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麻綾は、震えながら

舞桜の家の中に入って行くー。


憧れの先輩である舞桜の家に誘ってもらえたことが

嬉しいー。


…と、いう感情はさっきまであった。


だが、今、震えているのは

憧れの先輩の家に来れたことを喜んでいるからではない。


さっき見た光景ー。

約束の時間よりも早く到着してしまって

部屋の中を覗き込んでしまったときに見た光景ー

それが、真綾の頭から離れなかったー。


”見知らぬ男が、物干し竿に干された

 「舞桜」の着ぐるみのようなものを身に着けて

 「舞桜」になった瞬間”を麻綾は見てしまったー。


「---うふふふふ…

 そんなに緊張しなくてもいいのよ」

舞桜が言うー


スタイルの良い美脚を惜しみもなく

見せつけるような姿の舞桜ー。


憧れの舞桜ー

けれど、さっきのは…?


「あ…はい」

麻綾は、恐怖に震えながら、

案内された椅子に座る。


舞桜が適当なお菓子と

ジュースを出してくれるー


”落ち着くのよ…

 何かの間違えよ、きっと”

麻綾は内心でそう思いながら、

とにかく自分を落ち着かせようとした。


舞桜の方をちらっと見るー。

どう考えても着ぐるみなどではない。


”男が、舞桜の着ぐるみのようなもの”を

身に着けて舞桜になったように見えたが

何かの見間違えだったのかもしれないーー


コップを持つ手がカタカタと震えるー

麻綾は、恐怖を感じていた。


「どうしたの?」

舞桜が微笑む。


「あ、い、、いえ…」

麻綾は、自分の身体が震えていることに気付く。


せっかく、憧れの先輩の家に来たのにー


こんなー


「--せ、、先輩…

 今日もとってもおしゃれですね」

麻綾が言うと、

舞桜は「ありがと」と微笑む。


「わたしね、、可愛いって言われたり、

 綺麗って言われるとね…

 興奮しちゃうの♡」

舞桜が甘い声を出して、そう言うと、

イスに座って足を組み、

その美脚をうっとりとしながら微笑んだー


「わたしね…

 去年の今ぐらいまで、

 こんなにきれいな脚を持っていながら

 それを使おうとしなかったの。」


舞桜が語りだす。

麻綾は「あ…久恵先輩から聞きました…

先輩、今とは別人みたいだったって」

と、やっとの思いで返事をした。


「そうー。

 わたしは、”罪”を犯したのー。

 こんなにいい身体を持ってるのに

 それを使わないという”罪”を、ね…」

麻綾がぶどうジュースを飲みながら呟くー。


「--き、、きっかけはなんだったんですか?」

麻綾が言う。


「--おしゃれに目覚めたきっかけ?

 ふふふ…そうねぇ…?

 知りたい?」

舞桜がニヤリと微笑むー


知ってしまってはいけないようなー

そんな、気もしたー


「---あ、、、あ、、いえ、、」

麻綾の震えがさらに大きくなる。


「そんなに震えちゃって…」

舞桜が微笑みながら反対側のソファーから

立ちあがると、真綾の座る方のソファーに

やってきて、真綾のすぐ横に座った。


「どうしたの~?麻綾ちゃん?」

舞桜が微笑む。


「あ、、い、、いえ、、、

 先輩の家に…これて、緊張しちゃって」

麻綾の言葉に、舞桜は「そっか」と微笑むー。


麻綾は、さっきまで”舞桜の皮”が干されていた

物干し竿を見つめるー。


「---…麻綾ちゃんって

 エッチなおっぱいしてるよね…」

舞桜がうっとりとした目で胸を見つめながら言う。


「え!?あ、はい、あ、、ありがとうございます」

麻綾は、ドキドキしながらそう答える。


舞桜が、真綾にさらに寄ってきて、

身体を密着させながらー

胸に手を触れる。


「---あ、、あの…せ、先輩…」

麻綾は顔を真っ赤にしながら

舞桜の方を見る。


「本当に…いい胸してるよねぇ…んふふ」

舞桜がうっとりした表情で

麻綾の胸を揉み始めるー


「あ…せ、先輩…ダメですぅ…」

麻綾が無意識のうちに

甘い声を出してしまう。


「ねぇ…麻綾ちゃん」

舞桜は、麻綾の胸を揉みながら、

さらに顔を近づける。


「あなたの罪ってなんだか知ってる?」

舞桜の質問ー。


その意図が、麻綾には分からなかった。


「ど、どういうこと…あぅ…♡」

胸を触られ続けて、

麻綾はゾクゾクしながらやっとの思いで返事をする。


「---わからない…?」

舞桜が笑う。

にこにことしながら言うー


「あなたの罪…分からない…?

 こんなにヒントを上げてるのに」

舞桜は、まだニコニコしている。


「ど…どういう…?」

麻綾がそう答えると、

突然、舞桜の手つきが乱暴になったー


「わ・か・ら・な・い・の?」

苛立った声ー


舞桜が、麻綾の胸を乱暴に揉み始める。


「っ…あ、、、♡ や、、やめてください…!」

麻綾が必死に嘆願するも、

舞桜は、怒りの形相で麻綾にさらにくっつくと、

両手で両胸を揉み始めた。


「わからねぇのか!?お前の罪!あぁ?なぁ!?」

舞桜が乱暴な口調で、怒鳴り声をあげた。


「ひっ…や、、やめ…!?」

麻綾がビクンと驚くー


「--この胸だよ!

 こんなにエロいおっぱい持っておきながら

 何控えめな衣装着てるんだよ?

 なぁ、?あぁ???

 

 いいもん持ってるのに使わねぇなんて

 それは罪だろうが!」


舞桜が、可愛らしい声を

最大限脅す方向に変えて、

怒鳴りつけるー


「ひ……!やめて…!」

麻綾が咄嗟に舞桜を突き飛ばした。


舞桜が、テーブルの方に飛ばされて、

ジュースが入ったコップと

お菓子の入った皿が机から零れ落ちる。


「--俺はさぁ…!

 小さい頃から容姿をバカにされ続けたんだ!

 どんなに努力してもどうにもならない!

 どんなに磨いても、どうにもならない!


 それなのにさぁ、お前ら可愛い奴らとか

 イケメンの男とかさぁ、

 いいもの持ってるのに、全然それを

 活用しようとしない!

 

 俺には手に入らなかったものを持ってるのに

 お前らは、何も使おうとしない!」


舞桜が支離滅裂な言葉を

泣き叫びながら大声で言い放つー


「せ…せ、、んぱい…」

麻綾はあまりの恐怖にその場から

動けなくなってしまうー


舞桜は、何を言ってるのかー


「--この女もそうだ!

 こんなに綺麗なのに、それを使おうとしないでさぁ

 地味な格好ばっかりして…」


舞桜は、そう言うと、自分の顔を

ツンツンつつきながら叫ぶ。


「こいつは罪だ!

 この女は大悪人だ!


 だから俺が、代わりに、綺麗に

 してやったんだよ!


 綺麗な身体を活用しないなんて

 身体への冒涜だ!」


舞桜が狂ったように叫ぶー


「---…せ、、、……

 さ、、、さっきの…

 さっきのは何なんですか…!」


麻綾は震えながら言った。

恐怖のあまりー

言わずにはいられなかったー


”男が、舞桜の皮を身に着けた”光景のことをー


「あぁぁ…見てたんだぁ~!

 うふふふ

 いいよ、麻綾ちゃん!わたしに憧れてたんだよね!

 わたしと同じにしてあげる…


 うふふ…ふふふふふふふぁ」


舞桜がそう言うと、

ぐぇぇ…!という苦しそうな声と共に

舞桜の顔がーぱっくりと割れたー


その中から、男が出てくるー


「きゃああああああああああああ!!!!」

麻綾は悲鳴をあげた。


舞桜の”皮”が男の腰のあたりまで垂れ下がる。


狂気的な笑みを浮かべたまま

固まっている舞桜の顔ー


そこからー呪文のように

”たすけて…”

”ころして…”と声が聞こえてくるー


「や、、やめて…こないでぇぇええええ!!!」

麻綾はそう叫ぶと、一目散に舞桜の部屋から

飛び出そうとするー


しかしー


「--ひぃぃぃいい!?」

麻綾は、男に頭を掴まれて

家の中に突き飛ばされるー


「--ねぇ…わたし…可愛いよねぇ?」

舞桜の中から出てきた男が笑うー


男の声に、

麻綾は震えながら泣きじゃくる。


「ねぇ、、可愛いよね?」

男が舞桜の皮を引きずりながら

近づいてくる。


「----…いや…いや…ぁ…」

麻綾は恐怖のあまり声も

出せなくなってしまう。


そんな麻綾の頭を乱暴につかむと

男は叫ぶ。


「”かわいい”って言いなさいよ!ほら!」


男が女言葉で叫ぶー


「か、、、か…かわいい…です…」

麻綾は震えながらそう答えたー


なんとかー

なんとか、ここからー


逃げないとー


「--可愛いですお姉様って言えよほらぁ!」

男が叫ぶー


麻綾は悲鳴をあげるー。


「そうだ…

 ”先輩みたいになりたい”って言ってたよな」

男がニヤリと笑うー


「皮が2つあってもしょうがないけどーー

 ま、お前は夜のお楽しみにでも

 使ってやるかぁ…


 胸も可哀想だしなぁ…へへ」


そう言うと、男が麻綾に手をかざす。


「いや…やめ…て」

麻綾は、後頭部にスー、という

不気味な感覚を感じるー


そしてー

何かが引き裂かれて

真っ二つになるようなー

気持ち悪い感触を感じる。


「あ…たすけ……て」

麻綾が呟くー


何かが入ってくるー

何かがー


あ…


麻綾の意識は、そこで途切れたー


・・・・・・・・・・・・・・


1週間後ー


「そういえば、最近麻綾ちゃん見ないね」

友人の久恵が言う。


舞桜は、いつも通りおしゃれな装いで

友人の久恵と共に歩いていた。


「あ~、なんか、やめたみたいよ、

 この大学」

舞桜が微笑む。


「えっ?どうして?」

久恵が言うと、

舞桜はにっこりとほほ笑んで

そのまま立ち去ってしまったー


「-----…」

最後に麻綾を見たのは

”舞桜先輩の家に行く”と言っていた日ー


「まさか…ね…」

久恵は、舞桜が何か関係しているのではないかと

一瞬不安になったが、

その感情を押し殺して歩き始めたー


・・・・・・・・・・・・・・・


「ーーーうふぅぅぅぅ♡ だいすきですぅ~♡」

おじさんとラブホテルに入って行く

胸を強調した女ー


「---うへへへへ…

 今日もよろしくね…麻綾ちゃん」

おじさんが笑うー


麻綾はーー

”皮”にされてしまったー


今ではー

ボーイッシュだった麻綾も

女を強調した、エッチな子に変わり果ててしまったー。



そしてー


麻綾が、、意識を取り戻したー


力が入らないー

声も、ちゃんと出せないー


ここは、どこ?


麻綾は周囲の様子を伺うー


空中に浮いているー?


いいや、違うー


ここはー

”舞桜先輩の家”


そしてーーー


麻綾は、自分が”物干し竿”で干されていることに

気付くー


隣からは

”たすけて…”という声が聞こえてくるー


麻綾がなんとかそっちの方向を見るとー

そこには、”皮にされている舞桜”がいるー


”せんぱい…”

麻綾はそう呟くー


舞桜と出会ったのは”おしゃれになってからー”

つまり、皮にされたあとー…。

麻綾は、本当の舞桜とは一度も

会ったことすらなかったー…


”たすけ…て…”

麻綾も呟く。


だがー

その声は届かないー


部屋が騒がしいー

麻綾がやっとの思いで

騒がしい方向に目をやるとーー


そこにはーーー

舞桜の親友・久恵と、

舞桜たちを皮にした男が

争っている光景が広がってきたーー


”たすけて…”

”たすけて…”

舞桜も麻綾もそう呟くー


違和感を感じた久恵がー

舞桜の家にやってきたのだろうー


けれどー


久恵が押し倒されて、

自分たちと同じように”皮”にされていくー


笑う男ー


”たす…けて…”


舞桜と麻綾は、

何もすることができないまま、

その光景を見つめることしかできなかったー



おわり


・・・・・・・・・・・・・・


コメント


ダーク一直線の皮モノでした~☆

最初は2話予定だったのですが、

3話でぴったりな感じだったので

伸ばして正解だったかな~…と思ってます!


今日もお読み下さりありがとうございました~☆

皮モノもまた機会がれば頑張りますー!


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