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悪の組織・リベラティオ帝国ー。


彼らは、一般人を連れ去り、洗脳した上で

”戦闘員”として利用していたー。


そんな悪の組織の存在など、全く知らないごく普通の

男子大学生・尚政ー。

しかしある日、その尚政の妹・遥香がリベラティオ帝国に

捕まってしまい、戦闘員にされてしまう…


★前回はこちら↓★

<MC>今日からお前は戦闘員①~悪の組織~

「うんー…うん、スーパーで買い物したら帰るから、  もう少し待っててねー」 心優しそうな雰囲気の母親が、スーパーの前から 先に帰宅している子供に電話で連絡を入れながら、 そんな言葉を口にしていたー。 パート帰りの母親・由美子(ゆみこ)は、 今日もいつものように、パート帰りにスーパーで 買い物をして、帰宅...

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ーーはっ! はっ! はっ! はっ!」


”戦闘員”にされた人々が、全員、真剣な表情で

訓練を続けているー。


その様子を満足そうに見つめているのは、

悪の組織・リベラティオ帝国の幹部の一人、

魔界賢者の異名を持つプルデンスー。


「ーーはっ! はっ!」

槍を手に、それを何度も突き刺す仕草を繰り返す遥香ー。


洗脳されて、戦闘員にされてしまった今の遥香にあるのは、

リベラティオ帝国への忠誠のみー。


毎日のように、友達に、家族に笑顔を見せていたその顔には、

もう、いつものような笑顔はないー。

無心で、用意された的に向かって槍を振るい続けているー。


全ては、リベラティオ帝国のためにー


「ーーククク…随分と増えたなー」

そこに、幹部の一人である”魔界の死神”の異名を持つモルスがやって来るー。


「ーーモルスー」

魔界賢者・プルデンスがモルスに気付き、振り返ると、

モルスは笑いながら、「しっかし、人間ってのも愚かなモノだなー」と、

偶然近くにいた遥香の顎を掴みながら、その顔を見つめるー


「プルデンス殿の洗脳術だけで、完全に操り人形だー」

モルスはそう言うと、プルデンスは満足そうに笑みを浮かべるー。


そんなプルデンスを少し視界に入れてから、遥香に視界を戻すと、

モルスは、遥香の胸に手を触れるー。


「クククー

 人間ってのはここを触られるの、嫌がるらしいぜ?」


そう言いながら、遥香の胸を繰り返し揉み続けるモルスー。


遥香は無表情のまま、少しだけ気持ち良さそうな声を出すと、

モルスは「ーーククク 人間ー 感じてるのか?」と、笑みを

浮かべながら、遥香の顔を見つめるー。


がー、遥香はやはり無表情のままー。


「ーークククククー これからも励めよ」

モルスは、洗脳された遥香を構うのに飽きたのか、

その頭を雑に撫でると、そのままプルデンスが座っているイスの近くへと

向かうー。


「ーーモルスよー。素晴らしいだろうー?私の戦闘員たちはー」

プルデンスがそう言い放つと、

モルスは「あぁ、確かに素晴らしいなー」と、笑いながら答えるー。


だが、それと同時にさらに言葉を付け加えるー。


「ーけど、こいつらは元々ただの人間ー

 こんな下等な奴らに戦闘訓練をさせようと、

 大した戦力にはならねぇー


 こいつら操り人形が1000人いたところで、

 俺の力の足元にも及ばない」


モルスはそう言うと、プルデンスは少し表情を歪めるー。


「ーークククー

 リベラティオ帝国幹部のNo1は、やはりこの俺よー」

モルスはそう言うと、続けてー、

「まぁ、プルデンス殿はプルデンス殿のやり方で、好きなようにすればいいー」と

だけ言い放つと、そのまま立ち去っていくー



「ーーー面倒くせぇ賢者様だー。」

モルスは立ち去りながらボソッと呟くー。


だが、そんなモルスの後ろ姿を見ていた魔界賢者・プルデンスは、

「ーバカには分からぬよー」と、静かに呟いたー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


一方、妹の遥香が”消息を絶って”数日が経過していた

兄・尚政は、今日も必死に遥香の行方を追っていたー。


「くそっー…どこに行っちゃったんだー…」

尚政が悔しそうに呟くー。


既に両親が警察に捜索願を出しているものの、

それでも遥香は見つからず、尚政は連日、遥香の行方を捜していたー。


「ーー尚政!」

そんな尚政の背後から、彼女の結奈の声が聞こえて来るー。


尚政が振り返ると

結奈は首を横に振るー


「ダメー。やっぱり、目撃情報はないみたいー」

結奈のそんな言葉に、尚政は「そっかー…」と、悲しそうに頷くー。


「ーごめんなー…俺の家のことなのに、

 手伝ってもらっちゃってー」


遥香が消息を絶ってから数日ー

彼女の結奈も”遥香探し”を手伝ってくれているー。


「ーーううんー。遥香ちゃんのことは、本当に

 妹みたいに思ってたしー

 ーわたしも早く見つけてあげたいから!」


結奈がそう言い放つと、尚政は「ありがとう」と、今一度

お礼の言葉を口にして、そのまま歩き出すー。


来る日も、来る日も遥香の行方を追ったー。


警察からも、満足のいくような情報はなく、

遥香の安否も不明のままー。


「ーーーーそれは、本当ですかー?」


だがー

尚政の執念の調査は、ついに”わずかな情報”へと

尚政を辿りつかせていたー


あの日ー…

遥香が、魔界賢者のプルデンスたちに連れ去られた日…

偶然、そのトラブルを目撃したホームレスがいたのだー。


魔界賢者・プルデンスは、人をさらう際に、

”確実に目につかない場所”で行うのだが、

ホームレスの存在は想定外で目撃されてしまったのだー


”飲み物1本奢ってくれたら教えてやるよ”と言われた尚政は

迷わず、近くの自販機でホームレスに飲みたいものを確認し、

それを手渡すー。


すると、ホームレスの男は、遥香が連れ去られた時の

光景を頭の中に浮かべながら、言葉を口にし始めたー。


「それでー、その男の持つ杖みたいのから、赤い光が

 放たれてさー」


ホームレスの男のそんな言葉に、

尚政は「あ、赤い光ー?」と、表情を歪めるー。


「あぁ、それで、制服着た子が倒れて、そのままそいつらに

 連れていかれたんだよー」

ホームレスの男が、当時を思い出しながら

そう言葉を口にするー。


「つ、連れ去ったやつらの特徴はー?」

尚政が、希望を感じながらそう叫ぶと、

ホームレスの男は「へへっ」と笑いながら言葉を続けたー


「全身タイツに髑髏の仮面をつけた奴らが複数ー

 それと、そうだなー…

 ファンタジーの世界にでもいそうな賢者みたいなやつー」


その言葉に、尚政は「いやいやいやー。真面目に答えて下さいよー」と、

困惑の表情を浮かべるー。


しかしー、ホームレスは「いや、兄ちゃんー、俺はまともに

答えてるよ?」と、そう言葉を口にするー


「え…」

呆然とする尚政ー。


”全身タイツに髑髏の仮面をつけたやつら”と、

”ファンタジー世界にでもいそうな賢者”ー

そんな奴らに、遥香は連れ去られたというのだろうかー。


尚政は強い不安を感じながら、表情を歪めたー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


それからも、尚政は執念深く、遥香の行方を追うー。


”警察”は動かないー。

それもそのはず、社会に混乱が起きないようにと

”リベラティオ帝国”の存在を隠蔽したい”上”からの圧力で、

帝国が関係する事件は黙殺するように言われているのだー。


もちろんー、

一般の警察官たちにはそれすら知らされず、

何故か突然事件の捜査がうやむやにされて、消えていくー…。



「ーーーーーーーーーーーーーーー」

そんな様子を”魔界天使”の異名を持つ女性幹部・デアが

監視していたー


「この子のようですねー。」


悪の組織・リベラティオ帝国にも”自分たちを探っている人間がいる”

という情報は既に入っていて、

”魔界天使”デアの放った”光の雫”によって、尚政の行動を監視しているー。


禍々しい色の光が交錯するその空間で、

イスに座っていた魔界賢者・プルデンスは

「ー人間が、我らを嗅ぎつけるとはなー。しかも、この小娘の兄かー」と、

そう呟くー。


がー、隣に立っている尚政の妹・遥香は

髑髏の仮面を身に着けたまま、”お兄ちゃん”の映像を

見せ付けられても、何の反応も見せないー。


「ーこのままだと、いずれわたしたちの元にたどり着く可能性も

 0ではありませんね」

魔界天使・デアがそう言い放つと、

プルデンスは笑みを浮かべながら立ち上がったー


「案ずるな。私に考えがあるー

 面白いショーを見せることができそうだー」


そんなプルデンスの言葉に、デアは「あら?悪だくみですかー?」と、

ニヤリと笑みを浮かべたー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


翌日ー


尚政は今日も、彼女の結奈と共に”遥香”が連れ去られた付近の

捜索を続けていたー。


だがー

その時だったー


「ーーー!」


背後から”全身タイツの髑髏の仮面”を身に着けた人物が、

3名ほど、姿を現したのだー


「ーお、お前らー…」

3人とも、全身タイツと仮面で、素顔を完全に隠している状態で、

その顔も、肌も、全く見ることはできないー。


「リベラティオ帝国に栄光をー」

三人とも同じ言葉を呟きながら、尚政に襲い掛かって来るー


”男二人と女一人かー”

声から、そう判断した尚政は「暴力は振るいたくないけどー」と、

呟きながらも応戦するー。


尚政は、スポーツも得意で、運動神経は良い方ー。

”戦闘員”三人は思ったほど強くなく、尚政でも十分撃退できそうな

そんな雰囲気に見えるー。


「ーーな、尚政!?」

だがー

その時だったー。


別の方向を捜索していた結奈が合流して、

声を上げたー。


「ーーな、何その人たち!?だ、大丈夫!?」

結奈がそう叫ぶと、

尚政は「ゆ、結奈!俺は大丈夫!ここは危ないから逃げろ!」と、

声を上げるー。


「え… で、でもー…?」

戸惑う結奈ー。


しかし、それでも尚政は「逃げてくれ!」と、必死に声を上げたー。


結奈は少し躊躇ってから

”でも、ここにいたら尚政の足を引っ張ることになるかもだし、

 わたしは一旦ここを離れて助けを呼びに行ったほうがいいよねー”

と、冷静に判断すると、

「尚政!た、助けを呼んでくるから!」と、そう声を上げたー。


尚政は、”物わかりのいい結奈”に心の中で感謝すると、

戦闘員たちのほうを向いたー。


するとー、三人のうちの一人ー、

タイツの上から見える体型的に女性の戦闘員が襲い掛かって来るー。


しばらく争いを続ける二人ー。


だが、尚政は髑髏の仮面のほうを見て、

咄嗟にあることを思いついたー


”犯人の素性を知れば、遥香を助け出せるかもー”

とー。


仮面の下の素顔を見れば、警察にもそれを伝えられるし、

そうなれば、流石に警察も動いてくれるかもしれないー。

そんな、判断だー。


尚政は、戦闘員の一人ー

”女の戦闘員”の仮面に向かって手を伸ばすー。


しかしー、尚政は気づいていないー。

三人の戦闘員は”ある目的のため”に

本気を出していないことー。

そして、三人のうちの一人、女の戦闘員ばかりが

尚政に近付いてきているのは、”仮面を取らせる”ためで

あることにー


「素顔を、見せやがれー!」

尚政がそう言いながら、戦闘員の髑髏の仮面を手ではじき飛ばすー。


「ーーー!?!?!?!?!?!?!?」


がーーー…

その仮面の下から出て来たのはーー

尚政が探していた”その相手”ー。


妹の、遥香だったー


「ーは、遥香ー!?」

尚政は驚くー。


しかし、遥香は無表情のまま、鋭い目つきで尚政を見つめるー。


「ーーーは、遥香ー…ど、どういうことなんだー?」

尚政が強い不安を感じながら、遥香にそう声を掛けるー。


「ーーーこの命はリベラティオ帝国のためにー」

遥香が感情を感じさせない声でそう呟くー


「お、おいっ!遥香!」

尚政は、遥香の様子がおかしいと思いながら、そう叫ぶー。


その時だったー


「な…尚政ー…!」

先に逃げていた彼女の結奈が、賢者のような雰囲気の

人型の異形の存在に捕まっていたー。


「ーーゆ、結奈!」

叫ぶ尚政ー


「ククククー。人間よー

 我々のことを探っているようだなー」

魔界賢者・プルデンスが笑いながらそう言うと、

「ーーは、遥香に何をした!」と、

無表情のまま立ち尽くす遥香を見て叫ぶー。


「ーー彼女は、我々に忠誠を誓う”戦闘員”となったのだー。

 もう、彼女に”遥香”などという名前すら必要ないー」


プルデンスはそう言うと、遥香を見つめながら呟くー。


「ーこの者は、戦闘員No078ー。

 使い捨ての駒だー」


プルデンスがそう言うと、遥香は無表情のまま

「わたしの命は、リベラティオ帝国のためにー」と、呟くー


「ーーーーお、お前ー…!くそっ!遥香に何をしやがった!」

怒りの形相で叫ぶ尚政ー。


プルデンスは少しだけ笑うと、

「ーーでは、お見せしよう」と、そう言葉を口にするー


「ー!?」

尚政が表情を歪めるー。


「ーーーどのようにして、人間が我々に忠誠を誓う戦闘員になるのか、

 この女で実演してみせよう」

プルデンスのそんな言葉に、捕まってしまった結奈は

「や、やめて!」と、悲鳴を上げるー。


「や、やめろ!おい!結奈を離せ!」

尚政も、必死に叫ぶー。


しかしー

そんな叫びも空しく、魔界賢者プルデンスは

錫杖を結奈に向けー、赤い光を放つのだったー。



③へ続く


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


コメント


ついに彼女まで”戦闘員”に…!?

続きはまた次回デス~!


※少し前にお知らせした通り、

 日記シリーズと、深夜のディープログの

 曜日が、土曜日⇒火曜日に変更になりました~!

 土曜日は今後、通常の更新になります~!

 日記シリーズとディープログの続きは、10/10(火曜日)になりますので、

 もう少しお待ちくださいネ~!

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