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スマホを彼氏の家に忘れてしまった際にー、

最悪のタイミングで”憑依のことを知る旧友”から、連絡が入ってしまいー、

”秘密”を知られてしまった香織ー。


香織を問い詰めた光昭は

”知らない方がいいこともある”と、香織に言われてしまい、

それ以来、香織との間柄にも距離が出来てしまうー。


さらにー…光昭は”秘密を知ったもの”として

命を狙われることになってしまいー…?


★前回はこちら↓★

<憑依>知らないほうがいいこともある①~秘密~

「ホント、いつも仲良しだよね~」 お姉さんのような、優しそうな雰囲気の子が、 そんな言葉を口にするー。 「ーあははー、  ホラ、俺、今まで全然モテなかったし、  こんな俺のこと、好きになってくれた香織(かおり)のことは  誰よりも大事にしないとー」 男子大学生の倉野 光昭(くらの みつあき)は、 そんな...

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


ズブッー…


彼女は、今までに感じたことのない不気味な感触を感じたー。


帰宅後、自宅で勉強していた香織は、

ビクッとして背後を振り返ったー。


背後から、”身体の中に何かが入って来るような”

そんな不気味な感触を感じたのだー


「ーーな…なに…今の?」

当時、ツインテールがトレードマークだった香織は

不思議そうに首を傾げながらも、再び机の方に向かうー。


がー、”また”その感触に襲われて、香織は「な、何なのー!?」と、

イスから立ち上がって振り返るー。


だが、やはりそこには誰もいないー。

戸惑いの表情を見せながら、”何だか気味わるい…”と思った香織は、

部屋から出て、両親のいる1階のリビングに向かおうとするー。


昔から香織は怖がりな性格で、怖いことがあると、

両親のところに行くことが多かったー。


しかしーー


ズブッ…


さらに奥底まで”何かが入って来る”そんな感触を覚えた香織は、

自分の身体が動かなくなっていることに気付くー


「え………?」

口は動くー。

そんな言葉を吐き出すと同時に、

香織は”自分の足”が勝手に動いていることに気付いたー。


部屋から出ようとしていたはずなのにー、

ベッドの方に向かって行く香織ー。


「ーーな…んで…? わたしの足が勝手にー?」

戸惑いの言葉を吐き出す香織ー。

その表情は”恐怖”に染まっているー。


そしてー

”次”に聞こえた言葉が、香織の聞いた最後の言葉となったー。


”ーーー悪く思うなよー?

 お前の身体ー俺が貰うぞー”


と、確かに、そう聞こえたー

”香織の口から”発されたその言葉を、香織は確かに聞いたー。

すぐに、”どうなってるの!?やめて!?”と、叫ぼうとしたもののー、

もう、”口”も自分の意思では動かせなかったー。


香織の意識は闇に飲まれー

その日ー、香織は、”香織であって香織ではない”ー…

そんな、人間になってしまったー。


香織はこの日、憑依されたのだー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ーーーチッー」

不満そうに当時のことを思い出す香織ー。


もう、3年前の出来事だー。

自分のつまらない人生に嫌気が差し、手に入れた憑依薬で、

この子の身体を奪ったー。


しかし、奪ってから月日が経過するとともに、

”普通の女子大生”としての生活が楽しくなりー、

今に至るー。


「ーー光昭ー…」

寂しそうに呟く香織ー。


今の香織は、本気で光昭のことが好きだったー。

最初はー”自分と同じでモテない感じの男子大学生”である

光昭に親近感を覚えて、付き合い始めた香織ー。


けれど、一緒にいるうちに、どんどん”女”として、

香織は彼のことが大好きになっていったー。


それなのにー、

”憑依を唯一知る旧友”から、3周年祝いのメッセージが

最悪のタイミングで届いたことで、

憑依のことを知られてしまったー。


「ー知られてしまったからにはー…」

香織はそう呟くと、ふとスマホが鳴っていることに気付くー。


険しい表情でスマホを手にすると、

「もしもしー?」と、そう言葉を口にしたー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


光昭は、落ち込んでいたー。


「みっくんー…何があったの?」

幼馴染の晴美が不思議そうに、光昭の方に近付いてくるー。


「ーあ…いや…」

気まずそうにそう呟く光昭ー。


だがー、晴美は「あ、わかった!」と笑いながら言うと、

「ー香織ちゃんと喧嘩したとか!?」と、そんな言葉を口にするー


「ーーーー」

いつもなら、冗談で返すような光昭は、

口を閉ざしたまま、悲しそうな表情をしているー


それを見て「え……ほ、本当にそうだったのー?」と、

戸惑いの表情を浮かべながら、晴美は光昭のほうを見つめるー。


「ーーあぁ…喧嘩ってわけじゃないんだけどー…

 その…色々な…」


光昭がそう言うと、

晴美は「え~…色々って何よ…?大丈夫?」と、

心底心配そうに言葉を口にしたー。


「ーーあぁ…大丈夫ー 心配かけてごめんな」

光昭はそう言いながら、晴美の前から立ち去るー。


そんな光昭の姿を、偶然、少し離れた場所から見かけた香織は

表情を曇らせるー。


”わたしの秘密ー…バラされたらー…”

香織は、そんなことを思いながら、険しい表情を浮かべたー。



「ーーーー!!」

帰宅すると、光昭は郵便物に紛れ込んでいた紙を見て

驚きの表情を浮かべたー。


”秘密を知ってただで済むと思うなー”

そう書かれている紙ー


「ーーー…香織ー」

その紙を見つめながら、悲しそうに呟く光昭ー。


その時だったー…


ゴン!!!


「ーー!?!?」

ビクッとする光昭ー。

振り返ると、ベランダの部分にボールが転がっているのが見えたー。


どうやら、外からベランダの窓めがけてボールを

投げつけたようだー。


慌ててベランダに出ると、フードを被った人物が

慌てて走り去っていくのが見えて、光昭は「おい!」と、声を上げるー。


がー……

その人物はそのまま立ち止まることなく、逃げ去りー、

光昭にはどうすることもできなかったー。


「ーーー」

部屋に戻った光昭は意を決して、スマホを手にすると、

香織に電話をするー。


だが、連絡はつかないー。

光昭はすぐに、LINEの画面を表示すると、

香織に対して”1回、しっかりと話し合いたい”と、

そうメッセージを送ったー。


”ーーーー話すことなんて、ないよ”

香織の避けるような返事ー。


光昭は、それでも必死に

”「憑依」のことー。ちゃんと話してほしいー。

 どんな話でも、ちゃんと受け止めるからー”と、

さらにメッセージを送ったものの、

そのメッセージには既読がついただけで、返事がなかったー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ーーーー!!」


翌日ー

大学の階段を歩いていると、

階段の上から、突然ボールが転がり落ちて来たー


「ーー!」

咄嗟にそれを避ける光昭ー


「ーーーチッ」

光昭がボールを避けたのを見て、人影が立ち去っていくー。


「ー待ってくれ!」

光昭は、すぐにその人影を追いかけるー。


すると、

その先の廊下に、”滑る何か”が塗られていて、

光昭は盛大に転倒してしまったー


「ーうっ…うわっ!」

膝を強く打ち付けて苦しそうに蹲る光昭ー。


しばらく苦しんでいた光昭の元に、

偶然通りがかった幼馴染の晴美が「み、みっくん!?」と

驚いた声を上げるー。


「ーーぬ…沼津さんー」

光昭がそう言うと、晴美は「え…?え?どうしたの?こんなところでー?」

と、戸惑いの表情を浮かべながら言うー。


がー、光昭は”香織”のことは伏せたまま、

「ーーつ、躓いたー…俺ってドジだなー」と、自虐的な笑みを浮かべたー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・


大学内の医務室に運び込んでくれた晴美が

呆れ顔で笑うー。


「も~…ドジなんだからー」

晴美はそれだけ言うと、光昭の足に少しだけ触れながら、

「ーー骨は折れてないみたいだし、とりあえずよかったー」と、

そんな言葉を口にしたー。


「ーーーーー…ありがとう」

元気なく、お礼の言葉を口にする光昭ー。


「ーーみっくん、やっぱり何かあったんだよね…?」

晴美が心配そうに呟くー。


だがー、光昭はそれでも答えなかったー。

まだ、”香織”から話を聞くことができていないー。


あれからも色々”憑依”のことを自分なりに調べてー、

もしかしたら香織がその、”被害者”側なのかもしれないと、

その疑惑がどんどん強まっていくー。


しかし、香織本人が”そう”と言ったわけではないー。

”知らない方がいい”と言われただけー。


だからこそ、香織にー…


「ーーーーーーー」

晴美は、悩む光昭のほうを見て複雑そうな表情を浮かべると、

「ーと、とにかく無理しちゃダメだよ?」と、

そんな言葉を口にしたー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


大学での1日を終えて、帰路につく光昭ー。


今日も、香織と話すことはできなかったー。

香織は、やっぱりー…

自分の知る香織は”杉咲 香織”ではないのかもしれないー

そんな疑惑が深まっていくー。


「ーーー!?」

その時だったー。


背後から、バイクのエンジン音が聞こえて振り返ると、

バイクが一直線に光昭の方に向かってくるのに気づいたー。


「ーうわっ!?」

光昭は、ギリギリのところでそのバイクを回避するー。


しかし、バイクはUターンすると、

今度は鉄パイプのようなものを手に、それを引きずりながら

光昭の方に向かって来たー。


「ーな、なんなんだよ!くそっ!」

光昭はバイクに跨るライダーを見つめるー。


がー、フルフェイスのヘルメットにライダースーツ姿で

その正体は確認できないー。


光昭は鉄パイプを掴むと、そのままバイクはバランスを崩し、転倒ー。

相手はすぐに立ち上がり、光昭のほうを見つめるー。


だがー、形勢不利と判断したのか、そのまま鉄パイプを放り捨てて、

相手はバイクに乗って逃亡したー。


「ーーはぁ…はぁ…はぁ…」

光昭は、表情を歪めるー。


今のが”香織”だったかどうかは分からないー。


しかしー、いずれにせよ”香織と関係がある”のは、

ほぼ間違いないー。


”命を狙われているー”

そう、確信できるー。


光昭は震える手を押さえながら、

ひとまず家に帰ろうと、そのまま歩き始めたー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ーーーー」

帰宅した香織は、スマホを確認すると、

光昭からのメッセージを確認して、

イライラした様子で、スマホを机に置くと、

壁をその手で殴りつけたー


「ーーーはぁ…はぁ…こんなはずじゃ、なかったのにー」


香織は”嫌い”だー。

香織に憑依して3年ー。

すっかり、身も心も女になってー、過去の自分とは

決別したはずなのにー。


こうして、時々”男”の自分が表に出てしまうのが

とんでもなく、嫌いだー。


今もそうー

イライラして壁を殴りつけた自分に嫌気が差すー。


「ーーチッ… はぁ~~くそっ!」

香織の”声”で、乱暴な言葉を吐き出してしまう自分に

嫌気が差すー。


どんなに、”香織”と過ごしていても、

自分はやっぱり、男だったことを思い出すー。

自分はやっぱり、性格に難がある人間だったことを思い出すー。


しかしー…


”ちゃんと、一度話がしたいー。お願いだから、聞いてほしいー”

光昭のそんなメッセージを今一度確認すると、

香織は大きくため息をついてから、スマホを手にしたー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


翌日ー


目を覚ました光昭は、香織からメッセージが届いていることに

気付いたー。


”今日の大学が終わったあとなら、話、できるよ”


と、そう書かれているー。


だが、指定された場所は、街外れの使われていない廃墟地帯で、

物凄くイヤな予感がするー。


香織にその点を指摘すると、

”あまり人に聞かれたくない話なのと、どうしてもそこで

 説明したいことがあるからー”

と、そう返事をしてきたー。


「ーーーー…」

”知らない方がいい秘密”に、踏み込んでしまった光昭ー。

命を狙われているのも間違いないー。

大学でも、外でも、再三に渡り身の危険を感じているー。


しかし、それでも逃げるわけには行かないー。


「ーー…香織…」

香織は、本当に”香織”なのかー。

一体、何が起きているのかー。


”憑依”のことを知ってしまった光昭は、

その”答”を知るために、今日、大学での1日を終えたあと、

香織と会う決意をするー。


”わかったー。それでいいよ”

光昭は、香織から指定された場所でいい、とそう答えると

大学に向かうー。


がー、大学に到着すると同時に

光昭は”嫌な視線”を感じたー。


「ーーーー…」

視線を感じる方向を振り返る光昭ー。


それに気づき、物陰に隠れる人影ー。


光昭は、恐怖を覚えながらも

”ーーでも…俺はこのまま逃げることなんてしたくないー”と、

そのまま歩き始めるー。


結局、この日も昼休みに食堂でイスに座ろうとした際に、

画鋲のようなものが設置されていたり、

移動中に背後からボールが飛んで来たり、

”狙われている”と感じざるを得ない出来事が起きたー。


大学にいる間は、さすがにバイクで襲撃のような

大きなことはできないのだろうー。

しかし、身の危険を感じざるを得ないー。


そんな中、大学での1日が終わり、光昭は”視線”を感じながらも

香織に呼び出された廃墟となっている工場地帯にやってくるとー

少ししてから、香織が姿を現したー。


「ーー香織ー…」

光昭が悲しそうにその名を呼ぶと、

香織は表情を曇らせたまま、光昭のほうを見つめながら

言葉を口にしたー。


「ーー最後の”忠告”ー。

 光昭は、”知らない方が”いいと思うー。


 …それでもー…知りたい?」


香織のそんな言葉に、

光昭は「ー俺は逃げないよー。どんな話でも」と、

そう言い放つー。


光昭にそう言われた香織は少しだけ笑うと、

「ーじゃあーー…」と、言葉を口にしてから、

”自分のこと”を語り始めたー…



③へ続く


・・・・・・・・・・・・・・・・・・


コメント


命を狙われることになってしまった彼の運命は…?

また次回以降も楽しみにしていて下さいネ~!★!


今日もお読み下さりありがとうございました~!★!

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