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とある豪邸に住むお金持ちのお嬢様・瑠梨ー。

しかし、彼女には”19人”の人間が憑依している状態で、

瑠梨の意思は幽閉された状態になってしまっていたー。


原因はー

1年前に突如出現した

”お嬢様の身体、差し上げます”と、表示された謎のサイトー。

そのサイトの管理人は、先着1名を瑠梨に憑依させようとしていたがー

想定外にアクセスが殺到、19人がほぼ同時に先着1名となってしまい、

結果ー、瑠梨には”19人”が憑依してしまったのだー


そして、今日もー

周囲には”多重人格”と思われている瑠梨は、

今日も19人に憑依された状態での生活を続けていた…。


★前回はこちら↓★

<憑依>憑依されすぎお嬢様①~19人~

※演出上、前半に”多重人格”の話題が出てきますが、憑依モノデス★!  ジャンル表記を間違えているわけではないので、安心してください~☆  それでは本編をどうぞ☆ ・・・・・・・・・・・・・・・・ とある豪邸ー。 主である、柏木 剛一郎(かしわぎ ごういちろう)は、 一人娘、瑠梨(るり)のことで頭を悩ませてい...

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ーーねぇ、わたしと、キスしない?」

瑠梨が、新人のメイドに向かって、そう呟くー。


「ーーわ、わ、、わたしは、、その…」

恥ずかしそうに顔を赤らめるメイドー。


「ーーふふふふ…かわいい…」

瑠梨は、色っぽい声を出しながら、その新人メイドの唇に

手を触れるー


「ーーーーきれいー…」

瑠梨の言葉に、新人メイドが困惑していると、

執事が「ーお嬢様!」と、瑠梨に声をかけるー。


瑠梨は「ーーもう…いいところだったのに」と、少し

不貞腐れた様子で頬を膨らませると、

「ーーじゃあ、あなたが代わりにわたしを満足させてくれるの?」と、

甘い声を出しながら、挑発的な笑みを浮かべるー


執事は「なっ…」と言いながらも、すぐに何度か咳払いをしてー

「ーー私には、そういう手は通じませんぞ」

と、慌てた様子で呟くー。


「ーふふ…食べたくなっちゃうー」

瑠梨が執事の耳元でそう囁くと、瑠梨は笑いながら立ち去っていくー


”昨日”とはまるで別人のような瑠梨ー。

執事は戸惑った様子で、瑠梨のほうを見つめるー


「ーーーーー………」

執事が、立ち去っていく瑠梨のほうを見つめるー。


瑠梨はー

父親の剛一郎をはじめ、ほとんどの人間が

多重人格だと思っているー


しかし、実際には、瑠梨に”19人”の人間が憑依している状態で、

それぞれの憑依者が、交互に瑠梨の主導権を握っているのだー。


部屋に戻った瑠梨は「ざんねん」と、呟くー。


「ー京香さんのヤッてるとこ見たかったなぁ~

 俺、いつも、京香さんがメイドとヤッてるのを

 瑠梨ちゃんの身体の中から見て、ゾクゾクしてるのにー」


瑠梨が、ニヤニヤしながらそう言うと、

「あなたはいつも、誰が表に出ていても、興奮しているでしょう?」

と、いつも丁寧な口調で話す女性・凛々子(りりこ)が、

瑠梨の身体で呟いたー。


「ーーぎくぅ!」

軽そうな口調で言う瑠梨ー。


「ーわたしが表に出ているときも、あなたのせいで、身体が常に

 興奮していて、少し困ってるんですからー

 ほどほどにしてくださいね」


瑠梨が穏やかな笑みを浮かべながら言うと、


「ーあ~~わかったわかった!」

と、穏やかな表情から面倒臭そうな表情に変わり、瑠梨は言うー。


「ーーー……明日は健次郎(けんじろう)よね」

瑠梨がそう呟くと、瑠梨が「あぁ」と返事をするー。


やはりー

”本人たち”以外からすれば、瑠梨は”一人でずっと喋り続けている状態”

父をはじめ、館の人間のほとんどが、瑠梨の状況に困惑の様子を

浮かべているー。


「ーーー…それにしても、新人のメイド、可愛いよなぁ…

 今度襲っちまおうかな?女の子同士だし…うひひひひひっ!」

瑠梨に憑依している中で一番エロい男が、瑠梨の身体でそう叫ぶー。


「こ~ら!柏田(かしわだ)くん!」

瑠梨が急にお姉さまみたいな口調になってそう呟くとー、

「そういや、”あいつ”はどうなってるんだ?」

と、瑠梨が、真面目そうな表情で呟いたー。


”瑠璃に憑依した19人”は、現在、

1日ごとに当番制のような状態で、”表”に出てきているー。


19人のうちのほとんどは、”お嬢様に憑依”して、その状態で

生活することを夢みて”お嬢様の身体を差し上げます”というサイトを

利用したのだー。


自殺を志願している男と、心を閉ざしている女、

そして瑠梨の”身体の中”にいるのが心地よい、という引きこもりの男を

除いた”16人”は、瑠梨の身体の主導権を握りたがっているー。


しかし、16人が争えば、瑠梨の身体は持たないし、

大変なことになるー。


だからこそ、凛々子ら、”まともな部類の憑依者”たちが中心となって

ルールを決め、こうして生活しているー


”自分の部屋の外に出ているときと、部屋で人と会っている時”は、

当番制で、15人のうち一人が表に出るー、というルールだ。


部屋で、瑠梨一人の時は、こうして瑠梨の身体で会話を続けているものの、

外で、そんな状態では、正直、何もできないー。

だから、ルールを定めているのだー。


”表に出たがっているのは16人”


だがー

うち一人は”幽閉”されているー。


”五十嵐 叶夫(いがらし かなお)”

瑠梨に憑依した19人のうちの一人で、2人の人間の命を奪った殺人犯だー。


逃亡中に、偶然”お嬢様に憑依できる”サイトを見つけて、

ボタンを押した男でー

瑠梨に憑依したあと、瑠梨の身体で殺人を犯そうとしたのだー。


残りの18人が協力して、叶夫を心の奥底に封じ込めー

現在も、表に出さないようにしているー。


「ーー彼は、今も奥にいるわー。そう簡単には表には出て来れないー」

京香が瑠梨の身体で言うと、

「ーそ、そ、そ、それなら、安心ですな…」と、

急にオドオドした様子で瑠梨が言うー。


”この先、自分たちはどうすればいいのか”

それは、分からないー。

瑠梨本人の意識は、19人に同時に憑依されたショックからか、

心の奥底に閉じこもっている状態で、”憑依した19人”は、

瑠梨本人と会話を交わしたことはないー。


しかもー

19人とも”瑠梨に憑依した際”に、自分の身体を失っているため、

瑠梨から抜け出すこともできないのだー。


何故ならー

自分の身体がない、ということは

瑠梨から抜け出すことはー

”死”を意味しているのだからー。


「ーー俺たち、どうするんだろうなー?」

瑠梨に憑依している一人がそう言うと、

「うるせぇ!とにかく揉みまくるぞ!」と、

瑠梨に憑依している一人、柏田が、瑠梨の身体を支配して、

両胸を揉みながらニヤニヤし始めるー


”好きねぇ”

京香が呆れながら、瑠梨の中から、胸を揉んでニヤニヤしている

瑠梨のことを見つめるー


他の5,6人もあきれ顔だー。


「ーーま、部屋の中なら別にいいじゃないか」

軽い口調の男がそう言うと、

「ーーまぁね」

と、京香は、静かに頷いたー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ーーーー」

”誤算”だったー。


お嬢様に憑依するのは”一人”で良かったー。


”お嬢様の身体、差し上げます”というサイトを作った管理人は、

表情を歪めていたー。


まさか、19人がほぼ同時にアクセスして、

憑依してしまうなどとは、思わなかったのだー。


先着1名が、お嬢様に憑依すれば、それでよかったー


あとはーーー…


「ーーーー!」

サイト管理人は、あれから1年間、”瑠梨の現状”を

どうにかしようと模索してきたー。


そしてー

”見つけたー”


「ーーーーー」

届いたメッセージを見つめるサイト管理人ー


”俺なら、可能だー”


ようやく、見つけたー。


”瑠璃の現在の状況”を

どうにかしてくれる人間をー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


翌日ー


瑠梨が目を覚ますと、

「今日は俺の番だなー」

と、瑠梨が呟くー。


瑠梨に憑依している軽口の男・健次郎ー。


健次郎は、髪を束ねると、

まるで男装したかのような格好で、

部屋から出るー。


メイドたちからは”美男子の人格”だと思われているー。


「ーーあぁ、今日も綺麗だねー」

メイドを見ると口説かずにはいられない健次郎は、

今日も瑠梨の身体でメイドを口説き始めたー。


執事がその様子を見つめながら、戸惑ったような表情を浮かべるー。


だがー

その時だったー。


「ーー!?」

メイドを口説いた瑠梨が、突然”失礼”と、メイドから離れるー。


「ーーーー(な、なんだ…!?)」

瑠梨に憑依している健次郎が、突然違和感を感じると同時にー

次の瞬間ーー


”握りつぶされる”ような感覚を覚えてー

健次郎の意識は途切れたー


ぐらっ、と、瑠梨が気を失って倒れそうになるー


「ーーーえ…」

瑠梨はすぐに、頭を押さえながら、転倒するのを防ぐー


「ーーーえ…ちょっと…?」

元気な女子高生・夢菜が、瑠梨の主導権を代わりに引き受け、

瑠梨の身体で表情を歪めたー。


「ーーな、、何してんの!?」

夢菜は思わず、瑠梨の身体で独り言をつぶやいてしまうー


”おい、健次郎ー?”

瑠梨の中でも、他の憑依者たちが騒いでいるー。


”今日”

瑠梨の身体として瑠梨の部屋以外で過ごす人間は

健次郎だったー。

だが、その健次郎が突然消え、瑠梨は、危うく廊下で

気を失うところだったのだー。


”健次郎くん、いないわねー”

京香が呟くー。


「いない?」

小声で瑠梨が呟くー。


”あぁ、見当たらねぇ あいつ、このお嬢様から抜け出したのか?”

他の憑依者が呟くー。


”瑠璃の身体から外に出る”

そんなことができるのかは、残り18人の憑依者には分からないー。


そもそも、自分たちは既に身体を失っている以上ー

瑠梨から抜け出せば、その瞬間に死ぬ可能性もあるー。


”とにかく、今日はあなたがー”

京香が呟くと、瑠梨の身体の主導権を握っている夢菜は

「わ、わかった…うん…!」と、返事をして、

消えた健次郎に代わり、自分が瑠梨として1日行動することを決意するー。


「ーーお嬢様!」

執事が駆け寄ってくるー


「ーお気分がすぐれないようですが、大丈夫でございますか?」

執事は、健次郎が消えた瞬間、”瑠璃の身体の主導権を握っている人間”が

一瞬いなくなったことで、気を失いそうになっていた瑠梨を見ていたのだろうー。


心配そうに瑠梨のほうを見つめるー。


「ーーあ、、うんー…だ、大丈夫ー」

瑠梨は、笑顔を浮かべて見せると、

執事は安心した様子で笑みを浮かべたー。



その夜ー


「ーーーー……」

父・剛一郎は、娘・瑠梨の”多重人格”の治療方法を考えていたー


「人格の統合ー」

剛一郎は、未だに瑠梨が”多重人格”ではなく”憑依されている”ことに

気付いていないー

剛一郎だけではない、この豪邸に住む誰もがー


いやー

”一人”だけ知っているー


”既に4人消した”

瑠梨の声がするー。


豪邸の中で瑠梨と連絡を取り合っていた人物はー

”引き続き、よろしくお願いします”と、電話先の瑠梨に伝えると、

静かに笑みを浮かべたー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ーー山田(やまだ)がいねぇぞ?」

一番エロい性格の憑依人・柏田が言うと、

「ーーどういうことですか?」と、丁寧な口調で話す凛々子が呟くー


瑠梨の身体の中で、表に出ていない憑依者たちが会話をしているー。


「ーーー!」

京香が表情を歪めるー。


”何人か、消えたー”

とー。


「ーーまさか、五十嵐か?」


”五十嵐 叶夫”

19人の中で、もっとも危険な憑依人ー。

瑠梨に憑依する前に二人の命を奪っていた殺人犯で、

瑠梨の身体でも殺人を犯そうとした危険人物ー


五十嵐は以前、

”テメェら全員消して、俺がこの身体を支配してやるからな”


などと叫んでいたー。


「ーーー…」

凛々子は戸惑いながら「確認してみましょう」と、

瑠梨の中の”叶夫の意識が幽閉されている場所”に向かうー


だがーー

残り”15人”になった憑依者たちは、誰も気づいていなかったー


元々、瑠梨に憑依していたのは”19人”


しかしー

今日”20人目”が、瑠梨に憑依したことにー



③へ続く


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


コメント


憑依されすぎなお嬢様がどうなってしまうのか、

続きはまた次回デス~!


今日もお読みくださりありがとうございました~!☆!

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