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美咲は、闇に堕ちていくー。


皮にされて、自我も身体の主導権も残されたまま

”内側”から残酷な命令を続ける謎の男・”ガーデナー”。


その命令に背くことができないまま、

美咲は、次々と悪事に身を染めていくー。


全部、大切な人たちを守るためー。


けれどー…


☆前回はこちら↓☆

<皮>闇に染まる花③~支配~

ガーデナーを名乗る謎の男に皮にされてしまった美咲ー。 美咲は、身体の自由を”あえて”残されたまま、 内側に潜むガーデナーから次々と悪魔のような命令を下されるー。 従わなければ、身体を乗っ取って 大切な人たちを殺すー。 そう言われた美咲は、逆らうことができないまま、 闇に染まっていくー。 ★前回はこちら↓★ ・...

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「美咲が、そんな子だとは思わなかったー

 もう、美咲とこれ以上付き合うことはできないー。

 ごめんー」


”美咲が男子と手当たり次第、ヤッているー”


そんな噂を聞いた亮太に問い詰められてから数日ー。


”ガーデナー”の命令で亮太の前で開き直った美咲は、

亮太に改めて呼び出されて、

亮太から別れを告げられたー。


”逆ギレしろー”


そんなガーデナーの命令にー

美咲の心はもうー、とっくに壊れていたー。


逆らおうと思えば、逆らうことはできるー。

けれど、そんなことをしたら、

この男ー、”ガーデナー”は容赦なく美咲の身も心も完全に支配して、

宣言している通りに、美咲の大切な人間を次々と殺していくのだろうー。


「ーーはぁ…?あんたに魅力がないから、

 他の男子で遊ばないと欲求不満になるのよ!!」


美咲が怒鳴り声を上げるー。


”ガーデナー”が、身体を直接乗っ取っている訳ではないー

ガーデナーに脅されているとは言え、

この行動を選択したのは、”美咲自身”ー


”美しいー

 美しいー

 美しィィィィィィィィィィィ!”


美咲の中で叫ぶガーデナー。


”枯れゆく葉のようにー

 枯れゆく枝のようにー

 枯れゆく花のようにー

 

 俺に皮にされた人間が、歪み、闇に堕ちていくのを見るのがー

 俺にとって、何よりの喜びー”


「ー美しぃぃいいいいいいいいいい!!!!」

美咲が突然、大声で叫ぶー。


あまりに興奮しすぎた”ガーデナー”が、つい美咲の身体の

内側ではなく、外側で感情を爆発させてしまったー


彼氏の亮太ー

いや、”たった今から”ー、”元カレ”になる亮太は

表情を歪めながら「何なんだよ…いったい!」と、

うんざりした様子で、「もう、終わりだー」と、

そのまま立ち去って行ってしまうー。


「ーーー」

一人残された美咲は、再び身体の主導権を取り戻して

その場に座り込んで、

泣きながらクスクスと笑いだすー。


「ーぜんぶ…ぜんぶ…だめになっちゃうー

 わたしの人生…ぜんぶ…ぜんぶー」

美咲が泣きながら笑うー。


”実に美しいー

 俺の芸術魂も、お前のおかげで燃え上がっているよー”


ガーデナーが笑うー。


「ー……今までも、こんなこと、してきたのー…?」

美咲が呟くー


”ーーあァー、そうだー。

 一人壊れたらまた次にー

 次の奴も壊れたら、またその次にー


 お前が壊れたら、まだその次にー


 今までも、これからも、俺は

 花を闇に染めて、散らすー

 それだけだー”


その言葉に、笑い出す美咲ー


「ーーあなたは狂ってるー…

 完全にイカれてるー

 あなたはー…それでも、人間なの!?

 あなたに人の心はないの?」


美咲が泣いて笑ったまま呟くー。


”ーークククー

 俺は”ガーデナー”ー

 人の心なんて、とっくに捨てたー


 俺はー

 ククー

 闇に染まる花々に芸術を見出した

 モンスターだー”


余裕の笑みを浮かべて、

そう呟くと、ガーデナーは

美咲に対して言い放つー。


”何を言おうと、お前に逆らうことはできないー。

 家族を、友達を、恋人を、死なせたくないだろうー?


 俺がその気になれば、いつでもお前の身体を完全に乗っ取って

 兄貴も、両親も、友達も、彼氏ーいいや、元彼氏もー

 みんなみんな地獄に送ってやることができるんだー。


 そうはしたくないだろうー?


 だったらー、黙って俺の言う通り闇に染まれー”


「ーーーーーーーー」

涙を流しながら黙り込む美咲ー


”俺の庭の中で歪めー、染まれー、壊れゆけー…!”


ガーデナーは、美咲の中でそう叫ぶと、邪悪な笑みを浮かべたー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


ガーデナーによる支配は続いたー。


”ガーデナー”は飽きもせずに、美咲に対して命令を下し続け、

美咲が”自らの意思”で悪事に手を染めていき、

闇に染まっていくのを、心の底から楽しんでいたー。


「ーーやめて…!やめてよ!」

美咲が、親友の加奈を呼び出して、

一人、空き教室で無理矢理、加奈にキスを繰り返しているー


「えへへへ…いいじゃん~女の子同士なんだしぃ…♡」

美咲の目は、完全に正気を失っているー


しかし、それはガーデナーが身体の主導権を握っているわけではないー


美咲が、自分でやっていることだー。


「ほらー…ほら!わたしに触らせてよ…!

 ふふっ…あははははははははっ♡」


人間は、極限状態が続けばー

その極限状態で、命令されると、

”おかしな服従状態”に陥ってしまうー。


美咲は、壊れていたー

美咲は、闇に染まっていたー。

もう、元には戻れないぐらいにー


”押し倒せー”

ガーデナーがそう呟くー


がー

それを言い放つ直前に、美咲は既に加奈を押し倒して、

激しいキスをしながら笑っていたー。


”ククー…素晴らしい”

ガーデナーは笑みを浮かべるー


もはやー”命令”しなくても、

美咲はこういうことをするようになったー…

自発的にー。


「ーーーほら…♡ ほら…わたしたち、友達でしょぉぉぉ♡」

美咲が狂ったように笑うー。


壊れたー

真面目で、優しそうでー

花のような存在だったこの少女がー

完全に”壊れた”ー。


ニヤッと笑みを浮かべるガーデナー。


”素晴らしいー 

 美しいー

 もっとだ、もっともっともっと、闇に染まれぇぇぇ!”


そのガーデナーの想いに共鳴するかのように、

美咲は笑いながら加奈を滅茶苦茶にー

気が済むまで、欲望を満たすための道具にしたー。


やがてー

加奈は泣きながら美咲をビンタして、

そのまま乱れた状態で逃げ去っていくー


一人残された美咲は、その場に座り込んで、

加奈に助けを求められた先生たちが

駆け付けて取り押さえられるまで、

一人、笑い続けたー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ーーーふふ…ふふふふふふふ…」

美咲は、部屋に引きこもりがちになったー


”なるべく”誰とも話したくなかったー。


誰かを傷つけてしまうかもしれないからー


そしてー

”大切な人たちに、これ以上蔑まれるのには、耐えられなかったからー”


兄の真守は、今の美咲のことも、心配してくれてはいるー。


しかしー

美咲に首を絞められて、殺されそうになった真守は、

あの時以来、美咲とは距離を取るようになってしまったー。


”心配してくれてはいるー”


でも、

”距離を感じるー”


そんな状況ー。


もう、元には戻れないー。


真っ暗な部屋で、美咲はスマホを手に、

笑みを浮かべるー


”ーーーー”

ガーデナーは、そんな美咲の姿を美咲の内側から

見つめながら笑みを浮かべるー。


花はー

”散るまでの過程”が美しいー。

完全に、散ってしまったらー

完全に闇に染まってしまったらー

あとはもうー、興味はないー。


”机の角で激しくイけー”

ガーデナーが命令を下すー。


美咲は、笑いながらスマホを放り投げて立ち上がるとー

無我夢中で、角オナを始めてしまうー。


もはや、美咲本人の意識も、完全に壊れかけていたー


”クククーいいぞー

 お前が興奮すればするほど、お前の中にいる俺も

 興奮するー…!


 クク…そうだ!もっと激しくー!もっと快感をお前自身の身体に刻め!”


美咲の心の中で笑うガーデナー。

嬉しそうに笑う美咲ー。


隣の部屋にいる真守にも、美咲が喘ぎながら角オナを楽しんでいる

声が、聞こえているかもしれないー


けれどーもう、美咲にはそんなこともどうでもよかったー。


”わたしは、どうせー自分の意思で好きなこともできない

 操り人形だからー”


自暴自棄になった美咲は、この角オナの快感を楽しんでいたー


笑いながら顔を赤らめて気持ちよさそうに声を出す美咲ー。


”ククっーーすばらしいー!すばらしいぞ!”

ガーデナーにも、美咲の身体を通じて興奮が伝わってくるー。


”もっと喘げ!もっと快感をその身で感じろ!

 はははっ!はははははははっ!”


ガーデナーは、自分が美咲を支配する前の

美咲のことを思い出すー。


今の美咲と、支配される前の美咲は

もはや”全くの別人”ー


最初は”ガーデナー”に抵抗していた美咲も、

今やほとんど言いなり状態ー。


ハムスターのモフちゃんを殺すように言われた時に、

泣いていた美咲の姿は、もうないー


嬉しそうに喘ぎ続ける美咲を見てー

その快感を内側から感じ、興奮したガーデナーは叫んだー


”どけっ!”

とー。


美咲の意識を強引に心の奥底に封じ込めて

美咲の身体を完全に支配すると、

美咲が楽しんでいた角オナの続きを

ガーデナーが美咲の身体で楽しみ続けるー


「くくく…闇に染まった花はー

 くくくく…美しい… 実に、美しいー!」


美咲の口でそう叫ぶと、

狂ったように笑いながら、

ガーデナーが満足するまでー

美咲の身体を何度も何度も刺激して、

夜のお楽しみを続けたー



”隣から妹の喘ぐような声が聞こえるー”


「ーーー美咲ー」

兄の真守は、美咲の豹変ぶりに困惑しー

美咲と距離を取っていたー。


あの日、ガーデナーに支配された美咲に

危うく殺されかけた真守は、

自分自身の身の危険を感じて、

美咲から距離を取っていたー。


”ガーデナーに支配された”などということを

真守は知らないし、

こうするしかなかったー。

自分が死んでしまってはそれで終わりだし、

仮に美咲がおかしくなったことに”理由”があるのだとしても、

やはり、美咲を助けるためには

自分が死んでしまってはいけないー


ファンタジーの世界のように、死んだ人間が

生きている人間を助けてあげることなんて、

できないのだからー


大切な人を支えるためには、自分自身が”命”を持っていなければいけないー

命を落とせば、誰も助けることはできないー


だからー

真守は距離を取りながら、美咲の異変について、調べ続けていたー


まるでー

”二重人格”のように、美咲が誰かと話しているかのような声を

何度か聞いたー。


だがー

二重人格とは違う気がするー。


そう思いながら、真守は美咲がおかしくなった日からー

美咲の異変について、毎日のように調べていたー。


美咲本人に聞いても、美咲は何も答えてくれないし、

最近は急に笑ったり、虚ろな目を浮かべていたり、

さらにおかしくなってきている気がするー。


「ーー美咲ー…」

”美咲の身に何が起きているのか”


まだ、兄の真守はその答えにはたどり着けていないー。


けどー


「ーーーも~!またそんなこと言って~!

 周りはどうでも、わたしにとってお兄ちゃんは

 死ぬまでたった一人のお兄ちゃんなんだから、

 もっと自信持って! ね!」


美咲の笑顔を思い出すー


”俺は取り戻すー美咲をー、必ずー”

真守はそんな決意を固めながら、

何とか美咲の異変の原因を突き止めてー

”治療”しようと考えていたー


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


”教室で、暴れろー”


美咲は、その命令通りー

教室で笑いながら暴れたー


”もう、どうにでもなっちゃえ”


多くの大切なものを失いー、

人生を滅茶苦茶にされてー

お兄ちゃんにも、親友にも、彼氏にも、

両親にも、嫌われてしまったー

そう、思った美咲は、完全に自暴自棄になっていたー


ガーデナーの言いなりになって、

自ら、闇に染まって行ったー。


「ーあははははは…あは…あははははははは」

泣きながら笑って、座り込む美咲ー


机に、椅子に、あらゆるものを滅茶苦茶にした教室で、

先生が駆け付けて来て、

美咲はそのまま”退学”処分になったー


少し前の加奈の件もそうー

既にガーデナーの命令で、何度か停学になって、

指導も繰り返されていたことでー

もう、学校側の対応も限界だったー


退学になった美咲は笑うー


「わたしの人生、メッチャクチャ…」

と、ニコニコしながら涙を流すー。


”ーー美しいぞー”

ガーデナーが美咲をほめるー


佐久間 美咲は闇に染まったー。

本当に、美しかったー


ガーデナーはそう思いながら

笑みを浮かべるー


だが、もう、それもじきに終わりだー


”闇に染まる過程は美しいー”


だが、闇に染まりきったあとの花に、

ガーデナーは興味がないー


”今まで楽しかったよー

 佐久間 美咲ー”


美咲に対して、心の中でそう呟くと、

ガーデナーは不気味な笑みを浮かべたー



⑤へ続く


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


コメント


凶悪な愉快犯(?)ガーデナーに

一矢報いることはできるのでしょうか~?


次回が最終回デス~!


今日もありがとうございました~!

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