたし、どうして”あの夢”だけ、夢だと認識できるんだろうー”

とー。


通常、夢を見ている間に”あ、これ夢だね!”なんて

認識できることは少ないー。

そういう人もいるかもしれないし、

時々、そんな風に思う時はあるかもしれないー。


けれどーーー

”憑依される夢”ではー、

毎回”これは夢”だと、認識できているー?


それは、どうしてー…?


姫梨は、そんな風に思うー。


そしてー…

姫梨は”家の中”に、チャイナドレスが実は存在することに

気付いていなかったー…。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ま、また夢を見たー?」

彼氏の康博が困惑の表情を浮かべるー。


「ーう…うん…

 やっぱりまた、身体の自由が効かなくて

 誰かがわたしの身体を勝手に使ってる感じの夢で…」

姫梨はとても疲れ果てた様子でそう言葉を口にするー。


「ーーーーー」

妙に眠そうな感じの姫梨を見つめながら

康博は不安そうに口を開くー。


「ーー随分眠そうだけど…大丈夫か?」

とー。


「ーーーう、うんー…ちゃんと寝てはいるはずなんだけどー 

 夢のせいかな…?なんだか疲れが取れなくてー」

姫梨は今にも寝落ちしてしまいそうな感じで

そう言葉を口にすると、

康博は困惑の表情を浮かべながら、しばらく考え込むー


「夢の内容で覚えていることは他にはー?」

康博がそう言葉を口にすると、

姫梨は恥ずかしそうにしながら

「そ…その…チャイナドレスを着て自分の足を触ったりとかー

 鏡にキスしてたりとかー…

 あとちょっと…モデルさんみたいなポーズさせられたりとかー

 ただ、その間もわたしは何もできなくて

 ずっと、わたしの身体が誰かに勝手に動かされてる感じー」

と、そう説明したー


「そ、そっかー…」

康博はそれだけ言うと、もう一度、とても眠そうにしている

姫梨のほうを見つめるー。


「ーーー…どうして、こんな夢ばっかり見るようになっちゃったのかなー?」

不安そうにそう言葉を口にする姫梨ー。


康博はそんな姫梨を見つめながら、息を吐き出すと

「ーー姫梨さえよければ、今日は姫梨の家の方に泊まろうかー?」

と、そう言葉を口にするー。


お互いに一人暮らしをしていて、互いに相手の家に行きすることもある二人ー。


「ーーーあ、俺の家に姫梨が来る、でもいいけどー

 二人でいれば、姫梨も安心して眠れるかもしれないしー」


康博のそんな言葉に、姫梨は

「ーーで、でもいいのー?わたしの夢なんかのためにー?」と、

申し訳なさそうに言葉を口にするー


「はははー何言ってんだよー。

 姫梨のためなら、全然問題ないさー」


笑いながらそう言葉を口にする康博ー。


そんな康博の言葉に、安堵の表情を浮かべると

姫梨は「ごめんねー…じゃあ、今日はお願いできるかな?」と、

心底申し訳なさそうに、康博に家に来てほしい、と、そうお願いしたー


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


夜ー


姫梨は高校時代の友人・幸恵に最近のことを

LINEで報告して相談していたー


”でもよかったじゃんー康博くんが家に来てくれてるなら

 安心だねー!今日はぐっすり眠れるんじゃない?”


幸恵のそんな言葉に、姫梨は”うんー。そうなるといいなぁ”と、

返事を送るー。


約束通り、家にやって来てくれた康博は

”なんだか疲れてそうだから”と、姫梨の家のことを

ほとんどやってくれているー。


そろそろ眠くなってきたー

そう思いながら、姫梨がキッチンの方で

食器を洗ってくれている康博の方に顔を出すと、

「ーーわたし、先に休んでるね」と、そう言葉を口にするー


「ーーん?あぁ、オッケ~!

 今日は俺が一緒にいるから大丈夫ー

 怖い夢も、きっと見ないさ」


康博はそう言葉を口にすると、姫梨は心底安堵した様子で

「本当にありがとうー」と、そう言葉を口にすると、

そのまま部屋のベッドに横たわったー。



そしてーーー


その日は”憑依される夢”を見ることもなく、

ぐっすりと朝まで眠ることができたのだったー


「ーーおはよう」

姫梨はすっきりした様子で微笑むと、

先に起きていた康博は「おはようー。夢は、大丈夫だった?」と、

そんな言葉を優しく口にしたー


そんな康博の様子を見つめながら姫梨は

”もう一つの心配事”を口にするー。


今まで心配を掛けまいと隠していたけれど、

一人で抱え込むのはよくない、と今回のことで学んだ姫梨ー。


「ーーあのさー康博ー…

 わたし今ー、越前先輩に付き纏われててー」


そんな言葉を口にする姫梨ー。


越前先輩とは、同じサークルに所属する先輩で、

姫梨に彼氏がいるのを知りながら、しつこくアプローチを

かけて来ている男子生徒だー。


そういう不安も、”憑依される”という不気味な夢に繋がっているのかもしれないー

そう思った姫梨は、越前先輩のことを康博に相談すると

康博は驚きながらも「わかったー。今日、一緒に話をしよう」と、

そう約束してくれたー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ーーーー先輩ーこれ以上、姫梨に付き纏うのであれば

 こっちにも考えがありますー」


大学にやってきた康博と姫梨は

越前先輩を呼び出し、話をしていたー


「ーーー俺を付き纏い扱いするのかー」

眼鏡を曇らせながらそう言葉を口にする越前先輩ー。


「ーー勘違いしないでくださいー

 俺も、姫梨も先輩と争う気はありませんー

 できればトラブルにせずにこのまま穏便に終わらせたいんです」

康博がすかさずそう言葉を口にするー


越前先輩のような人間を必要以上に刺激するのはよくないー。

まだ、姫梨が直接的に何かされたわけでもない今、

越前先輩が姫梨にしつこくするのをやめてさえくれれば、

それ以上、望むものは何もなかったー。


「ーーーわたしも、先輩と争うつもりはないんですー

 ただ…やっぱり、わたしには彼がいるのでー」

姫梨がそう言うと、越前先輩は悔しそうに歯ぎしりをしながら

姫梨の方を睨みつけるー。


がー、やがて大きくため息をつくと

「わかったー。俺も騒ぎを大きくすることは望んでいないー」と、

妙にあっさりと負けを認めて引き下がったー。


「ーーー」

康博も、姫梨もホッとした様子を見せるー


「ーありがとうございます」

康博は、越前先輩にそう言葉を口にすると、

”今後、姫梨には付き纏わない”と改めて約束させ、

姫梨の所属するサークル活動からも手を引くことを越前先輩は

約束したー。


「ーーーごめんねー。何から何まで、康博に頼っちゃってー」

姫梨が申し訳なさそうに言うと、

康博は「はははー、こんな頼りない俺でも力になれることがあれば何でも」と、

少し照れくさそうに言葉を口にしたー



「ーーーーーー」

二人が立ち去ったあと、一人残された越前先輩は

悔しそうにガリガリと手の指の爪をかじり始めたー…


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


その日の夜ー


”えっ……”

姫梨は、”あのイヤな感触”を感じて、

状況を理解しようとしたー。


最悪なことに、その予感は当たってしまったー


「あはははははは♡ あっはははははは♡」

姫梨は嬉しそうに、いつもは絶対にしないような笑い方で、

笑いながら、自分の胸を嬉しそうに揉んでいるー。


化粧をして、刺激的な赤いパーティドレス姿の姫梨は、

”姫梨本人の意識”とは関係なく、

胸を何度も何度も触っては、嬉しそうに笑っているー。


「ーーくくくくくー

 何をしたって、どうせ”憑依”してしまえば

 この身体は俺のものなんだからー… くくくくくっー」


姫梨は、見たこともないような邪悪な笑みを浮かべながら

自分の胸を力強くつつくと、

「全部、俺のものだー」と、嬉しそうに笑うー。


”ふ…ふざけないで…!あなた一体誰なの!?”

姫梨の意識が心の中でそう叫ぶー。


しかし、”姫梨を動かしている相手”には、

どうやらそれが聞こえていないようだー。


姫梨は、困惑するー。


”まさかまたこの夢を見るなんてー…”

そう思いながら、姫梨は”これは夢” ”これは夢”と、

自分を落ち着かせようと、自分に言い聞かせるー。


夢のことを気にしすぎているー。

だから、この夢を何度も何度も見るんだー、と、

そう思いながら、姫梨は心の中で深呼吸をするー。


そうこうしているうちに、姫梨は突然ー…

玄関の扉を開けて、外に向かって歩き始めたー


”ちょ…!?そんな格好で外に出ちゃだめ!”

姫梨の意識がそう叫ぶも、

姫梨の身体はパーティドレス姿のまま、ハイヒールの音を立てつつ、

夜の街を嬉しそうに歩き始めるー。


”か、勝手なことばかりしないで!!”


そう言い放つもー、「見られてるって…興奮するー…」と、

道行く男の視線を感じながら”今の姫梨”は、興奮した様子を見せるー


やがてー、姫梨は

勝手にガムを噛みながら歩き始めるー


”ちょっとー…ガラ悪すぎ…!そんなことしないでよー”


姫梨の意識が不満そうにそう呟くー。


そうこうしているうちに、姫梨の意識は遠のいていきーーー


やがてーー


「ーーーーーーー!!!!!」

いつものように、ベッドの上で目を覚ましたー。


「ーはぁ…はぁ…はぁー…

 また、夢ー…」


大きく息を吐き出しながら、姫梨は心配そうにそう呟くー。


「ーーーーーはぁ…はぁ…もうやだー…」

姫梨はそう言葉を口にすると、首を横に振るー。


”ーまた、康博に相談しようかなー…”

そんな風に思った姫梨ー。


しかし、姫梨は自分で首を横に振るー。


「ー越前先輩の件でも助けてもらったばかりだしー、

 あんまり康博を頼り過ぎても、ダメだよねー」


姫梨は自分に言い聞かせるように、

そんな言葉を口にするー。


身近にいる”唯一”、家にまで来てくれて守ってくれる存在である

彼氏の康博ー。

姫梨は、そんな康博にこれ以上迷惑を掛けたくないー、と、

そう判断してしまうー。


「ーー姫梨、例の夢はもう大丈夫かー?」


大学ー。

心配そうに康博がそう言葉を口にするー。


姫梨は一瞬、”まだ見るの…”と、相談しようと思ったものの

それを思いとどまり、言葉を口にするー。


「ーうん!この前、康博が来てくれてから、

 全然見なくなったしー、もう大丈夫!」


無理に笑顔を作る姫梨ー。


「そっかー。ならよかったー」

安堵の笑みを浮かべる康博ー。


そんな二人の様子を少し離れた場所から

越前先輩が、不満そうに見つめていたー…。


姫梨は、まだ知らないー。

”夢”について彼氏に相談しないー、という判断が

自分自身にさらに辛い現実を突きつけるー、

ということをー…。


③へ続く


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コメント


憑依されているのが”夢”じゃないと、

まだ気づいていない状態が続いていますネ~…!


彼氏に相談しない選択をしてしまったことで、

どんなことが起きていくのかは、

また次回のお楽しみデス~!


今日もお読み下さりありがとうございました~!☆!

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