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”社長”となった美姫の暴走は続くー。


村谷前社長は、美姫をさらに自分の都合の良い操り人形に仕立てー、

”会社のジャマをする者はどんな手を使ってでも破滅させろ”と、

更なる洗脳を施すー。


そんな、人が変わってしまったかのような美姫を前に

彼氏の辰馬も、美姫の両親も困惑を隠すことができないー。

ついには、美姫は両親にも辛辣な言葉を投げかけて、

辰馬の家から出て行ってしまいー…?


★前回はこちら↓★

<MC>彼女が悪徳企業の女社長になってしまった③~告発者~

会社の不正が明るみになり、窮地に陥った社長・村谷は、 表向き自身は退任しー、 入社2年目の社員・美姫を洗脳ー、自身の操り人形として 後任の社長に仕立て上げ、会社の立て直しを図ろうとしていたー。 一方、彼女の美姫が社長に就任し、別人のように豹変してしまった 状況に彼氏の辰馬やー、彼女を知る元・上司たちは ...

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ーーーありがとうございますー」

美姫は、会社を再生させるために全力を尽くしー、

村谷前社長ら経営陣の不正が明らかになる前の状況に

いち早く、会社を立て直そうとしていたー。


「ーーーこの前は、最高だったよー」

取引先の一社の社長が笑みを浮かべながら言うと、

美姫は「ふふー…わたしも素敵な夜を過ごせて幸せでしたー」と、

甘い笑みを浮かべるー。


美姫は、自分の身体を使って、取引先の社長や重役を手中に収め、

強引に味方を増やしていたー。


「ーふふ…おじさん連中なんて、

 わたしの美貌があれば、すぐに手駒にできるもの」


社長室に戻って来た美姫は笑みを浮かべながら、そう呟くー。


クスッと笑いながら鏡を見つめる美姫ー。

鏡に映った自分の姿を見て、

”なんて美しいの…?”と、自分に酔いしれるー。


元々の美姫は、奥手で自分に自身のあるタイプではなかったものの、

村谷前社長による再三の洗脳で、もはやその面影はまるでないー。


「ーー社長ー」

後藤専務が部屋に入って来るー。


「ーあらーどうかしたの?」

美姫が、後藤専務のほうを見つめながら言うと、

後藤専務は「村谷前社長からのご指示のメール、ご覧になりましたか?」と、

そう言葉を口にするー。


「ーーふふー、まだだけどー」

美姫が少し笑いながらそう言うと、

後藤専務は、「村谷社ちょ…いえ、村谷前社長が早く返事をするようにと

不満を漏らしておりますー」と、そう頭を下げるー。


しかし、美姫はそんな後藤専務の言葉を無視して、言葉を口にしたー。


「ーあなたは、わたしと前社長ー、どっちの味方なの?」

とー。


「ーーえ…そ、それはー」

後藤専務は、表情を歪めるー。


正直、入社2年目のこんな小娘に上から目線で色々言われるのは、

後藤専務からすれば面白くはないー。

しかし、村谷前社長が”洗脳”したこの美姫は、

村谷前社長のマリオネットに等しいー。


この美姫に逆らうことは、村谷前社長に牙をむくのも同じー。

そう思って従って来たー。


がー、そんな”操り人形”にすぎない美姫がそんなことを言い出すとはー。


「ーーーー」

後藤専務が、返事に困っていると、

美姫は微笑むー。


「ーもう、前社長になんて用はないー。

 村谷より、優秀なのは、このわたしー」

美姫は、自分を洗脳した村谷前社長のことまで見下し始めていたー。


その言葉に驚く後藤専務ー。


「ーーーわたしに指示をする資格なんて、あの男にはないの」

クスッと笑う美姫ー。


村谷前社長による再三の洗脳により、美姫はさらに傲慢になり、

自分に絶対の自信を持ちー、

さらには手段を択ばないようになっていたー。


またー、”邪魔者には容赦するな”という村谷前社長の洗脳により、

”会社をこんな不安定な状態にした前社長”すらも、

今の美姫は”邪魔者”だと判断してしまったー。


「ーー…お言葉が過ぎますぞ!

 あなたは、村谷前社長の指示通りにしていればいい!」

後藤専務がそう言うと、美姫は鼻で後藤専務を笑うー。


「ーーこの…小娘が!

 お前など、前社長の操り人形に過ぎないー!」

後藤専務が、部下としての顔を捨て、怒りを露わにするー。


後藤専務は、村谷前社長以外に唯一”洗脳”を知る人物であり、

村谷前社長の腹心ー。


この美姫の態度を見逃すことはできなかったー


がーー


「ーーー!!」

突然、美姫は後藤専務にキスをしたー


「ーーぅ…な、なにをー!?」

驚く後藤専務ー。


「ーふふ…あなたも、わたしの魅力の虜にしてあげるー」

悪女のように微笑む美姫ー。

美姫はそのまま後藤専務に激しいキスを繰り返しー、

後藤専務を骨抜きにしてしまうー。


やがてー、「今夜…楽しませてあげるー。」と、囁くと、

そのまま美姫は社長室から立ち去って行ったー。



そしてー

その日の夜、美姫から呼び出されたホテルの一室で、

バニーガール姿の美姫に、散々誘惑された後藤専務はー、

村谷前社長から、美姫に鞍替えするのだったー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ーーー美姫ー…」

彼氏の辰馬は、困惑していたー。


美姫の両親を交えて、美姫を説得しようとしたあの日を最後に、

美姫は家を出て、帰宅していないー。


”あんたとは、もう終わりー”

そんなLINEだけが送られてきて、ブロックされてしまったー。


美姫の両親も傷心状態ー。

どうすることもできない絶望が広がるー。


今日も”再生の女神”などと、テレビで特集が組まれている美姫を見て、

辰馬は「美姫ー…」と、悲しそうに表情を歪めるー。


自身に満ち溢れた表情ー、

まるで自分をモデルだと思っているかのような、派手で妖艶な格好ー。


”こんなの美姫じゃないー”

辰馬はそう呟きながら、

”美姫は社長の座を手に入れて自分を見失っているー”と、そう呟くー。


辰馬は”美姫が洗脳された”ことを知らないー。

あくまでも”社長になって、権力を手に入れたことで暴走している”と、

そう思っているー。


「ーーー…美姫を止めるには…どうすればいいんだー」

辰馬はそう呟きながら、ふと、”美姫が使っていたノートパソコン”が

まだ美姫の部屋に残されていることに気付き、表情を歪めたー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ど、どういうことだ!?」

村谷前社長が声を荒げるー。


”ーーふふー。もうこの会社はわたしのものー

 前の社長であるあなたが、いちいち口を出さないでくれますー?”


美姫と電話で話をしていた村谷前社長が表情を歪めるー。


「ーーお、お前は私の操り人形にすぎん!

 一体何のつもりだ?!」

村谷前社長が声を荒げると、美姫は冷たい口調で言ったー


”邪魔者には地獄を見せろって言ったのは、あなたですよー?”

とー。


「ーー!!!!」

村谷前社長は表情を歪めるー。


”ぐ…くそっ…”洗脳”の使い方を間違えたかー…

 私への忠誠心をもっと強く、刻み付けておかねばー”


村谷前社長はそんなことを考えながら

「ーま、待てー…分かったー。 

 君は今、私に”洗脳”されている状態だー。

 このあと、一度会おうー。

 君のことを正気に戻してやるー」

と、そう言葉を口にするー。


自身の洗脳を打ち明け、美姫と話をする機会を作り、

そこでー、”さらに洗脳”するつもりだったー。

今度は忠実な操り人形にしてやる、と、そう思いながらー


がーー


”ーふふふふ…結構ですー

 わたし、今のわたしが大好きなのでー。

 

 それにー、わたし、洗脳なんかされてませんー

 わたしは自分の意思で、この会社に命を捧げてるの…

 ふふふふふふ”


洗脳されている美姫が、そんな言葉を口にするー。


洗脳されてる人間に”君は洗脳されている”なんて言っても

無意味なのだー。


「ーーだ、だったらー…」

村谷前社長は焦るー。

何とかして美姫に会い、このコンタクトレンズで再度洗脳しなくてはー…。


”会社”への忠誠心はイヤというほど刻んだー。

がー…それはあくまで”会社に”であって”村谷前社長に”ではないー。


このままでは、自分も”会社の邪魔者”扱いされてー…


「ーーー!」

村谷前社長が、電話を握りながら困惑の表情を浮かべていたその時だったー。


背中に激痛を感じて、振り返るー。

そこには、ナイフを握った後藤専務の姿があったー。


「ーし、し、し、社長ー

 う、恨まないでくださいー…

 あ、あ、あの女がーエロすぎるのがいけないんですー」


”美姫”から前社長を始末するように命令された

後藤専務ー。


彼に刺された村谷前社長は、信じられないという表情を

浮かべながらその場に倒れ込んで、絶命したー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ーー分かりましたー」


社長室で”報告”を受けた美姫は笑みを浮かべるー。


”会社の邪魔者”である

村谷前社長を始末したー。


そしてー、ついでにー…


”村谷前社長を始末させた後藤専務”にも、毒を盛って始末したー


「ーふふふふ…邪魔者はみんないなくなったー

 ふふふふ…ふふ…あははははははははははっ♡」


紫色のドレスに身を包みながら、美姫は社長室で一人、笑い始めると、

そのまま悪女の笑い声を響かせたー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


しかしー、それから数日後ー…

美姫にとって想定外の出来事が起きたー。


週刊誌をはじめとする複数の会社に、

”会社の更なるスキャンダル”が掲載されたのだー


「ーな、なによこれー…?」

美姫は社長室で呆然とするー。


内部告発者を追い込んだことや、

取引先の社長を身体で誘惑したことなど、

数々の”美姫の悪事”がそこには掲載されておりー、

見出しには”美人社長の本性は悪女だった”と、

書かれているー。


「ーーくっ……」

ギリギリと歯ぎしりをする美姫ー。


やがてー、色仕掛けで誘惑して手駒にしていたはずの

会社の役員が美姫に見切りをつけー、

美姫が”前社長と後藤専務の命を奪う様に命じた”ことまで

露呈してしまったー。


警察がやって来るー。


社長室で、美姫は警察を睨みつけると、

「ーわたしは…わたしは誰よりも優秀な女なのよ!」と

ヒステリックに叫ぶー。


がー、警察官はそれを無視して美姫を連行しようとするー。


元々、美姫は入社2年目の女性社員でしかないー。

それが、洗脳されて地位を手に入れていただけー。

美姫本人には資産も、人望もないー。


誰も、連行される美姫を助けようとするものはいなかったー。



そしてーーー

本社から連行されて、パトカーまで運ばれる最中に、

美姫は、ある人物の姿に気付いたー。


それはー、彼氏のー

いいや、”元カレ”の辰馬ー。


「ーーー美姫ー」

美姫の内部情報を”リーク”したのは辰馬だったー。


美姫は”なぜか”、辰馬の家を出た際に、

仕事に使っていたノートパソコンを置き去りにして

家を出て行っていたー。


何故か、そのパソコンにはパスワードもかかっておらず、

しかも、美姫が社長になってからの数々の悪事の指示や、

計画なども、その中には保存されていてー、

美姫の悪事は全て、辰馬に筒抜けになってしまったのだー。


辰馬はそれを見て、

”美姫を止めるには、もうこれしかないー”と、

美姫の悪事を週刊誌や、報道各社に送りー、

美姫に引導を渡したのだったー。


「ーー…あんたのしわざねー…?」

美姫が、辰馬を睨みつけるー。


「ー美姫ー…思い出してくれー…社長になる前の自分をー」

辰馬が悲しそうに言うと、

美姫は「ー絶対にー…絶対に許さないー」と、辰馬を睨みつけながら

そのままパトカーに乗せられて行くー


「ーーーーーーーーーーー」

辰馬は、最後まで知ることはなかったー。


”美姫”が洗脳されていたことをー。


そしてー、美姫は何故、自分の悪事が露呈するような

ノートパソコンを辰馬の家に置き去りにしたのかー。


それはー…

誰にも分からないー。


もしかしたら、

ほんのー、ほんの少しだけ、美姫の中に残っていたー

”本来の美姫の良心”が、ノートパソコンを置き去りにすることによって、

”変わってしまったわたしを、どうか止めてほしいー”と、

辰馬に伝えたかったのかもしれないー。


けれどー…

それは、誰にも確かめることはできないー。

美姫自身でさえもー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


15年後ー。


辰馬は、その後会社で出会った別の女性と親しくなり、

美姫が逮捕され、別れてから7年後に、別の女性と結婚したー。


今では子供も生まれ、家族三人で幸せな時を

送っているー。


そんなある日、ふとテレビを見ていると

あるニュースが目に入ったー


”今、話題のベンチャー企業”というニュースだ。


”どん底”を経験した女性が企業に成功し、その会社では

企業を支援する事業や、会社内での不正の相談・内部告発などの

相談を受ける事業をしているらしいー


そしてー

その会社の女性社長がテレビに映し出されるー。


「ーーー…美姫ー…」

辰馬は、ふと、そんな言葉を漏らしたー。


既にあれから15年の年月が経過しているー。

当時、20代だった美姫も、既に30代後半ー、

しかし、それでも美姫であるとすぐに分かったー。


”ー誰よりも優秀で、綺麗なわたしがこのまま終わるはずがないってー

 絶対にやってやろうって思ってー、会社を立ち上げました”


美姫が笑いながらインタビューを受けているー。


やはり、付き合い始めた当時の面影はもはやないー。

それもそのはず、美姫はまだ”洗脳”の影響を受けたままなのだからー。


それでもー、”洗脳された美姫”は、”優秀なわたしなら絶対に這い上がれる”

いう執念一つで、今は不正のない会社を自ら立ち上げ、

それなりに成功を収めていたー。


「ーーー……俺とは進む道が違ったけどー、頑張れよ」

辰馬は、そんなことを小声で呟きながらテレビを消すー。


もう、美姫に未練はないー。

けれど、それなりの時間、一緒に過ごした相手の活躍を

心の中で少しだけ祈るのだったー。


もしー…

”美姫が洗脳されている”ということに気付くことがあったのであればー、

未来は違ったかもしれないー。


けれど、辰馬には今、妻も子供もいるし、

二人のことを本当に大事にしているー。


そんな辰馬が”美姫は洗脳されていた”と知るようなことが

もしもこの先あれば、とても苦しむことになるだろうー。


あの時、美姫が洗脳されていることに気付くことができなかったのは

”悲劇”ー

でも、今となっては”知らないまま”の方がいいのかもしれない。


もう、”今”知ったところで、

あまりにも時間が経ちすぎたし、

あまりにも二人の進む道は変わってしまったのだからー…。


おわり


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


コメント


結局、最後まで彼女が洗脳されてしまったことに

気付くことができないエンドでした~!


もしも気付いていた場合、彼はどんな行動を取っていたかな~?

と、少し頭の中で考えてみましたが、

それはそれで大変なことになってそうですネ~…笑


お読み下さりありがとうございました~!☆!

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