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女子高生・彩美の前に突然現れた謎の魔女・早紀。

早紀は、魔女の世界から人間界に逃亡した”悪の魔女”を

追ってこの世界にやってきたのだというー。


人間界では実体を持たない早紀のために、彩美は

自らの身体を貸すことを承諾、早紀に憑依され、

悪の魔女を倒すまでの間、彩美の身体を二人で使うことに…。


しかし、人間界に馴染んでいないのか、それとも元々そういう性格なのか、

彩美の身体で、問題行動を繰り返してしまう早紀…。


そんな中、早紀の言う”悪の魔女”は既に、彩美たちの

すぐ近くまで、やってきていたー。


★前回はこちら★↓

fanbox post: creator/29593080/post/2623847

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


昼休みー


彩美は、親友の里菜と一緒に昼食を食べていたー。


”その子、おとなしそうな感じだけど、

 身体はイイ感じだよね~!

 彼女にしたい!”

彩美に憑依している魔女・早紀が笑いながら心の中で叫ぶー


「ーー彼女って…早紀ちゃんも女の子でしょ!?」

彩美が思わず突っ込みを入れるー。


”別に女の子同士だっていいじゃないー

 女の子同士のキスって、すっごく魅力的でー

 美しいんだから!”


早紀はそこまで言うと、さらに続けるー


”特に、人間の女の子は、本当にかわいくて、

 わたし、ゾクゾクしちゃうー”


とー。


「ーもう、変態なんだから!」

彩美が言うと、

一緒に昼食を食べていた里菜は唖然とした表情で

彩美を見つめていたー。


「ーーあ、、、、、、え、、え、、、」

彩美は、苦笑いしながら里菜の方を見るー


彩美に憑依していて、彩美の中にいる魔女・早紀のことは

里菜には見えないし、里菜に声も聞こえないー。

完全に、”彩美が独り言を喋っている”ようにしか見えないのだー。


「ーーー水島さん、朝も一人で喋ってた気がするけど

 だいじょうぶ…?」

里菜の言葉に

「だ、、だ、、大丈夫!その、ほら…え~っと、

 とにかく大丈夫!」と、意味不明な返答をすることしか

彩美にはできなかった。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「もう!!明日からわたしが学校にいる間は喋るの禁止!」


”え~~!そんなぁ~!”


放課後ー

彩美は周囲に誰もいないことを確認してから、

自分に憑依している魔女の早紀に対して言い放ったー。


「ークールそうに見えるのに、中身とのギャップ、違いすぎない?」

彩美がため息をつきながらそう言うと、

”見た目で判断しちゃダメ!”と、急にお姉さんっぽい口調で

早紀が言ったー。


そんな彩美を偶然見かけてしまった親友の里菜は

「やっぱり水島さん…独り言言ってる…

 どうしちゃったんだろう…」と、不安そうにつぶやいたー。


心配そうにため息をつきながら、

お手洗いに入る里菜ー。


6時間目の美術の授業で汚れた手を洗うー。


「ーー(水島さん、心配だなぁ…)」

里菜はそんな風に思いながら、顔を上げて鏡を見つめるとー

背後に眼鏡をかけた真面目すぎる学級委員長的な風貌の女が

立っているのが見えたー


「ーー!?」

里菜が振り返るー。


同じぐらいの年齢に見えるがー

見たことない制服のようなものを着ているしー

見たことのない顔ー


「ーーはじめまして」

その女が言うー。


「ーーは、、はじめまして……

 え……?どちら様ですか…?」

里菜が不安そうに言うと、

「ーーわたしは天音(あまね)ー。

 あなたの身体を貸してもらいます」

と、その女は答えたー。


「ーー身体を借…ー


そう聞き返そうとした直後ー

天音と名乗る魔女は、里菜にキスをしてー

そのまま里菜の中に吸い込まれるようにして姿を消したー


苦しそうに喉のあたりを押さえていた里菜の動きが止まるー


怯えた表情をしていた里菜の表情がなくなり、

そのまま無表情で、魔女・早紀の姿を思い浮かべたー


「ーーーあなたを殺すー」

里菜はそう呟くと、そのままトイレから外に出て、

冷たい表情のまま廊下を歩きだしたー


「あ、里菜!」

他の友達が、里菜に声を掛けるー。


だが、里菜は一切反応することなく、無表情で

その友達を無視して、そのまま学校の外へと向かったー


「ーーえ…?なに…?」

事情を知らない友達は、”わたし、無視されたの?”と

不安そうに呟いたー


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


下校中に通るコンビニで、飲み物とデザートを

購入した彩美はご機嫌だったー


”人間の世界の食べ物っておいしそうだよね~!”

早紀が彩美に語り掛けるー。


「ーー…魔女の世界にはどんな食べ物があるの?」

彩美が歩きながら言うと、


”え~っとね…”

と、呟いた早紀が、突然言葉を止めたー。


「ーーえ… あぅっ!」

彩美がビクンと震えるー。


”ちょ!?!?ちょっと!?何!?急に!?

 約束が違くない!?”


身体の主導権を奪われた彩美が心の中から叫ぶー


「ーーしーーーーーっ」

彩美の身体を乗っ取った早紀が、彩美の口でそう呟くとー


「来た」

と、続けたー。


”来た、ってなにが?!”

彩美の意識が言うとー


「ーーわたしがこの世界に追いかけてきた”悪い魔女”ー」

と、彩美の口で早紀は答えたー。


その直後ー

彩美の親友である里菜が姿を現すー


”えぇっ!?あれは里菜だよ?”

彩美の意識が言うとー

早紀は、彩美の口で答えたー。


「ーーわたしと同じように、憑依してるー。

 魔女の世界からこっちに来た魔女は、実体を持たないー。

 だから、わたし以外の魔女も、当然、人間に憑依して

 身体を借りるー」


彩美を乗っ取った早紀がそう言うと、

彩美の意識は”そ、、そんな…!?里菜はどうなるの?”と呟くー


「ーーー見つけたわ」

里菜が口を開いたー


いつもの里菜の穏やかな口調とはまるで別物ー

低い声で、冷たさすら感じるー。


”里菜があんな声出せるなんて…”

彩美の意識が戸惑っていると、


「ーー心配しないで!あの子の中に潜んでいる

 悪い魔女をやっつけるから!」


彩美の身体でそう言うと、

早紀は「えいっ!」と、可愛らしく叫んで、

いつものワンピースと、ニーハイソックスとロリータ系の

ブーツ姿に魔法で、彩美の服装を変化させたー


”なんでそれするの!?”

彩美の意識が突っ込みを入れると、

「わたしのお気に入りのおしゃれだから!」と、

彩美の身体で叫ぶ早紀ー。


里菜が「ー逃げられると思うなよ!」と、叫ぶー。


そしてー

里菜は魔法のようなものを唱え始めたー。


彩美とは違い、完全に乗っ取られているように見えるー。


「ーーーいきなり物騒ね!」

ちょうど、あまり人通りのない広場だったことは幸いし、

周囲に目撃者はいないー。


ワンピースをひらひらさせながら、魔法の力を駆使して

里菜の攻撃をよける彩美ー。


彩美は、自分の身体が戦っているのを心の奥底から

見つめながら、”すごっ…なにこれ!”と叫ぶー。


里菜が「お前に裁きを与える!」と叫ぶー。


「ーー”取引”しないーー?

 って、言ってもー

 真面目すぎるあんたには、通用しそうにないわね」


彩美の口で、早紀がそう呟くと、

乗っ取られている里菜は問答無用で、彩美に対して

攻撃を繰り返したー。


早紀に乗っ取られた彩美と

天音に乗っ取られた里菜の戦いが続くー。


「ーーはぁっ…はぁっ…はぁっ…」

彩美は防戦一方だったもののー

里菜の方が、次第に息を切らし始めたー。


「ーーふふふ、あんた、人間に憑依したばっかりでしょ?」

彩美の姿で、ワンピースをひらひらさせながら笑う早紀ー。


「ーーーくっ…」

魔女が憑依しているとは言え、身体は里菜のものー。

里菜に憑依した魔女・天音は、表情を歪めて、

早紀が憑依している彩美を見つめたー。


天音は”ある事情”から、人間に憑依せずに人間界で

行動していて、早紀を見つけると同時に、

目的を果たすために早紀に憑依したー。


だが、それが誤算だったー。


”人間の身体の体力”を把握しておらず、

里菜の身体で魔法を繰り返し使ったことで、

里菜の身体がすぐに限界を迎えてしまったのだー


一方の早紀は、昨日から彩美に憑依していて、

昨日”人間の身体”の体力を把握しているー。

ゲームセンターをはじめ、色々な場所に行ったのは

”人間の身体の体力を把握する目的”もあったー。

軽そうに見えて、早紀は計算しているー。


何も、かもー。


「ーーーどうするつもりなの…?」

里菜に憑依した天音が苦しそうに、里菜の身体で呟くー


「ふふふ…それはね」

彩美の身体で早紀が笑うー。


”ど、どうするつもりなの!?”

彩美の意識も、そう呟いたー。


”悪い魔女”をどうするつもりなのかー。


その言葉に、彩美の身体で早紀は答えたー。


「ーーあなたが、それを知る必要はないわー」

それはー

”天音”に向けられた言葉ー


とても、冷たい口調だったー


彩美の手が輝くー。


「ーーぐっ…あ…あぁぁぁっ…」

里菜が苦しそうに叫ぶと、そのまま里菜は意識を失って倒れこむー。


そして、里菜の身体から、融通の利かなそうな学級委員長のような

魔女が姿を現すー。


”その人が悪い魔女…!なんかすごい真面目そうだけど”

彩美の意識が言うと、

「さっき言ったでしょ?見た目で判断しちゃだめだって!」

と、彩美の身体で早紀は呟いたー。


「ーーありがとう彩美ちゃんー

 これでわたしの目的も果たせる!」


そう言うと、彩美の身体で、早紀は魔法を唱えてー

苦しそうにしている天音の方をにらみつけたー。


「ーーさよなら!」

彩美の身体で早紀が叫ぶー。


魔法が放たれて、それが直撃する瞬間ーーー

”悪い魔女”天音は叫んだー。


「ーーーこの重罪人め…!

 許されると思うなっ…!」


とー。


その叫び声が、かき消されるかのように、

天音に魔法が直撃ー

そのまま、魔女・天音は消滅したー。


「ーーー……はい、おしまい!」

彩美の身体で、早紀が嬉しそうに言うと、

そのまま歩き出したー。


”え…ちょっと!?里菜は!?大丈夫なの?”

彩美の意識が言うと、


「大丈夫大丈夫!里菜ちゃんはすぐに目を覚ますし、

 そもそもわたしが近くにいたら怪しまれるでしょ?」


と、呟くー。


”でもよかったー…

 これで、早紀ちゃんも、任務達成で、元の世界に戻れるんだね”


彩美の意識が言うと、

彩美の身体で早紀はクスッと笑ったー。


「ーーほんと、バカな子ー」

とー。


”え……???”

彩美の意識が戸惑っていると、

彩美の身体で早紀は呟いたー


「ーーわたしが、あなたに憑依してから、ちょうど24時間ぐらいね…

 あなたの身体の支配も、順調に進んだわ」


早紀の言葉に、彩美は”どういうこと?”と呟くー。


「魔女が人間の身体を完全に掌握するには、1日ぐらいかかるってこと」

と、彩美の身体で早紀は微笑むー。


”ーーー言ってる意味がよくわからないー”

彩美の意識が戸惑っていると、早紀はにっこりと笑ったー。


”さっき死んだ魔女、あれ、魔女の世界の掟を破って

 人間界に入り込んだ子じゃないの”


そう、呟きながらー


”え”

彩美の意識が不安を感じながら言うと、

彩美の身体で、凶悪な笑みを浮かべながら早紀は言ったー。


「ーー魔女の世界の掟を破って人間界に来たのは

 さっき死んだ魔女じゃなくて、”わたし”ー

 悪い魔女が”わたし”で、さっき死んだ天音が

 ”掟を破ったわたしを追いかけてきた、真面目な魔女”ー」


その言葉に、彩美が驚くー


”え…じゃあ、早紀ちゃんがーーー”


「ーーふふふ、彩美ちゃんに憑依したのは

 わたし好みだったのと、

 あとは、あなたがお人よしでおバカさんだったから!


 ふふふふ 本当にありがとう彩美ちゃんー

 彩美ちゃんの身体、わたしが貰うね!」


”え、、ちょっと…!やめ…”


プチッー


彩美の意識の声が途切れたー


「ーーーーえいっ♡

 うるさい心の声は、消えちゃえ」


彩美を完全に支配した早紀は、そう呟くと、

嬉しそうにその場から立ち去って行ったー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


翌日ー


「ねぇねぇ、里菜ちゃん、今日の放課後、話があるんだけど」

彩美が、里菜に声を掛けるー


魔女・天音に憑依されていた里菜は正気を取り戻して、

いつも通り登校していたー


「え…?お話?」

里菜が言うと、彩美が「うん!」とうなずくー。


そしてー

心の中で笑みを浮かべたー


”まずは、里菜ちゃんを彼女にしちゃおーっと♡”


とー。



おわり


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コメント


魔女が登場する憑依モノでした~!

展開を予想できた方も、いたかも…ですネ★!


お読みくださりありがとうございました~!

(Fanbox)


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