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「ーーーふぅ…」

とある会社の廊下で、緊張した様子で”順番待ち”をする大学生ー。


彼女は就職活動中で、

第1志望の会社の面接にやってきていたのだー。


就職先は、”次世代の保険”を掲げる会社で、

保険だけではなく、医療用の器具の開発や営業なども行っている会社だー。


”ネクスト・ケアレーション”株式会社ー。


”全ての世代のお手伝い”を掲げ、

介護などを意味する”ケア”と、

次世代を意味する”ネクストジェネレーション”を合わせて、

造語混じりの社名・”ネクスト・ケアレーション”を名乗っている会社だ。


そんな会社に魅力を感じ、第1志望に選んだ彼女ー、

平野 朱美(ひらの あけみ)は、

緊張した様子で、自分の順番が回って来るのを待っていたー。


面接が行われている部屋は”防音”加工が行われた部屋に

なっており、中の様子は見えないし、

中から声も聞こえてこないー


「ーーーー」

そんな状況であるために、面接がどのような様子で

行われているのかも分からず、

余計に緊張が高まってしまっているのも事実だったー


「ーーー(どうして誰も出て来ないんだろう…)」

朱美は、ポニーテールの髪を揺らしながら、

不安そうに面接が行われている”防音扉”のほうを見つめるー。


この部屋が4室ほど用意されており、

就活生は一人ずつ、順番に呼び出されているー。


けれどー

先程から誰一人として、この中から出て来ないのだー。


「ーーーーー」

ゴクリ、と唾を飲み込む朱美ー。


そうこうしているうちに、ついにー、

「平野さんーどうぞ」と、面接会場の中に呼び出されたー


”ーーーたくさん練習してきたし、大丈夫ー”

自分にそう言い聞かせると、朱美は「はい!」と答えて

面接が行われている部屋の中に入ったー


自分で言うのもおかしな話かもしれないけれどー

朱美は”面接が得意”だったー。


緊張はするけれど、頭の回転が速くー、

どんな質問でも、これまで面接中に的外れな回答を

してしまったことはないと思うー。


高校受験の時も、大学受験の時も、

アルバイトの面接のときも、

面接の評価は悪くなかったし、

今回、就職活動における面接の練習の時にも

担当の先生からは褒められているー


”質問されそうなことは一通り、練習してきたし、

 あとは自然に答えるだけー”


そんな風に思いながら”作法”に沿って、

部屋に入室し、着席をするー。


「ーーーー」

ネクスト・ケアレーション株式会社の面接官・佐久間が

入室した朱美を確認すると、履歴書を目を通しながら少しだけ頷くー


”何を見られているのか”は分からないー


「ーーー」

しかし、それを顔に出すことなく、朱美は

明るい笑顔を心がけながら面接に臨むー


「ーでは、まず当社を志望した理由をお聞かせいただけますか?」

面接官の男・佐久間(さくま)がそう呟くと、

朱美は「はい」と、明るく返事をして、

志望動機を口にし始めるー。


その返答は”テンプレート”のようにはなりすぎずー、

それでいて、担当者も納得するような、そんな言葉だったー


どんなに”花丸”の回答をしても、

それが”機械的で、マニュアル的な答え”だと、

時として面接は評価を得られないー。


本心でなくてもいいー。

けれど”己”の言葉で伝えることが大事だと、

高校時代の恩師が言っていたー。


それを意識しながら、志望動機を答えると、

面接官の佐久間は、満足そうに頷いたー。


表情から察するに、志望動機の回答に関しては

少なくとも悪い印象は与えていないと思うー。


「ーーー素晴らしいー」

面接官・佐久間はそう言いながら、軽く拍手をすると

「ーーですがー我が社が求める人材は

 ”ありきたりな面接”をクリアできる人間ではありません」と、

ニヤニヤしながら言葉を口にするー。


そんな佐久間の言葉に、

朱美は少し困惑したような表情を浮かべるー


だが、朱美の反応も他所に、面接官の佐久間は

言葉を続けたー


「面接とは”演じる”ことー

 ですが、我々はステージの上で演じる皆さんではなく、

 ”生”の姿が見たいー

 そうー

 ”リアル”の姿をーーー ね」


それだけ言うと、佐久間はかけていた眼鏡を手にー

何かボソッと呟くとー

次の瞬間、眼鏡から激しい光が放たれるー


「ー!?!?!?!?!?!?」

あり得ないほどの眩しい光が面接が行われている

部屋を包み込むー


しかし、その光はすぐに消えて無くなりー

部屋は再び静寂に包まれたー


「ーーーーー」

朱美は、眩しそうに目を開きながら周囲を見渡すー。


”今の光はいったいー?”

そう思いながら、すぐに面接官の方に視線を戻すとー

朱美の視界には”信じられない光景”が広がっていたー


「ーーーー…え……???」


あり得ない光景に、朱美は思わず自分の目を疑ってしまうー


それもそのはずー

”目の前”に自分自身が”座っていたのだからー。


「ーーー…!?!?!?」

朱美は、どういうことかと思いながら、背後を振り返るー。


しかし、そこにも面接官である佐久間の姿はないー。


いやー

それだけじゃないー。


背後を振り返った朱美が見た光景はー

”さっきまで自分が見ていた光景”だったー。


それはつまりー

光に包まれた直後ー

自分は”面接官が座っていた方の椅子”に座っていることを

意味していたー


「ー…え…担当者の方はどこにー…?」

そこまで声を出して、朱美は驚くような表情を浮かべたあとにー

自分の口元に手を持って行くー


「ーーあ… あ~~~ あ…」

”喉”の調子がおかしいと言わんばかりにそう声を出すと、

朱美は、顔を真っ赤にしながら「ーど、どうしてーーこ、声がー…?」

と、不安そうな表情を浮かべたー。


自分の座っている位置が変わっていてー

目の前に”自分”がいてー

自分の口から出る声がー”男の声”になっているー


それにー…


「ーーえっ… えっ… えっ!?」

スーツの上から自分の胸のあたりを触る朱美ー。


しかしー

そこに、”慣れ親しんだ膨らみ”はなくなっていて、

何もないー

平らな手触りが朱美の手にー

普段の自分の手よりもごつごつした感じの手に伝わってくるー


「ーーーこ…これは、いったい…どういうー…?」


朱美はようやく理解したー。


いやー、理解は出来ていないー。

何故こうなったのかは理解できていないー


けれど、”今、どうなっているのか”は、理解したー。


「ーーーやっと状況を飲み込めたみたいだねー」

目の前にいた”朱美”が笑みを浮かべたー。


すると、姿勢を正して座っていた朱美が、

足を開くような姿勢に変えると、

「ーー君と身体を入れ替えさせてもらいました」と、

笑みを浮かべながらー朱美になった面接官・佐久間が

言い放ったー


「ーーそ…それは…ど、どういうことですかー?」

面接官・佐久間になった朱美が困惑しながら言うと、

「ーーーこういうことです」と、

朱美(佐久間)が笑みを浮かべながら、

朱美の胸を堂々とスーツの上から揉み始めたー


「ーえっ!?ちょっ!?!?!?」

佐久間(朱美)は思わず椅子から立ち上がってしまうー。


しかしー、朱美(佐久間)はニヤニヤしながら

「どうしましたか?今は面接中ですよ?」と、

意地悪な表情を浮かべながら言うー。


「ーーそ、そ、それはー…」

佐久間(朱美)は、その言葉に困惑しながらも

「ーー早く座りなさい」

朱美(佐久間)はなおも胸を揉みながらそう言い放つー


「それとも、”面接官”である私に逆らいますかぁ?」

朱美(佐久間)の言葉に、

佐久間(朱美)は困惑しながら周囲を見渡すー。


”こ、これはー…ど、どういうことなのー?”


目の前でニヤニヤしながら胸を揉んでいる”自分”を見つめながら

自分の中で今の状況を理解しようとする朱美ー


「あ…♡ ほんと、気持ちイイなぁ」

朱美(佐久間)がニヤニヤしながら笑うー。


しかしー

佐久間になった朱美は、冷静に自分の中で考えを巡らせるー。


「面接とは”演じる”ことー

 ですが、我々はステージの上で演じる皆さんではなく、

 ”生”の姿が見たいー

 そうー

 ”リアル”の姿をーーー ね」


そういえばー

入れ替わる直前、面接担当者の佐久間は

そんな言葉を口にしていたー


”わたし……試されているのー?”


自分の身体が”奪われた”という焦りの中でもー

朱美は冷静にそう考えてー

佐久間の身体のまま椅子に座ると

「続けて下さい」と、言い放つー


「ほぅー」

朱美(佐久間)は少しだけ感心した様子でそう言うと、

足を組んで、にやりと笑いながら、

胸から手を離したー。


「ーーーでは、この身体は好きにしてもいいということですね?」

朱美(佐久間)はニヤニヤしながら、そう言い放つと

人差し指を口の中に入れてペロペロと舐め始めたー


「んっ…♡ 美味しい…♡」

朱美(佐久間)は、明らかに興奮した様子を見せながら

顔を赤らめているー


イヤらしく、自分の指を何度も何度も舐める

”自分”が目の前にいるー。


「ーー…め、面接の続きをお願いしますー」


佐久間になってしまった朱美は、当然動揺はしていたー。


けれど、それを悟られないように、堂々と

朱美(佐久間)に対してそう言い放つー。


ネクストケアレーション株式会社の面接は”変わっている”という

噂を聞いたことはあるー。

具体的に”何が”変わっているのかは分からなかったがー

とにかく、”面接の常識が通用しない”みたいな情報は

ネット上にも転がっていたー


それが、これだと言うのだろうかー。


「ーー面接~~?

 そんなことより~エッチなことしたいなぁ♡」


朱美(佐久間)が、あざといポーズを取りながら笑うー


「や、やめてくださいー」

流石に我慢できなくなったのか、佐久間(朱美)が

そう言うと、朱美(佐久間)はニヤニヤしながら、

自分の髪を触りながら、時々そのニオイを嗅ぐような

仕草をしているー


「ーこんなのセクハラですよー」

と、いう言葉が喉まで出かかったー。


事実、セクハラとしか思えないしー

そもそも”入れ替わり”で相手の反応を見る面接なのだとしたらー

男性には男性を女性には女性の面接官を当てれば良いのでは?と、

朱美は思うー。


確か、4室あったうち、2室は女性の面接官が

入っていくのを見たー。


「ーーーまぁ、いっか

 面接を続けよっかなぁ~」


朱美(佐久間)は笑いながらそう言うと、

再び着席して、

佐久間(朱美)のほうを見つめたー。


「ーーじゃあ~~~」

ニヤッと朱美(佐久間)が笑うと、

自分の片方の胸を揉みながら

「この胸は何カップですかぁ~?」と、質問してきたー


「ー…そ、そんなこと!」

思わずカッとなって声を上げそうになる佐久間(朱美)ー


しかしー…

佐久間(朱美)は、何とか冷静になると

「それはお答えすることはできません」と、答えたー。


「ーーーへ~~じゃあ、脱いで直接確認しちゃおっかなぁ~?」

悪そうな笑みを浮かべながら朱美(佐久間)がこっちを見て来るー


まるで”悪女になった自分”を見せ付けられているような、

そんな変な感覚に陥ってしまうー。


だがー、それでも佐久間(朱美)は我慢したー。


これはきっとー

”入れ替えられた相手の反応を見る目的”の

面接であると、そう感じて、佐久間(朱美)は、

ひたすら”面接”としてそれに応じるー。


「ーーこんな場所で服を脱ぐのは、問題があると思いますがー」

佐久間(朱美)は、怒りと恐怖で顔をピクピク

震わせながらそう言い放つと、

朱美(佐久間)は「それもそうですね~~~!」と、笑いながら

「じゃあ、次ー」と、

面接を続けるー


「ー彼氏はいますか?」

「ーお答えできません」


「ーーオナニーは週に何回しますか?」

「ーー就職には関係ありません」


「ーどんなヤリ方が好みですか?」

「ーーお答えできません」


「ー最後にセックスしたのはいつですか?」

「ーーお答えできません」


やり取りを淡々と繰り返す佐久間(朱美)ー


”自分の口”から、

オナニーだのセックスだの言われてしまうと

妙に恥ずかしいような、寒気のするような感覚を覚えるー


「ーーー……何事にも動じないその対応力ー

 素晴らしいー」


朱美(佐久間)はそれだけ言うと、

佐久間(朱美)のほうを見つめたー


「ーありがとうございます」

怒りや恐怖や悔しさのような色々な感情を

覚えながらも、

朱美は佐久間の身体で冷静に対応したー。


その冷静さが評価されたのだろうかー。


これで”身体を元に戻してもらえる”ー

そんな風に思った佐久間(朱美)ー


だがー

朱美の身体になった面接官の佐久間は

予想外の行動に出たー


突然立ち上がると、朱美が入ってきたほうの

扉ではないほうの扉の方に向かい始めるー


朱美の前に面接を受けた人間が、

一人もこの部屋から出て来なかったのは

”出入口がもう一つあったから”なのだろうー


そう思っていると、

朱美(佐久間)は、にっこりと笑いながら

「では、面接はこれまでー。

 ありがとうございました」と、

入れ替わった状態のまま、部屋の外へと

出て行こうとしたー


「えっ!?」


”身体の持ち逃げ?”


朱美は心の中でそう思いながら慌てて椅子から立ち上がって

「ー待ってくださいー!」

と、叫ぼうとしたー



②へ続く


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


コメント


”入れ替わった相手の反応を見る”

そんな恐ろしい面接のお話デス~!


私が受ける側だったら

ずっと狼狽えていそうデス…笑


お読み下さりありがとうございました~!

次回も楽しみにしていてくださいネ~!

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