Home Artists Posts Import Register

Content

入れ替わってしまった翔太と綾の二人ー。


何とかその日の授業を乗り越えー、

放課後、”元に戻る方法”を色々と試してみたー。


しかしー…

”放課後になれば元に戻れるだろう”という考えは甘かったことを

思い知らされたー。


色々と試してもー、

二人は”元に戻る”ことができなかったのだー…。


困惑の状況の中、

”一晩寝れば元に戻るかもしれない”という希望の元、

二人はそれぞれの家に帰ることにー…


★前回はこちら↓★

<入れ替わり>僕とわたしの不思議な青春②~戸惑い~

階段でぶつかったことにより、 入れ替わってしまった翔太と綾ー。 互いの状態に戸惑いながらも、ひとまず、放課後に元に戻る方法を 約束して、教室へと戻るー。 この時の二人は、まだ互いに ”すぐに元に戻ることができる”と、 状況を軽く考えていたー。 しかしー…? ☆前回はこちら↓☆ ・・・・・・・・・・・・・・・・・...

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


★主な登場人物★


遠藤 翔太(えんどう しょうた)

C組生徒。大人しく、奥手な性格の持ち主。綾と入れ替わってしまう。


星村 綾(ほしむら あや)

C組生徒。可愛らしい雰囲気に、明るい性格の持ち主。翔太と入れ替わってしまう。


神田 哲真(かんだ てつま)

C組生徒。翔太の中学時代からの友人。女子は苦手。


山井 穂乃果(やまい ほのか)

C組生徒。綾の友人。翔太のことはあまり良く思っていない。


伊藤 菜々美(いとう ななみ)

C組生徒。翔太の小さい頃の知り合い。昔とは雰囲気が違っている。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「はぁ~~~~~…」

ドキドキしながら”綾”の家の前にやってきた

綾(翔太)ー


周囲から見れば”自分の家の前で何をドキドキしているのか”と

思ってしまうような不思議な光景ー。


「ーーー……」

ゴクリ、と唾を飲み込むー。

女子の家に足を踏み入れたことなどー…

ほとんどないー。


小さい頃、近所に住んでいた”伊藤 菜々美”の家に

親同伴で行ったことがあるぐらいで、それ以外は

全くない、と言ってもいいー。

つまり、初めてに等しい状態だー。


「ーーー…は~~~…ダメだ…緊張するー」


下校する前にー、

”翔太になった綾”から、色々と話は聞いたー。


綾によれば、”お母さんもお父さんも優しい”とのことだったし、

部屋の場所だとか、家で過ごすための基本的なことは

お互いに教えあったー。


そうー。

”今日”さえ耐えれば良いのだー。


一晩寝ればー…

きっと、きっと元に戻れるはずー。


”ずっと、こうしているわけにもいかないしー”

綾(翔太)はついに意を決して、すぅっ、と息を吸い込むと、

「ただいま~!」と、元気よく家の扉を開けたー。


「あ、おかえりなさい~!」

綾の母親が、帰宅した綾を見て微笑むー。


なるほどー。

確かに、聞いている通り”優しそうなお母さん”に見えるー。


少しだけ雑談をして、洗面台の方に向かうと、手を洗う綾(翔太)ー


緊張からか、綾の手がかなり汗ばんでいるー。


”あぁ…星村さんーごめんー

 星村さんの手をこんなに汚くしちゃってー”

綾(翔太)はそんな風に思いながら、

いつもよりも念入りにごしごしと手を洗うー。


何となく、”星村さんのような可愛い子の手”は

”僕なんかが手を洗うよりももっときれいに洗わないといけない”

と、そう思ったのだー。


そして、うがいを済ませると、

綾から聞いていた通り、2階にある”綾の部屋”に向かって歩き出すー。


「ーーーおじゃましま~す…」

自分の部屋に入るのに、そんな言葉を呟く綾(翔太)ー。


綾の部屋はー

想像通りー、というべきだろうかー

可愛らしく、それでいて綺麗に整理整頓された様子の部屋だったー。


「ーーー~~~~~~」

綾(翔太)は、その部屋を見ただけでドキッとして、

そのままバックして、部屋から出てしまうー。


「ぼ、ぼ、僕なんかが入っていい部屋じゃないー!」

汗をタラタラと流しながらそう呟く綾(翔太)ー


「ぼ、僕なんかが入ったら、部屋が汚染されちゃうー!」

綾(翔太)がそんなことを呟くとー、

”誰かが”階段を上がって来る音が聞こえたー


ギクッとして振り返る綾(翔太)ー


”お母さん”だろうかー。

それとも”まだ見ぬお父さん”だろうかー。


いずれにしてもー、

いくら、綾から話を聞いたとは言え”100%”星村 綾として

振る舞うことなんて、できっこないー。


どうすればー…


そんなことを考えているとーー

階段を上って来たのはー

綾の母親でも、父親でもないーーー


ツインテールの可愛らしい子だったー


「え」


「!」


その子と目が合った瞬間ー、

反射的にそんな言葉を口にしてしまった綾(翔太)ー


しかし、”しまった”と考える間もなくーー


「あ~~~!お姉ちゃん~~~!

 おかえり~~~~!」

と、そのツインテールの子が突然、抱き着いてきて、

ツインテールの髪がー、その子の胸がー、

いいや、自分の胸もその子に当たってー

綾(翔太)は、頭がパンクしそうになるほどの衝撃を受けたー。


「ーおかえりのぎゅ~~~!」

そう言いながら、ツインテールの子が、

綾(翔太)を抱きしめるー。


自分が、”美少女”になっているだけでも耐えられないぐらいに

緊張しているのに、さらに別の美少女から抱きしめられるー…

なんて状況に、綾(翔太)は、顔を真っ赤にしながら、

放心状態で、その場に座り込んだー


「ーえぇっ!?お、お姉ちゃん!?」

”妹”に抱きしめられて放心状態の綾(翔太)は、

顔を真っ赤にしたまま、呆然としているー


そんな様子を見て、この”妹”らしき子は、

「お姉ちゃん!?だ、大丈夫~? お姉ちゃん~?

 お~い!」

と、目の前で手をパタパタさせながら、ニコニコと

笑みを浮かべていたー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ーーた、ただいま~!」

一方、翔太(綾)も”翔太の家”に帰宅していたー。


もちろん、綾も、翔太同様に緊張しているー。


明るく、社交的な綾であっても

”他人の身体で他人の家に帰る”ということは

やはり緊張するものだー。


「ーあぁ、おかえりー」

キッチンにいた、翔太の母親がそう言葉をかけて来るー。


サバサバとした感じのおばさん、という雰囲気だー。


思わず、翔太(綾)は、

反射的に”お邪魔します”と言いそうになってしまいー、

ギリギリの所で口を止めると、

「ーーた、た、ただいま」と、もう一度、

帰宅の挨拶を繰り返して、手洗いを済ませると、

”翔太”から聞いていた通り、自分の部屋へと向かうー。


「ーーーー」

翔太(綾)が、翔太の部屋に到着すると、

興味深そうに周囲を見渡すー。


「わ…すっごい……」

翔太(綾)が特に興味を示したのはー

”大量のカードゲームのカード”ー。


そういえばー、翔太の友達の”神田くん”も、

カードゲームの話をしていたー。

翔太(綾)自身は、笑って誤魔化してしまったけれどー、

きっと、普段は二人でこのカードの話で盛り上がっているのだろうー。


「ーーわ~…こんなにたくさんあるんだ~」

興味深そうに、そんな光景を見つめると、

翔太(綾)は少しだけ表情を歪めたー。


「ーう~ん…ーー」

部屋を見渡す翔太(綾)ー


決してー”ゴミ屋敷”と言う感じの部屋ではないが、

それなりに散らかっているー。

”汚い”というほどではないけれど、散らかっているー。


「ーーーあ~~…片づけたい!」

少し笑いながらそう呟く翔太(綾)ー


けれど、”遠藤くん”の部屋を勝手に片づけるわけにはいかないー。

そんなことを思いながら、

”我慢我慢!”と、自分に言い聞かせながら、

ふと、部屋の棚の上に飾られている”ツインテールの美少女”の

フィギュアを見つめたー。


「ーーーあれ…」

翔太(綾)は、そんな言葉を呟きながら

そのフィギュアに近付くー。


何かのアニメー、あるいはゲームか何かのキャラクターだろうかー。

そんなフィギュアを見つめていると、「あ!!!」と、

翔太(綾)は声を上げたー。


”ツインテールのキャラ”を見て、翔太に”妹”のことを伝え忘れていたことに

気付いた翔太(綾)は「そうだー…遠藤くんに美桜(みお)のことも

伝えておかないとー」と、慌ててスマホを手にして、電話を掛けたー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ーーそ、そ、そうなんだー…」

綾(翔太)が、翔太(綾)から電話で”妹・美桜”のことを

伝えられて、放心状態で言葉を口にしたー。


”ごめんねー…色々混乱してて、つい言い忘れちゃってー”

翔太(綾)のそんな言葉に、綾(翔太)は

「う、うんー別に大丈夫だけどー」と、言葉を口にするー。


綾によれば、妹の美桜は

いつも元気いっぱいで、あんな感じなのだというー。

姉妹仲もとても良いらしくー、

”わたしに抱き着いて来たら、とりあえずぎゅ~!ってしてあげて!”

などと言われてしまったー


「ーぎ…ぎゅ~って言ってもー…」

綾(翔太)は、さっき”美桜”から、抱き着かれたことを思い出して

またドキドキしてしまうー。


それと同時に、

”自分の声が電話の向こうから聞こえて来る”状況に、

何だか違和感を感じながらー、

「ーーあ…あの」と、言葉を口にするー。


「ーーぼ、僕、どこで今日1日過ごせばいいかなー?」


”え?”


翔太(綾)が、困惑の言葉を口にするー。


”ど、どこってー…?わたしの部屋にいればいいでしょ?”

翔太(綾)が、”当然”のことを答えるかのように、そう言い放つー。


「ーあ…う、うんー…そのーなんて言うか、僕なんかが

 入っちゃいけない領域な気がしてー」

綾(翔太)が、困り果てた表情で、廊下の端っこに体育座りしながら、

そう呟くと、

翔太(綾)は”あははー…遠藤くんってばー、何か面白いねー”と、

笑ったー。


”そんなこと、全然気にしないよー!

 わたしの部屋で、今日はゆっくり休んで!

 明日にはきっと、元に戻れるし!”


翔太(綾)の言葉に、綾(翔太)は「え…で、でも」と、

なおも食い下がるー。


”(う~ん…なんか過去にイヤなことでもあったのかなぁ)”

単に翔太は”女子慣れ”していないだけなのだけれどもー、

綾はそんな風に心配してしまうー。


そしてー、少し考えてから、

”ほら、身体はわたしの身体なんだし!全然気にせず、わたしの部屋に

 入って!ね?”

と、言葉を口にすると、

ようやく、綾(翔太)は「うー…うんー」と、納得の言葉を口にした。


綾(翔太)は、立ち上がると”綾の部屋”に再び入るー。


「ーうっ…やっぱりまぶしい!」

綾(翔太)がそう言うと、

”あはははー…大丈夫だってば~”と、翔太(綾)が笑うー。


そしてー、翔太の緊張をほぐそうと、翔太(綾)は言葉を続けたー。


”ねぇねぇ、遠藤くんって、このカードゲーム好きなの?

 いっぱいカードがあるけどー”


「ーーあ、う、うんー、なんか、ごめんー」


”え~?何で謝るの?好きなことあるっていいことでしょ?

 わたしの部屋だって、漫画とかぬいぐるみとか、色々あるしー”


その言葉に、綾(翔太)は改めて部屋を見渡すー。


可愛い系のキャラクターのぬいぐるみやー、

翔太からすれば”知らない”少女漫画ー、

それに、アイドルのグッズだろうかー。それがいくつかー。

色々なものが散見されるー。


”あとーこの、可愛い子のーー…フィギュアかな?

 なんか、髪型といい、ちょっと美桜に似てない?”


翔太(綾)が笑いながら妹の美桜のことを口にするー。


ドキッとする綾(翔太)ー


”やべっー…星村さんにフィギュアまで見られちゃうなんてー

 あ~もう…終わったー。

 気持ち悪いって思われるー”


そんなネガティブな考えに至った綾(翔太)は、慌てて

「そ、そ、そ、それは、貰ったものでー

 べ、別に僕はそういう趣味なんてーないし!」と、

早口で言葉を口にするとー、

”わたし、そんな風に喋れるんだねー”と、翔太(綾)は少しだけ笑うー。


”ー全然気にしないし、そんな風に言わないで”と、

優しく翔太(綾)が返事をするー。


その言葉を聞いても”やっぱり、内心ではなんか思われてそうー”と、

思いながらも「あ、ありがとうー」と、言葉を口にする

翔太(綾)ー


”あ~くそっ、こんなことになるんだったら

 部屋の整理ぐらいしておけばよかったー”


そう後悔しても、もう遅いー。


それにー…

綾の妹・”美桜”は、綾の言う通り、確かに

翔太が好きな”キャラクター”に、結構似ているー。

髪型もそうだし、雰囲気もだー。


そんな子と”同じ屋根の下”で過ごすのは

やっぱり心臓に悪いー。


「ーー…あ、そうだー…

 そういえば、着替えとか、お風呂ー…どうすればー?」


綾(翔太)が、不安そうに呟くー。


”え?あ~~~~…”

翔太になった綾もさすがに自分の身体でお風呂に入られるのは

躊躇いがあったのかー、

”明日、元に戻ったらお互い、お風呂に入ればいいんじゃないかな?”と、

言葉を口にしたー。


少しだけホッとする綾(翔太)ー


”お風呂も普通に入っちゃっていいよー”なんて言われたら

心臓が破裂するところだったー。


「ーーそ、そうだねー…じゃあ、着替えも明日の朝でー?」

綾(翔太)が、そう言うと、翔太(綾)は

”服はー…うんー…まぁ、それでいいと思う”と、

そう言葉を口にすると、二人はしばらく電話で話してから、

時間も遅くなっていることに気付き、

”おやすみ”と、言葉を口にして電話を切ったー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ーーーー」


家族と晩御飯も済ませて、

部屋に戻った綾(翔太)ー


「ふ~~~~~」

深くため息をつくと、綾(翔太)は、

”カードゲームの新商品”が、今日発売だったことを思い出すー


「あ~~~~僕も買いに行きたかったなぁ…!」

綾(翔太)は悔しそうにそう呟くと、

「神田くんは、今頃レアカード当ててニヤニヤしてるのかなぁ」

と、親友の神田哲真のことを思い浮かべるー。


「ーはぁ~…明日ボックス買いしちゃおうかな」

綾(翔太)はそんなことを呟くと、「もう今日は寝よう」と、

そのまま綾の身体でベッドに横たわったー。


「ーーーーー…」


「ーーーーー」


「ーーーーーーー!」


うつ伏せになると、胸が布団に当たるー。

手を動かすと、時々胸に当たるー。

身体を動かすと、髪が揺れるー


ガバッ、と起き上がった綾(翔太)は「ね、寝れない!」と、

思わず声を上げたー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


翔太(綾)は、好きなアイドルグループの動画をスマホで

見つめながら、嬉しそうに、小声でその歌を口ずさんでいたー。


「ーーー…」


動画の検索履歴に、”ちょっとHなもの”がたまに紛れていたのに

気付いてしまったけれど、翔太(綾)はニコニコしながら

それをスルーしたー。


大半は、カードゲームの動画や、ゲーム実況ー、

あと、”彼女を作る方法”みたいのも少しだけ紛れていたー。


がー、動画の履歴であれこれ言うつもりは、綾には全くないー。


「ーそうだ!美桜にも見せてあげよっと!」

妹の美桜の影響で、このアイドルグループのことが好きになった

綾は、そんな言葉を口にしながら、部屋を出るー。


がーーーー


翔太(綾)は、少し瞬きしてからー


「ーーーあ…美桜、いないんだったー」

と、ここが”翔太”の家であることを思い出して、

少ししょんぼりとするー。


「ーーーーー」

時計を見つめるー


いつもより、少し早いー。


けれどー、今日は1日、とっても疲れたし、

明日は朝、早めに起きてお風呂にも入りたいー。


そう、思いながら、翔太(綾)は寝る準備を始めると、

布団に潜りこんで「おやすみなさい」と、一人、

少しだけ寂しそうに言葉を口にしたー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


そしてーーー…

朝を迎えたーーーー


「ーーーーーー!」

”寝れない”と思っていたものの、結局寝ていた翔太は、

ガバッと起き上がるとー、

早速、”アレがあるかどうか”を、確認するためー、

手を触れたー


がーーー


「ーす、スカート履いたままじゃん!?!?!?!?」

翔太は叫ぶー


”綾”の声でー。


”明日の朝、着替えよう”と、二人で約束した

綾(翔太)は、制服のまま寝ていたー。


そしてー

朝を迎えた今、まだスカートを履いているー。


それはつまりー…


「戻ってないぃぃ!?!?!?」

綾(翔太)は、絶望の表情を浮かべながらそう叫んだー。



「ーーーあれ……遠藤くんのままー…」

時を同じくして、翔太(綾)も、自分が”翔太”のままであることに気付いて

困惑していたー。


「ーーーー……」

いつものように、髪に触れるような仕草をしながら、

髪が短いことに気付いて、苦笑いしながら首を横に振るとー、

「どうしようー…」と、窓の外を見つめたー。


”放課後、元に戻れるはずー”

”明日の朝になれば、元に戻るはずー”


そう、思っていた二人はー、

”そう簡単に元には戻れない”ことを、この時、初めて

強く実感したのだったー


「ーーってーー…学校ー…!」

翔太(綾)は困惑するー。


今日も”学校”があるー。

元に戻っていない以上ーーー


「ーーー」

慌ててスマホを手にした翔太(綾)は、

「え、遠藤くん!おはようー…!」と、

慌てて”お風呂”や”着替え”をどうするかを相談し始めたー。



結局ー、

二人はお互いの身体で”お風呂”に入ることにー。


翔太(綾)は、ドキドキしながら”男子”としてー、

綾(翔太)は、失神しそうになりながら”女子”として

何とか身体を洗い終えると、慌てて学校に行く準備を終えてー、

そのまま学校へと向かうー。


”僕たち、いつ、元に戻れるんだー!?”

そんな答えが見つからぬままー、

入れ替わり生活2日目が、幕を開けてしまうのだったー。


④へ続く


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


★1-Cの日常★


「ただいま~」

翔太と綾が入れ替わった初日ー。


帰宅したクラスメイトの守屋 智花(もりや ともか)は、

そんな言葉を口にしながら、家の中に入っていくー


とても真面目そうで、物静かそうな美少女ー。

そんな感じの雰囲気の智花ー。

学校でも、静かに読書していたりすることが多くー

見た目通り、物静かな印象だー。


「ーーーお、智花、おかえり!」

妹の帰宅に気付いた智花の兄が、そう言葉をかけると、

「あ、お兄ちゃん!ただいま!」

と、智花が嬉しそうに笑うー。


「ーーどうだ?学校は?もう慣れたか?」

兄のそんな言葉に、智花は「うん」と、頷くー。


「ははは、さすが智花。

 ホントに俺の妹なのかって思うぐらい頭もいいしー、

 俺の誇りだよー」


兄がそう言うと、智花は笑いながら

「ーそんなに褒めても何も出ないよ~」と、照れくさそうに言うー。


そして、少し雑談をしてから、自分の部屋に向かって

歩き出した智花の表情からはー、

”数秒前までの笑顔”が嘘のように消え失せていたー


”あんたみたいな”無能”は

 せいぜい、わたしの引き立て役ぐらいにしか、

 役立たないんだからー。

 せいぜいこれからも、わたしを褒めてよねー”


智花がそう内心で囁くー。


見た目も、振る舞いも真面目ー

けれども、内心では他人を出し抜くことしか考えていないー。


そんな、智花の

”恐ろしさ”を翔太や綾たちが知るのは、まだ、先の話だー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


コメント


”入れ替わり初日編”が終わりました~!☆

入れ替わり初日は大事な部分なので、

じっくり描けて良かったデス~!

こうしてじっくり描けるのは長編ならではですネ~!


そして、次回からはいよいよ、

入れ替わり学校生活が本格化…☆!

色々な”学校行事”も絡めつつ、描いていくのが

今から楽しみデス!!


今日もお読み下さりありがとうございました~~!

Files

Comments

No comments found for this post.