<寄生>修学旅行の夜②~悪夢~ (Pixiv Fanbox)
Content
修学旅行を楽しむ高校生たちー。
しかし、1日目の夜、
生徒たちが宿泊している旅館に突如として、
”謎の寄生虫”がやってきたー。
女将が乗っ取られ、女性教師の緑川先生が乗っ取られー
乗っ取られた人間が、普通の人間にキスをすることで
”寄生”は拡大しているー
同室の生徒全員が寄生されてしまったものの、
自身は布団に潜りこんでスマホをいじっていたため
無事だった女子生徒・奈美は、となりの部屋で
生徒会長の穂乃果と合流するも…?
☆前回はこちら★↓
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「--何が起きているのー?」
突如、部屋にやってきた緑川先生の手によって、
同室の女子生徒全員が謎の寄生虫に寄生されてしまった奈美は、
戸惑いを隠せないー。
隣の部屋のメンバーの一人、生徒会長でもある穂乃果も、
戸惑っている様子だー。
「-わたしにも、分からない」
穂乃果は部屋の外のほうを見つめるー。
部屋の外からは微かに悲鳴が聞こえるー
ある程度の距離はあるが、
他の生徒たちが謎の寄生虫の餌食になっていることは
明らかだったー。
「--こんな…こんな企画なかったよね…?」
奈美が怯えながら言うと、穂乃果は
「--深夜にサプライズ肝試しなんて、あるわけないでしょ」と
ため息をつくー。
少し同様した様子を見せながらも、
生徒会長の穂乃果は冷静だったー。
「--花澤さんの部屋のみんなは?」
穂乃果の言葉に、奈美は首を横に振るー
「緑川先生が急に入ってきて、みんなあの虫の
せいでおかしくなっちゃったー」
悲しそうに呟く奈美ー
愛も、美野里も、みんな、あの虫のようなものに
乗っ取られてしまったー。
「---そうーーー」
穂乃果は悲しそうにそう呟いたー。
「そ、、そうだ…た、、助けを…助けをよぼっ!」
奈美がスマホを手に言うー。
明らかな異常事態ー。
スマホで助けを呼ぼうとした奈美の提案は、
理にかなったものだったー。
「--そうね…わたしは警察に連絡するから、
奈美ちゃんはこの旅館の受付に連絡してみてー」
穂乃果の言葉にうなずく奈美。
二人がそれぞれ電話を掛けるー。
穂乃果が、電話で警察と事情を話し始めるー。
さすがに”寄生虫”などと言っても信じてもらえないと判断したのか、
生徒や先生が襲われていることを、穂乃果が説明しているー
奈美は、そんな会話を聞きながら
旅館の受付に電話を入れるー。
しかし、何度電話をかけても繋がらないー。
「--もう…お願い…出てよ!」
旅館の女将を始め、スタッフは既に寄生されて
乗っ取られてしまっているー。
だが、そんなことを知らない奈美は、
”お願い”と、何度も何度も、出てくれることを
祈りつつ、電話をかけ続けたー
「---そっちはどう?警察は呼べたけどー」
穂乃果の言葉に、奈美は「だめ…繋がらない」と呟くー。
「--ーー警察が来るまでの辛抱だからー」
穂乃果はそれだけ言うと、
「花澤さんは、ここに隠れてて」と、手で合図しながら、
そのまま外に向かおうとするー。
「-ちょ、、ちょっと!穂乃果はどこに行くの!?」
奈美が言うと、穂乃果は
「他にも無事な子がいるかもしれないし、見に行かなきゃ」と、呟くー。
”こんな時まで、優等生なんだからー”と
奈美は思いながら
「なら、わたしも行くよ」と、穂乃果に向かって言い放つー。
「--え」
穂乃果は一瞬、戸惑った表情を浮かべるー
「でも、危険だよー」
とー。
その言葉に、奈美は「危険なのは、穂乃果も同じでしょ」と、
言い放つと、「穂乃果だけ危険な目には遭わせられない!」と
付け加えたー。
穂乃果は奈美の強い意志を受け取り、
すぐに微笑み、「うん…じゃあ…一緒に行こ!」と頷いたー。
廊下に飛び出して、二人は、さらに隣の部屋を確認するー。
しかし、既に隣の部屋にも誰もいなかったー。
「-ーー男子の部屋は?」
奈美が言うー。
穂乃果は「そうね」と、階段の方に向かい始めるー。
女子がいる2階は、ほぼ全滅状態に見えるー。
寄生された女子たちがどこに向かったのかも分からないー。
3階には男子たちと、先生たちが宿泊している部屋があるー。
そこに行けばー
旅館内の階段にたどり着いた二人は、なるべく静かに階段を
駆け上がるー。
「---っっ…」
穂乃果が、突然立ち止まってスカートのあたりを押さえるー。
「--だ、大丈夫…?」
不安になる奈美ー。
穂乃果も既に寄生されているのではないかと、一瞬、
そんな不安を抱いてしまったのだー。
「-うん。ごめん。普段、そんなに運動とかしないからー」
穂乃果が”足がちょっと”と、ほほ笑むと、そのまま
再び前に進み始めたー。
3階に到着するとー
廊下で男子と女子が抱き合っていたー。
「---…うわ…修学旅行の夜にヤッてるー」
奈美は”のんきだなぁ”と思いながら、
「--ねぇ…あのさ!」と、そのカップルに声をかけるー。
しかしー
「---!!!」
よく見るとー
女子が男子に無理やりディープキスをしていてー
男子はもがいているー。
しかも、キスをしていた女子は、クラスでも一番大人しい
眼鏡女子の璃々(りり)-
相手は、クラスでも素行が一番悪い、大五郎(だいごろう)-
とても、釣り合うような二人ではー
「--!」
男子の方が倒れ込むー。
璃々が「お前も、、、仲間に、、なるのおおおおおおおお!」と
叫びながら、大口を開けて寄生虫を口から飛び出させるー
「ぐおおおおおおっ…がっ…ぶごごおおおおお!!!」
倒れたまま璃々にキスされた大五郎が、ゴボゴボと悲鳴を上げるー。
「---ひっ…!」
奈美が後ずさるー。
すぐ隣の部屋でも、女子が男子を襲撃しー
まるで、そこら中で行為が行われているかのような
地獄絵図が広がっていたー。
「----花澤さん!」
別の部屋を確認していた穂乃果が、奈美の方に駆け寄って来るー。
「--穂乃果!」
半分パニックになりながら、穂乃果の方を見て叫ぶと、
穂乃果は「ダメ…男子も、やられてる」と、首を振ったー
「-も、、もう無事な人はいないのー?」
奈美が言うと、
背後から人影が姿を現したー。
「---あれぇ~~奈美~~~~~
ねぇ、みて、わたしの大切な子ー」
同じ部屋だった美野里が、鼻から飛び出している寄生虫を
指さしながら、鼻声で笑うー。
無理矢理、鼻から寄生虫が飛び出した状態だからかー、
美野里は鼻血を流しながら、ニヤニヤとしているー
「---ひ…み、、美野里…!」
奈美が悲鳴を上げるー
「---この子が、わたしのあたまの中を
くちゅくちゅくちゅくちゅして、、、
わたしを、、、きもちよくしてくれるのぉ…
えへっ…えへへへへへ」
美野里の太ももに、謎の液体が垂れるようにして付着しているー
「--奈美にも、この気持ちよさ、おしえてあげるぅ~」
美野里が、口からも寄生虫を飛び出させながら、奈美の方に
向かってくるー
「--ほ、穂乃果!」
奈美が背後にいる穂乃果に向かって叫ぶと、
穂乃果は「こっちも!」と叫んだー
廊下の反対側ー
穂乃果が立っている方向からは、若い女性教師・緑川先生が、
迫っていたー
お尻から寄生虫が飛び出した状態で、スカートから、ぶらぶらと
寄生虫を揺らしている緑川先生ー。
「-逃げるなんて、悪い子たち……
身体を、、ご主人様たちに捧げるのよっ!」
緑川先生がよだれを垂らしながら叫ぶーーーー
「----たすけて…!」
奈美が目を閉じて、神様に祈るかのようにして、そう叫んだー。
その時だったー
「--ぶぎゃっ!」
美野里が奇妙な声を上げて吹き飛んだー。
「---!」
奈美が涙目で顔を上げるとー
そこには、B組の担任である男性教師の小久保先生がいたー
その手には、木刀ー。
「---花澤、無事か?
それに桃原(ももはら)もー」
桃原、とは生徒会長・穂乃果の苗字だー。
「--」
穂乃果は一瞬驚いたような表情を浮かべながらも
「は、、はい」と頷くー。
「---…せ、、せんせい~~…」
奈美は、普段は煙たがっているB組の小久保先生の姿を見て
泣きながらその腕にしがみついたー
「お、おい…花澤…まずはとにかく、安全な場所に逃げるぞ!」
B組の小久保先生ー。
寄生虫に乗っ取られる前の緑川先生に「生徒たちは寝ないだろ?」と
笑っていた先生ー。
奈美の部屋の女子生徒たちからも
”夜更かし”を邪魔する候補の先生として名前が挙がっていた体育教師だー。
普段は、煙たいけれどー
こういう有事には、最も頼りになる先生と言えたー。
「--とりあえず無事だったやつらをカラオケルームに避難させてる」
小久保先生はそう言いながら、木刀を手に寄生された生徒たちを
殺さない程度に追い払うー。
女子生徒が、無残な姿で襲い掛かって来るー。
完全に”女を捨てている”そんな感じだー。
「---何人ぐらい、無事なんですか?」
穂乃果が心配そうに言うと、
「-他にも無事なやつらはいるかもしれないがー」と
前置きした上で、小久保先生は
カラオケルームに避難しているのが、自分を含めて4人だと説明したー。
「--たった、それだけ…」
奈美が絶望の表情を浮かべるー。
「-ーそうだ!お前ら、スマホは?」
小久保先生が言うー。
みんな、急に襲撃されたことで、スマホを持っておらずー
外部に助けを求めることが出来ていないのだというー。
「--あ…持ってます」
奈美が言うと、小久保先生は「警察に連絡できるか?」と、
奈美に尋ねたー。
「--あ、はい。さっき穂乃果が連絡しているので、
じきに到着すると思います」
奈美の言葉に、穂乃果も頷くー。
「よかったー」
小久保先生は、それだけ言うと、
「お前らを、カラオケルームに避難させたら、
俺はまた、無事なやつらがいないかどうか、探すからー」と、
説明しながら、襲い掛かって来たD組の井口先生を突き飛ばすー。
井口先生は”口うるさいおばさん”として
奈美の部屋の女子たちに警戒されていた教師だー。
耳から寄生虫を飛び出させた状態で、
ニタニタと笑う井口先生ー
「あなたたちもぉ…この気持ちよさを…あじわってえええええ!」
いつもの、口うるさいおばさん、という雰囲気は無くなりー
完全に正気を失っている井口先生ー。
小久保先生が、井口先生を押さえながらー
「お前たちは先に行け!」と叫ぶー。
カラオケルームの場所を叫ぶ小久保先生ー。
「--はい!わかりました!」
穂乃果が奈美の手を引っ張って、そのままカラオケルームの方に向かうー。
「--ねぇ…警察…まだかな」
奈美が不安そうに呟くと、
穂乃果は「--街から離れてる場所だし、時間が時間だからー」と、
困り果てた様子で呟くー。
旅館内のカラオケルームに向かうために走る二人ー
しかしー
「--ぎあああああああああああああああ!!!!!」
白目を剥いた状態で、奈美の同室にいた女子・愛が
襲い掛かって来るー
ギャル風の風貌は、乱れ切っていて、
服もボロボロになっている愛ー。
「あ、、、愛…!」
奈美が怯えた様子で言うと、
足を掴まれた穂乃果が、愛を蹴り飛ばすー。
カラオケルームがある方向に奈美ー
その反対側に穂乃果ー
二人を分断するかのように、愛がニヤニヤと笑っているー
「ほ、、穂乃果!」
叫ぶ奈美ー
「早く…!先に…!先に行って!」
とー。
「---で、、でも!」
奈美は、愛に道を塞がれている穂乃果の方を見ながら叫ぶー。
「--いいから、、早く!!!!」
穂乃果の言葉に、奈美は迷った挙句ー
「後から、必ず来てよ!」と叫び返して、
そのままカラオケルームの方を目指したー。
・・・・・・・・・・・・・・・
「--はぁ…はぁ…」
小久保先生は、寄生された井口先生をなんとか気絶させると、
一息をついたー。
「(いったい、何が起こってるんだこりゃ…)」
大口を開けて倒れている井口先生の口から
顔を出して、ミミズのように蠢く寄生虫を見て、
気分を悪くする小久保先生ー
警察が来たところで、
こんなこと、対処できるのだろうかー。
いやー
そもそも”この旅館の外”は、無事なのだろうかー。
そんな不安さえ、生まれてしまうー。
「---ふぅ」
小久保先生が、立ち上がり、カラオケルームの方を
目指そうと振り返ったその時だったー。
「---桃原ー」
小久保先生は、背後に立っていた生徒会長の穂乃果を見て、
少し驚いた表情を浮かべたー
さっきー
穂乃果は、奈美と一緒にカラオケルームに向かったはずだー。
「----花澤は?」
奈美のことを聞くと、
穂乃果は「先にカラオケルームに向かいました」と笑みを浮かべたー。
「そ、そうかー
ならよかったー」
小久保先生が安心した様子で頷き、倒れている井口先生の方を
振り返ったその直後だったー。
「---!?」
穂乃果が突然、背後から小久保先生の口をふさいだのだー。
「----ねぇ、なんで無事なの?」
穂乃果の冷たい声ー。
「--!~~!~???!?」
声を出すこともできずもがく小久保先生ー
やっとの思いで、穂乃果を振り払うと、
「お前も寄生されてー」と、叫んだー
だがーーー
穂乃果は笑みを浮かべながら、自分のスカートをめくるとー
太ももに、ヘビのように巻き付いた寄生虫を見せつけたー。
「----わたしが、この子たちの”女王”-」
無気味に笑う穂乃果ー。
「--な、、なにをいってー?」
唖然とする小久保先生ー
「--わたしは支配されてるんじゃなくて、
支配してるのー」
それだけ言うと、生徒会長の穂乃果は
凶悪な笑みを浮かべたー
「-おやすみなさいー 小久保先生ー」
とー。
その直後、小久保先生の悲鳴が、夜の旅館に響き渡ったー
③へ続く
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コメント
拡散する寄生虫…!
無事に脱出できるのでしょうか~?
続きはまた次回デス~!
お読み下さりありがとうございました~!