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”100円”という破格で

憑依薬や入れ替わり薬など、TSFに関係するものを売る

謎の”100円のTSFショップ”


しかしー、100円ならではの”デメリット”は当然存在していてー、

”人を皮にする注射器”を購入した男も、

”女体化薬”を購入した男も、”男体化薬”を購入した女も、

自分の理想を思い描いた形で叶えることはできなかったー。


そして、今日、この店にやってきたのはー…?


★前回はこちら↓★

<TSF>100円のTSF②~”女体化”~

憑依薬、入れ替わり薬、女体化薬、人を皮にする注射器、変身薬ー。 あらゆる、”夢”を叶える商品たちが100円で売られている ”100円のTSFショップ” そこで”人を皮にする注射器”を購入した男は、 100円ならではの”すぐに破れてしまう皮”に苦しみー、 挙句の果てに破滅したー。 だが、そこには彼以外にも連日、客がやってき...

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ーーへへへへ…だから言っただろ?兄貴ー

 100円のTSFショップは実在するってー」


”100円のTSFショップ”にやってきた二人組の一人が

そう言い放つー。


「ーーー疑って悪かったよ」

”兄貴”と呼ばれた方の男がそう呟くー。


兄・司(つかさ)は大学生ー

弟の竜明(たつあき)は高校生ー。

二人は、共に下心丸出しの男子で、

いつも二人でHなトークをしては盛り上がっているぐらいにー

欲望丸出しの兄弟だー。


そして、弟の竜明が、ネットサーフィンをしていたところ、

偶然この、”100円のTSFショップ”の噂を聞きつけてー、

兄の司を誘い、今日ここにやってきていたのだー。


兄の司も、最初は”憑依薬とか入れ替わりとか、んなもんあるわけないだろ!”

と、弟の言葉を疑っていたものの、

こうして実際に”100円のTSFショップ”を目の当たりにしてしまった以上ー、

信じるしかなかったー。


「ーー憑依薬って、本当に憑依できるんですか?」

兄の司の方が疑うような口調で、

ゴスロリ風の格好をしている店主・梨沙に声をかけるー。


梨沙はツインテールにした髪をいじりながら

「ーもちろんですよ~♡」と、いつものように

明るく答えるー。


「ーー店主さんも、もしかして”他の人の身体”だったりして!」

弟の竜明が揶揄うようにして梨沙に言うと、

「あははは!面白いこと言いますね~」と、髪を触りながら笑うー。


「でもまぁ、こ~んなに可愛いわたしのような子がいたらー

 身体を奪いたくなっちゃう気持ちも分かりますよね~えへへ」


梨沙はそう言いながらも、

竜明の質問には明確な回答をしないまま、

たった今、兄の司がカウンターに置いた憑依薬を見つめるー。


「憑依薬が2本ー。

 200円になります~」

梨沙がそう言うと、兄の司は「俺がおごってやるよ」と、

財布を取り出して、100円玉2枚をカウンターに置くー。


”本物かどうかは分からないー”

でも、200円なら、たとえこれがただの水だったとしても、

そんなにダメージはないし、問題ないー。

話題作りのために騙されたと思えばいいー。


そう思いながら、司は、弟の分の憑依薬も買うと、

二人で帰宅しー、

早速、”100円の憑依薬”を机に並べたー。


「ーーで、お前は誰に憑依するんだよ?」

司が言うと、

竜明は「えへへ…クラスの詩織(しおり)ちゃんって子が

マジでかわいくてさー…」と、ニヤニヤしながら言うー。


「ーその詩織ちゃんの身体で遊びまくってやるんだー」

竜明の言葉に、司は笑うー。


兄の司は、大学にいる幼馴染・真桜(まお)に憑依するつもりだー。


真桜とはそれなりに仲は良いがー、

恋人同士ではないー。

司は一方的に、真桜に好意を抱いてはいるがー

それが叶う様子もなくー…

せめて”憑依”できるのであれば、1日だけでも色々なことを

してみたいー、そう思い、真桜を憑依対象に選んでいたー。


「ーーへへへへへへー…

 じゃ、兄貴ー、早速楽しもうぜ」

竜明のそんな言葉に、司は静かに頷いたー


・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「へへー」

憑依薬を飲みー、”本当に幽体離脱”できた竜明は、

詩織の家まで”霊体”の状態でやってきていたー。


しっかり者の詩織は、

机に向かって勉強をしている最中だったー


「へへへへへ…真面目な詩織ちゃんがー

 悪い顔をしたらーどんな風に見えるのかー

 あぁ…想像しただけで興奮してきたー」


竜明がそんな言葉を口にすると、

早速「お邪魔しま~す!」と、ふざけた口調で呟き、

そのまま詩織に憑依したー


「あっ!?」

ビクッと震えてペンを落とす詩織ー。


詩織の全身に、今まで感じたことのない悪寒が

襲い掛かるー。


「ーな…なに…これー」

意識が遠のいていくような感触ー。


しかし、詩織はぎゅっと、服の袖の部分を掴んでー

気を失わないように、しっかりと自分の意思を保つー。


「ーーーー…」

パニックになりそうになりながらもー、

深呼吸して、精神的にも整えていくとー、

やがて、詩織の悪寒は収まり、詩織は静かにため息をついたー。


「ーーー……ふぅ…な、なんだったのかな…?」

詩織は不安そうにしながらも、そのまま勉強を再開しー、

何事もなかったかのように、普段通りの1日を送り始めたー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ーーえへへへへへ…」

一方、兄の司は、同じ大学に通う幼馴染の真桜への

憑依を成功させていたー。


「ーえへへへ…わたしはまお…♡

 えへへへ…うひひ…ひひひひひ」

真桜とは思えぬような下品な笑みを浮かべながら

ひたすら鏡の前で自分の名前を名乗っては笑うー。


自分の名前を色々な声色に変えながら、

何度も何度も言葉を口にするー


「ーーえへへへへ…

 自分の名前を言ってるだけなのに興奮しちまうー」

そんなことを呟きながら、真桜はニヤニヤとしながら

”あいつも、そろそろ憑依に成功したころかな?”と、

弟の竜明のことを思い浮かべるー。


竜明は確か、クラスメイトの詩織に憑依するとか何とか言っていたー。

今頃はきっと、自分と同じように欲望を楽しんでいることだろうー。


「あ、いや、でも、竜明が憑依する相手はー

 クラスメイトってことは高校生だろうし、実家暮らしだからー

 俺みたいにやりたい放題ってわけにはいかねぇかー」


真桜の身体でそんな言葉を口にすると、

ニヤッと笑いながら鏡のほうを見つめるー


「ーーへへへー 

 しっかし、この可愛い声でこんな言葉遣いーーー

 すげぇ興奮するなー」


そう呟くと、真桜は楽しそうに

”真桜の口”で色々な言葉を口にし始めたー…。


・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ど、どうなってるんですか?!」


数日後ー

女子大生の真桜が、”100円のTSFショップ”に駆け込んできたー。


真桜の髪はボサボサで、

服装もパジャマのような服装を身に着けたままだー。


「ーいらっしゃいませ~♡」

店主の梨沙は笑いながら浴衣姿で真桜を出迎えると、

真桜は言ったー。


「少し前に、憑依薬を買った兄弟の兄だけど!」

とー。


兄の司は、真桜に憑依したあと、

夢中になって真桜の身体を楽しみー

大学では”女子大生ライフ”を堪能したー


「わたしは女子大生ー」

「わたしはJDー」

などと、何度も何度も言葉を口にして

毎日のように激しい興奮を味わったー。


だがー

”ふたつ”問題が起きたー。


それはー…


ひとつは”自分の身体と弟の竜明の身体が死亡”してしまいー、

元に戻れなくなってしまったことー


もうひとつはー”弟の竜明が憑依したはずの詩織という子が、

普通に生活していることー”


「ーー弟さんが、消えた?」

梨沙が笑いながらそう言うと、

「憑依する前に、俺と”合言葉”を決めておいたんだ!

 でも、その詩織って子を待ち伏せて声をかけても、

 全然、話が通じないんだー!」と、真桜の身体で司が叫ぶー。


最初は弟の竜明がふざけているー

あるいは、兄の司と関わりたくないと思って

”詩織になりきっているフリをしている”のだと考えて、

昨日、真桜は1日中、詩織を尾行したー。


幸いー、真桜は”女子大生”であるからか、

詩織を尾行し続けても周囲に怪しまれることはあまりなかったー。


がー、1日中、彼女は”普通”に過ごしていてー

弟の竜明の要素は0だったー。


”詩織”に憑依したはずの弟が消えたー

真桜はそう思い、慌ててこの店に駆け込んだのだー。


「ーーあはははー

 じゃあ、”返り討ち”にあっちゃったんでしょうね~」

梨沙が興味なさそうに笑うー


「か、返り討ちってー?」

真桜が不安そうに言うと、

「ー身体の主導権を握れるのは”より強い精神力を持つほう”

 なんですー。

 憑依した側の方が”弱い”と、憑依した側が消えちゃうんです」

と、梨沙はそう説明したー


「な、な、なんだってー!?じ、じゃあ、竜明はー?」


「ー残念ながら、消えちゃったみたいですね♡」

梨沙が笑うー


「ーーふ、ふ、ふざけるな!」

真桜がそう叫ぶと、

梨沙は「だって~”100円”の憑依薬ですから~」と、クスクスと笑いながらー

「普通の憑依薬に入っている”安定剤”とか、色々な成分を

 省いてコストカットしてるんですよ~?」と、言葉を続けるー


「そ、そ、そんなー」

”安定剤”とやらが、何を示しているのかは分からなかったが、

”憑依”する際に確実に対象を乗っ取るそんな感じの成分だろうかー。


「ーーまぁ、でも、お兄さんの方は精神力が強かったみたいでー

 よかったですね」

梨沙のそんな言葉に、真桜は呆然としながら

「お、弟は、どうなったんだー!?」と、改めて叫ぶー


「だから~消えちゃったんですよ

 諦めて下さいー

 それともーーーーー

 ”クレーマー”になりますか?」


梨沙が笑いながら言うー。


「ーーー!!!」

真桜に憑依している司は、梨沙から底知れない殺意のようなー

恐ろしいモノを感じて、それ以上何も言わずに

引き下がるー


「ーーい、いやーーーー…」

真桜は、それだけ言うと冷や汗をかきながら

”100円のTSFショップ”を後にしたー


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「くそっ…竜明ー」

真桜は、真桜の暮らす家に帰宅すると、

悔しそうにそう呟いたー。


だが、あの女店主が言う言葉が本当なら、

もう竜明はいないー。

”いないもの”を考えても仕方がないー。


竜明と一緒に”お楽しみ”をするつもりだったけれどー、

もう、どうすることもできないー。


「ーーーくそっー…ごめんな竜明ー。

 お前の分も、俺は憑依を楽しみ尽くしてやるからな…!」


真桜はそう呟くと、

ニヤニヤしながら、先日、ネットで注文しておいた、

イヤらしい服を開封しながら、下品な笑みを浮かべるー


「はぁぁ…♡ 真桜がこんな服を着るなんてー」

服を見つめながら嬉しそうに笑うと、

「ー真桜も興奮しちゃう♡」と、顔を赤らめながら

嬉しそうに呟いたー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


自分の身体が死んでしまった以上、

”真桜”としての生活をちゃんと維持する必要もあるー。


自分の身体に戻れるのであれば

周囲から変態と思われるようなことを大学でしても良かったもののー、

今はそうはいかないー。


「ーーうん。ありがとうー。また明日ー」

今日も”真桜”としての大学での1日を終えるー。


最初は、真桜に成りきれる自信はなかったけれどー、

意外と上手く行くし、

真桜としての振る舞いが自然に出て来るー。


大学にいる間は”わたしは真桜”なのだと、

自然に思うことができるー。


帰宅した真桜は、

”いつものように”家のことをしたり、

友達とLINEのやり取りをしたりー、

実家にいる親と近況報告をしたりー、

色々なことをこなすー。


そしてー、

就寝前のタイミングになって、あることに気付いたー


「ーーーー…あれ…」

真桜は首を傾げるー。


今日は”うっかり”1日中真桜になりきってしまっていたー。


いいやー、そういえば最近はHなこともなにもしていないようなー…


「ーーー…ははー…だんだん慣れて来ると新鮮味もなくなるってか?」

真桜はそう呟くと、「もう寝なくちゃ」と、時計を見つけてから

そのまま眠りについたー



「ーーー…」

”おかしい”

真桜は、そんな不安に駆られていたー。


日に日に、自分が”真桜”になっていくー。


”わたしは真桜”だと、何の違和感も抱かずにそう思っているー。


いいやー、

それだけではないー


「ーーー…昨日から…ずっと”俺”だってこと…忘れてた…」

真桜は呆然とした表情で呟くー。


”自分が、司だという認識がなくなりつつある”


「ど、どういうことだー…くそっ!」

真桜は焦りを感じながらも「あ、大学…行かなくちゃ」と、

また、”いつもの真桜”のような、

そんな行動を当たり前のように取り始めたー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


数日後ー


真桜は、焦りの感情のまま

”100円のTSFショップ”にやってきていたー


”このままじゃ、俺、真桜そのものになっちまうー”

とー。


確かに”自分が身体を動かしている”のは間違いないー。

だが、日に日に”司”としての自我がなくなり、

自分が真桜だと思い込んでいるようなー

そんな状況に陥っているー。


これじゃー

憑依した意味がないー。

ただ単に”真桜そのもの”になってしまうだけー。


それはもう、”俺”とは言えないー


そんなことを思いながら、家から飛び出したー。


「ーーーーいらっしゃいませ~♡」

バニーガール姿の梨沙がいつものように愛想よく挨拶をすると、

店内に駆け込んだ真桜は表情を歪めたー


「どうかされましたか?」

梨沙が笑いながら言うと、真桜は

「え、え~っと…」と、首を傾げるー


「な、何か聞こうと思ってここに来たんですけどー…

 わたしー…何を慌ててたのか忘れてしまってー」

真桜がそう言うと、梨沙は「え~?そんなことあるんですか~?」と笑うー。


真桜はしばらく考えてみたものの

「ーーごめんなさいー。忘れちゃいました」と、苦笑いするー


「あはは、全然構いませんよー」

梨沙がそれだけ言うと、真桜は頭を下げて「お騒がせしました」と、

そのまま立ち去っていくー



「ーーあ~あ」

立ち去っていく真桜を見つめながら笑う梨沙ー。


「”安定剤”入ってないから、たまに

 自分が自分であったこと、忘れちゃう人もいるんだよねぇ~」


梨沙はそれだけ言うと、

「でもまぁ、弟さんと違って消えちゃったわけじゃなくて、

 一応、身体の主導権は握れてるわけだし?

 これからは普通の女子大生として、頑張ってねー」と、

小声でクスっと、一人で呟くと、

そのまま梨沙はカウンターの方に戻って笑みを浮かべたー。



そして、その日ー

また、”新しいお客さん”がやってきたー


「いらっしゃいませ~♡!」

梨沙が仲良さそうなカップルの客を出迎えると、

そのカップルの男が、店内を見渡してから、

梨沙に対して言葉を口にしたー


「100円の入れ替わり薬、ありませんかー?」

とー。



④へ続く


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


コメント


今回は”憑依”でした~!☆


”皮”

”女体化”

”憑依”


の、3つに続き

次回は”入れ替わり”デス~!

楽しみにしていて下さいネ~!


今日もお読み下さりありがとうございました~!

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