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「お前は、いつも抜けてるよなぁ~」

大学生の川島 信幸(かわしま のぶゆき)は、

横を歩く彼女に対して、そんな言葉を口にしたー。


信幸の彼女である、福本 花恋(ふくもと かれん)は

とても気弱で大人しい性格の持ち主ー。

とにかく大人しくて真面目なのだが、

時々”とても常識外れの行動”をすることも多くー、

また、ドジな一面もあり、彼氏の信幸は

そんな花恋に頭を悩ませる日々を送っていたー。


最初はー、そんな花恋を”守ってあげたい”という

気持ちから、付き合い始めた信幸ー。


しかし、今では

”俺がお前を守ってやってるんだー”と、

偉そうな言動を取るようになり、

すっかり”嫌な彼氏”モード全開になっていたー。


元々信幸は、優しいタイプの男子ではなく、

自己中心的で、”自分より弱いモノには強く出る”タイプー。

決して”性格が良い”とは言えないようなー

そんな人間だった。


「そうだ、今日もお前の家に行ってやるよ」

信幸が、偉そうな口調でそう言い放つー


「え…」

自信が無さそうに戸惑う花恋ー。


「ーーどうせお前、家のこともロクに出来てねぇんだろ?

 俺がまた手伝ってやるからー」


信幸はそんな言葉を口にするー。


「ーーーー」

花恋は、知っているー。

信幸は手伝いに来るのではないー。

花恋の”身体目当て”で、家に来るのだー。


いつも、信幸は一人暮らしをしている花恋を手伝う口実にー、

花恋の家にやってきて、最後に身体を求めて来るー。

と、いうより最初からそれが目的だー。


「ーーーーなんだよ?嫌なのか?」

信幸が不満そうにそう言うと、

花恋は「そういうわけじゃないけどー…」と、少し怯えた雰囲気を

見せながら言葉を口にするー。


「ーーー言っとくけど、俺の気が変わっちゃったら

 お前、絶対に今後彼氏も出来ないし、結婚もできないからな?

 お前みたいなドジなやつは、付き合ってもらえるだけ

 相手に感謝しなきゃ。


 だろー?」


信幸が、当たり前、と言わんばかりに酷いことを口にするー。

しかし、花恋は「うんー。そうだねー」と、だけ呟きながら

そのまま、信幸と共に自分の家に帰宅したー。


花恋の家には、驚くほど、”何も”ないー。

しかし、家事は苦手なのか、いつもそれなりに

家の中が汚れていたりして、信幸はそんな花恋の家を

”掃除する口実”で、花恋の家に上がり込んでいるー。


「ーーーへへへ じゃあ 今日はこれ着てくれよ」

紙袋に入ったバニーガールの衣装を手渡すと、

花恋は顔を赤らめて「え…??え…??」と、

あたふたし始めるー。


「ーーーさっき言ったろ?

 彼氏への”感謝”ー。

 忘れるなよ?」


信幸が高圧的にそう言い放つと、

花恋は恥ずかしそうにしながらも「う…うんー」と、頷くー。


花恋が着替えるために立ち去っていくのを見て、

笑みを浮かべる信幸ー


花恋はー、大人しい性格ながら、

いざ、欲望の時間を始めると、妙に大胆に、妙に積極的になるー。

恥ずかしそうにしていたり、奥手な雰囲気はそのままだがー、

とても気持ちよさそうにしているように見えるしー、

”欲望”に対してだけは積極的になるー。


その光景を想像しながら、信幸はニヤニヤと笑みを浮かべるー。


だがーーーー


隣の部屋で着替えている花恋もー

花恋とは思えないような不気味な笑みを浮かべていたー


「ーー人間のミルクーもっともっとーーあつめなくちゃ♡」


そう、意味不明な言葉を呟きながらー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ーーははは、でもよ~、お前

 いつまであんな女と付き合ってるんだよ?


 確かに可愛いけどさ、

 頭の中、空っぽじゃん」


数日後ー、

信幸の友人、良一(りょういち)が、笑いながら

そんな言葉を口にするー


「ーははは、まぁー、ほら、

 自分より”下”の彼女の方が、何かと言うこと聞かせられたりして

 便利だろ?」


信幸が笑うー。


「ははははは、お前最低だな!

 彼女のこと”下”に見てるのかよ?」

良一の言葉に、

信幸はペットボトルのジュースを口に運びながら、

「だって、あいつ、何もできねぇもんー エロイだけで」と、

笑いながら言葉を口にするー。


「お~お~お~最低な彼氏だねぇーへへ」

良一が揶揄う様にして言うー。


しかし、信幸は気に留める様子もなく、

「ま、いつかは別れるさー。あんなやつと結婚する気はないしな」

と、笑みを浮かべながら言葉を口にしたー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


♪~~~~~~~~~~~~~~


休日ー

花恋の家に上がり込んで、

勝手にテレビを大音量で見ていた信幸ー


花恋が戸惑った表情を浮かべているー。


やがてー、少し申し訳なさそうに

「ごめん…もうちょっと、ボリューム下げられない?」と、

信幸に言葉をかけると、

信幸は「いや、今いいところなんだよ」と、だけ答えてー、

花恋のほうを全く見ることもなく、そう呟いたー


「ーーーーー」

花恋は、そんな信幸のほうをじっと見つめるー。


「ーなんだよ?

 せっかく、彼氏がくつろいでるんだから、邪魔すんなよ」

信幸が不満そうにそう言うと、

花恋は「別に…邪魔してないけど」と、ボソボソと小声で呟いたー。


「ーあ~~…なんか、お前のそういうハッキリしないところ、

 ムカつくよな

 お前の顔なんか見たくないわ。あっち行ってろ」


不機嫌になった信幸が、そう言い放つー。


彼女の家に勝手に上がり込んでおいて、

この態度ー。

普通の彼女であれば、いくら花恋のような性格の子でも

とっくに愛想を尽かされていても、おかしくはないだろうー。


だがーー

花恋はーー


「ーーーーー…」

花恋が困惑しながら黙り込んでいくと、

信幸は「いいから、あっち行けよ。そういう顔も嫌いなんだ」と、

さらに不機嫌になって立ち上がるー。


「ーーー……」

それでも立ち去ろうとしない花恋に、腹を立てた信幸は

「あっち行けって言ってんだろ!」と、

カッとなって、花恋を突き飛ばしたー


「ーーーきゃっ!?」


少し、力を入れすぎただろうかー。

突き飛ばされた花恋は背後の棚に激突ー


そのまま棚から、整理されていないで詰まれていたモノが

崩れ落ちるようにして落下してきたー


「ーーあ、か、花恋!」

信幸も、流石に”やべっ”と思ったのか声を上げるー。


しかし、花恋は、棚から落下してきた

本の数々が直撃し、そのままその場に倒れ込んだー


「ーーーわ、悪い!やりすぎた!」

信幸が、”自己保身”のことを考えて、そう叫びながら

花恋の上に積み重なったモノをどかしていくー


「ったく、本棚ぐらい固定しておけよな!

 ぶつかったぐらいですぐに倒れてくるような置き方

 してるのがいけないんだ!


 俺は悪くない!俺は悪くないからな!」


こんな時でも”自己保身”の言葉を口にする信幸ー。


がーーー


「ーーえ…」

水のようなものが手に触れて首を傾げるー


一瞬、”花恋が血を流して倒れているのではないか”と、

思ったものの、色は無色透明であることが分かり、

ひとまず”血”ではないことに安堵したー。


だがーーー


「な、なんだこれー…?」

その液体は妙に弾力があるー…

単なる水ではないー。


さっきまでこんな液体はなかったはずー


そう思って、本をどかすとーー


「ひっ!?!?!?」

倒れて来た本棚が直撃したと思われる身体の半分が

”ドロドロとした液体”のようになっている花恋の姿がそこにあったー


「ーーーな、な…な……え…!?!?」

信幸が悲鳴に似た叫び声をあげるー。


すると、きょとんとした表情を浮かべていた

”左半分”がドロドロになった花恋が、笑みを浮かべると、

静かに言葉を口にしたー


「あ~~~あ…バレちゃったー

 ま、いっかー」


とー。


花恋はそれだけ言うと、ドロドロしていた左半分の形が

変化し始めて、”元の姿”に戻るー。


「ーーーーーーぁ… ぁ…」

ガタガタと震えながら信幸が花恋のほうを見つめるー。


花恋は、手をどろっとさせると、

「誰にも言っちゃダメだよー?”これ”」と、

いつもとは違う口調ーー

脅すような口調で言い放つー


「ーーーひっ…… い、いったいーー」

信幸はガクガクと震えながら言うー。


普段、偉そうにしているものの、

本質的には小心者なのだー


「ーーーーーーーーーーーーー」

花恋は、そんな信幸を冷たい目で見下していたものの、

しばらくして、口を開いたー


”中途半端に見られた状態”だと、逆に誰かに言う可能性があるー。

それだったら”全部教えて”、ビビらせた方がいいー。

そう、考えたのだー


「わたしー、いいや、”僕”は、

 君たちの言うーー…そうだね”スライム”って言えば分かりやすいかなー」


花恋が、いつもとは別人のような口調でー、

自身に満ち溢れた表情で言い放つー


「す、す、す、スライムー…

 な、何を言ってー?」

信幸は震えながら、必死にいつもの威勢を保とうとするものの、

もはや”ビビっている”のが丸わかりな状態ー。


「ーーーほらー」

花恋は、そう言うと、顔の部分をぐしょっ、とドロドロした液状に

変化させー、首から下しか人間の姿を保っていない状態にするとー、

しばらくしてから、顔の部分をまた”人間”のような形にして、

言葉を続けたー


「ー僕は、スライムなんだー。

 ふふーこれで分かったかいー?」


花恋の声ー

花恋の姿ー

なのにー、今、目の前にいる花恋はーー

とても恐ろしい存在だったー


「か、か、か、花恋をどこにやった!」

信幸は叫ぶー。


「あははー、僕が”偽物”だって言いたいのかなー?

 まぁ、それはその通りなんだけどー


 僕ー、

 いいや、”わたし”は、信幸と出会った時から

 ずっとスライムだよ?」


クスッと笑う花恋ー


信幸はてっきり”今日の花恋”が偽物でー、

いつもは一緒にいるのは”本物の花恋”だと考えたのだー。


しかし、そうではないようだー


「じ、じゃあー…ど、どういうー?」

信幸は震えながら考えるー。


「まさかー、福本花恋なんて子は最初から存在しないってことかー?」

信幸がそう言い放つー。


”人間に変身したスライム”が、架空の人物の名前を名乗っているー、

と、いうことなのだろうかー。


「あはは、違う違うー。”僕の”身分証、みたことあるだろ?」

花恋が自分を指差しながら言うー。


確かに”福本花恋”という身分証は見たことがあるしー、

スライムが”存在しない人間”になっているなら、

身分証や戸籍が存在するはずがないー。


と、いうことはこのスライムはやはりー

”本物の花恋”に変身した、”偽物”なのだろうー。


「……ほ、本物はー…どこにいるんだー?」

信幸は震えるー。


花恋はクスッと笑うと、冷たい声で囁いたー。


「ー”本物”は、もういないよー」

とー。


「え…」

恐怖で背筋が凍る信幸ー。


「本物はー僕がこの人間に変身するときにー

 ”処分”しちゃったからー」


花恋はそれだけ言うと、

さらに言葉を続けたー。


「ー僕たちスライムはねー、人間の精液を食べて

 成長し、繁殖するんだー。

 僕たちにも一応、オスとメスがあるけどー、

 繁殖に必要なのはオスメス問わずー、

 君たち”男”のミルクだからー


 ふふー、だからこうして人間の女に変身して

 それを貰ってるのさー」


花恋のそんな言葉に、信幸は

「ほ、他にもー…人間のフリをしてるスライムがいるってことかー?」

と、言葉を口にするー。


「ーふふふー

 ーー話はここまでー」


花恋はそう言うと、

「ーーー誰かに言ったらーどうなるか、分かるね?」

と、信幸の耳元で囁いたー。


「ーーーは…は…はひっー」

ガクガク震えながら、信幸はそう呟くー。


「ーバレなきゃー、大人しくて気弱な女の子のままでいようと思ったのにー

 まぁ、気付かれちゃったら仕方ないねー

 いつもは衝撃を受ける時は、その部分を”強く”して、

 変身が解けないようにしてるんだけどー


 さっきの本棚は、急だったからねー。

 それが間に合わなくて、一部分が戻っちゃったー


 君のせいだよ」


花恋はそう言いながら微笑むとー

「これからもいっぱいー、信幸のミルクが飲みたいな」と、

満面の笑みで囁いたー。


「ーーーー…ひっ」


信幸は思うー。

大人しい花恋が、Hの時だけ積極的で、大胆でー、

フェラをするのが大好きだったのはーーー


”それ”が必要だったからー。


「ーーーこれからも、よろしくねー」

微笑む花恋ー。


「はーーはひっ…よ、宜しくお願いしますー」

信幸は震えながらそう答えるのがやっとだったー。



この日ー、彼女を下に見ていた信幸は、

完全に”自分が下”であると思い知らされー、

以降、立場は完全に逆転してしまうことになるのだったー。



②へ続く


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


コメント


恐ろしいスライムを前に立場逆転…☆!

次回の②で完結なので、

サックリと楽しんでくださいネ~!


続きはまた次回デス~!

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