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ある日の朝ー、

突然の”入れ替わり”が起き、加奈と兄・浩司の身体が

入れ替わってしまったー。


浩司になった加奈は、友達との約束があるから、と、

そのまま浩司の身体で映画館へと向かうことにー。


一方、一人残された加奈になった浩司は、

親友の雅人が”家に遊びに来るたびに加奈にデレデレしていたこと”を

思い出し、加奈の身体で少し揶揄ってみようと、

笑みを浮かべるのだったー。


☆前回はこちら↓☆

<入れ替わり>親友を揶揄ってみた①~驚きの朝~

「ーーったく、お前、絶対、加奈(かな)目的だよな~」 藤嶋 浩司(ふじしま こうじ)が、 そんな言葉を口にすると、浩司の家に遊びに来ていた親友、 達川 雅人(たつかわ まさと)が、顔を赤らめながら 「え、え!?そ、そんなことないし!」と、その言葉を否定したー。 浩司と雅人は、同じ高校に通っている”親友”...

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ーーーー(お兄ちゃんの身体ってなんか歩くのが楽だなぁ…)」

浩司になった妹・加奈は、

浩司の身体で、友達二人との待ち合せ場所である映画館前に

やってきていたー。


歩幅が違うのかー、体力があるのかー、

それともスカートではなくズボンを履いているからなのかー。

何となくいつもより歩くのが楽な気がしながら、

映画館前で友達の美彩(みさ)と、京子(きょうこ)の姿を探す

浩司(加奈)ー。


「ーーお兄ちゃんの身体じゃ、まるで美彩たちとデートするみたいに

 なっちゃうかもー」


少し苦笑いしながら、浩司(加奈)は

友人の美彩・京子の二人の姿を見つけると、

その二人の方に向かって歩いて行ったー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ーーーーあ、達川さんーお待たせしました」

加奈になった浩司は、

浩司の親友である雅人との待ち合せ場所にやってきていたー


「ーーーか、か、加奈ちゃんー…

 き、急にお出かけに誘われるなんて、び、びっくりだよー」


雅人は、そんな言葉を口にしながら、

既に顔を赤らめているー。


”加奈がツインテールにしている”のに気付いたのだろうー。


普段、加奈の髪型はツインテールではないが、

親友の雅人がツインテールが好き、と言っていたため、

加奈の髪型をツインテールにして、今日、ここにやって来ていたのだー。


加奈(浩司)は内心でニヤニヤしながら、

「ーいつも、おr…じゃない、お兄ちゃんと遊んでいる姿を見てたらー、

 なんだか楽しそうだなって思ってー、

 いつか、こうして一緒にお出かけして見たかったんですー」


一瞬、”俺”と言いそうになった加奈(浩司)ー


が、デレデレな雅人は、そんな違和感にも全く気付いていない様子でー、

「ーーで…ぼ、僕と遊園地にー?」と、

そんな言葉を口にしたー


”はははー、何が僕だよー。いつも”俺”って言ってるのにさー”

加奈(浩司)は、親友の雅人を揶揄いながらとても楽しそうに

心の中で笑うと、

「ーーはい!遊園地デートです♡」と、

可愛らしく微笑んで見せたー


「ーーで、で、で、で、で、でーと!?!?!?!?」

雅人は顔を真っ赤にして、今にもトマトになってしまいそうな色に

なりながら、そう叫ぶー


「ーーえへへーデートじゃダメですか?」

加奈(浩司)が、笑顔で言うと、

「そ、そ、そんなことはないよー!あ、あ、ありがとう!ありがとう!」と、

雅人は何故かお礼の言葉を口にし始めるー


”はははー面白いやつだなー”

心の中でそう思いながら、加奈(浩司)は、

有無を言わさず、雅人と手を繋いで見せるー。


「ーーー~~~~~~~~~」

顔を真っ赤にする雅人ー。


加奈(浩司)は「女子の手で、男の手を握ると、なんか感覚が違うなー」と、

そんなことを思いながら、遊園地の方に向かって歩いていくー。


髪型をツインテールにしただけではなく、

”本当に彼氏とデートするつもり”で、おしゃれをしてきた

”加奈”の姿は、いつも雅人が、浩司の家に遊びに来ている時に

見る加奈よりも、さらに可愛らしくなっていて、

雅人は緊張で心臓が破裂しそうな気分になるー。


「ーーーか、加奈ちゃんー

 何に乗りたい?

 僕は加奈ちゃんに合わせるよー」


雅人が、そう言葉を口にするとー、


「う~ん…じゃあ、まずはジェットコースターとかどうですか!?」

と、満面の笑みで言い放ったー。


「ーーーー…!!!!!!!!」

雅人は今度は真っ青になるー。

赤くなったり、青くなったり、とても忙しいー


ニヤァ…と、笑みを浮かべる加奈(浩司)ー


友人の雅人は遊園地自体は嫌いではないものの

”絶叫マシン”が大の苦手で、

いつも遊園地に来た時には、絶叫マシンを避けて、

遊園地を楽しんでいるー。


それを知っている浩司は、あえて

”いきなりジェットコースター”を提案したのだー。


「ーーーじ、ジェットコースターかぁ~

 で、でも、今、結構並んでいるみたいだけどー」

雅人は必死に、加奈(浩司)の気分を害さないような言い回しで

そう言い放つ。


加奈(浩司)は「あ、ほんと~ですね!」と、言いながら笑うと、

「じゃあ、あれ乗りましょうよ!」と、カーペットのほうを指さしたー。


ジェットコースターほどではないが、それなりに無重力感を感じて

怖い人には怖いアトラクションだー。


「~~~~~」

雅人は、カーペットは人が、今のところはあまり並んでいない状態で

あることを悟り、

観念した様子で首を横に振ると、

「わ、わかった!じゃあ、カーペットに乗ろう!」と、

そう言い放ちながら、歩き始めたー。


「ー(あ~面白いなぁ雅人はー)」

加奈(浩司)はそう思いながら、

「あ、そうだ!達川さんじゃなくて、”雅人さん”って呼んでもいいですか?」と、

そんな言葉を口にするー


「ま、ま、雅人さん!?下の名前ー!?」

ドキッとする雅人ー。


ドキドキの連続に、身体が持たないのか、

深呼吸をするような仕草をすると、

「ーーも、もちろんー」と、答えて来たー


「ふふー…じゃあ、雅人さんって呼んじゃいますね♡」

あざとく嬉しそうに微笑む加奈(浩司)ー


”これじゃ、すっかり加奈が悪女だなぁ…

 加奈もその気になれば、男を誘惑したりできちゃうわけかー…”


そんなことを内心で思いながら、

加奈(浩司)は、カーペットに乗りー、

雅人が必死に恐怖に耐えながら、手すりにしがみつくようにしていたのを

見つめつつ、そんな姿を楽しんだー。


「ーーははは 楽しかったなぁ~」

雅人は死んだ目でそう言いながら笑うー。


「ーーあ!雅人さん!ジェットコースターの列がなくなりましたよ!」

加奈(浩司)が、嬉しそうにジェットコースターのほうを指さすー。


「ーーーー~~~~~~~~~~~~~」

雅人が泣きそうな顔になりながら、

ジェットコースターの列のほうを見つめるー。


今度こそ、言い訳して別のアトラクションに向かうなんてことは

できないー。


がーーー

”加奈ちゃん”の前で情けない姿を見せたくない、という思いも

同時に膨れ上がるー。


「あ、もしかして、雅人さん、

 絶叫マシンとか、苦手でしたー?

 それだったら、ごめんなさいー」


加奈(浩司)はわざとらしくそんな言葉を口にするとー、


「い、いやいやいや、そんなわけないだろ?

 ぼ、僕、大好きだよ!そういうの!」

と、見栄を張った雅人が、顔を赤くしながらそう叫ぶー


「あはは♡

 そうなんですね!

 じゃあ、今日は雅人さんと一緒に絶叫マシンを制覇できちゃいそうですね!」


加奈(浩司)が嬉しそうにそう言うと、

雅人は「ーい、いや、でも、絶叫マシン以外も乗ろうよ!せっかくだし!」と、

流石に我慢できなくなったのか、そう声を発したー


「ーー確かにそれもそうですね~!」

加奈(浩司)は、”これ以上、雅人のやつを追いつめるのもかわいそうだからな”と

逃げ道を残しつつ、そう呟いたー。


ジェットコースターに乗る順番が近付いて来れば

近付いてくるほど、雅人の口数は減っていくー。


そんな様子を見て、加奈(浩司)は”ビビりすぎだろー”と、思いつつも

「あ、あのー。ジェットコースターやめますか?」と、

不安そうに言葉を口にしたー。


いくら、揶揄う目的と言っても、

別に雅人には何の恨みもないし、親友だー。

強いて言えば、加奈にデレデレなのは、兄として少し気になるところでは

あるものの、それ以外には、何もないー。

今日もただ、揶揄うだけが目的で、

流石に、ここまで露骨に暗くなられると不安になるー。


「ーーーえ?いやぁ、楽しみすぎて、ついソワソワしてー」

雅人がそんな言葉を発するー。


「ーそ、そ、そうですかー」

加奈(浩司)は”じ、じゃあ、乗るからな”内心で言葉を口にしながら、

ついにジェットコースターに乗る順番直前までやってきたー。


がーーー


「ーご、ごめん、加奈ちゃん!急にトイレにー!」

ジェットコースターへの恐怖についに耐えられなくなった雅人は、

ジェットコースターに乗る直前になって、そう叫ぶと、

慌てた様子で、逃げ去っていくー。


「ーーえっ!?ちょっと!このタイミングかよ!」

走り去っていく雅人の後ろ姿を見ながら、

加奈(浩司)は、思わずいつもの口調で叫んでしまうと、

先にジェットコースターに乗り込んでいた加奈(浩司)は

仕方がなく、一人でジェットコースターを楽しむことにするー


「きゃああああああああああああ~~!」


”わざと”女子として悲鳴を上げてみたかった加奈(浩司)は、

そんな叫び声を上げながら、

”やっぱ加奈、可愛いよなー”と、自分の妹の可愛さを

改めて噛みしめるー


”ってか、ジェットコースター乗ると、髪がすごいなー”

そんなことを思いつつ、

何の問題もなくジェットコースターを堪能した、

加奈(浩司)は、ジェットコースターの出口付近にいた

雅人を見つけて、「雅人さんー」と、

わざと頬を膨らませて見せるー


「ご、ご、ごめんー」

雅人がしょんぼりした様子でそんな言葉を口にしているのを見て、

流石に可愛そうになってきた浩司は、

「も~~~~」と、言葉を口にすると、

「ーーちょっと、わたしもやりすぎちゃいましたーごめんなさいー」と、

ぺこりと頭を下げたー


「あ、い、いや、加奈ちゃんは悪くないんだー

 ちょ、ちょっとー、ぼ、僕ーそのー

 絶叫マシンが、苦手でー」


雅人が、悲しそうにそう言葉を口にするー。


”おいおいー、そんな顔すんなよー。別に恥ずかしいことじゃないってー”

雅人と、”浩司”は親友ー。

いくら揶揄っているとは言え、こんな顔をされると、

流石に親友として心が痛むー。


「ーそ、そんな顔しないでくださいー

 絶叫マシンの得意・苦手は人それぞれですし、雅人さんは

 何も悪くないですよ!」


加奈(浩司)は、加奈としてそんな言葉を口にすると、

雅人は「加奈ちゃんー」と、安心した様子を少しだけ浮かべるー。


「ーーこ、これからはー、二人で相談しながら、

 乗るもの決めましょ!」

加奈(浩司)がそう言うと、雅人は「ありがとうー…優しいな加奈ちゃんはー」と、

そんな言葉を口にしたー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


そこから先は、メリーゴーランドに乗ったり、

雅人も”これなら大丈夫”と言ってくれた絶叫マシンに乗ったりー、

そんな風にして、遊園地でのひと時を過ごしていくー。


最初は揶揄う目的だったけれどー、

いつしか、加奈の身体で浩司も、遊園地を心の底から

楽しんでいたしー、

何よりー、


”加奈の身体だと、大はしゃぎできてイイ…!”


そんな風にも思っていたー。


浩司は、遊園地は大好きなのだがー、

何となく高3ともなると、大騒ぎするような年齢ではないような気がして

昔のように、純粋にはしゃぐこともできないー。


が、加奈のような女子だと、はしゃいでいても、

なんとなくおかしくない気がするしー、

そもそも可愛いから問題ない気がして、

心の底から無邪気に楽しむことができたー。


「ーーあ、アイス食べたいな~♡ 雅人さん!アイス~」

ちょっと甘えてみる加奈(浩司)ー


「ーえぇ!?アイス?

 はははー、じゃあ、少し休憩しようかー」

雅人はイヤな顔、一つせずに加奈(浩司)のほうを見て笑うと、

そのまま自分の分と加奈の分を買ってくれて、

アイスを加奈(浩司)に手渡したー


「わ~ありがとうございます!」

加奈(浩司)はそんなことを言いながら

”雅人、優しいんだなー。彼女もすぐにできそうだけどー”と、

彼女がいない雅人のことを考えるー


”まぁ、俺は男だからそう感じるのかなー?

 女子だと、感じ方も違うってことか?”


そんなことを考えながらも、アイスを口にする加奈(浩司)ー


味覚の違いからか”いつもよりうめぇ”と思いながら

嬉しそうにアイスを食べると、

雅人が「はははー。加奈ちゃんって意外と豪快に食べるんだなぁ」と、

笑い始めるー。


「ーーぁ…え、えっとーあははー」

急に恥ずかしくなって顔を赤らめると、加奈(浩司)は

穏やかな食べ方を意識して、アイスの続きを食べ始めたー


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「合言葉はー”ヨーグルトコーラ”」


浩司(加奈)は

映画館で友達の美彩・京子と合流し、

兄・浩司に言っていた通り、

友達との間に決めていた合言葉を口にしていたー。


これで、入れ替わりを信じてもらえるー。


ーーはず… が、


「ーーーあ、あのーー…何でお兄さんが変わりにー?」

戸惑いの表情を浮かべる美彩ー。


「ーーか、加奈はどうしたんですか?」

同じく戸惑う京子ー


「えっ… え~~…?だ、だからさっきも説明したけど、

 わたしが加奈なのー


 ほら、合言葉も知ってるし!」


浩司(加奈)がそう言うと、

京子は「合言葉は、加奈から聞けばわかりますよね…?」と、

困惑の表情を浮かべたー


”えぇぇぇぇ~~!?信じてくれないの!?”


簡単に入れ替わりを信じてもらえると思い込んでいた

浩司(加奈)は、呆然とした表情を浮かべながら、

心の中でそう叫んだー。



③へ続く


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


コメント


ひたすら戸惑う親友くん…☆!

遊園地と映画館、それぞれに向かった二人が

どうなるのかは、また次回のお楽しみデス~!


次回が最終回なので、ぜひ結末を見届けて下さいネ~!


今日もお読み下さりありがとうございました~!

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