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階段でぶつかったことにより、

入れ替わってしまった翔太と綾ー。


互いの状態に戸惑いながらも、ひとまず、放課後に元に戻る方法を

約束して、教室へと戻るー。


この時の二人は、まだ互いに

”すぐに元に戻ることができる”と、

状況を軽く考えていたー。


しかしー…?


☆前回はこちら↓☆

<入れ替わり>僕とわたしの不思議な青春①~発端~

チャイムが鳴り響く中ー、 少しオドオドした様子で彼は周囲を見渡していたー。 正門を潜りー”自分のクラス”を確認するー。 ”僕の名前は…どこかなー?” そんな風に思いながら、名前という名の文字の羅列を、 見渡すー。 そしてー、”1年C組”の部分に 彼は自分の名前ー、”遠藤 翔太(えんどう しょうた)の名前を 確認す...

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


入学してから1週間ー。

そろそろ授業も本格的に始まりー、

生徒たちは”どんな先生かな?”などと、思いながら

授業を受けるー。


2時間目ー

”国語”の授業が始まりー、

神経質そうな眼鏡の先生・井上(いのうえ)先生が入って来るー。


何となく、歴史の教科書の肖像画に居そうな感じの顔立ちに見えるー。


だがーーー

翔太にとっては”先生たちとの出会い”に思いを巡らせる余裕はなかったー


”やばー…”

綾と入れ替わってしまった翔太は、”綾の身体”で綾の座席に

座り、授業を受けていたー。


”す、す、座り方ーこれでいいんだよなー?見えてないよねー?”

綾(翔太)は不安そうに、自分のスカートを気にするー。


スカートを履いて、イスに座ったことなど、当然ないー。

”ただ座っているだけ”なのに、ソワソワドキドキしてしまうー。


そうこうしているうちに、井上先生が自己紹介を終えて、

教科書に載っている最初のお話の授業が始まったー。


井上先生が、座席表と名前を照らし合わせながら

生徒をランダムで指名しー、1ページずつ、その物語を読んでいくー。


「ーじゃあ~次は、遠藤」

井上先生がそう言い放つー


「ーは、はいっ!」

「ーーはい」


「ーー?」

井上先生が、メガネをいじりながら首を傾げるー。


「ーーえ?」

綾(翔太)の隣の座席の男子生徒、須藤 渉(すどう わたる)も

思わず首を傾げたー。


”遠藤翔太”を呼んだのにー、

”二人”立ち上がったーー


そんな状況に、先生もクラスメイトも困惑しているー


「ーーー!」

翔太(綾)が、”自分の身体”も立ち上がったことに気付きー、

慌てて目で合図をするー。


だが、時すでに遅しー。

先生もクラスメイトも”遠藤”と呼ばれたのに、

立ち上がった”星村 綾”を見つめるー。


「ーーー星村さんー…呼ばれたのは”遠藤くん”だよー?」

後ろの座席にいる優しそうな女子生徒・野坂 優菜(のさか ゆうな)の

そんな言葉を聞いてー、

ようやく綾(翔太)は”やべっー”と、自分の犯したミスに気付いたー。


”今、僕は”遠藤くん”じゃないんだったー…!”

そんなことを思いながら、恥ずかしそうに綾(翔太)は

「す、す、すみませんー」と、頭を下げるー。


井上先生が、少し戸惑った様子で咳払いをすると

「じゃあ、改めてー…遠藤、頼むー」と、

翔太(綾)に教科書を読むように促したー。


翔太(綾)が国語の教科書を読むー。


「ーーーーー」

”僕”の声を、他人として聞くー。

なんだかとても違和感のある状態ー。


普段、”自分の声”は、自分の口から発されているのを聞くかー、

電話や動画で聞くかしかできないー。


が、こうして”別人”として自分の声を聞くと、

また何か、違った声に聞こえるー。


「ーーーーこうして彼は、家に急いで戻ることになったー」


翔太(綾)が、教科書の1ページを読み終えると、

笑顔を浮かべて、そのまま着席するー。


「ーーじゃあー、次は星村」


「ーーは、はひっ!?」

心の準備が出来ていないまま、指名された綾(翔太)は

変な声を出してしまうー。


恐らくー、さっき”間違えて立ってしまった”ことで、

井上先生に指名されてしまったのだろうー。

こういう時は、目立つと指名されやすいー。


「ーーー次のページを読んでくれー」

井上先生が眼鏡をいじりながら言うー。


「は、はいー」

綾(翔太)は、”綾の声”で教科書を読み始めるー


”な、なんだこの可愛い声ー…”

そう思っただけで心臓がバクバクしてくるー。


”星村さんの声”で、教科書を読んでいるだけで、

ドキドキしてしまうー。


「ーーーーー」

教科書を無心に読む綾(翔太)ー


ようやく1ページ読み終える頃には、

顔が真っ赤になっているのが、自分自身にも伝わってくるぐらいー、

綾(翔太)は赤面していたー。


「~~~~~~~…」

元に戻るまで、ずっとこの声で喋るのかー、と思いながら

恥ずかしそうに俯くとー、

井上先生は少しだけ失笑したような表情を浮かべながら、

「じゃあ、次はー渡辺(わたなべ)」と、

真面目そうな眼鏡の男子生徒を指名したー。


得意気な表情で立ち上がり、聞き取りやすい声で音読を始める彼ー。


その様子を見ながらも、綾(翔太)は、

まだ落ち着かない様子でソワソワと身体を動かしたー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ーーーーー」

ようやく、2時間目が終わったー。


入れ替わって受けた最初の授業ー。

1時間にも満たない時間のはずなのにー、

どっと疲れたー。


「ーーー」

緊張して、トイレも行きたくなってきたし、

トイレに行っておこうかな、と立ち上がる綾(翔太)ー


しかしー…

綾(翔太)は表情を歪めたー


「ーー…え… そ、そういえばーー」

自分の下半身のほうを見落とす綾(翔太)ー


”ほ、ほ、星村さんの身体でトイレー…!?!?”


絶対無理だー、と、綾(翔太)は思うー。


そもそも、女性がどうやってトイレを済ませるのかなんて

見たこともないし、知らないー

”座ってする”ぐらいしか翔太は知らないー。


それに、スカートをどうやって下ろせばいいのかも分からないしー、

そもそも綾の下着や、アソコを見るわけにもいかないー。

しかも、自分は男だから女子トイレに入るわけにもいかない上に、

身体だけは女子だから、男子トイレに入ることもできないー


「ど、ど、どうすればー」

頭を抱える綾(翔太)ー

そうこうしているうちに、翔太(綾)が近づいて来てー

「大丈夫だった?」と、小声で確認してくるー。


「ーう、うんー。な、なんとかー」

綾(翔太)はそう返事をすると、

「ーー…な、なんかー…その、色々ごめんなさいー」と、

”上手く綾に成り切れていない自分”に情けなさを感じながら

そんな言葉を口にしたー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


3時間目ー

理科の授業が始まるー。


「ーーー松原(まつばら)ですー。

 ーーーまぁ、うんーその、よろしく」


髪を掻きながら笑う女性教師ー、

科学者のような白衣を着た、結構美人な顔立ちに見える

その先生が適当な挨拶を終えるー。


「”わたしは理科オタクだからー”」

などと豪語し、科学と結婚したー、などと、笑いながら話している

彼女は、とても話しやすそうな先生に見えるー。


「ーーーー…」

がー、やはり、綾(翔太)はそれどころではなかったー


”きったなー…!!!”


配布されたプリントに

”星村 綾”と名前を書く綾(翔太)ー


まさか、自分の名前以外の名前をプリントに書くことになるなんてー。


”星村 綾”と書いている事実にゾクゾクしてしまいながらもー、

理科の教科書の裏に書かれた”星村 綾”という字とまるで別人のような

汚さに、綾(翔太)は絶望していたー


”いや、そりゃー…星村さんが書いた字の方が綺麗なのは分かるけどー”


教科書に書かれた”星村 綾”は、入れ替わる前に本人が書いたものー。

そして今、プリントに書いた”星村 綾”は、綾(翔太)が書いたものー


”あぁ…星村さん、字まで綺麗すぎてー

 やっぱ、僕からしたら雲の上の存在だなぁー”


そんな風に思いながら、何とかプリントに名前を書き終えると、

”できるだけ綺麗にー、できるだけ綺麗にー”と、

心の中で唱えながら、3時間目の授業を乗り切ったー。


残る授業は”数学”

まだ今週の途中まで午前授業のため、数学を乗り越えれば

今日の授業は終了ー、

元に戻ることができるー。


そう思いながら、次の授業の準備をするため、

教室の外にあるロッカーの所に向かうー。


「ーーははは、何なら今日、このあと駅前のカード屋に行くか?」


ロッカーの前ではー、

翔太の親友ー、神田哲真が、入学してから仲良くなった

イケメン男子・足立幸也とそんな話をしていたー。


翔太と哲真は、中学時代から一緒にカードゲームでも遊んでいるー。

話を聞く限りー、どうやら”足立くん”も、そのカードゲームの

プレイヤーらしく、哲真と幸也で盛り上がっている様子だったー。


「ーーー」

”自分の好きなもの”の話になると、ついテンションが上がってしまう

”翔太”は、「ーー足立くんもー…そのカードゲーム、やるんだ」と、

嬉しそうに声をかけてしまうー。


「ーえっ?」

幸也と哲真が驚いた様子で言うー。


幸也が笑いながら

「えっ?星村さんもー?」と、言葉を口にしたのを聞いてー

「ーー!」と、綾(翔太)は表情を歪めるー


いー、いやいやいやー、

何考えてるんだ僕はー

こ、こういう話は元に戻ってからじゃないとー!


そう、自分に言い聞かせた翔太ー。


慌てて「う、うんー友達がー」と、誤魔化すー。


そんな話をしながら、ロッカーから荷物を取り出していた

綾(翔太)は、うっかりロッカーから取り出した教科書を

床に落としてしまうー。


親友の哲真の足元に落ちた綾の教科書ー。


「ー大丈夫か?」

哲真はそう言いながら、教科書を拾うと、

綾(翔太)に教科書を手渡すー。


がーーーー


「あ、ごめー…」


”綾の手”に哲真の手が触れて、哲真がビクッとすると、

申し訳なさそうにそんな言葉を口にしたー


「ーーーえ? あー、う、うんーありがとう」

教科書を拾ってくれたお礼の言葉を述べると、

綾(昌磨)は、哲真が顔を赤らめながら、

ソワソワしていることに気付いたー


”神田くん”はー、

”女子が苦手”だー。


「ーーーお、お礼なんてー…別にー」

とても恥ずかしそうにしながら、哲真は

逃げるようにして教室の方に戻っていくー


「ーか、神田くんー…」


いつも楽しく話をしている哲真とー

”いつものように楽しく話をすることができないー”


そんな状況に、綾(翔太)は、

悲しそうな表情を浮かべると、

「ーー…あ、あと1時間だしー」と、

”放課後になれば元に戻れる”と、自分に言い聞かせながら

座席に向かったー。


ついでに、そろそろトイレを我慢するのもキツイー。

今日が4時間で終わる日でよかったー、

と思わずにはいられなかったー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


4時間目の授業が始まるー。


翔太になってしまった綾は、翔太の座席に着席する際にー、

いつもの癖で、スカートを履いている時の座る仕草をしてしまうー。


「ーーあ…」

苦笑いする翔太(綾)ー。


綾も、ズボンを履く機会はもちろんあるからー、

”翔太が綾の身体になって、スカートを履いている”状態よりかは

違和感はないー。


けれど、学校では中学以降、ずっとスカートだったし、

どうしても”教室で自分の座席に座るとき”には、

それらしき仕草をしてしまうー。


”神田くんに変に思われてないかなー”

翔太(綾)は少し不安そうに翔太の親友である神田哲真のほうを

見かけるー


さっき、カードゲームの話を振られたがー、

正直、綾には全然分からないー。

愛想笑いを浮かべたり、相槌を打つのがやっとだったー。


”遠藤くんが、変な風に思われちゃわないように、気を付けないとー”

翔太(綾)はそんなことを思いながら

気を取り直して、授業に集中するー。


数学の教師は”西田(にしだ)先生ー。

気さくなおばさん、という感じの先生だー。


授業中に家族の話や世間話をし始めることが多くー、

とにかく”脱線”するー。


「ーーーこの問題をー… 

 じゃあ、”遠藤くん”にー」


西田先生が、翔太(綾)を指名するー。


「ーー!」

綾(翔太)は、うっかり”また”反応しそうになるもそれを耐えたー。


「ーーー」

翔太(綾)が黒板に向かうー。


歩幅が、違うー。

前に立った時の背の高さが、違うー。


背は翔太の方が大きいー。

急に数センチ伸びるだけで、こんなに見える光景が変わるんだー、

と思いながら、

黒板に問題の答えを書いていくー。


「~~~~…」

指の感覚がいつもと違うからか、いつもより上手く字が書けないー。


だが、なんとかそれなりに綺麗な字で答えを書くと、

西田先生は「はいー、ありがとうー 正解正解」と、

少し拍手しながら、そんな言葉を口にしたー。


「ーーー(身体が違うってー、ホント、大変ー)」

翔太(綾)は、そんなことを思いながら、

座席に着席するー。


今度は、スムーズに着席したものの、

着席してすぐ、”髪を触る”仕草をしてしまいー、

心の中で少しだけ笑うー。


翔太の髪は、”普通の男子”ぐらいの長さだし、

こんなことする必要はないのにー、と

内心で笑うー。


その後も、西田先生の息子の話を聞かされながら、

数学の授業は終わりを迎えたー。



「ーー井上の授業つまんなくねー?」

国語の井上先生のことを金髪の中尾俊太が口にするとー、

その近くの座席にいたお調子者の男子、栗原誠一が笑いながら

「確かにー!」と、頷くー。


初めての先生たちとの”感想”を言い合ってるようだー。


「あ~でも、俺、理科の松原先生は好きだなー

 あの科学オタクな感じでちょっとぶっ壊れ気味なところがー」

誠一がそう言うと、俊太は「しかも美人だしな~!」と笑うー。


そんなやり取りを見つめながらー、

綾(翔太)がため息をつくとー、

「ー今日、なんか変だったけどー、大丈夫?」と、

綾の親友、山井穂乃果が心配そうに声をかけて来たー。


「あ、う、うんー」

いつも綾と一緒にいる穂乃果から、変な印象を

抱かれるわけにはいかないー。


やがて、担任の若松先生がやってきて、帰りのホームルームが

終わると、そのままこの日は解散となったー。


「ーーーーーー」

誰とも会話せず、つまらなそうな顔をして

立ち去っていく”伊藤菜々美”の姿を見て、綾(翔太)は

心配そうな表情を浮かべるー。


菜々美は、小さい頃よく遊んだ子だー。

久しぶりに高校で再会したのにー、

以前とはまるで別人のように見えるー。


そんな、”伊藤さん”の様子にため息をついていると、

翔太(綾)が声をかけて来たー


「ーーじゃあ、元に戻る方法、探そっかー」

とー。


「ーうん」

綾(翔太)は、”そろそろトイレも限界だしー”と、

思いながら、翔太(綾)と共に、あまり生徒が来ない

廊下の端っこの部分まで移動したー。


「ーーーほ、本当に、今日は迷惑かけてごめんー」

綾(翔太)が改めてそう言葉を口にすると、

翔太(綾)は「そんなに気にしないでー」と、笑うー。


「ーー普段、男子になんてなれないんだし、貴重な経験だったからー」


そんな、前向きな考えに、

綾(翔太)は少しだけ笑うとー、

「ーぼ、僕も…貴重な経験だったかも」と、返事をしてからー

”な、なんか僕が言うと変態っぽく聞こえるー”と、

自分の口にした言葉を後悔して、

顔を赤らめるー。


「ーじゃあ、色々試してみよっかー」

翔太(綾)が笑うー。


”もしかしたらー、この件で星村さんとちょっと仲良くなれたりしてー”


そんな、年頃の男子らしき”希望”を抱きながらー、

綾(翔太)は、翔太(綾)と共に”元に戻る為”の色々なことを

試し始めたー


・・・・・・・・・・・・・・・


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


がーーーー


甘かったーーー


翔太だけではないー。

綾も、”甘く”考えていたー。


すぐに、元に戻れるだろう、とー。


しかしー。


手を繋いでもー、

頭をぶつけてみてもー、

お互いにぶつかってみてもー、

元に戻るように念じてみてもー

何をしてもー、

元には、戻らなかったー


「ーーー~~~あれれ…」

翔太(綾)は不安そうな表情を浮かべるー。


だが、それ以上に深刻だったのはー

綾(翔太)のほうー。


「ーーだ、大丈夫ー?」

露骨に”調子悪いオーラ”を出している綾(翔太)に

翔太(綾)が心配そうに声をかけるとー

「そ、そのーご、ごめんー… そのー」と、

もじもじしながら言葉を口にするー。


「ーーも…もしかしてー…と、トイレー?」

翔太(綾)が先に気付いてそう言葉を口にすると、

恥ずかしそうに綾(翔太)は頷くー。


「ーじ、じゃあー、わたし、ここで待ってるからー」

翔太(綾)がそう言い放つー


だがーー


「ーーぼ、ぼ、僕ー…

 ー星村さんの身体で、トイレできるかどうかー…」


綾(翔太)のそんな言葉に、

翔太(綾)は、戸惑うー


しかしー、

”あー…でも、遠藤くんからすればー…そうなのかなー”と、

内心で納得もするー。


スカートを履いた経験なんてないだろうしー、

男と女では、そもそも感覚も違うだろうー。


「ーーー…じ、じゃあ、わたしが一緒に行って

 手伝うから!」


”わたしの身体で漏らされちゃ流石に困るー”

そう思った翔太(綾)がそう言うと、

「い、一緒に!?」と、綾(翔太)が叫んだー。


二人でトイレの前まで移動してー

翔太(綾)は男子トイレと女子トイレを見つめるー


”二人で男子トイレに入るかー”

”二人で女子トイレに入るかー”


2つの選択肢で迷った挙句ー。

”女子が男子トイレで見つかる方が、まだ騒ぎにならないー”と、

判断して、「ーーだ、男子トイレの個室で!」と、

翔太(綾)が叫ぶー。


先に翔太(綾)が中に入りー、

はじめての男子トイレにドキッとしながらも、

誰もいないことを確認すると、綾(翔太)を手招いて、

男子トイレの個室に二人で入るー。


”ど、どう言う状況だよーこれ”


綾(翔太)が、困惑しながら内心でそんなことを思うー。


けれどー、もうトイレが限界だー。


翔太(綾)に色々教えて貰ったり、

手伝ってもらったりしながらー、

ついに、翔太は”綾”として初めてのトイレを済ませたのだったー。


トイレを済ませると、

翔太(綾)が先に個室から出て、誰もいないことを確認すると、

綾(翔太)も、そのままトイレから飛び出したー。



”放課後になれば元に戻ることができるー”

そんな、根拠のない希望は

簡単に打ち砕かれてしまったー。


話し合う二人ー。

そして、二人は”お互いのフリ”をしたまま、家に帰ることになるー。


”明日になれば、元に戻ってるかもー”

翔太(綾)のそんな言葉に希望を抱きー、

”放課後まで”が”明日まで”にー

少し延びただけだと、

そう、希望を抱きながらー。


③へ続く


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


★1-Cの日常★

他の生徒たちにスポットを当てたミニ劇場…★


可愛い見た目の持ち主とは裏腹に、

超がつくほどネガティブな女子生徒・湯川 梓(ゆかわ あずさ)は

困惑していたー。


(こ…怖い…!)

その理由はー、隣の座席の男子生徒ー・藤沢 孝弘(ふじさわ たかひろ)ー。


”人生は、死ぬまでの暇つぶし”

そう豪語する彼は、

学校での1日が終わる度に、あることを口にしているー。


”これでまた一歩、死に近づいたー”

とー。


妙に嬉しそうにそう呟く孝弘を見て、

梓は毎日毎日、恐怖を感じていたー


「ーー大丈夫か?」

その背後から、声をかけて来たのは、

クールな雰囲気の女子生徒・倉守 詩音(くらもり しおん)ー。


男装していれば、美少年にも見えるような

そんな中性的な容姿の女子生徒だー。


「ーーあ、う、うんー…だ、大丈夫ー」

梓がそう言うと、「なら良かったー。じゃあ、僕はこれで」と、

詩音は荷物をまとめて立ち上がると、そのまま立ち去っていくー


”かっこいいなぁ…”

梓は心の中でそんな風に思いながら

”あ、わたしもそろそろ帰らなくちゃ”と、時計を見つめると、

そのまま下校する準備を始めるのだったー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


コメント


長編第2話でした~!☆


普段は(物語内の)1日に何話もかけたりしないと思いますが、

入れ替わり初日はとっても、大事な日なので、じっくりと描いています~!☆


先程、長編恒例の”登場人物図鑑”も掲載したので

そちらもチェックしてみて下さいネ~!

<人物紹介>僕とわたしの不思議な青春~登場人物図鑑~

長編入れ替わりモノ 「僕とわたしの不思議な青春」の 登場人物図鑑デス! 連載前に予告として掲載した、 主人公たちのクラス名簿の内容に加え、登場する教員や その他の人物もご紹介しています~! ※ネタバレは控えめ(漫画や小説の最初の方のページに書かれている  人物紹介ぐらいの内容…)デス~!  最初にクラス名...

続きはまた来週デス~!


今日もありがとうございました~~!

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