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希海を救うことができたにも関わらず、

”止まらない”タイムスリップー。


何度繰り返しても、5月28日に戻ってしまう最中ー、

次第に、希海の身体を奪う男・保司の行動にも変化が生じ始めるー。


そんな最中、啓太は”希海”が自ら命を絶っていたのではなく、

何者かに命を奪われていたことを知りー、

直後、自分もその人物に刺されてしまうー。


がー…それでもタイムスリップは繰り返されてー、

命を落としたはずの啓太はまた”5月28日”に戻ってきていたー…。


☆前回はこちら↓☆

<入れ替わり>もしもやり直すことができるなら…④~不穏~

見知らぬ男と入れ替えられて、命を絶ってしまう彼女を 救うためー。 何度も何度も過去にタイムスリップしてー、 ついに”5回目”ー。 啓太は希海を救うことに成功したー。 がー… 入れ替わりを阻止したはずなのにー… ”いつも”タイムスリップする原因になっていると思われる 事故の現場に行かなかったのにー、 ”また”啓太は5...

・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ーははははははっ!

 どうだ?どうだよ?この女の乱れた姿はー!?」


廃工場のような場所で、

拘束された啓太は

希海(保司)が、自分の身体を弄ぶ様子を、

見せ付けられていたー。


9回目もー

10回目もー

11回目も失敗したー。


今は12回目ー。

しかも、保司の行動はエスカレートしているー。


今回もそうだー。

希海(保司)に背後から襲われて、薬で眠らされてしまった啓太ー。


目を覚ますとー、

この場所にいて、希海(保司)が目の前で

”お前の彼女の乱れる姿を見せてやる”と、

一人で自分の身体を弄ぶシーンを永遠と見せられているのだー


「ーーはぁ…♡ はぁ… ほんっと…最高ッ♡」

希海(保司)が、繰り返しイキながら笑みを浮かべると

「どう…?わたしのこういう姿ー」と、

希海のフリをして笑みを浮かべるー


「ーーふざけんな…!ふざけんなー…!

 なんで…なんでこんなことをする!?

 なんでー…”毎回”ー希海の身体を奪う!?」


啓太がそう叫ぶと、希海(保司)は「毎回?」と、

首を傾げるー。


「ーーー…」

啓太はその反応を見て表情を歪めるー


やはりこいつは既に”12回”繰り返していることに

気付いていないのだろうかー。


前回も、その前も、

”タイムスリップ”している自覚があるかどうか、

探るような言葉をかけているが

やはりー…”長浜保司”は、タイムスリップしている自覚が

ないように思えるー。


しかし、その行動は”途中から”変わり始めたー。

まるで”何度も繰り返していること”を知っているかのようにー。


「ーー…とにかくーー…服を着ろ…!」

啓太が怒りの形相で言うと、

「ーわたしが、わたしの意思で脱いじゃいけないの?」と、

希海(保司)が揶揄う様にして笑うー。


「ーお前は…希海じゃないだろうが!」

啓太が怒りのあまり叫ぶー。


「ー絶対に、絶対に、何度繰り返してでも、

 お前をー、お前を叩きのめしてやるー!

 絶対に、絶対に俺は諦めないからな!


 希海の身体は、希海のものだ!!

 お前のものじゃない!」


啓太がそう言うと、

背後から拍手する音が聞こえたー。


マスクとサングラスの謎の人物ー


希海(保司)がそれに気づいて「あんた…」と、言葉を口にするー。


だが、マスクとサングラスの人物は、

そのまま啓太に近付いてくるとー、

「ーいつまで、持つかな?」と、機械音声のような声で囁きー、

そのまま啓太にナイフを突き立てたー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ーーー!!!」


啓太が意識を取り戻すー。

首筋をすぐに触るも、やはり怪我はないー。


”5月28日ー”


「ーーふざけやがって…!」

啓太が拳を震わせながら、すぐに希海に電話をかけるー


するとー

”今回は”繋がったー。


希海に”誰かが来ても絶対に出ないように”告げてー

”入れ替わり”を阻止するー。


すぐに希海の元に駆け付けー、

今回は”久しぶりに”入れ替わりを阻止できたー。


「ーーーー…そんなことがー…」


翌日ー。

希海が不安そうに言葉を口にするー。


「ーー大丈夫…絶対、絶対、希海のことは守るからー」

啓太がそう言い放つと、

希海は悲しそうに啓太のほうを見つめるー。


「ーー何回目?」

希海がふと、そんな言葉を口にしたー。


”何度も繰り返している”

それだけは希海に伝えー、いつものように”この先起きること”を

午前中の内に話して信じて貰ったー。


だが、何回目かは、あえて言わなかったー


「ーーーそんな、すごい回数繰り返しているわけじゃないからー」

啓太が少しだけ笑いながら言うー。


けれどー

その表情には、疲れの色が浮かんでいたー。


「ーーーー……教えて…」

希海が悲しそうに言うー。


啓太はそんな希海の顔を見て「ーーー…13回目」と、だけ答えるー


「じ、じゅうさんー…そ、そんなにー…」

希海は申し訳なさそうに首を振ると、

啓太のほうを見つめながら、「迷惑ばっかりかけて、本当にごめんねー」と、

言葉を口にするー


「ーーいやー、謝るのは俺の方だよー。

 13回も繰り返してるのに、ちゃんとー…ちゃんと希海のことを

 助けられないなんてー」


啓太は、悔しさに身体を震わせるー。


”前回”ー

”中身が違う”とは言え、希海のHな姿をイヤというほど見てしまったことに

強い罪悪感を覚えるー。


「ーーーごめん希海ー…

 本当にー…無力で…ごめんー」

ギリギリと歯ぎしりをしながら、啓太はそう言うと、

希海は心配そうに「ー無理…しないでね」と、だけ言葉を続けたー。


13回目はー

”長浜保司”が姿を現さずー、

そのまま穏やかに時が流れたー。


だがー…

6月6日火曜日ー


”いつもタイムスリップするその日ー”


また、啓太はタイムスリップしてしまったー。


当然、6日の日は警戒していたー。

親友の正博にも協力して貰いー、

一緒に警戒しながら廊下を歩いていたところー、

最後に”先輩!?”と、正博が啓太の背後のほうを見ながら

そう叫んだのだー。


だがー

その直後、”タイムスリップ”してしまったー。


14回目ー。

啓太は決意するー。


あのサングラスとマスクの人物ー

恐らくは長浜保司に”入れ替わり薬”を与えた人物ー


あいつをどうにかしない限り、”これ”に終わりはないのだとー。


長浜保司は”タイムスリップ”してる自覚は恐らくなさそうだー。

もしもこれまでの反応が演技なら、名俳優になれるだろうー。


だがーーー

長浜保司の行動は毎回少しずつ変化しているー。


記憶があるのが啓太だけなら、

啓太が”何もしなければ”

長浜保司は”1回目”の時と同じように行動するはずなのだー。


だからあえてー

”11回目”の時に”1回目”と同じ行動を”わざと”してみたー。


がー、希海(保司)は、啓太の耳に入るように

”わざと”男遊びを繰り返すという、

”1回目”にはなかったことを仕掛けて来たー


長浜保司本人にタイムスリップの記憶がないのだとすればー

恐らくは、あのサングラスとマスクのやつがー

タイムスリップしてる自覚を啓太同様に持っていてー、

それで、長浜保司の行動が変わっているのだと思うー。


入れ替わり薬を保司に渡したあいつが、保司に何か言えば、

保司の行動も変わるだろうからー。


だから、奴をどうにかしなくてはいけないー。



そしてーー

14回目の今回ー、

その正体ー…あるいは関係者に少し近付くことができたー


”先輩!?”

親友の正博は、さっき、タイムスリップする直前、

そう言っていたー


”先輩”とは誰かー。


そういえばー、以前もタイムスリップする現場で

”月野先輩”が近くにいたことがあるー


月野先輩は、希海が所属しているサークルの先輩の女子生徒ー。

思えば”1回目”も入れ替わりに気付いたのは

月野先輩からの報告がきっかけだったー。


まさかとは思うがー

あのサングラスにマスクの人物が”月野先輩”である可能性も0ではないー。


男だと思ったがー、

遭遇したのはまだ数度だし、いずれもゆっくり確認する時間はなかったー。

女である可能性も十分にあるー。


「ーーーやれることは何でもやるー…

 俺は絶対に諦めないぞー」


”希海と一緒に”

このループを乗り越えるんだー。


そう思いつつ、啓太は時計を確認するー


16:00-

啓太は”月野先輩”にスマホで連絡を入れるー。

ちょうど、月野先輩の連絡先は、以前、希海を通して交換しているー。


「ーーーーー」

そしてー、何かを確認しながら啓太は

月野先輩が電話に出るのを待つー。


”もしもしー”

しばらくすると、月野先輩が電話に出たー。


啓太は月野先輩に対して”探るような質問”を何個かぶつけるも、

特におかしな会話はなかったー。


16:20-

啓太は大学の別の友人に電話をかけるー。


「ーーーーー…」


”やれることは、何でもやるー。

 やれることはー”


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


5月31日(水曜日)ー


啓太は、親友の正博に再び事情を説明して、

対策を練っていたー。


「しっかしー、何度も繰り返してるってことはー、

 あれじゃね?」


正博が少し笑いながら言うー。


「ーーたとえばー…希海ちゃんを好き放題したとしてもー

 お前が言わなきゃ、みんなそれを忘れてるってことだろ?」

正博の言葉に、啓太は「ま、まぁ、確かにそりゃそうなんだけどー」と、

呟くと、「希海が忘れてるからって、俺はそんなことしたくない」と、

迷いのない口調で言い放つー


「はははー、冗談だよ冗談ー

 ただー」


正博はそこまで言うとー、

「ーー希海ちゃんの身体を奪ったやつをー…

 ぶちのめして仲間の正体、吐かせることはできないのか?」と、

”本題”を口にするー


「ーーーーー…」

確かに、それは可能かもしれないー。


”長浜保司”は、これまでに何度か仲間のことを口にしているー。


当然、その素性を知っているのだろうー。


だからー…

希海(保司)を力づくで倒して”仲間の正体を吐かせる”ことは

できるかもしれないー。


「ーーーそのあと、タイムスリップするんなら、

 希海ちゃんが傷つくこともないし、

 誰もそのことを覚えていないんだろー?


 だったらー」


正博のそんな提案に、啓太は「ごめん」と、寂しそうに笑いながら

首を横に振るー


「それでも俺にー、希海を傷つけることはできないー…

 たとえ、誰も覚えてないのだとしてもー」


啓太がそう言うと、正博は少しだけ笑うー。


「ーーー…ははー、遠回りなやつだなー

 でもーー…それが、お前だもんなー」


そんな言葉に、啓太は「ごめんなー。せっかく考えてくれたのに」と、

悲しそうに言葉を口にしたー


「ーーふんー。無駄なことを」

偶然、通りすがった希海(保司)が、啓太たちを

あざ笑うようにして呟くー。


「ーこの身体はもう、俺のものなんだよー

 俺が…希海なんだよ!」

希海(保司)の挑発的な言葉に、啓太は

「ーー今のうちにほざいてろ」と、キツイ口調で言い返すー。


「絶対に、希海の身体を取り戻すー」

啓太のそんな言葉に、希海(保司)は「ははは!できるもんなら

やってみな!」と、嬉しそうに立ち去って行ったー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


15回目ー。


16:00ー

前回と同じように、啓太は”月野先輩”に

電話をかけたー。


16:20に大学の友人にー。

16:40に親友の正博にー。

17:00に実家にいる両親にー。


「ーーーー」

夜までそんなことを繰り返しー、

啓太は希海にLINEを送るー。


返事は、そっけない返事ー。


”また”入れ替えられてしまったー。


けれどー…

それでも諦めないー。


「ーーぐ……」

啓太はサングラスとマスクの男に刺されて、

悔しそうな表情を浮かべるー


”死の恐怖ー”

何度経験しても、怖いし、痛いー


もしも、タイムスリップせずに、このまま死んだらー?

いつも、そう思うー。


けれど、やはり死ぬ度にタイムスリップするー。


何度死んでもー

何度死んでも、

終わらないー。



「ーーーわたしは、彼氏がいるのに他の男とヤッちゃう女なのー

 幻滅したでしょー?」


”27回目”ー

希海(保司)が笑いながら言うー。


「ー幻滅なんてしないよー」

啓太が言うー。


「は?」

希海(保司)が不満そうに呟くー。


「ーだって”お前は”希海じゃないしー、女ですらないからー」

啓太が希海(保司)を、達観したような表情で見つめながら言うー。



何度、希海に罵倒されてもー

それは、希海じゃないからー…



「ーーーくそっ……」


何度、”彼女の死”を見せ付けられてもー

決して諦めないからー。



何度でも、何度でもー

何度でもー。


もう、自分は死んでいるのかもしれないけれどー

それでも、希海を救いー

”ハッピーエンド”を迎えるまで、絶対に諦めないー


「ーー俺の心はー…絶対に折れないー!」

啓太が希海(保司)に向かってそう叫ぶー。


既にーーー

”34回目”を迎えていたー。



”ーーーこいつーー…”

保司の”仲間”は、啓太が何度繰り返しても、

決して折れないことに表情を歪めたー。


そしてーーーー

”35回目”ー


啓太は”答え”にたどり着いたー。


記憶を頼りに”紙”に何かを書き記している啓太ー。

”紙”も過去に戻るときには持って行けないからー

毎回、タイムスリップするたびに、すぐに”あること”を記録し続けて来たー


「ーーーーー…間違いないー」

啓太は立ち上がるー。


”こいつだけ、記憶があるー”


そう思わざるを得ない

決定的な証拠を手に入れたー。


どうして、こんなことをしたのかー

何が、目的なのかー。


そう思いつつ、啓太は

まず、希海に連絡をするー。


”入れ替わり”を阻止できるならー、阻止したいー。

しかし、今回も希海は話中で連絡がつかずー、

結局、希海の身体はそのまま奪われてしまったー。



翌日ー

5月29日ー。

大学にやってきた啓太は、

月野先輩と遭遇したー


「ーおはよう」

月野先輩が微笑むー。

啓太とは、希海を通じて面識があるー


「おはようございますー」

啓太はそう頭を下げると、それ以上は会話せずに、

そのまま歩き続けるー。


”月野先輩”は、今回の件とは何も関係がないー。


関係があるのはーーー


「ーーーーーおぅ!啓太!」

笑いながら手をあげる親友の正博ー


「なんだよ、話ってー」

啓太に呼び出された正博が笑いながら言うと、

啓太は静かに言葉を口にしたー


「ーーとぼけるなよ」

とー。


「ーは?」

正博が首を傾げるー。


「ーー何で”こんなこと”をするー?

 答えろー!」

正博はそれだけ叫ぶと、昨日、自宅で必死に書き上げた紙を

机に叩きつけたー。


月野先輩ー

12.1

12.2

12.0

12.1

12.2

12.0

12.0


友人の笹岡

8.8

8.6

8.9

8.7

8.6

8.6

8.6


教授

15.1

15.2

15.1

15.2

15.1

15.3

15.1


謎の数字と相手の名前が羅列されているー


「ーー?」

正博が首を傾げながら

自分の名前が書かれた部分を見つめるー


正博

18.2

7.6

4.3

16.5

19.9

1.2

25.5


「ーーーこれは?」

表情を歪める正博ー


啓太はそんな正博に対して言い放ったー


「ーー正博ー

 お前、記憶、あるだろ?」

啓太はそう言うと、語気を強めたー


「何度も繰り返しているってー

 分かってるんだろ!?」


とー。



⑥へ続く


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


コメント


いよいよ次回が最終回デス~!

全ての真相と、その先の未来が明かされます~!☆!


もちろん、今回の最後の方の謎の数字の意味も分かりますよ~笑


今日もありがとうございました~~!

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