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余命あとわずかの老人、栗原 清十郎は

誰よりも強い”生に対する執着”を持っていたー。


”なんとか生き永らえる方法はないか”

執念深く、それを追求した結果、

清十郎は”入れ替わり薬”にたどり着いたー。


早速、ターゲットを定めた清十郎は、

”わざとボケたフリ”を、半月ほど繰り返した上で

自分と、祖父のお見舞いに来ていた女子高生・蒼井智花の身体を

入れ替えたのだったー。


女子高生の身体をゲットした清十郎ー。


一方、清十郎になってしまった智花は、

事前に清十郎が”ボケたフリ”を半月ほど続けていたために、

誰にも入れ替わりを信じてもらえずに…!?


☆前回はこちら★↓

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・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「---ただいま~~~~!」

女子高生・智花の身体を奪った清十郎は笑みを浮かべながら

帰宅したー。


「----」

家の中を見回す智花(清十郎)-


「ーーーなかなか、いい家じゃな…」

小声で呟いた智花(清十郎)ー。


「--どうしたの?ニヤニヤして」

奥から出て来た母親が、帰宅するなり、玄関を見回して

ニヤニヤしていた智花(清十郎)に疑問を抱いて、声をかけるー。


「--ううん。なんでもな~い」

ご機嫌そうに微笑む智花(清十郎)は、そのまま洗面所の方に向かい、

手洗いとうがいを済ませるー


鏡を見つめてクスッと微笑む智花(清十郎)-


「--ニヤニヤするに決まってるじゃろ…」

鏡の中の智花がとても嬉しそうに笑うー。


「--若いピチピチした女の身体を手に入れられたんじゃー」


寿命もー

欲望もー

何もかも、手に入れたー。


「---うふっ♡」

嬉しそうに笑う智花(清十郎)の顔はー

欲望まみれだったー。


・・・・・・・・・・・・・・・・


「--わたし、、身体を、、身体をおじいさんに…!

 奪われて…!」


病院では、病室に連れ戻された清十郎(智花)が、

必死に看護師の女性に”入れ替わってしまった”ことを

伝えていたー。


だがー

それを信じてもらうことはできなかったー。


女性看護師は苦笑いしながら、

「栗原さん、あの子に迷惑かけちゃだめでしょ!」と

叱るようにして言い放ったー


元々ー

”入れ替わってしまった!”なんて言っても、

そう簡単に信じてもらうのは難しいだろうー。


しかもー、その上、清十郎は、

入れ替わり薬を手に入れた直後から

”ボケたふり”を”わざと”していてー、

周囲の看護師たちは、すっかり”栗原さんはボケている”と

思い込んでしまったー。


わざとボケたフリをしていたのも、

全てはこの時のためー。


「--ち、、違うんです!!わたし…」

清十郎(智花)は、必死に声を張り上げるー。


しかし、その声は、弱弱しく、

はっきりとした言葉にならないー。


”声を出すだけでも、こんなに辛いなんて…!”

そんな風に思いながらも、必死に

”入れ替わってしまったこと”を信じてもらおうと、

清十郎(智花)は、自分の個人情報を口にし始めたー


自分自身ー

そう、”蒼井 智花”の個人情報をー。


本名ー

通っている学校ー

生年月日や血液型、両親の名前ー


「--中学は、第3… うっ… ごほっ、、ごほっ…」

個人情報を口にする途中で激しく咳き込み

吐血してしまう清十郎(智花)-


清十郎の身体は、既に限界が近いー。

とある病気で、余命宣告を受けているうえに、

80代という高齢ー、

その上、入れ替わって清十郎の身体になってしまった智花が、

強い不安感を抱きー、

今、病室で興奮状態になっていることから、

余計に清十郎の身体に負担をかけてしまっていたー。


今まで感じたことのないような苦しみー


”死”を、智花は初めて身近に感じたー。


それだけではないー。

身体中が痛み、身体中から力が抜けるような感覚ー

思い通りに自分の身体を動かすことが出来ない恐怖ー。


女子高生の年齢から、一気に80代男性の身体になったことで、

”何もかもが変わってしまったような恐怖”を

味わうことになってしまったー。


「---げほっ、、げほっ…」

清十郎(智花)は、何とか入れ替わりを信じてもらおうと

言葉を口にしようとするが、

呼吸するのもやっとになってしまい、”続き”の言葉を

発することが出来ないー。


やがて、女性看護師が慌てて、先生を呼んできてー

なんとか、清十郎(智花)の容体は安定したー。


しかしー

清十郎と智花の入れ替わりを信じてくれる人間はいなかったー。


”蒼井 智花”の個人情報を口にしても、

誰もそれを本気にしてくれないのだー。


”ボケたおじいさんの妄言”として、

誰も真面目に話を聞いてくれないし、

みんな”架空の女子高生”のプロフィールを口にしていると

思い込んでしまっているー


「--はぁ…はぁ…はぁ…」

苦しそうにしながら清十郎(智花)は、

満足に動かすことのできない身体に”恐怖”すら覚えたー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・


翌日ー


朝の時間帯にー

”見舞客”がやってきたー。


「---ふふふふ」

やってきたのは、智花になった清十郎だったー


ニヤニヤと笑みを浮かべながら、

清十郎(智花)が横たわっているベッドに近づいてくるー。


「無様な姿じゃな…ふふふ」

智花(清十郎)がベッドの横のイスに座り、足を組みながら笑うー。


「--わ、、わ、、わたしの身体…かえして…!」

苦しそうに、目に涙を浮かべながら言う清十郎(智花)-


「ふふふ…せっかく手に入れたピチピチのJKの身体を

 返すわけないじゃろ?」

イヤらしい笑みを浮かべながら、高校の制服のスカートから覗く足を

イヤらしい手つきで触るー


「---返して…!」

弱り切った身体で、必死に声を振り絞る清十郎(智花)-


しかし、智花(清十郎)が、そんな取引に応じるはずもなかったー。


「-ーー君は、自分の喘ぐ声を聞いたことがあるかな?」

智花(清十郎)がクスッと笑いながら、清十郎(智花)に言い放つー。


急にそんなこと聞かれても、と、

困惑してしまう清十郎(智花)-


「昨日の夜、エッチしてみたけどー

 女の身体って、凄いんじゃな…

 ふひっ、ふひひひひひひひひひひっ」


下品な笑みを浮かべると、智花(清十郎)は、時計を見つめて、

口元の涎を指で拭きとってから、にっこりとほほ笑んだー。


「---そろそろ学校行かなくちゃ!

 じゃあね、おじいさん♡」

とー。


「--返して…おねがい…!」

かすれた声で必死に身体を返してほしいと嘆願する

清十郎(智花)-。


智花(清十郎)はため息をつくとー、


「あと少しで死ぬ立場になったわしの気持ちが分かるか?

 来月はー、いいや、来週はもうこの世にいないかもしれないー

 そんな、わしの恐怖がー。」


と、呟くー。


「そんなこと…!」

苦しそうに呟く清十郎(智花)を見つめると、

智花(清十郎)は、ほほ笑むー


「君にもいつか必ず分かる日が来るー。

 ”死にたくない老人の気持ち”がー。」


そう言うと、「あっ!」と指を立てながら、智花(清十郎)は笑ったー


「でも、君はもうじき死ぬから、分からないんだった!

 ふひっ」


バカにするかのように笑う智花(清十郎)-


イスから立ち上がった智花(清十郎)は、

今一度にっこりと笑みを浮かべてから、

清十郎(智花)の耳元で静かに囁いたー。


「---君の身体はわしが代わりに使ってやるー

 君の人生は、代わりにわしが味わってやるー


 だからー」


クスッと笑った智花(清十郎)は

”元自分”の身体に対して信じられない言葉を口にしたー


「早く死んでー」

と、満面の笑みでー


清十郎(智花)は、咳き込みながら、目から涙を浮かべたー


智花(清十郎)は、清十郎(智花)に顔をさらに近づけると、

悪魔の言葉を呟くー


「死ねよ。ジジイ」

とー。


智花の声とは思えないぐらい、低く、恐ろしい声だったー。


智花自身、自分がこんな声やー

こんな恐ろしく冷たい表情を浮かべることができるなんて、

思わなかったー


「---…ふふ♡」

ほほ笑みながら清十郎(智花)から離れた智花(清十郎)は、

「--じゃあね”おじいさん”」と挑発的に呟いて、

そのまま病室から立ち去って行ったー


「ま、、待って!」

身体を無理やり突き動かして、清十郎(智花)は、

智花(清十郎)を追いかけようとするー。


だがー

病室を出てすぐに、身体の痛みに耐えられなくなりー

そのままその場に倒れ込んでしまうー。


病院の廊下に手をついたままー

清十郎(智花)は泣き続けることしかできなかったー


・・・・・・・・・・・・・・・・


「---♪~」

学校に登校した智花(清十郎)は、

演歌の鼻歌を歌いながら、学校にやってきていたー。


「---ーーー」

スマホでニュースを見つめる智花(清十郎)-


ニュースを見つめながら、何か一人でブツブツ文句を言っているー


「--おっはよ~!」

そんな智花(清十郎)に背後から声をかける友達ー。


今日は”智花(清十郎)”にとっては学校初日ー。

だが、智花のスマホで”これまでのLINE”のやり取りなどを

確認したり、家にあった学校の資料などを確認したりー

”必要な知識”はある程度身に着けていたー。


「--あ、美希(みき)-!おはよ~!」

なるべく自然に振舞う智花(清十郎)-


”ま、多少おかしいと思われても、分かりはしまい”

そう思いながら智花(清十郎)は

”若い女とこんな風に話すことになるなんて、ええのぉ…”と、

ゾクゾクしながら笑みを浮かべたー。


”授業”は、智花になった清十郎にとって”簡単”なものだったー

清十郎は元々成績が良くて、

”既に1度習ったことがあるもの”など、お手のものだー。


「----!!!ふほっ!」


そして

5時間目ー


体育の授業ー

清十郎は智花として他の女子と一緒に着替えることになったー。


「-ふほっ♡ ふほほほほほ♡

 いい、、おっぱい…!」

智花(清十郎)はニヤニヤしながら、他の女子の着替えを見つめるー


女子の着替えを見つめても、

誰も何も、言ってこないー


「--へへへへ…夢みたいじゃ…

 合法おっぱい…

 夢みたいじゃ…」


小声で呟く智花(清十郎)はー

顔を真っ赤にしてニヤニヤしながら、

女子高生としての振る舞いも忘れて、蟹股のまま、

周囲の女子たちの着替えを見つめたー。


やがてー


「-智花~~!着替えないの?」

と、他の友達から声をかけられて、

「--あ、うん~!」と、返事をしながら

”わしにも合法おっぱいついてるからな…”と、

ニヤニヤしながら、自分の下着を見つめたー。


・・・・・・・・・・・・・・・・


清十郎になってしまった智花は、

”なんとかして、わたしの身体を取り戻さないと…”と、

悲鳴を上げる身体を動かして、

病室側の公衆電話までたどり着いたー。


「--はぁ…はぁ…この距離を歩くだけで、こんなーーー」


”何の病気”なのかは知らないー

けれど、死が迫っていることはー

”この身体”になってみて、直感的に分かったー


”このまま死んだら、わたし…”

そんな風に思いながら、公衆電話で電話を掛けた相手はー

”自分の家”だったー


智花の母親ー、あるいは父親ー

どちらでもいいー

どちからに、今の状況を信じてもらうことができればー


”もしもし?”

母親の美智子(みちこ)が電話に出たー。


「--お、、おかあさん…!たすけて!」

清十郎(智花)が言うー。


”え…あ、、、あの、どちらさまですか?”

母・美智子は戸惑っているー


当たり前だろうー。

”知らないおじいさんらしき声”から

いきなり”おかあさん”と呼ばれたのだからー。


「ーーーい、、今、家にいるわたしは、わたしじゃないのー」

既に、夜ー。

恐らくは、智花(清十郎)も帰宅しているはずだー


”ちょ、ちょっと待ってくださいーいったいーー…

 あ、、あの、よく聞き取れないのですがー”


母・美智子の戸惑いー。


清十郎(智花)は、かすれた声で叫ぶー

「ーーーそっちの、、わたしは、、、偽物…!」


はぁはぁ言いながら叫んだ清十郎(智花)ー


だが、話があまりにも飛躍しすぎていることやー、

清十郎の身体から出る声が、電話越しでは聞き取りにくいこともあり、

母・美智子は混乱していたー


「----」

清十郎(智花)は”智花の個人情報”を口にするー。

そして、”そっちの智花”に、それを聞いてほしいー、とー。


智花(清十郎)には、

恐らく細かい思い出や個人情報までは口にすることはできないはずだー。


”-あの、わたし、蒼井と申しますけど、

 かける場所、御間違いになられてると思いますのでー”


だがー

母・美智子は、”おじいさんの間違い電話”だと判断してしまったのか、

そう言うと”今、忙しいので、失礼します”と

電話を切ってしまったー


「--お、、おかあさん」

公衆電話の前でうなだれる清十郎(智花)-


次は”父のスマホ”にーーー


「-----!?!?!?!?!?」

そう思った直後、これまでの人生で感じたことのないような

激しいめまいに襲われた清十郎(智花)はー


「たすけて」

と、だけ呟いて、そのまま病院の廊下で意識を失ってしまったー



③へ続く


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


コメント


私利私欲のために、若い子の身体をうばったおじいさん…!


二人の今後も、ぜひ見届けて下さいネ~!


今日もお読み下さりありがとうございました!!

(Fanbox)


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