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「憑依薬」ー

そんな、禁断の”力”を手に入れてしまった男が

書き残した日記ー


そこには、”憑依薬”という未知なる力との出会い、

そして、その力を使い、他人の身体を乗っ取り、

乗っ取ったあとの欲望に満ちた日々が、生々しく記されていたー。


そんな日記から、見えて来る、真実とはー…?

(第10週)


★前回はこちら↓★

fanbox post: creator/29593080/post/2666439

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知り合いの沼田を利用して、

憑依薬の安全性を確認し、憑依薬の旨味を奪い取った男・新井ー。


新井は、憑依薬を手に入れた男=沼田を始末して、

沼田が最後に憑依した女・瑠理香の身体を存分に堪能していたー


「ーーへへへへっ……」

チャイナドレス姿でポーズを決める瑠理香ー。


色気を振りまくようなポーズを色々と試しー、

嬉しそうな笑みを浮かべるー。


元々、コスプレを楽しんでいた女のようだから、

これも本望だろう、などと思いつつ、

こんな風に勝手に身体を使われてしまっているのに

満面の笑みを浮かべている瑠理香を見て、

瑠理香に憑依している新井はゾクゾクと興奮したー


「ふへへっ…ゾクゾクする…

 この女…なんで乗っ取られてるのに、満面の笑みを

 浮かべてるんだよー…」


自分が笑わせているのに、

そんな言葉を吐きながら瑠理香は色々な表情を浮かべるー


笑顔ー

怒った顔ー

悲しそうな顔ー

挑発的な顔ー


色々な表情を瑠理香にさせては、笑みを浮かべるー。


「ーー”憑依薬”について知る沼田のやつは始末したし、

 これで、憑依生活は俺だけのものだ!」

瑠理香の声でそう叫ぶとー

瑠理香の家のインターホンが鳴ったー


「ーーあん?なんだよ?面倒くせぇな」

瑠理香は髪をかきむしりながら、「はい」と面倒臭そうに応答するー


するとー

”警察です。少しお話を伺えませんか?”

と、インターホン越しに声が聞こえてきたー。


「ー警察?」

瑠理香は、表情を歪めるー。

”どういうことだー?”

とー。


「ーー…えっと、何の御用でしょうか?」

瑠理香に憑依している新井は、一瞬、”憑依”のことでも

聞かれるのかと思い、少しだけ戸惑いながら、そう返事をしたー。


”先日起きた事故について、お話をお伺いしたいな、と思いまして”

警察官の男が言うー。


先日起きた事故とは、

瑠理香に付き纏っていたオタク男の件だろうー。

沼田が憑依して、始末しようとした男だー。

あの男は、瑠理香の家の前に来たあとに、憑依薬を手に入れた男=沼田に

憑依され、最後にはその上からさらに今、瑠理香に憑依している新井が

憑依、路上に飛び出してそのまま”自殺”したー。


実際には憑依されて、乗っ取られた状態だったから

自殺ではないのだが、世間からすれば自殺でしかないだろうー。


「ーーお待ちください~」

瑠理香はそう言うと、チャイナドレスの上から慌てて

服を羽織って、そのまま玄関の方に向かったー


無視しても良かったのだが、

新井も、瑠理香の身体は気に入っているし、

まだもう少し、この瑠理香という女の身体を楽しみたいー。


それに、いざとなれば、瑠理香の身体を捨てればよいだけー。

心配する必要はないー。


そう思いながら、玄関の扉を開けるとー。

その直後ー

スタンガンのようなものが突き付けられて、

瑠理香は悲鳴を上げてそのまま気を失ったー


「ーー対象を確保。どうしますか?」

警察官がそう呟くと、

”そのまま指定の場所に運んでください”と

無線越しに応答が聞こえたー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ーーーー…!」

瑠理香が目を覚ますー


瑠理香はチャイナドレス姿のまま拘束されていたー。


瑠理香に憑依している新井は表情を歪めるー。


「ーーーく…なんだこりゃ…?」

瑠理香は、汚らしい言葉を叫ぶと、

自分の状況を頭の中で考えるー。


家に警察官がやってきてー

玄関の扉を開けた直後、いきなりスタンガンのようなものを

当てられてー…


”俺の家に来たのは警察じゃなかったのか!?”

瑠理香は表情を歪めると、

瑠理香に憑依している新井はすぐに身体から抜け出そうとしたー。


しかしー…


「ーーー!?!?!?!?」

瑠理香の身体から抜け出すことができないー。


「ーー…くそっ…」

瑠理香に憑依している新井は”何かされた”と感じながら

険しい表情を浮かべるー。


「ーわ、、わたしをどうするつもりなの…!?」

”瑠理香のフリ”をして叫ぶと、声が聞こえたー。


上のガラス張りの部屋に男が見えるー。


”ー見え透いた芝居は結構ですー。

 手短に話しましょう”


男の口調は淡々としていたー。


”あなたは、その女性に憑依しているー。

 違いますか?”


「ーーひ、憑依…?」

瑠理香に憑依している新井は表情を歪めるー。


”どうして、そのことがー?”


「ーーひ、憑依なんて知らなーーー」


そこまで言うと、縛られている椅子に電流のようなものが

流されたー。


「ーーあ、、ぅ…ぁ…」

瑠理香の苦しそうな声に、新井はゾクゾクしながらも

”いや、そんな場合じゃねぇ”と、恐怖すら感じて、

男のほうを見たー。


”宮園 由紀子(みやぞの ゆきこ)ご存じですかー?”

男が言うー。


「ーー宮園…?」

瑠理香は、必死に記憶を探るー


そうだー

沼田のやつが、この女ー、瑠理香に憑依する前に

一時的に憑依していた女だー

確か8月の上旬に、宮園由紀子という女に、沼田が憑依していたー

その宮園由紀子が何かー


”他人の身体を乗っ取るー。

 なるほど、確かに恐ろしいことですー。

 いざとなれば、身体を捨てて、次の身体に移ることもできるでしょう。


 ですがー

 あなたには誤算があったー。”


男は淡々と言うー。


「ーー…」

瑠理香は表情を曇らせながら、ガラス張りの部屋から

瑠理香を見つめている男のほうを見つめるー。


チャイナドレス姿のまま縛られている状況にー

少しMな新井は、ゾクゾクもしていたが、

さすがにそんな状況ではなかったー。


”ー憑依されている間の”記憶”が、憑依された人には

 残っているー

 そのことを、あなたは認識できていなかったー”


男の言葉に、

瑠理香はハッとしたー。


”そこまで、確認していなかったー”

新井は、激しく後悔するー。

沼田の日記を読んだ限り、

”憑依し終えて解放した女”が、沼田と会ったような記述はなかったため、

”憑依されていた人間に記憶が残っている”などと、夢にも思わなかったー


新井の最大のミスー。

”憑依薬の安全性の確認”ばかりに気を取られー

大事なことを忘れていたー


「ーうっ…う、、うるせぇええええええええ!

 この身体は俺のものだ!」

縛られたまま、瑠理香は悪鬼のように叫ぶー。


その言葉を聞いて、

警察官の男は、静かに笑みを浮かべたー


⑪へ続く


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


コメント


次回が最終回デス~!

どのような結末を迎えるのか、ぜひ楽しみにしていてくださいネ~!

今日もお読みくださり、ありがとうございました!!


※毎週土曜日の更新(コンパクト枠)とは?

(いつもと同じ説明デス↓ 既に知ってる方は読まなくて大丈夫デス!!)

毎週土曜日(以前は火曜日でした!)は、

私が仕事の都合で書く時間を確保できないので、

本来更新は難しいのですが

少しでも皆様にご恩返しということで、他の6日間で毎日

少しずつ執筆して、土曜日にも、作品をお届けしています!

そのため、いつもより少し文章量が少ないため

毎週土曜日の作品は、100円プランでも読めるようにしてあります!

(※土曜日枠のお話は必ず完結まで100円プランで読めるようにします!

  途中から上がったりはしませんので、安心してください)

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