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”次は、冬月 琴美”ー


ナイトメアから”次の憑依対象”を宣言された龍平は、

琴美に身を隠すように告げ、琴美が憑依されるのを何としても

阻止しようとするとともに、幼馴染の瑠香の行方や、

ナイトメアに関する情報を少しでも集めようと、

情報収集を行っていくー。


そんな中、以前”ナイトメア”に憑依された亜香音と

交戦していた女犯罪者・染谷真凛が、突如として龍平の前に

姿を現したー。


戸惑う龍平を前に、彼女は、”ナイトメア”=城戸悠斗らの

秘密を語り始めたー…


Nightmare desire episode.14-


☆前回はこちら↓☆

<憑依>ナイトメア・デザイア⑬~薔薇~

憑依能力を持つ犯罪者ー、”ナイトメア”の異名を持つ男・城戸悠斗。 龍平に目をつけた彼は、 龍平の身の回りの人々を次々と憑依で傷付けていくー。 憑依された幼馴染の瑠香を前に、 何もすることができなかった龍平は、 己の無力さと激しい怒りを噛みしめるー。 それでも、”ナイトメア”は止まらないー。 龍平には休む間も...

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


主な登場人物


森本 龍平(もりもと りゅうへい)

大学生。彼女の亜香音と楽しい学生生活を送っていた。


狭霧 亜香音(さぎり あかね)

大学生。龍平の彼女。ナイトメアに憑依されていた。


小野寺 瑠香(おのでら るか)

龍平の幼馴染。小悪魔的な性格の持ち主。憑依されて消息を絶ってしまう。


馬渕(まぶち)

”デビルトラッカー”の異名を持つ刑事。高圧的な態度が目立つ。


”ナイトメア”(城戸 悠斗)

裏社会で暗躍する謎の人物。


今泉 貞治(いまいずみ さだはる)/伽藍 稔(がらん みのる)

ナイトメアと同じ孤児院出身の犯罪者たち。


染谷 真凛(そめや まりん)

ナイトメアと同じ孤児院出身の女。裏社会で暗躍している。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


”ナイトメア”と交戦していた女ー

染谷 真凛から聞かされた事実ー


憑依能力を持つ犯罪者、ナイトメアこと”城戸 悠斗”と、

今泉 貞治、伽藍 稔、そして彼女自身は

10年以上前に焼失した孤児院・”家族の花園”の出身ー


そこでは、政府の特殊機関による

”子供たちに開発中の新薬を使い、超人的な能力を引き出そうとする実験”が

行われていたー。


それが明るみに出そうになったことで、その責任者は

事故を装い、孤児院の関係者らを抹殺ー

しかし、既に超人的な力に目覚めていた城戸悠斗ら4人は生き延びー、

染谷真凛を除く残りの三人は、その復讐のために

裏社会に潜伏し、暗躍しているのだと言うー。


しかもー、”政府と繋がるある特殊機関”が主導していた

実験がきっかけということもあり、

それが世間の明るみになってしまわないためー

城戸たちと、政府とも繋がりのある”大物”が取引をしー、

事実上、城戸たちは野放しの状態になっているー。


警察上層部にもその息のかかった人間がおり、

警察も城戸たちの捜査には動こうとしないー


それが、”ナイトメア”たちの真相だったー


「わたしと、手を組まないー?」

染谷真凛が、笑みを浮かべながら言うー。


年齢的には、龍平より少し上ーな、ぐらいだろうかー。

少なくとも、まだ30代ではないように見えるー。


しかし、染谷真凛も、数々の修羅場を潜り抜けてきた経験からか

龍平よりも、ずっと大人に見えるー


「ーーーー…」

龍平は表情を歪めながら染谷真凛のほうを見つめるー


「ーーあんたが、味方だって証拠はー?」

龍平が警戒しながら言うー。


「ー敵の敵は味方って言葉があるでしょ?」

染谷真凛がクスッと笑うー。


「ーー確かに、わたしは”綺麗な”人間じゃないー

 あの日、孤児院から逃げ出したわたしはー

 生きるために裏社会で色々この手を汚してきたー


 でもねー

 わたしは城戸たちとは違うー。

 関係ない人たちのことは、できる限り巻き込まないように

 生きて来たー。


 わたしは心の底から、あの三人を止めたいのー。

 同じ施設出身の人間としてー」


真凛の言葉に、龍平は困惑の表情を浮かべるー


染谷真凛を信じてよいモノかどうかー。

真凛からは、なんとなく打算のようなものを感じるー

見た目もそうだし、会話している感じも、そうー


本心で話していないようなー、そんな印象を受けるー。


「ーーー…このままだと、あなたのお友達ー…

 まだまだたくさん憑依されることになるわよ」


真凛が呟くー


「ーそれは、脅しか?」

龍平は、少し不快に思い、そう言葉を返すー


すると、真凛は

「ー気に障ったなら謝るけどー

 これは、事実よー。

 アイツは止まらないー。

 あなた一人で、このまま右往左往してればー

 被害者が増えるだけ」と、言葉を付け加えたー。


悔しいが、染谷真凛の言う通りなのも、また事実かもしれないー。


幼馴染の瑠香のことも、”予告”されていたのに

助けることができなかったー。

現状で打つ手は、あまりーーない。


「ーーーーまぁ、いきなりわたしを信用しろって

 言ったって、無理ねー。

 だからーあいさつ代わりに”あいつらの能力”を教えてあげるー


 …最もー、城戸の能力はわたしもこの前までは知らなかったけど、

 残りの二人の能力なら、知ってるからー」


真凛のそんな言葉に、龍平は考えた末に

「ーーわかったーー…手を組もう」と、言葉を口にするー。


微笑む真凛に対して「ただ」と、龍平は付け加えるー。


「ー馬渕警部っていう警察の人と一緒に俺はあいつらを追ってるー

 俺と組むと、その人と会う機会も出て来るかもしれないけど、

 それでもいいかー?」


とー。


真凛は少し考えたあとに

「警察…ねー。その人は信用できるのかしら?」と、

言葉を口にするー


龍平は「少なくとも、あんたの言う”圧力をかける側”の人じゃない」と

だけ言うと、真凛は「まぁ、いいわー」と、頷いたー。


そして、真凛は城戸悠斗以外の二人の能力を口にし始めるー。


「今泉の能力は、

 悪魔円舞曲(デビル・ワルツ)ー

 五感に影響をもたらす特殊な音波を、自身の身体から生み出して

 相手の行動を制限したり、幻覚を見せたりする厄介な能力よー」


その言葉に、龍平はバーで、”憑依された瑠香”と遭遇した際にー、

今泉にそれをやられたことを思い出すー


「ーーあぁ…俺もやられたよー」

龍平が言うと、真凛は少しだけ笑いー、

それから残る一人の能力を口にしたー


「伽藍 稔ー…

 あなたは会ったことはないかもしれないけど、

 サングラスをかけたトレンチコートの大男ー


 あいつは”驚異的な再生能力”を持ってるー」


その言葉に、龍平は表情を歪めるー


伽藍稔なる人物には確かに、龍平自身はまだ遭遇したことはないが、

そんな男がいるのだとすれば、これまた厄介な話だー。


「ーー伽藍は、たとえ頭を撃ち抜いても、

 車で跳ね飛ばしてもー

 死なないのー」


真凛は、そう言うと「気味悪いでしょ?」と、

冗談めいた口調で呟いたー


「それと、わたしもこの前、初めて見たけど

 城戸の”憑依”能力ねー」


真凛はそこまで言うと、

ため息をつくー。


「ーーー!」

その時だったー

真凛が持っていた端末が音を立てるー。


真凛がそれに出ると、少し話したあとに、

会話を終えて、龍平のほうを見つめたー


「ごめんねー。

 用事が出来ちゃったから、今日はここまでー」

真凛がそれだけ言うと、

龍平は「ーー用事?」と首を傾げるー


「ー裏の仕事よー

 こうしないとわたしは生きていけないからねー」


そんな言葉と共に、真凛はメモのようなものを龍平に

投げつけたー。


それを受け取る龍平ー


「城戸と今泉の二人がよく使ってるアジトー

 わたしの知る5か所がそこに書かれてるわー。

 何かの役に立ててー」


真凛がそれだけ言うと、

立ち去ろうとする真凛に対して龍平は

「一つ聞いていいかー?」と、言葉を投げかけるー


真凛は、龍平のほうを見つめながら「なに?」と笑うー。


「ーーーあんたの”能力”は、何なんだー?」

龍平がそう言うと、真凛はクスッと笑いながらー

ワイヤーのようなものを銃から放ちー、

その質問に答えることなく、姿を消したー


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


翌日ー


♪~~~~


龍平が飛び起きてスマホを確認すると、

そこには”冬月さん”と、表示されていたー。


冬月琴美ー


”次”にナイトメアが憑依すると宣言していた

龍平の彼女・亜香音の親友だー。


予告された日は”昨日”ー。

琴美には身を隠すようにお願いしー、

琴美も龍平の言う通り、身を隠していたもののーーー


”どう”なったのかはまだ分からないー。


スマホに出たらー

また、”邪悪な琴美”の声が聞こえてくるのではないかと

強い不安を感じながらーー

スマホを手に、琴美からの電話に出たー。


”ーーーあ、森本くんーよかった”

琴美の声が聞こえるー


その”声”はいつもの琴美に聞こえるー


「あ、冬月さんー

 大丈夫だったかー?」


龍平が心配そうに言うと、

琴美は”うんー何も起こってないよ 大丈夫ー”と、

少し疲れた様子で言葉を口にしたー


「よかったー…」

龍平が安堵のため息をつくー。


今までの様子からするにー、

”ナイトメア”は、憑依した相手の記憶を引き出すーと

言うようなことはできていないー…

そんな、気がするー。


琴美にいくつか”本人確認”のための質問をすると、

琴美は難なくそれに答えー

話している感じからも、琴美が憑依されていないのはほぼ確実だったー。


”わたし、まだ身を隠してた方がいいかなー?”

琴美の言葉に、龍平は困惑するー


”ナイトメア”に憑依されないようにするためには

ずっと身を隠していた方が良いのは、確かだー。


少なくとも”ナイトメア”に、”隠れている人間の居場所を突き止める力”は

恐らくないー。

隠れていれば、瑠香や、亜香音のようなことにはならずに済むー。


とは言え、大学が休みである昨日・今日ならともかく

それ以降もずっと隠れていろー、と言うわけにも行かないー。


「ーーそれはー………」

龍平は言葉に詰まるー。

”隠れるのをやめれば”憑依されて人生を台無しにされる可能性もあるー。

かと言って”ずっと隠れている”わけにもいかないー


”ーーーご、ごめんねー…難しいことを聞いてー”

琴美はそれだけ言うと、

”ーーー今日は大学ないし、ここで隠れてるようにするからー…”

と、言葉を続けて、明日以降はまた考える、と龍平に伝えたー


「ー巻き込んで、本当にごめんー」


”ー悪いのは、その幽霊みたいな人だからー”

琴美はそれだけ言うと、龍平と少し会話を続けて

そのまま電話を切ったー。


今日はー

昨日、染谷真凛から受け取った情報を元に

”ナイトメア”らの潜伏地点”かもしれない”場所を

馬渕警部と共にあたってみようと思うー。


そう思いながら龍平は馬渕警部に対して電話をかけ始めたー。


・・・・・・・・・・・・・・・・


「ーーへへへー、あのガキ、やりやがったぜー」

胸元を強調する格好で、事務所のような場所にやってきた瑠香が

笑みを浮かべるー。


「ーはははー

 何だ?何かあったのか?」

その場で何やらノートパソコンを手に、作業をしていた

今泉貞治が笑うー。


「ーー俺が次に憑依するって予告した女が、

 隠れやがったー。」

そう言うと、瑠香は椅子に座って、足を組むと

煙草を吸い始めたー


「ーーおいおいー、その子、喫煙者なのか?」

貞治が呆れ顔でパソコンから、瑠香の方に視線を移して言うー。


「ーあん?知らねぇよー

 でも、俺の身体だから関係ねぇだろ?」

美味しそうに煙草の煙を吐くと、

派手な指輪やペンダントを輝かせながら瑠香が笑うー。


「ーーーあのガキがー

 冬月琴美に隠れろって言ったんだろうなー」


瑠香はそれだけ言うと、

「まぁいいさー」と、不気味な笑みを浮かべるー


「ー抵抗すればするだけー

 より”残酷な目に遭う”ってことを教えてやらなくちゃなー」


瑠香の顔が、恐ろしいほどまでに邪悪な笑みを浮かべるー


「ーーー…あ~あ~あー

 森本君も可哀想にー」


貞治は、いつものような少しふざけた調子でそう言うと、

「ま、あまり騒ぎは大きくしすぎるなよ」と、だけ呟いて

ノートパソコンを閉じー、立ち上がったー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


龍平は、馬渕警部と合流したー。


馬渕警部はいつものように、面倒臭そうな雰囲気を出しながらー

「その染谷って女の情報は、本当なのかー?」と、

龍平に確認するー


「ー俺もまだ、分かりませんー」

龍平がそう言うと、染谷真凛から預かった”5か所の拠点”についての

メモを、馬渕警部に改めて見せるー。


お互いに、最近の情報を交換しながら、今後について話し合うー。


龍平は、幼馴染の瑠香の身体が奪われたままであることや、

次に琴美が”憑依予告”されていることー、

今泉貞治とも会ったことを伝えたー


「あの音楽野郎かー」

かつて一度、馬渕警部も今泉貞治とは対峙しているー。

その時のことを思い出しながら舌打ちするー。


「ーそれと、染谷真凛が言ってたっていうー

 伽藍ってやつは、俺がこの前遭遇したー。

 確かに、その女の言う通りー、

 車ごと爆発しようが、撃とうが、死ぬ様子はなかったなー」


馬渕警部はそう言うと、

「ーお前も気を付けろよー。あいつはゾンビ野郎だー」と、

不愉快そうに呟いたー。


「ーー…この5か所の拠点は、どうしますか?」

龍平が確認をすると、馬渕警部は

「っても、分担するわけにはいかねぇだろー。

 お前はただの学生だし、もしナイトメアたちがいる場所に

 ぶち当たったら、今度はお前が憑依されるかもしれねぇ」と、

言葉を続けるー。


龍平は「い、いやー、俺だってー」と、反論しようとするも、

「ガキ一人で何ができるー?

 お前があいつらの手に落ちれば、さらに面倒なことになるって

 言ってるんだー」と、いつもの調子で、キツイ言葉を

浴びせて来るー。


少し悔しそうな表情を浮かべる龍平ー。


だが、それを見た馬渕警部が補足するー。


「ー俺も一緒に行ってやる、って言ってんだー。

 現役の刑事がいりゃ、多少は安心だろ?」


その言葉に、龍平は”口下手”な馬渕警部のほうを見つめながら

「ーー最初からそう言ってくださいよー」と、

少し苦笑いしながら言うー。


「ー5か所を順番に回るぞー。

 やつらがいたら、とっ捕まえてやるー」


そんな言葉と共に、馬渕警部は

”モタモタしてるうちに、また被害者が出るかもしれねぇー”と、

すぐに近くに停めてあった車に向かって歩き出したー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・


1か所目ー…

繁華街の地下に存在するバー…。

少し前に龍平が憑依された瑠香と遭遇したのとは別のバーに

突入した龍平と馬渕警部ー


「チッー…誰もいねぇー」

どうやらここはハズレのようだー。


だが、誰かが使っていたような形跡はあるー。


「ーー少し、中を調べるー」

馬渕警部が警戒するように促してから、

店内を調べ始めるー


その時だったー


”電話”が掛かって来るー。

龍平がスマホで相手を確認するが、相手の名前は表示されていないー。


嫌な予感がして、電話に出るとー、

女の低い笑い声が聞こえたー。


「ーーーる…瑠香ーー…か?」

龍平はそう確認するー。


”ナイトメア”に憑依されて以降、未だ解放されていない

幼馴染の瑠香ー。

一瞬、相手は瑠香かと思ったが、

”声”が違うー。


いつもと違う笑い方をしていても、瑠香の声ならー

ここまでの違和感は感じないー


”ーー俺だよーナイトメアだよー”

低い声で笑う女ー


「ーーくそっ…」

龍平が舌打ちをするー


しかし、その声はやはり瑠香の声ではないー。

かと言って、”次に憑依する”とナイトメアが予告している

冬月琴美の声でもないー。

普段大人しい琴美が、ナイトメアに憑依されれば

それなりに口調が変わるだろうし、”琴美とは思えないような声”に

なる可能性は高いが、それでも琴美とは声が違いするー。


もちろん、彼女の亜香音でもないー


「ーー…だ…誰に憑依したー?」

龍平がこみあげる怒りを抑えながら確認するー。


”声”は聞いたことがある気がするー

だが、ナイトメアに憑依されて、普段とは喋り方が変わっているしー、

普段”電話をするような間柄”ではない相手ならー、

声がそもそも違って聞こえる可能性は高いー


”くくくー

 俺が予告した女を隠れさせるとは、なかなかムカつくこと

 してくれるじゃないか”


女が笑うー。

その声には苛立ちの気配も漂っているー


馬渕警部は、店を調べながら龍平の様子をしきりに気にしているー。

龍平は、仕草で、相手がナイトメアであることを馬渕警部に伝えるー。


”ーーお前には”お仕置き”が必要だー

 俺が予告した女を隠すようなことをすればー

 どうなるか、教えてやるぜ”


女の声に、龍平は「な…なに!?」と、表情を歪めるー


”俺に予告通り憑依させねぇなら、

 別の女に憑依して、お前を苦しめるだけさー。


 しかも、お前が俺に逆らった分ー…

 ”より恐ろしい”ことが起きることになるー”


女が脅すような口調で言うー。


龍平は「…なっ…」と、声を上げるー。


”次は冬月琴美に憑依するー”


そう言われたから、琴美を守るために隠れてもらったー


だがー、ナイトメアは恐らく誰にでも憑依できるー。

こんな抵抗をすれば”琴美以外”の誰かが狙われるー


そうー

琴美一人を隠しても、代わりに誰かが犠牲になるだけなのだー


”ーーこの女は、お前が慕ってる先輩の彼女だー”

相手の女が言うー。


龍平は相手の正体に気付き、声を上げるー


ナイトメアに憑依されてきたのは、

龍平が慕う先輩・三上恭吾の彼女、中野 愛唯ー。

ちょっとふんわりとした天然タイプのお姉さん…という感じの先輩だー。


龍平とはそこまで接点があるわけではないが、

慕っている三上先輩の彼女、ということで当然面識はあるー


”これからこの女の身に酷いことが起きるー

 ”お前のせい”で、なー”


完全に支配された愛唯が電話の向こうからそう言い放つー


「ーーおい!待て!やめろ!中野先輩はこの件とは何も関係ないんだ!

 やめろ!!」


龍平が何度も叫ぶもー

愛唯は”明日ー大学で楽しみにしてなー”と笑いながら

電話は一方的に切られてしまったー


「くっ…くそっ!」

龍平はそう叫ぶと、馬渕警部に電話の内容を説明するー。


ナイトメアは”明日”と言ったー。

明日、大学で何かが起きるー。


「ーーふざけるなー…もう、絶対に誰もー…

 誰も傷つけさせないー」


龍平は、怒りの形相でそう呟くと、

愛唯の身に何かが起きる前に、必ずナイトメアを

追いつめることを決意するのだったー。


⑮へ続く


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


コメント


長編の第14話でした~☆!

まだまだ憑依ラッシュは続くのデス…!


一体、どうやって阻止するのかは、

まだまだ先のお楽しみですネ~!


今日もありがとうございました~!

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