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修学旅行を楽しむ高校生たちー。

しかし、1日目の夜、

生徒たちが宿泊している旅館に突如として、

”謎の寄生虫”がやってきたー。


女将が乗っ取られ、女性教師の緑川先生が乗っ取られー

乗っ取られた人間が、普通の人間にキスをすることで

”寄生”は拡大しているー


同室の生徒全員が寄生されてしまったものの、

自身は布団に潜りこんでスマホをいじっていたため

無事だった女子生徒・奈美は、となりの部屋で

生徒会長の穂乃果と合流するも…?


☆前回はこちら★↓

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・・・・・・・・・・・・・・・・・


「--何が起きているのー?」

突如、部屋にやってきた緑川先生の手によって、

同室の女子生徒全員が謎の寄生虫に寄生されてしまった奈美は、

戸惑いを隠せないー。


隣の部屋のメンバーの一人、生徒会長でもある穂乃果も、

戸惑っている様子だー。


「-わたしにも、分からない」

穂乃果は部屋の外のほうを見つめるー。


部屋の外からは微かに悲鳴が聞こえるー

ある程度の距離はあるが、

他の生徒たちが謎の寄生虫の餌食になっていることは

明らかだったー。


「--こんな…こんな企画なかったよね…?」

奈美が怯えながら言うと、穂乃果は

「--深夜にサプライズ肝試しなんて、あるわけないでしょ」と

ため息をつくー。


少し同様した様子を見せながらも、

生徒会長の穂乃果は冷静だったー。


「--花澤さんの部屋のみんなは?」

穂乃果の言葉に、奈美は首を横に振るー


「緑川先生が急に入ってきて、みんなあの虫の

 せいでおかしくなっちゃったー」

悲しそうに呟く奈美ー


愛も、美野里も、みんな、あの虫のようなものに

乗っ取られてしまったー。


「---そうーーー」

穂乃果は悲しそうにそう呟いたー。


「そ、、そうだ…た、、助けを…助けをよぼっ!」

奈美がスマホを手に言うー。


明らかな異常事態ー。

スマホで助けを呼ぼうとした奈美の提案は、

理にかなったものだったー。


「--そうね…わたしは警察に連絡するから、

 奈美ちゃんはこの旅館の受付に連絡してみてー」

穂乃果の言葉にうなずく奈美。


二人がそれぞれ電話を掛けるー。


穂乃果が、電話で警察と事情を話し始めるー。

さすがに”寄生虫”などと言っても信じてもらえないと判断したのか、

生徒や先生が襲われていることを、穂乃果が説明しているー


奈美は、そんな会話を聞きながら

旅館の受付に電話を入れるー。


しかし、何度電話をかけても繋がらないー。


「--もう…お願い…出てよ!」

旅館の女将を始め、スタッフは既に寄生されて

乗っ取られてしまっているー。


だが、そんなことを知らない奈美は、

”お願い”と、何度も何度も、出てくれることを

祈りつつ、電話をかけ続けたー


「---そっちはどう?警察は呼べたけどー」

穂乃果の言葉に、奈美は「だめ…繋がらない」と呟くー。


「--ーー警察が来るまでの辛抱だからー」

穂乃果はそれだけ言うと、

「花澤さんは、ここに隠れてて」と、手で合図しながら、

そのまま外に向かおうとするー。


「-ちょ、、ちょっと!穂乃果はどこに行くの!?」

奈美が言うと、穂乃果は

「他にも無事な子がいるかもしれないし、見に行かなきゃ」と、呟くー。


”こんな時まで、優等生なんだからー”と

奈美は思いながら

「なら、わたしも行くよ」と、穂乃果に向かって言い放つー。


「--え」

穂乃果は一瞬、戸惑った表情を浮かべるー


「でも、危険だよー」

とー。


その言葉に、奈美は「危険なのは、穂乃果も同じでしょ」と、

言い放つと、「穂乃果だけ危険な目には遭わせられない!」と

付け加えたー。


穂乃果は奈美の強い意志を受け取り、

すぐに微笑み、「うん…じゃあ…一緒に行こ!」と頷いたー。


廊下に飛び出して、二人は、さらに隣の部屋を確認するー。


しかし、既に隣の部屋にも誰もいなかったー。


「-ーー男子の部屋は?」

奈美が言うー。


穂乃果は「そうね」と、階段の方に向かい始めるー。


女子がいる2階は、ほぼ全滅状態に見えるー。

寄生された女子たちがどこに向かったのかも分からないー。


3階には男子たちと、先生たちが宿泊している部屋があるー。

そこに行けばー

旅館内の階段にたどり着いた二人は、なるべく静かに階段を

駆け上がるー。


「---っっ…」

穂乃果が、突然立ち止まってスカートのあたりを押さえるー。


「--だ、大丈夫…?」

不安になる奈美ー。

穂乃果も既に寄生されているのではないかと、一瞬、

そんな不安を抱いてしまったのだー。


「-うん。ごめん。普段、そんなに運動とかしないからー」

穂乃果が”足がちょっと”と、ほほ笑むと、そのまま

再び前に進み始めたー。


3階に到着するとー

廊下で男子と女子が抱き合っていたー。


「---…うわ…修学旅行の夜にヤッてるー」

奈美は”のんきだなぁ”と思いながら、

「--ねぇ…あのさ!」と、そのカップルに声をかけるー。


しかしー


「---!!!」


よく見るとー

女子が男子に無理やりディープキスをしていてー

男子はもがいているー。


しかも、キスをしていた女子は、クラスでも一番大人しい

眼鏡女子の璃々(りり)-

相手は、クラスでも素行が一番悪い、大五郎(だいごろう)-


とても、釣り合うような二人ではー


「--!」

男子の方が倒れ込むー。


璃々が「お前も、、、仲間に、、なるのおおおおおおおお!」と

叫びながら、大口を開けて寄生虫を口から飛び出させるー


「ぐおおおおおおっ…がっ…ぶごごおおおおお!!!」

倒れたまま璃々にキスされた大五郎が、ゴボゴボと悲鳴を上げるー。


「---ひっ…!」

奈美が後ずさるー。


すぐ隣の部屋でも、女子が男子を襲撃しー

まるで、そこら中で行為が行われているかのような

地獄絵図が広がっていたー。


「----花澤さん!」

別の部屋を確認していた穂乃果が、奈美の方に駆け寄って来るー。


「--穂乃果!」

半分パニックになりながら、穂乃果の方を見て叫ぶと、

穂乃果は「ダメ…男子も、やられてる」と、首を振ったー


「-も、、もう無事な人はいないのー?」

奈美が言うと、

背後から人影が姿を現したー。


「---あれぇ~~奈美~~~~~

 ねぇ、みて、わたしの大切な子ー」


同じ部屋だった美野里が、鼻から飛び出している寄生虫を

指さしながら、鼻声で笑うー。

無理矢理、鼻から寄生虫が飛び出した状態だからかー、

美野里は鼻血を流しながら、ニヤニヤとしているー


「---ひ…み、、美野里…!」

奈美が悲鳴を上げるー


「---この子が、わたしのあたまの中を

 くちゅくちゅくちゅくちゅして、、、

 わたしを、、、きもちよくしてくれるのぉ…

 えへっ…えへへへへへ」

美野里の太ももに、謎の液体が垂れるようにして付着しているー


「--奈美にも、この気持ちよさ、おしえてあげるぅ~」

美野里が、口からも寄生虫を飛び出させながら、奈美の方に

向かってくるー


「--ほ、穂乃果!」

奈美が背後にいる穂乃果に向かって叫ぶと、

穂乃果は「こっちも!」と叫んだー


廊下の反対側ー

穂乃果が立っている方向からは、若い女性教師・緑川先生が、

迫っていたー

お尻から寄生虫が飛び出した状態で、スカートから、ぶらぶらと

寄生虫を揺らしている緑川先生ー。


「-逃げるなんて、悪い子たち……

 身体を、、ご主人様たちに捧げるのよっ!」

緑川先生がよだれを垂らしながら叫ぶーーーー


「----たすけて…!」

奈美が目を閉じて、神様に祈るかのようにして、そう叫んだー。


その時だったー


「--ぶぎゃっ!」

美野里が奇妙な声を上げて吹き飛んだー。


「---!」

奈美が涙目で顔を上げるとー

そこには、B組の担任である男性教師の小久保先生がいたー

その手には、木刀ー。


「---花澤、無事か?

 それに桃原(ももはら)もー」


桃原、とは生徒会長・穂乃果の苗字だー。


「--」

穂乃果は一瞬驚いたような表情を浮かべながらも

「は、、はい」と頷くー。


「---…せ、、せんせい~~…」

奈美は、普段は煙たがっているB組の小久保先生の姿を見て

泣きながらその腕にしがみついたー


「お、おい…花澤…まずはとにかく、安全な場所に逃げるぞ!」


B組の小久保先生ー。

寄生虫に乗っ取られる前の緑川先生に「生徒たちは寝ないだろ?」と

笑っていた先生ー。

奈美の部屋の女子生徒たちからも

”夜更かし”を邪魔する候補の先生として名前が挙がっていた体育教師だー。


普段は、煙たいけれどー

こういう有事には、最も頼りになる先生と言えたー。


「--とりあえず無事だったやつらをカラオケルームに避難させてる」

小久保先生はそう言いながら、木刀を手に寄生された生徒たちを

殺さない程度に追い払うー。


女子生徒が、無残な姿で襲い掛かって来るー。

完全に”女を捨てている”そんな感じだー。


「---何人ぐらい、無事なんですか?」

穂乃果が心配そうに言うと、

「-他にも無事なやつらはいるかもしれないがー」と

前置きした上で、小久保先生は

カラオケルームに避難しているのが、自分を含めて4人だと説明したー。


「--たった、それだけ…」

奈美が絶望の表情を浮かべるー。


「-ーそうだ!お前ら、スマホは?」

小久保先生が言うー。

みんな、急に襲撃されたことで、スマホを持っておらずー

外部に助けを求めることが出来ていないのだというー。


「--あ…持ってます」

奈美が言うと、小久保先生は「警察に連絡できるか?」と、

奈美に尋ねたー。


「--あ、はい。さっき穂乃果が連絡しているので、

 じきに到着すると思います」

奈美の言葉に、穂乃果も頷くー。


「よかったー」

小久保先生は、それだけ言うと、

「お前らを、カラオケルームに避難させたら、

 俺はまた、無事なやつらがいないかどうか、探すからー」と、

説明しながら、襲い掛かって来たD組の井口先生を突き飛ばすー。


井口先生は”口うるさいおばさん”として

奈美の部屋の女子たちに警戒されていた教師だー。


耳から寄生虫を飛び出させた状態で、

ニタニタと笑う井口先生ー


「あなたたちもぉ…この気持ちよさを…あじわってえええええ!」

いつもの、口うるさいおばさん、という雰囲気は無くなりー

完全に正気を失っている井口先生ー。


小久保先生が、井口先生を押さえながらー

「お前たちは先に行け!」と叫ぶー。


カラオケルームの場所を叫ぶ小久保先生ー。


「--はい!わかりました!」

穂乃果が奈美の手を引っ張って、そのままカラオケルームの方に向かうー。


「--ねぇ…警察…まだかな」

奈美が不安そうに呟くと、

穂乃果は「--街から離れてる場所だし、時間が時間だからー」と、

困り果てた様子で呟くー。


旅館内のカラオケルームに向かうために走る二人ー


しかしー


「--ぎあああああああああああああああ!!!!!」

白目を剥いた状態で、奈美の同室にいた女子・愛が

襲い掛かって来るー


ギャル風の風貌は、乱れ切っていて、

服もボロボロになっている愛ー。


「あ、、、愛…!」

奈美が怯えた様子で言うと、

足を掴まれた穂乃果が、愛を蹴り飛ばすー。


カラオケルームがある方向に奈美ー

その反対側に穂乃果ー


二人を分断するかのように、愛がニヤニヤと笑っているー


「ほ、、穂乃果!」

叫ぶ奈美ー


「早く…!先に…!先に行って!」

とー。


「---で、、でも!」

奈美は、愛に道を塞がれている穂乃果の方を見ながら叫ぶー。


「--いいから、、早く!!!!」

穂乃果の言葉に、奈美は迷った挙句ー

「後から、必ず来てよ!」と叫び返して、

そのままカラオケルームの方を目指したー。


・・・・・・・・・・・・・・・


「--はぁ…はぁ…」

小久保先生は、寄生された井口先生をなんとか気絶させると、

一息をついたー。


「(いったい、何が起こってるんだこりゃ…)」

大口を開けて倒れている井口先生の口から

顔を出して、ミミズのように蠢く寄生虫を見て、

気分を悪くする小久保先生ー


警察が来たところで、

こんなこと、対処できるのだろうかー。


いやー

そもそも”この旅館の外”は、無事なのだろうかー。


そんな不安さえ、生まれてしまうー。


「---ふぅ」

小久保先生が、立ち上がり、カラオケルームの方を

目指そうと振り返ったその時だったー。


「---桃原ー」

小久保先生は、背後に立っていた生徒会長の穂乃果を見て、

少し驚いた表情を浮かべたー


さっきー

穂乃果は、奈美と一緒にカラオケルームに向かったはずだー。


「----花澤は?」

奈美のことを聞くと、

穂乃果は「先にカラオケルームに向かいました」と笑みを浮かべたー。


「そ、そうかー

 ならよかったー」

小久保先生が安心した様子で頷き、倒れている井口先生の方を

振り返ったその直後だったー。


「---!?」

穂乃果が突然、背後から小久保先生の口をふさいだのだー。


「----ねぇ、なんで無事なの?」

穂乃果の冷たい声ー。


「--!~~!~???!?」

声を出すこともできずもがく小久保先生ー


やっとの思いで、穂乃果を振り払うと、

「お前も寄生されてー」と、叫んだー


だがーーー

穂乃果は笑みを浮かべながら、自分のスカートをめくるとー

太ももに、ヘビのように巻き付いた寄生虫を見せつけたー。


「----わたしが、この子たちの”女王”-」

無気味に笑う穂乃果ー。


「--な、、なにをいってー?」

唖然とする小久保先生ー


「--わたしは支配されてるんじゃなくて、

 支配してるのー」


それだけ言うと、生徒会長の穂乃果は

凶悪な笑みを浮かべたー


「-おやすみなさいー 小久保先生ー」

とー。


その直後、小久保先生の悲鳴が、夜の旅館に響き渡ったー



③へ続く


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コメント


拡散する寄生虫…!

無事に脱出できるのでしょうか~?


続きはまた次回デス~!

お読み下さりありがとうございました~!

(Fanbox)


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