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「ーーーお前が妹になるんだよ!!!!!」


「ーーー…!」

親友の言葉に、唖然とした表情を浮かべる男子大学生ー


あまりの衝撃的な出来事に

ついつい言われるがままに”妹の皮”を身に着けた彼は、

女子高生になったー。


女子高生の身体を着て、その身体を支配した彼ー。

しかし、彼が、女としての身体や、

その声ー、色々な変化を十分に堪能する前に、

目の前にいた”親友”は言い放ったー。


「ーーまずは俺を”お兄ちゃん”と呼んでくれー」


親友の言葉に、その親友の”妹”の皮を身に着けた彼は

表情を歪めたー。


「ーーい…いや…おまえ…何を言ってー」

可愛らしい声のまま、そんな言葉を呟くと、

親友は叫んだー


「ーー”おまえ”じゃないッ!お兄ちゃんだ!!!!」

とー。


なんだ、なんなんだこの展開はー!?

どうして、こうなったんだー!?


親友に、”親友の妹”の皮を無理やり着せられた挙句、

”お兄ちゃん”と呼ぶことを強要されている

男子大学生の西岡 哲雄(にしおか てつお)は、

ここに至るまでの出来事を、頭の中で振り返り始めたー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・


数時間前ー。

哲雄は、同じ大学に通う

親友・星村 幸徳(ほしむら ゆきのり)の家に

向かっていたー。


”どうしても見せたいものがある”


そう、言われたのは昨日のことだったー。


「ーー見せたいものって何なんだろうなぁ…」

哲雄は、そんな風に呟きながら、幸徳の家に向かうー。


大学進学後に一人暮らしを始めた哲雄ー。

上京してきて、周囲に知り合いも少ない中、

意気投合して最初に仲良くなったのが哲雄だー。


実家暮らしの哲雄には茜(あかね)という名前の

可愛らしい妹がいて、現在は高校2年生ー。


哲雄自身も、幸徳の家に定期的に遊びに行っていることから、

茜ともある程度親しくなりー、

今では本当の妹のように可愛がっているー


「ふ~…ついた」

ようやく、幸徳の家の前にやってきた哲雄は、

立ち止まると、インターホンを鳴らすー。


すると、幸徳の母親が玄関から顔を出したー


「あら…西岡君、いらっしゃいー」

幸徳の両親とも面識がある哲雄は「あれ…?幸徳は留守ですか?」と、

首を傾げながら呟くー。


いつもは、大体幸徳が出て来るのだが、

今日は何故だか母親が出て来たことで、

一瞬、幸徳が留守なのかと思ったのだー。


「ーー幸徳なら、2階の自分の部屋にいるわよー

 何でも、手が離せないらしくてー」


幸徳の母親が苦笑いしながらそう言うと、

「ーははは…俺が部屋に行っても大丈夫ですかね?」と、

幸徳の母親に確認したー。


「ーあ~それなら大丈夫じゃないかしら?

 ”哲雄が来たら入れてやってくれ”って言われてるしー」


母の言葉に、幸徳は「わかりました」と、頷くと、

「じゃあ、幸徳の部屋に行きますね」と、

幸徳の母親に伝えて、そのまま親友・幸徳の部屋へと向かったー。


「ーー幸徳 来たぞ 入っていいか?」

幸徳の部屋をノックしながら、哲雄が言うと、

”おう!いいぜ!”と、中から

いつも通りの幸徳の声が返ってきたー。


「ーーーよ!で、何だよ?どうしても見せたいものって」

哲雄がそう言いながら幸徳の部屋に入ると、

幸徳は眼鏡をいじりながら、笑みを浮かべたー。


「へへへへ…見て驚くなよー」

幸徳はそう言うと、自分の部屋の押し入れを開けてー

中から何かを取り出したー


「ーじゃ~~ん!」

嬉しそうに、押し入れから取り出したものを

広げて見せる幸徳ー。


「ーーーーーは?」

それを見て、哲雄は表情を歪めたー。


幸徳が押し入れから取り出したのは、

妹の茜”そっくり”の、着ぐるみのようなものだったのだー


「ーーははっ…おいおいおいおいおい」

哲雄は思わず笑ってしまったー


「ーお前、マジかよー?

 いや、お前が茜ちゃんのこと、すごい大事にしてるのは

 知ってるけどさ、さすがにそれは、あれじゃねー?

 シスコン…って言うんだっけ?

 妹好きのレベルが度を越してるだろ?」


哲雄がそう言いながら、

幸徳が持っている”茜の着ぐるみのようなもの”を見つめるー


幸徳は妹の”茜”を溺愛しているー。

何かあれば茜のことをものすごく心配していたし、

茜と一緒にいる幸徳は、いつもとても楽しそうだったー


そのことは哲雄もよく知っていたー


だが、まさか

”妹そっくりの着ぐるみ”を作ってしまうなんてー。


「ーいくら妹が好きだからって

 妹そっくりの着ぐるみを作っちまうなんてー

 茜ちゃんが知ったら、絶対怒るだろ?」


哲雄は、そんな風に呟くー。

だがー、幸徳は笑みを浮かべたー。


「ははははー

 何言ってんだよ哲雄ー」


笑いながら軽い口調で言う幸徳ー。


だが、次の瞬間、幸徳は信じられない言葉を口にしたのだー


「ーこれ、着ぐるみじゃなくて、茜本人だけど?」

とー。


「ーーーーー…は?」

哲雄の表情からみるみる笑顔が消えていくー。


幸徳が何を言っているのか全く理解できないー


「ん~っと…

 わるい、ちょっと意味分かんねぇけど、どういうこと?」

哲雄が思わず聞き返すと、

幸徳は、”茜の着ぐるみのようなもの”を持ちながら

言い放ったー


「だから、これは茜そっくりの着ぐるみじゃなくて、

 茜本人なんだよー」


幸徳は、真顔でそう呟くー


「ーーい…いやいやいやいやいやいや

 茜ちゃんは人間だろ?

 何言ってんだよー」


混乱しながらそう言い返す哲雄ー。

だが、幸徳は真顔のままー。

哲雄は、冷や汗をかきながら

背後を振り返って、幸徳の部屋の隣にある

茜の部屋をノックしたー


「ーー茜ちゃん!

 いるか?」


とー。


だが、茜の部屋から返事はないー。


「ーーー…茜ちゃん!?茜ちゃん!」

さすがに心配になった哲雄は、茜の部屋の扉を

そのまま開いてしまうー。


「ーーーいないー」

だが、部屋の中に茜の姿はなかったー


「ーーははは…だから言っただろ?

 これは茜なんだって」


背後から幸徳の声がして、茜の部屋の入口に

立っている幸徳のほうを見つめるー


「お…お…おまえ…

 え…? え…?何しちゃってんの?」

哲雄は震えたー。


「ーーーえ………茜ちゃんを………え…?」


まさか”殺したのか?”

そんな考えが頭をよぎってしまうー。


もし、目の前にいる幸徳が持っている

”茜そっくりの着ぐるみのようなもの”が

本当に茜本人なのだとしたら、

茜は、とてもじゃないが、

”生きている”状態には見えないー。


「ははは、大事な妹を殺すわけないだろー。

 俺が茜を愛してるのは、お前も知ってるだろ?」


幸徳の言葉に、哲雄は「じゃ…じゃあ、どういうことだよ?」と

言い返すー。


幸徳は眼鏡をいじりながら、鋭い目つきで哲雄のほうを見つめるとー


「ー茜を”皮”にしたんだー」

と、注射器のようなものを手にして、笑みを浮かべるー。


「ーーかー…皮…?」

眼鏡をかけたインテリ風の幸徳ー


普段は理知的に見えるが、

今はイカれたサイコパスに見えるー。


「ーーー…そう。皮だー。

 今の茜、まるで着ぐるみみたいだろ?」


幸徳はそう言うと、

「ー”着ると”茜の身体を支配できるんだよー。」と、

言葉を続けたー。


「ーーは…はぁ?」

ますます意味が分からないー。


「ーー皮になった茜を着ると、

 茜の身体、茜の声ー、茜の全てを自分のものに

 することができるんだー」


幸徳はそう説明すると、

哲雄は「まさかお前!?」と、叫ぶー。


「ーーい、妹が大好きすぎて、

 自分が茜ちゃんになろうとか…そういうこと考えてるのか!?」


哲雄は、そう思ったー


だが、幸徳は眼鏡の位置を左手で調整すると、


「ーーーお前が妹になるんだよ!!!!!」


と、叫んだー


「ーー!?!?!?!?!?!?!?」

困惑する哲雄ー。


「な、何だって…?今、何て言ったー?」

哲雄が思わず聞き返してしまう。

先程から、理解できないことの連続すぎるー。


「ーお前が、茜の皮を着て、茜になるんだ」

幸徳は、”当たり前だろ?”と言わんばかりの表情で

そう呟くー。


「いやいやいやいや…全く意味が分からねぇ!

 な、なんでこんなことするんだー?」


哲雄が混乱しながら叫ぶー。


「お、お前、茜ちゃんのことすごい可愛がってたじゃないか!

 こ、こんなことして、しかも、俺に茜ちゃんになれだって???


 お前は、中身が俺の茜ちゃんでいいのかよ!?」


困惑の哲雄の叫びに、

幸徳は眼鏡をいじりながら、寂しそうに呟いたー


「いいんだー。

 茜は、もう俺のことなんて、何とも思ってないんだからー」


悲しそうな幸徳の表情ー。


「ーおいおい、何だよー。

 アニメみたいに回想フェイズにでも入るつもりか?」


哲雄は、咄嗟に冗談を口にしながらも、

すぐに「まぁいいやー。茜ちゃんにこんなことした理由を

聞かせてくれ」と、言葉を続けたー。


「ーーーあぁ…

 …茜はー…俺を…俺を裏切ったんだー」


「ーーは?」

哲雄が首を傾げるー。


「ーー先月のことだったー。

 茜は嬉しそうに高校から帰ってきて、俺に言ったんだー」


「ーー何を?」

ますます意味が分からないー。


幸徳は、そんな哲雄の態度を見て、

言葉を続けたー


「ーー”彼氏ができた”ってなー。

 茜はー

 俺のことなんて、どうでもよかったんだー」


真顔でそう説明する幸徳ー


思わず哲雄は、口をぽかんと開けたまま、

しばらく言葉を失ってしまうー。


「ーーい…いや…彼氏ぐらいできる子はできるだろー。

 なんで、それがお前への裏切りになるんだよー。

 それともなんだ?茜ちゃんが

 ”お兄ちゃんとは絶交する!”と、でも言ったのかー?」


哲雄がなだめるようにして言うと、幸徳は

「ー茜をこの世で一番愛してるのは俺だ!

 それなのに、何で彼氏なんかー!」と、叫ぶー。


「ーいや、待て!お前!それはシスコンが過ぎるぞ!」

哲雄は咄嗟に叫んだー


「ーってか、お前も彼女いるだろうが!

 兄のお前は彼女作ってもいいけど、

 妹の茜ちゃんは彼氏作っちゃいけないって言いたいのか!?」


叱る口調の哲雄ー。

だが、幸徳は真顔で答えた


「そうだ」

とー


「ーはぁ!?」


幸徳が”妹好きすぎ”なのは分かっていたが、

まさかここまでとは思わなかったー


これじゃ、ただのヤバい兄貴だー。


「ーーじ、じゃあ、まさかお前は、茜ちゃんに彼氏が

 できたから、茜ちゃんに裏切られたと感じて、

 茜ちゃんをこんな状態にして、

 しかも俺に茜ちゃんになれって、そう言ってるのかー?」


「そうだ」

幸徳は即答したー。


その表情からは、”冗談”の色は一切読み取ることができないー。

幸徳は”本気”だー。


「ーーーー…」

呆然としてしまう哲雄ー。

完全に、イカれているー。


そうとしか、思えないー。


「ーーネットで偶然、”人を皮にできる注射器”を見つけてなー。

 だれかに”茜”になってもらおうと思ったんだー

 男になんかたぶらかされる妹は、俺の妹じゃないッ!

 

 だから、完璧な妹になってくれる人間を探してたんだー!」


幸徳はそこまで言うと、哲雄を指さしたー


「哲雄、それがお前だよー。

 お前は一人暮らしだから、お前がいなくなっても

 そこまで大きな問題にはならないだろうし、

 失踪扱いになるだけだー。


 そして、お前は茜のことをある程度知ってるし、

 俺の家のことも多少は知ってるー


 お前こそ、茜にふさわしいー」


幸徳の言葉に、哲雄は「いや、無理!絶対ー」と、

首を横に振るー


「ー着ろ」

茜の皮を指さす幸徳ー


「ーいや、待て!幸徳ー」


「ー着ろぉおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」

大声で叫ぶ幸徳ー


「い、いやー待て、ちょ!わ、わかった!

 ちょっとだけだぞ!」


哲雄は、幸徳が興奮状態にあることに焦りー、

押し切られる感じで、茜の皮を身に着けてしまうー


茜になった哲雄ー。

”女子高生”になったことに、衝撃を受ける間もなくー

幸徳は言葉を口にしたー。


「ーーまずは俺を”お兄ちゃん”と呼んでくれー」


「ーーい…いや…おまえ…何を言ってー」

可愛らしい声のまま、そんな言葉を呟く哲雄ー。


だがー

茜になった哲雄に対して、幸徳は大声で叫んだー。


「ーー”おまえ”じゃないッ!お兄ちゃんだ!!!!」

とー。



②へ続く


・・・・・・・・・・・・・・・・


コメント


今日から皮モノの新作が連載スタートデス~!


いきなり親友の妹にされてしまった彼の運命を

ぜひ見届けて下さいネ~!


今日もありがとうございました~!

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