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”冴えないおじさん”に過ぎなかった和雄はー、

謎の男から”人を皮にする力”を貰いー、

その力で、他人の身体を乗っ取りー、

”美咲”として、美少女ライフを堪能していた。


しかし、ある日、その男から連絡があり、

”正体をバラされたくなければお願いを聞いてほしい”と、

強引に”手伝い”をさせられることになってしまうー。


嫌々ながらも、男に逆らえば”美咲”の皮を脱がされることを知った和雄は

男の仕事を手伝い、何とかそれをこなしたー。


だがー、”男のお願い”は一度だけではなかったー


★前回はこちら↓★

<皮>お前の正体、バラしちゃうぞ?①~欲望~

「ーーふふふふふふ…♡ 今日も可愛いー」 自分の髪を、嬉しそうに触りながら、 鏡の前で笑みを浮かべるー。 一見すると、ごく普通の可愛らしい美少女ー。 しかしー、彼女は彼女であって、彼女ではないー。 「ーーーー」 ピキッ、と後頭部のあたりに亀裂が入りー、 彼女は笑みを浮かべながら、 自分の後頭部のあたりを触...

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


昼休みー


「かわいい…かわいい…かわいい…」

鏡の前で、美咲が自分に酔いしれながら、一人、そう言葉を呟くー


「はぁぁ…かわいいーわたしはかわいいー

 あぁ…美咲、かわいいー♡」


興奮しながら、はぁはぁと息を吐き出す美咲ー。


その時、スマホが鳴りー、

美咲は少し驚いた様子でスマホを確認したー。


すると、そこには”男”からのメッセージが記されていたー。


”クラスに山本って男子がいるだろう?”

そんな書き出しから始まったメッセージに

美咲は目を通すー。


何やら、美咲のクラスメイト・山本 大樹(やまもと だいき)という

男子生徒は、とある会社経営者の息子らしくー、

その”会社”との交渉材料にするために、

山本大樹と”親しく”なって欲しい、とメッセージには書かれていたー。


”お前のその”可愛い”を武器にすれば、

 山本大樹くんを落とすことぐらい簡単だろう?

 誘惑でも、何でも、してやればいいー”


男のそんなメッセージを見て、美咲は怒りの形相で呟いたー


「ーくそっ…わたしも暇じゃないんだよ!」

本来の口調が混じったような状態で美咲は言うと、

それを無視して女子トイレから外に出るー


「ーあ、美咲~!そういえばー」

普段、よく話す女子が、苛立った様子で教室に戻る美咲を

偶然見かけて声をかけて来るー


「うるさい!」

普段の美咲からは想像もつかないような口調で、その友達の言葉を

遮ると、机に戻った美咲は、苛立った雰囲気のまま、

無意識のうちに貧乏ゆすりをして、何度も何度も舌打ちを繰り返したー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


”それで、昼に送った”仕事”は引き受けてもらえるかな?

 情報によれば、山本大樹くんは、彼女なしで

 恋愛経験もないようだー

 その可愛い身体で誘惑すれば、簡単に落ちるはずだから、

 そう難しい仕事じゃない”


夜ー

電話をかけてきた男は、そう呟いたー


「ーふ、ふざけないでください!

 この女の身体をどんな風に使うかは俺が決めーー」


美咲がそう反論しようとすると同時に、

頭にズキッと痛みが走りー、

美咲の身体が、ペリッと、勝手にめくれ出すー


「や、や、やめろ!くそっ!やめろって!」

美咲の声が、途中から和雄の声に変わっていくー


美咲の頭がペリッと垂れ下がりー、他の部分も脱げていくー。


”クククー

 お前の正体、バラされたくないだろうー?

 学校で教室にいる時にこうなったらどうする?

 お前の正体は、みんなにバレちゃうんだぞ?

 それでいいのか?”


笑う男に対してー、

美咲が半分脱げた状態の和雄は「わ、わ、わかったよ!」と叫ぶー。


すぐに、美咲の皮から”謎の力”が抜けて、また着ることができるようになるー。


もう”自分”のみっともない姿を見たくないしー、

もしも美咲の母親が、今この瞬間、部屋に駆け込んできた場合は

大変なことになるー。


「ーーく、くそっー」

美咲の姿に戻った和雄は悪態をつきながらそう叫ぶとー

「わ、分かったー山本をこの身体で誘惑すればいいんですよね?」と、

電話に向かって叫ぶー


”そうだー”我々”にとって、山本くんの父親の会社は利用価値があるのでな”

男のそんな言葉に、美咲は表情を歪めるー。


「やっぱり、何か悪いことをー」


”詮索は無用だーそれともまたおっさんに戻りたいか?”

男の鋭い声ー


「い、いやだー…俺はー、いいや、わたしはもう美咲なんだから!」

美咲がそう叫ぶと、

男は”ククー、ならば頼んだぞ”と、だけ言葉を口にして

そのまま電話を切ったー。


「くそっ…!くそっ…くそっ!」

苛立った美咲は、その現実から逃れるかのように、

自分の身体で欲望の限りを尽くしたー

胸を揉みー、鏡にキスをしてー、自分の指を滅茶苦茶に舐め回してー、

気付いた時には、深夜の0時を回っていたー。


「はぁ…はぁ…はぁ…

 わたしは美咲ー…

 わたしはー可愛い可愛い美咲なのよー」


美咲はそう呟くと、”何があっても、もうこの美少女ライフは手放さない”と、

一人、静かに言葉を口にしたー


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ー山本くんのこと、好き♡」


1週間後ー

美咲は、クラスメイトの山本大輔に”わざと”身体を密着させながら

甘い声でそう囁いていたー。


自分でも、そんな”美咲”に興奮してしまうー。

相手の大輔からしてみれば、もうドキドキが止まらないだろうー。


案の定ー、

大輔は1週間足らずですっかり美咲の虜になり、

美咲は、男の言う通り大輔との距離を縮めることができたー


「キス、してみない?」

美咲がそう言うと、大輔は顔を真っ赤にしながら

「ほ、ほ、ほ、ほ、ほ、ほんとにいいの?」と、笑うー


「うん!」

美咲は満面の笑みを浮かべながらも、

内心では苛立ちも覚えていたー


”くそっー、俺がお前みたいな根暗な男子にキスをしないといけないなんてー

 美咲は俺のものなんだぞー”


美咲を着ている和雄はそう思いながらも

”男”からの命令をこなすために美咲として大輔にキスをするー


”女とキスをする”のは人生でこれが初めてだー


いいや、女とキスをしているわけではないかー。

今は、自分が美少女なのだからー。


和雄はそんなことを思いながら

美咲の身体でわざと甘い息を吐き出すと、

大輔のほうを見て、微笑んだー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


”ー順調のようだなー”

さらに1週間が経過し、大輔をすっかり”美咲漬け”にすることに

成功した美咲は、男から褒められていたー。


”お前のおかげで、山本大輔君の父親の会社の情報も

 色々手に入ったよー。

 あとはこっちで、”お父上”と連絡を取るがー、

 お前には引き続き、山本君とは仲良くしておいてもらうー。

 もう少しの間、”彼女”を続けていてくれー”


男のそんな言葉に、美咲は胡坐をかきながらスマホを手に、

思わず舌打ちをするー


”そうそうー、明日はまた”コインロッカー”にブツを入れてあるー

 それを指定する場所に届けてもらいたいー”


その男の言葉に、美咲は逆らうことなく”わかりました”と答えるー。


”クククー…聞き分けがいいなー。

 まぁ、それが利口というものだー。

 学校で美少女としてチヤホヤされるのは楽しいだろうー?

 自分が”可愛い”を知ってしまったら、もう元には戻りたくないだろう?


 だったら、言う通りにしていればいいんだー。

 悪いようには、しないー”


「ーーーー」

美咲は少しだけ表情を歪める


”はははー、お前が逮捕されることはない。安心しろー”


以前ー、男はそう言っていたー。

だが、美咲は男に”何”をさせられているのか知らないー

いいや、男の正体すら知らないー。


しかしー、”従う”しかなかったー。

正体をバラされたら、また自分が”ただのおっさん”に逆戻りー…

いいやー…それこそ犯罪者扱いされてしまうだろうー。

”前科持ちのおっさん”になったら、もう終わりだー。

そうならないためには、従うしかないー。


少し前に、男に確認した時にも、

男は”問題ない”としか言わなかったが

こうも言っていたー。


”もしも私が、お前を”犯罪”に加担させているとしても、

 お前は他人の身体でそれをしているんだー。

 いざとなったら、その皮を脱いで、逃亡すればいい。

 違うか?”


とー。


そして、その上で

”私はお前を騙すつもりないが、どうしても私を信じることが

 できないのであれば、そう考えろー。

 もし、そう言うことになった時にはその皮を捨てて逃げればいいー

 その後、お前にもう一度”人を皮にする力”を与えてやるから

 また、違う身体を奪えばいいー”と、

そう言っていたのだー。


確かに、それは理に叶ってはいるー。


いや、たとえ理に叶っていなかろうともはや従うしか

道はないのだけれどー。


「ーー”かわいい”を手に入れた見返りだと思えばいいんだー

 ーーー…わたしはもうー”かわいいわたし”を手放せないー」

美咲は自分に酔いしれたような目つきで、

自分に溺れたような声を出しながら、自らを抱きしめたー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


それから、数か月が経過したー。


学校では”美咲”ライフを存分に堪能したー。

山本大樹を誘惑しながらー、

周囲からチヤホヤされながら、楽しい美少女ライフを送るー。


ますますおしゃれになっていきー、

元々の大人しい雰囲気から、派手な雰囲気の美咲にだんだんと

変貌していったー。


それでもー、”可愛い”美咲はクラスの人気者のままー


今では、クラスで一番”おしゃれ”と、言ってもいいかもしれないー。


そんな美咲は、今日も自分を可愛いと思いながらー、

”男”から依頼された”荷物”を運ぶために

コインロッカーのカギを開けたー。


だがー、

その時だったー


「ーーー森山美咲さんかな?ちょっと話を聞きたいんだけどー」


男が”警察手帳”を手に、それを美咲に見せるー


「ーーー!!!!!」

美咲は驚いて、咄嗟に鞄を投げつけると、

そのまま逃げだすー。


「待ちなさい!」

警察官が叫ぶー。


中身は知らないが、やっぱり”悪いこと”をさせられていたのだー。


そう思いながら、美咲は走るー。


”くそっ!くそっ!せっかくー、すげぇ可愛くなったのに!”


そう思いながらも、警察官をいったん振り切ると、

林の中に隠れて、美咲の皮を脱ぐことを決意するー。


ここで捕まったらおわりだー。

途中で”美咲を脱ぐ”わけにもいかないしー、

ひとまずここは逃げてー、

また”新しい身体”を乗っ取ろうー。


別の”美少女”になるのも悪くはないかもしれないー。


とにかく、今はこの危機を脱してー、

あの”力をくれた男”にも、後で文句をたっぷり言おうー。


こんなことになったんだー

少しぐらい文句を言っても、アイツも大人しくしているだろうー。


いやー…いつまでも服従しているわけにもいかないー。

従うフリをしながら、少しずつ”アイツ”の正体も探る必要があるー。


どこかのヤバい組織に属している人間かー、

あるいは単独のヤバい奴かは分からないがー、

”正体”という名の弱みを握っておけばー…


ーー!?!?


「ーーあれ…」

美咲は表情を歪めるー


「あれ…!?な、なんだー…何故”脱げない”!?」

美咲は焦りの表情を浮かべながらそう叫ぶー。


いつものように”皮”を脱ごうとする和雄ー。

しかし、今日に限って美咲の皮が上手く脱げないー。


「なんだよ!くそっ!おい!脱げろ!」

美咲の後頭部のあたりを乱暴に触るー。


がー、それでも、いつもとは違って脱ぐことができないー。


無理やり髪を引っ張ったりー、

無理矢理頬のあたりを引っ張ったりしてー、

美咲の”皮”を脱ごうとするー。


だがー、やはり美咲の皮は脱げずー、

「ふざけんなよ!このガキ!」と、美咲に対して逆ギレするような

言葉を口にするー。


その時だったー。


スマホが鳴るー。


”ーーついに警察にマークされちまったようだなー 残念”

相手は男だったー。


その言葉に、美咲は「おい!この皮、脱げなくなった!

どうすりゃ脱げるんだ!」と、慌てて叫ぶー。


”ーはははー

 警察にマークされちゃ、もうお前は使い道がないー。

 もう少し働いてもらいたかったがー

 ま、こうなりゃ仕方がないさー”


男はそれだけ言うと、

美咲に対して言い放ったー


”俺たちは、”人を皮にする力”をお前のような冴えないおっさんに

 与えてー、そいつらを手駒として使いー、

 各地で働かせているー。”


その言葉に、美咲は「ふ、ふざけるなー…!質問に答えろ!

早くしないと捕まっちまう!」と、可愛い振る舞いなど

完全に忘れて怒鳴り声を上げるー。


”ーー悪いが、お前の皮は”固定”したー”

男の言葉に、美咲は手を震わせるー。


”強制的に脱がせることができれば、その逆ー…とでも言うか?

 脱げないようにすることもできるー

 お前はもう、一生、その子の身体で暮らすことになるんだ”


男がそう言うと、

美咲は「おいっ!ふざけんな!」と、叫ぶー


”ははははははー可愛い声でそういう言葉遣い、グッとくるなぁ

 

 まーー

 話はここまでだ

 今まで働いてくれてありがとう。

 ご苦労さん”


その言葉と共に、男の電話は切れたー。


直後、警察が美咲の元にやってくるー


美咲は必死に逃げようとしたがー

ついに捕まってしまい、

足をばたばたさせながら叫んだー


「ちがうっ!俺は、俺は美咲じゃない!

 ちがうっ!脱げない!!脱げない!!

 俺はーー!俺はーー!!!」


警察からすれば意味不明な言葉を叫ぶ美咲ー



だがーーー

美咲はそのまま連行されてしまいー、

警察のお世話になることになってしまったー。


年齢的にー

一生出れない、とかそういうことはないとは思うー。


しかしー、

”一度警察の世話になった美咲”が今まで通り

学校で”可愛い人気者ライフ”を送ることができないのは

安易に想像が出来たー


「くそっ…!くそぉおおおおおおおおおお!!!!」

美咲の皮を脱げなくなってしまった和雄は、

怒りの形相でそう叫んだー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


”はははー、お前が逮捕されることはない。安心しろー”


「そう、約束したもんなー。

 でも、俺はその約束を破ってないぞー?」


電話を終えた男は静かに笑ったー。


逮捕されたのは”森山美咲”だー。


”柿原和雄”ではないー。


”お前(和雄)が逮捕されることはない”

そう、言ったのだー。


「ーーま、俺にとってはどっちでもいいことだけどなー。

 

 お疲れ」


男はそう呟くと、事務所のような場所で立ち上がりー、

そのまま静かに闇の中へと姿を消したー。



おわり


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


コメント


怪しい人から授かった”人を皮にする力”のせいで、

身を滅ぼすお話でした~!☆


でも…可愛い身体は健在なので、

自由になれれば彼もまた逆転できるかもしれないですネ~笑


お読み下さりありがとうございました~!☆!

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