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とある大学に通うカップルー。


2人は、友人たちからも羨ましがられるほど仲良しで、

2人とも一人暮らしなこともあり、よく互いの家を、

日常的に行き来していたー。


「ーーお待たせー」

彼氏の久保田 雅夫(くぼた まさお)が、そう言いながら

待ち合せ場所にやってくると、

彼女の藤枝 架純(ふじえだ かすみ)が「あ!雅夫!」と、

嬉しそうに手を振るー。


雅夫は、運動とバイクが好きな男子大学生で、

大学が休みの日には、バイクでのんびり走ったりしながら

美味しいモノを食べたり、風景写真を撮影したり、のんびりと旅を

することも多いー、そんな生活を送っているー。


彼女の架純の方はおしゃれと、自然を眺めるのが好きな女子大生。

予定が合えば、雅夫のバイクに乗せてもらって

一緒に景色を見に行ったりすることもあるー。


そんな二人は、

今日は、大学帰りに一緒にご飯を食べる約束をしていて、

合流した二人は、早速仲良さそうに

雑談しながら、大学を後にして、そのまま二人がよく立ち寄る

近くのファミレスの中に入るー。


のんびりとした時間を過ごしながら、ファミレスでの食事を終えて、

外に出たその時だったー。


「ーーーえ」

彼女の架純の方が”あること”に気付いて、指を指すー。


「ーーあの人…どうしたのかな?」

そんな架純の言葉に、彼氏の雅夫も、架純が示した方向を見つめると、

そこには、少し苦しそうに蹲っている男がいたー。


マスク姿の

その男の近くには、液体を入れる容器のようなものが

転がっているー。


「ーーー…大丈夫ですか?」

苦しそうにしている男に、雅夫が近付くと、

「ーーぁ…は、はいー…だ、大丈夫ですー」と、よろめきながら

立ち上がろうとするー。


彼女の架純も、雅夫の後に続いて心配そうに近付いてくると、

男の方を見つめたー。


がー、男は「ー少し、急にめまいがしただけです」と、言うと、

そのまま、落ちていた液体入りの容器を拾おうとするー。


しかしー…、男は再びよろめきーーー


「ーーあっ!」

その様子を見ていた架純が思わず声を上げると同時に、

男は落ちていた”謎の容器”を踏んでしまい、

容器が割れる音がしたー


男はすぐに慌てた様子で「あぁ…会社で開発中のー」と、

もごもご言葉を口にすると、

ぎこちない様子で、”壊れた容器”と、”漏れ出した液体”を見つめるー。


奇妙な甘いニオイのする中、

「ーあ、あの、本当に大丈夫ですかー?」と、雅夫が

再び声をかけると、

マスク姿の男は、何も言葉を発することなく、

自分が踏んで割ってしまった容器を拾うと、

そのまま頭だけ下げて、そのまま立ち去ってしまったー


「ーー…なにあの人…?大丈夫かなぁ…?」

架純が少し不審げな表情を浮かべながらそう呟くと、

雅夫は「まぁ……大丈夫なんじゃないかなー」と、

少し釈然としない様子でそう言葉を口にしたー。


調子悪そうに見えたから声をかけたのに、

なんだか変な反応をされてしまって、

”声をかけなきゃよかった”と、そんな感情まで膨らんでくるー。


がー、再び雑談をしながら歩き始めた二人は、

そんな出来事はすぐに忘れてー、

そのままお互いの家までの分岐点にたどり着くと、

手を振りながらお互いの家に向かって歩き始めたー。



「ーーーーさて、そろそろ寝るかー」


その日も、いつもと同じように過ごし、

彼女の架純に対して”おやすみ”とLINEを送ると、

雅夫はそのままいつものように眠りについたー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


がー、その翌日ー


「ーーーーーーー」

目を覚ました雅夫は、あくびをしながら

いつものように洗面台のところまで向かうと、

鏡を見て「!?」と、突然驚いた表情を浮かべながら

振り返ったー。


”鏡”に知らない女が映ったのだー


がーーー

振り返っても、誰もいないー。


「ーー…!?!?!?」

困惑した表情のまま、再び鏡のほうを見つめた雅夫ー。


がー、再び鏡には”知らない女”が映るー


「ーー!?!?!?!?!?!?」

また、背後を振り向くー。


しかし、背後にはやっぱり誰もいないー。


「ーーー…!?

 え、だ、誰だあんたー!?幽れー」


鏡のほうを向いて、”鏡にだけ映る知らない女”に向かって

そう言葉を吐き出す雅夫ー。


けれどー、その言葉を途中で止めた雅夫は、

驚きのあまり、瞬きをするのも忘れて鏡をみつめたー。


たった今、自分の口から出た声が、自分の声ではなかったからだー。


しかも”男”ではなく、”女”の声ー。


鏡を指差して見る雅夫ー。

鏡の中の女も、同じように指を指すー。


「な……」

戸惑いながら、そう言葉を口にすると、

やがて、手を動かしたり、変顔をしたり

色々試してみるー。


何かをするたびに”鏡に映る知らない女”も同じ動きをするー。


”ど、どうなってるんだー?”


そう思いながら”女が人前であまりやらないであろうこと”を

試してみる雅夫。


鏡の前で、胸を揉むー。


それに合わせて、鏡の中の女も胸を揉むー。


その光景を見た雅夫はー…

「ーー…こ、これ…俺…!?」と、呆然とした表情で

ようやく言葉を吐き出したー


「ーーーー……な、なにこれ…ーーー

 え?な、なんだこれー…

 俺の胸が膨らんでんの? え?え?え?」


頭の上に「?」をたくさん並べながら

雅夫は周囲をキョロキョロと見回すー。


周囲を見渡してどうにかなる状況ではないのは分かっていたけれど、

”このおかしな状況”を前に、

どうすれば良いのか分からず、そうせざるを得なかったー。


「ーーーい、いやいや…何なんだこれ…?

 しかも、何か髪も伸びてるしー…」

よく見たら、自分の髪も綺麗に伸びてしまっている状態…


もはや、どうしていいのか全く分からない

”理解不能”の状況ー。


♪~~

♪~~~

♪~~~~


そういえば、さっきからスマホが鳴っているー。

そんなことに気付きながらも、”女体化”してしまった雅夫は

困惑の表情を浮かべると

「今はそれどころじゃないんだけどなー」と、少しうんざりとした

ような表情を浮かべるー


「ーーー………」

ふと、”ある場所”が気になる雅夫ー。


「そ…そういえば…女になってるってことはー…」


嫌な予感がするー。

が、確かめなくてはならないー。


そう思いつつ、”股間”に男であることを証明する、

”証”があることを祈りつつ、そこに手を触れた雅夫は、


「ーーーーないっ!!!!!!!!!!!!!」

と、絶望の表情を浮かべながら叫んだー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ーーはぁ…一体なんだこれ…?」


女体化したことで、サイズの合わないシャツ姿と

トランクス姿で、そう呟くと、

”また”スマホが鳴り始めたことに気付きー、

「こんな時に限って、店長かー?」と、

”バイト先の店長”からの連絡かと決めつけるような

言葉を口にしながら、スマホを確認したー。


がー、

スマホの画面に表示されているのは”バイト先の店長”などではなく、

彼女の架純の名前だったー


「ーか、架純ー!?」

さっきから何度も電話をかけて来ていたのは架純だったのだろうかー。


もしも、今まで何度も何度も電話をかけて来ていたのが

架純だったとしたらー?

なんだか、とてもイヤな予感がするー

こんなに何度も何度も、朝から電話をかけてくることは、

普段はないー。


このタイミングで架純にも何か緊急事態が起きたのではないかと、

雅夫は身構えるー。


とは言え、ずっと無視しているわけにはいかないし、

相手が架純なら尚更だー。

そう思いつつ、やむを得ず電話に出ると、

「ーも、もしもしー?」

と、”無理矢理低い声”で、電話に出たー。


しかしー


”ーーー……え?”

スマホの向こうから”戸惑いの声”が聞こえて来たー。


それは、無理もない反応だったー。

いくら”無理に低い声を出して”電話に出たとは言え、

”彼氏”の雅夫に電話したにも関わらず、

”女の声”が返って来れば、架純からすれば

驚くほかないー。


がー……

相手の声を聞いて驚いたのは

”電話相手”の架純だけではなかったー。


「ーーー!?」

電話の向こうの”架純””の声を聞いた雅夫は表情を一気に曇らせたー。


スマホを一度耳元から離して、思わず通話相手を確認してしまう。


何故ならー…

”電話の向こうから”男の声が聞こえたからだー。


雅夫に電話を掛けたはずなのに”女”の声が返って来て困惑する架純ー。

”架純”から電話が掛かって来たはずなのに”男”の声が聞こえてきて

困惑する雅夫ー。


2人は、そんな状況に陥ってしまっていたー。


「ーーーえ…ーーど、どちら様ですかー?

 ど、どうして架純の電話でー?」


雅夫は、咄嗟に架純の身に何かあったのではないかと、

そんな言葉を口にするー。


架純の電話から男の声が聞こえて来るー。

それは、普通の状況ではないー。

手汗が出ているのを感じながら、緊張した表情を浮かべる雅夫ー。


”ーーえ…えっとーー

 そっちは”雅夫”ー?”


電話相手の”男”がそう言葉を口にするー


「ーーえ… …えっと、

 ち、ちょっと今、声が変だけどー…」


雅夫ができるだけ低い声を出しながらそう言うと、

相手の男は、言葉を続けたー


”じ、じゃあ、そっちも、

 わたしと同じ状況ってことー?”


とー。


「ーーん?」

雅夫は、相手の男の言葉に、少し考えるような表情を浮かべるとー、

数秒後、全てを理解した様子で声を上げたー。


「ーーま、ま、まさか、架純ーー…男に!?」

雅夫が、”わざと声を低く出す”のも忘れてそう叫ぶと、

電話相手の男ー

”男体化した架純”が”う、うんー…目が覚めたら、急に男になってて”と、

戸惑いの言葉を口にしたー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ーマジかー…」


電話から1時間ほどで、

雅夫の家の方に到着した”男体化した架純”を見て、

女体化した雅夫は戸惑うー。


「ーー俺が女になってー、架純が男になっちゃうなんてー

 一体、どうなってるんだー?」

女体化した雅夫が困惑の表情を浮かべながら言うー。


「ーーわ、分からないけどー…

 起きたら急にこんなになっててー…」

男になった架純は恥ずかしそうに笑いながら、

「バニーガールの格好で寝てたから、すっごいびっくりしちゃったー」と、

そんな言葉を口にするー


「ーーーえぇぇー」

雅夫は思わず、”目が覚めたらバニーガール男”になっていた…

という架純の状況を頭に浮かべながら、「ーそれはびびるなー」と、

呟くー。


架純は何故か、いつも変な格好で寝る癖がありー、

メイド服で寝たり、バニーガール姿で寝たり、高校時代の制服で寝たりー、

よく分からないことをしていることが多いー。


以前、その理由を聞いてみたものの、

”なんだかその方がよく寝れるー”と、本人にも深い理由は

ない様子だったー。


がー…その、特殊な寝方のせいで、

今朝はバニーガール…いや、バニーボーイとして目を覚ますことに

なってしまったのだったー。


「ーーー…悪いなー。こんな状況なのに、俺の家に来てもらっちゃってー」

女体化した雅夫は申し訳なさそうに言うと、

「女の身体で外に出れそうな服がなくてさー…

 どれもサイズがぶかぶかのものばっかりだしー…」と、

今も、サイズの合わないポロシャツ姿でそう言葉を口にするー。


「ーあはは、そ、そうだよねー」

戸惑った様子の男体化した架純ー。

たまたま、架純の家には、”架純の家に泊まる時に雅夫が使うジャージ”が、

置かれたままになっていたために、

男体化した架純は、それを着て、こっちまでやってきたようだったー。


「ーーー…それで…これ、どうすればいいのー?」

男体化した架純がそう言葉を口にすると、

女体化した雅夫は「ーーどう…って言ってもなぁ…」と、

戸惑いながら自分の身体を見つめるー。


「ーーーーー…」

「ーーーーーー…」

どうすることもできずに、黙り込む二人ー


しかしー…

今日は幸いなことに土曜日ー。

大学は休みで、二人ともバイトはない状態ー。


”今日”に関してはこのままの状態でも

何とか乗り切ることができそうだー。


「ーーと…とりあえず、色々試しながら

 今日は…このまま過ごすしかないなー」


女体化した雅夫がそう言うと、

男体化した架純は「ーーま…まぁ、そうだよねー」

と、困惑した様子で頷くー。


「ーーそれにしても、雅夫、

 すっごく可愛くないー?」


架純が笑いながら、女体化した雅夫の方を見つめるー。


女体化した雅夫は、かなり”美人”な感じで、

もしも通っている大学にミスコンのようなものがあれば

上位にランクインできそうな、そんな感じの雰囲気に見えたー


「ーーか、か、かわっ!?わわっ!?」

生まれてはじめて”可愛い”と言われた気がする

女体化した雅夫は顔を赤らめながら、戸惑いの表情を浮かべると、

「ーーーーか、可愛いって言われると、なんか、変なことに目覚めそうだなー」と、

苦笑いしながら、”男体化した架純”を見つめるー。


架純もなかなかイケメンな感じになっているー。

何だか”守って貰えそう”なぐらいにー。


「ーーな、なにー?じーっと見つめたりしてー」

恥ずかしそうにする男体化し架純ー。


女体化した雅夫は「い、いや…なんでもー」と、

誤魔化すと、そのまま目を逸らしたー。


彼氏が、女体化ー。

彼女が、男体化ー。


女体化と男体化を両方同時に味わうことになってしまったカップルは、

只々、困惑の表情を浮かべることしかできなかったー…。


②へ続く


・・・・・・・・・・・・・・・・・・


コメント


女体化と男体化が

同時に発生してしまうお話デス~!


こういうお話を書くのは、初めて(?)な気がするので、

書いていてちょっぴり新鮮な気持ちデス…!


2人がどんな風にこの状況を切り抜けていくのか、

次の話もぜひ見届けて下さいネ~!


今日もありがとうございました~!☆!


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