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普段はとても心優しい彼女の美優。


しかし、美優は車の運転をすると”豹変”してしまいー

攻撃的になり、乱暴な運転を繰り返すー。


典型的な”ハンドルを握ると性格が変わる”タイプの女性だったー。


がー…それにしても”異常すぎる”豹変に不安を覚える彼氏の正彦。

美優の姉・蘭に確認してみると、美優が”実家で父の車”を運転していた時には

そんなことはなかったのだと言うー。


美優本人も気にしており、”次にわたしが運転するときは録画しておいて”と

お願いされた正彦は、”次にそういう機会があれば”と、美優に約束したー。


そしてー…


★前回はこちら↓★

<MC>ハンドルを握った彼女が怖い①~運転~

”ハンドルを握った彼女が怖い” そう、感じたのは少し前からだろうかー。 彼ー… 社会人2年目の佐々森 正彦(ささもり まさひこ)は、 横にいる自身の彼女・浦野 美優(うらの みゆ)を見つめながら、 そう思っていたー。 「ーーーーーチッ」 美優が指をトントンしながら舌打ちをするー。 ーー普段から、そういう性格...

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ーーーーーごめんね…せっかくのお休みだったのにー」

美優が申し訳なさそうに言うと、

正彦が「いや、大丈夫ー」と、穏やかな表情で笑うー。


前回ーショッピングモールに遊び行ってから1週間ー。

”次の休み”である今日ー、

正彦は美優からお願いされて、美優と一緒に出掛ける約束をしていたー。


用事自体は、美優の個人的な買い物で、

先週とは違い、今日はデートではないー。

正彦はいてもいなくても買い物自体には関係なかったのだがー

”あまりにも激しく豹変する”自分に不安を感じ、

美優が、正彦に”一緒に来てほしい”とお願いしたのだったー。


正彦自身も、美優の運転に不安を感じていたのは事実でー、

特に先週、美優の姉である蘭から

”実家ではそんな様子はなかった”と聞かされたことに

さらに強い不安を感じていたー


「ー今日は絶対、イライラしないからー」

美優はそう言いつつも、不安そうに

「ーー”録画”ーー…これでしてくれる?」と、小型のカメラを

正彦に不安そうに手渡すー


「ーーー…わかったー」


”次、一緒に乗ることがあったら録画しておいてほしいー”と、

美優にそう言われていた正彦は、スマホで録画しようと考えていたが、

美優が予めカメラを用意してくれていたため、

それで録画することにして、助手席に乗り込むー。


「ーーー……」

深呼吸する美優ー。


”絶対に、大丈夫ー。運転中もイライラしちゃだめ”

そんなことを自分に言い聞かせながら、美優は運転席に座り込んだー。


「ーーーーー」


”エンジンを掛けると同時にー”

脳に刺激を与える特殊な”洗脳電磁波”が運転席に座った人間に

発される仕組みになっているこの車ー。


美優はそうとも知らずに、車のエンジンを掛けるー。


「ーーー…」

美優は、もう一度深呼吸してから、

車の運転を始めたー。


自我を完全に奪われているわけでもー

意のままに、ラジコンのように操られているわけでもないー。


本人の精神や思考ー”

”脳に強い影響を与える”洗脳に、美優はー

いいや、他の誰であっても、そう簡単に抗うことなどできないー。


「ーー大丈夫か?美優ー?」

運転を始めた美優に対して、心配そうに声を掛ける正彦ー


そんな言葉に、美優は内心でイラッとしてしまったもののー

「ー大丈夫」と、だけ口数少なく答えたー



”クククククー”

美優と正彦に車を販売したカーディーラーの男は

店からそんな様子をモニタリングし、笑みを浮かべるー。


”洗脳電磁波”は、運転手の脳に直接、強い影響を与えるー

今回、植え付けているのは”怒り”と”憎しみ”ー


「ーーーーー確実に効果が出ているなー」

満足そうに微笑むカーディーラーの男ー


そしてーーー今日は”前回”までとは違うー。

裏社会組織幹部の男からの指示で

”洗脳電磁波”のレベルをさらに上げておいたー


「ーどのぐらい効果が出るのかー…」

少しだけ不安そうにしながらも、

カーディーラーの男はモニターに表示された情報を見つめ始めたー


・・・・・・・・・・・・・


「あ”~~~~~~~」

運転を初めて数分、美優がすぐにハンドルをトントンしながら

露骨にイライラした様子を見せ始めたー


「み…美優ー?」

正彦が不安そうに美優に声を掛けると、

美優は笑みを浮かべながら「ーちょっと… 静かにしてて」と、

無理矢理イライラを抑えているのが明らかに分かるような

そんな返事を口にしたー


「ーーーーお、おいー…美優ー」

正彦がそう言うと、美優は「前の車さー遅いよねー」と、

低い声で呟くー。


「ーーーん?あ…あぁ…まぁほらーマークついてるしー」

初心者マークを指さすと、

美優は「のろのろ運転するなら自転車乗れって」と、

笑みを浮かべながらも、キレた口調で呟くー


「ーーー落ち着けってーそんなー」

正彦がそう言うと、美優はクラクションを鳴らし始めるー。


「ーおっせぇんだよ馬鹿!」

美優がーーキレたー

”いつも通り”

ハンドルを握って豹変したー


「ーや、やめろってばー…」

正彦が困惑しながら言うと、美優は信号待ちで車を止めて

正彦のほうを見たー


「ー大体さぁ、彼女のわたしにいつも運転させて

 その偉そうな態度、何なの?

 

 やめろってばー?

 ”ありがとうございます”だろ!」


美優がバン!とハンドルを叩いて、

正彦に対して強い口調で不満を露わにするー


正彦は免許を持っていないー。

特に、生活上必要を感じなかったしー、

バイクで十分、生活できていたからだー。


美優にいつも運転して貰っていることには、いつも感謝の気持ちを

伝えるようにしていたしー

美優からも今まで、一度たりともイヤそうな顔を

されたことはなかったー


「ーーーな…なんだよ…そ、そんな言い方しなくてもー」

正彦が戸惑っていると、

美優は「だったらわたしの運転に口出ししないで!」と、

怒鳴り声を上げるー。


再び走り出す車ー

美優の運転はいつも以上に乱暴で”恐怖”を感じるほどー


「ー死ね!!!」


「ーーバカ!!!」


「ーくたばれ!!!」


美優とは思えないような恐ろしい言葉を

他の車に向かって何度も口にするー


「ーーー…」

正彦は、美優の横暴な運転に困惑しつつもー

それを録画し続けるー。


「ーーー何撮ってんだよ」

美優がイライラした様子で運転しながら呟くー


「何撮ってんだよって聞いてんだよ!」

美優の怒鳴り声に、正彦は「み、美優が録画しろってー」と、

困惑しながら言い返すもー

美優は「うざい!!今すぐやめて」と、鬼のような形相で

正彦に言い放つー


「わ、わ、わかったよー」

正彦は慌てて、カメラを奪われないように大事そうにしまうとー

やがてー美優の目的地であるデパートにたどり着いたー。


「ーーーー」

車を停車させて、美優が運転席に寄りかかるー。


「ーーふぅ~~~……」

美優は疲れ果てたような表情を浮かべるー


心配そうに正彦が「み…美優ー?」と、言葉を掛けると、

美優は「ーーわたし……何かやっぱりー…ヘンだよねー」と、

自虐的に笑うー。


「ー車運転してると、妙に気分が高まるっていうかー…

 自分でもよく分からないけどー…」


美優がそれだけ言うと、

正彦は「ーー…美優ー…」と、困惑した表情を浮かべるー


美優本人にも、洗脳の影響を受けている際の

記憶はあるにはあるー。

だが、”極度の興奮状態”にあって、正直、具体的には覚えていないー


自分が妙にヒートアップしていたようなー

そんな、微かな記憶しか、美優の中には残っていないー。


「ーーー…録画はー…」

美優が不安そうに言うと、

正彦は録画した映像を見せる前に

「ーーー……何が映ってても、大丈夫か?」と、

確認の言葉を口にするー。


「ーーうんー…」

美優は少し躊躇う様子を見せながらも、そう返事をすると

”映像”をすぐに確認したー


「ーーーーー…!」

美優の瞳が震えるー


「ーわ、わたし……こんなー…こんなひどいことー…」

美優は今にも泣きそうな声で、

自分の運転ー、自分の暴言ー、

自分とは思えないような、そんな映像を怯えた表情で見つめるー


「ーー…美優ー……運転中の…記憶、ないのかー?」

正彦が美優の反応を見ながら、心配そうにそんな言葉を口にするー。


すると、美優は

「運転してたのはちゃんと分かってるんだけどー…

 妙に…興奮してる状態というか、なんかー…頭がごちゃごちゃしてー

 こんなひどいこと言ってるなんて…全然ー」と、目を伏せながら言うー。


「ーーーーそっか」

正彦はそれだけ言うと、

「酷いこと言っちゃって、本当にごめんねー」と、何度も繰り返す

美優に対して「いいよー。大丈夫。気にしないで」と、だけ優しく答えると、

そのまま車の外に出たー


「ーほら、買い物に来たんだろー?

 まずは用事を済ませよう」


正彦はそう言いながらもー

彼女の美優は、単純に

”ハンドルを握ると性格が変わるー”と、いうことではなくー

”もっと別の何か”なのではないかと、

強い不安を感じながら歩き出したー。


買い物中も、色々なことを考える正彦ー


”普段の美優は、あんな風にはならないー”

”美優が凶暴になるのは、運転中だけー”

”でも、実家の父親の車を運転してる時には、そうはならないと

 美優の姉さんが言っていたー”


「ーーー(どういうことだー…)」

正彦は困惑しながらも、美優に心配を掛けまいと、

美優のほうを見つめるー。


そしてー

ある”可能性”にたどり着くー


”車かー?”

とー。


そんなことはあり得ないー。


だがーー

”考えられる原因”は3つぐらいしかないー。


”実家の父親の車に乗っていたころとは、美優自身に心境の変化があって、

 今、美優が実家の車を運転すれば同じようになる”


”一緒に乗っているのが正彦だからー、こうなる”


”車に何か原因があるー”


このぐらいしか、考えられないー。


そう思い立った正彦は戸惑いながらもー

スマホを手に、美優の姉・蘭に電話で連絡を入れたー


ダメ元で”お願い”してみる正彦ー。

すると、美優の姉・蘭は

”いいよいいよ、今日ちょうど暇だったしー

 西駅の例のデパートにいるんだね?”と、

快く快諾してくれたー。



そしてーーー

買い物が終わったころには、美優の姉・蘭が

”実家の車”でデパートの駐車場に到着したー。


「ーーお待たせ~!!二人とも久しぶり~!」

蘭が笑いながら手を振ると、

美優が少し驚いた様子で「お姉ちゃん!?」と、

声を上げるー。


正彦が”美優の運転の件”で相談してー

急遽来てもらったことを美優に伝えると、

蘭に対して「なんかすみませんー」と、申し訳なさそうに頭を下げたー。


「ーーーそれで、どうすればいいの?」

蘭が言うと、正彦は美優に確認した上でー、

”豹変”のことを美優の姉・蘭に詳しく説明しー

先程の映像も美優の同意の上で、蘭に見てもらったー


蘭は困惑した表情で、

「ーーこれ…ホントに美優?」と、美優のほうを見ながら

心配そうに言葉を口にするー。


美優は、困り果てた表情で

「わたしも……どうしてこうなっちゃうのか、分からなくてー」と、

戸惑いの言葉を口にするー。


そして、正彦は、美優が豹変する仮説を蘭に説明したー。


美優の心境の変化、正彦と一緒の時だけそうなる、

あるいは車に何か原因があるー


それを確かめたいのだとー。


蘭は「オッケー」と、言いながら、

「じゃあ…まずーーー」と、

蘭が乗って来た実家の車を、美優が運転するように言うー。


「わたしと、正彦くんは後ろに乗ってるからー」

そんな言葉に、美優は緊張した様子で車の運転を始めるー。


デパートの駐車場を一度出てー、

周囲の道路を一周するような形で運転する美優ー


だがー、美優は豹変することなくー

そのまま普通に運転を終え、駐車場に戻って来たー


”姉の蘭を呼んだから”かもしれないがー、

少なくとも”車を運転すると性格が変わってしまう”

ということではなさそうだー。


「ーーー……」

正彦は、蘭と相談して、今度は”美優と二人”で、

美優の実家の車に乗るー。


だが、蘭がデパートで待っていて、いない状態でも

美優はやはり穏やかに、むしろ慎重すぎるぐらいの運転を

こなして見せたー。


「ーーーー…」

駐車場に再び戻って来た美優と正彦ー。


蘭と合流するとー

”美優の車”のほうを蘭は見つめたー。


「ーこの車に乗るとー

 美優が凶暴になっちゃうってことー?」


蘭はそう呟くと、

美優のほうを見つめるー。


「ーーーそ…そうなのかな…?」

戸惑う美優ー。


そんな美優を見て、蘭は

「ーーでも、この車を運転してる時だけ、おかしくなっちゃうなんてー

 そんなことあるのかなぁ~?」と、

呟きながら美優の車の運転席を確認し始めたー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ーーー”レベルMAX”の洗脳効果も確認したいー」


同時刻ー

カーディーラーでは、裏社会組織の幹部が

そう、店長の男に言葉を掛けていたー


「レ、レベルMAXですかー…?

 じ、事故が起きるかもしれませんよ?」


店長が流石に戸惑いながら言うと、

幹部の男は「構わんー。事故が起きても、運転してたやつの責任に

なるだけだー。俺たちに影響はないー」と、冷徹に告げるー


「ーわ、わかりましたー」

店長の男は、それだけ言うと”さらに洗脳電磁波のレベルを上げて”

モニターのほうを見つめたー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


そんなことを知らずー

駐車場で会話を続ける三人ー


「ちょっとエンジンかけてみるねー」

運転席を色々見ていた蘭は、そう呟くと、

車のエンジンをかけて、運転席に座ったー


「ーーー!!」

その瞬間ー、

蘭の脳に”レベルMAX”に強められた

洗脳電磁波が襲い掛かったー。


「ーーーー」

運転席で険しい表情を浮かべる蘭ー。


「ーお姉ちゃん?」

美優が不思議そうに首を傾げると、

蘭は、突然”豹変”したー


美優のようにー


「ーあ~~~~あ!出来の悪い妹のせいで、

 わたし、休みの日に呼び出されて

 こんな無駄な時間を費やしてるんだけどー


 ちゃんと分かってるの?」


蘭が車の運転席から顔を出しながら

外にいる美優のほうを見て、苛立った様子で言うー


「え…お、お姉ちゃんー?」

美優が困惑するー。


その様子を見ていた正彦はー

”やっぱり、この車に原因がー!”と、すぐにハッとして

「ーーーお義姉さんーすぐに降りて下さい!」と、叫ぶー。


だがー

蘭は「うるさい!お前も生意気なんだよ!」と、

ハンドルを乱暴に叩いたー。


「ーーーみ、美優!あの車だ!美優がおかしくなってたのも

 あの車のせいだ!」

正彦はそう叫ぶと、美優が「えっ!?えぇっ!?」と、

驚いた表情を浮かべるー


「ーその車ー危険です!すぐにー」

正彦がなおも、蘭にそう叫ぶもー

蘭は「うるさい!わたしに命令すんな!」と、

さっきまでの”良いお姉さん”のオーラが完全に失われた状態でー

車を急発進させたー


「ーーくくく…あははははははっ!」

血走った目で笑いながら猛スピードで駐車場から飛び出していく車ー。


「ーお、お姉ちゃん!待って!」

美優はそう叫ぶと、すぐに実家の車のほうを見てー

「ーーま、正彦ー…あ、あれでお姉ちゃんをー!」と、

車に乗り込みー、

暴走してしまった姉・蘭を追跡し始めたー。


・・・・・・・・・・・・・・


「ーお~~~お~~~ヤベェ効果じゃねぇか」


”洗脳レベルMAX”の効果を

モニタリングしている組織の幹部の男は

カーディーラーの店長と共に

満足そうな笑みを浮かべたー



③へ続く


・・・・・・・・・・・・・・・・・・


コメント


巻き添えを喰らってしまったお姉さん…

次回が最終回の予定デス~!☆


どうなってしまうのかは…

その目で確かめて下さいネ~★!

今日もありがとうございました~!

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