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隣人・佐々木家に捕まってしまった美姫は

目から涙をこぼしながら、

まっすぐと彼女の方を見つめていたー


一人暮らしを始めた美姫に、何かと親切にしてくれていた佐々木家ー。


しかしー

その佐々木家が、不良三人組に憑依されてしまったのだー。


母親の静江は全裸のまま、クスクスと笑っているー

長女の麻奈はバニーガール姿のまま、美姫の方をあざ笑うようにして見つめているー


長男の誠司は、少し前まで茶髪の男に憑依され

女装を強要されていたものの、茶髪の男が、誠司から

美姫の親友である日花里に”乗り換えた”ことで、

誠司は解放され、父親の大輔と誠司は、逃亡したのだというー。


「---日花里!」

美姫が叫ぶー


そして、今ー、

美姫が見つめているのは、親友の日花里ー


佐々木家の豹変の真相を知った美姫は、

”隣にいれば自分も危害を加えられてしまう”と、

隣町に住む親友である日花里に、事情を全て話し、

日花里の家に避難したー。

日花里も、美姫の”隣人が憑依された”という話に

驚きながらも、快く、それを受け入れてくれたのだー。


だがー

それが”仇”になったー。

そのせいで、日花里を巻き込んでしまったー。


佐々木家に憑依している男たちが、美姫が、親友の家に

避難した状態で、佐々木家を助け出そうとしていることを

知ってしまいー

日花里は、憑依されてしまったのだー


茶髪の男が、憑依から抜け出し、ぐったりと気を失ったままの

日花里を見つめながら、美姫は、何度も何度も

”ごめんなさい ごめんなさい”と呟くー。


こんなことになるなんてー

大事な親友を、巻き込んでしまうなんてー


ミニスカートに網タイツというイヤらしい格好を

させられた日花里が、やがて、意識を取り戻すー


「うっ………」

日花里が、寝ぼけた様子で周囲を見つめるー。


周囲にはー

佐々木家の住人ー

バニーガール姿の長女・麻奈と、

全裸の母親・静江が、ニヤニヤしながら

日花里の方を見つめているー


茶髪の男も、日花里の方を見つめたままー。


「---え…わ、、、わたし…」

日花里が美姫に気付くー。


美姫が「日花里…ごめんなさい」と目から

涙をこぼしながら言うと、

半分寝ぼけたような状態だった日花里が、

”意識を失う直前”のことを思い出して、

自分が憑依されていたことを悟るー


「--え、、わ、、わたし…

 み、、美姫に何かした…???」

日花里がとても不安そうな表情を浮かべるー


「--ううん。何にも…だいじょうぶ。

 巻き込んで、ごめんね」

美姫は優しくほほ笑んだー。


麻奈・静江と、茶髪の男がニヤニヤしながら

その様子を見つめているー。


「--へへへ 最後の”お別れ”なんだ。

 少しはゆっくり話させてやるぜ」

バニーガール姿の麻奈が笑いながらそう言うと、

日花里は「最後…?」と麻奈の方を見つめて

すぐにハッとしたー。


自分は、こいつらに憑依されたはずー。

乗っ取られる直前の場面が、頭の中に浮かぶー


それなのに今、自分はこうして解放されているー。


そしてー

美姫の、まるで”永遠の別れ”直前みたいな涙ー


親友である日花里は、美姫が

何をしようとしているのかを、瞬時に理解したー。


「---……ちょ!美姫!もしかして…

 美姫、、わたしの代わりに…!?」


そんな日花里にー

美姫は悲しそうに、けれども優しくほほ笑んだー。


「でもね、美姫ー

 わたしを助ける方法があるんだよ?

 あんたがわたしの身代わりになるの。

 そうすれば、わたしは解放されるー」


”憑依されていた日花里”の言葉を思い出すー。


美姫は、日花里の”身代わり”になって、

日花里を助けようとしていたー。


「---日花里…巻き込んで、本当にごめんね」

美姫が涙を流しながら言うー。

日花里は自分が、網タイツを履かされている状態で

あることにも気づかないぐらいに、必死で

美姫の方を見つめるー。


「--だめ…だめよ美姫!

 こんな人たちに、身体をあげるなんて…

 絶対にだめ!」

日花里が叫ぶー。


”こんな人たち”

そう言われた、憑依されている麻奈が「ひっど~い!」と

身体をクネクネさせながら挑発的に笑うー。


「----わたしのせいだからー…

 わたしが、日花里を巻き込んだからー


 日花里…おねがい、逃げてー。

 わたしが、身体を奪われちゃう前に…」


美姫は泣きながら言うー。

茶髪の男が、美姫に近づいてくるー。


「---……日花里…わたしを、安心させてー…

 亮平さんと、もうすぐ結婚でしょ…?


 日花里だけでも、逃げてー」


美姫の悲痛な叫びに、日花里は泣きながら

「だめ…美姫も…!」と叫ぶー


美姫は、「ありがとうー」と優しくほほ笑むと、

自分に近づいてくる茶髪の男を睨みつけたー。


「--日花里には絶対に手を出さないで。

 約束してー。」


美姫の強い口調に、

茶髪の男は「約束は守るさ。絶対に」と、笑みを浮かべたー


美姫は、

乗っ取られたままの隣人の長女・麻奈と、母親・静江の方を見つめるー


”ごめんなさいーーー

 わたしには、助けてあげることが、できなかったー”


今の美姫にできるのはー

親友である日花里を助けることで、精一杯ー。


「---(きっとーーー)」

美姫は、目を閉じるー


この場から逃げ出した日花里かー

それとも、解放された佐々木家のお父さんか、長男の誠司くんがー

誰かがー、

誰かが、みんなを助けてくれるー


そう、信じてー。


「---…でも…でも…!」

日花里の悲痛な叫びー。


「----お願い…」

美姫が泣きながら言うと、

日花里は、悔しそうな表情をしながらも、

「絶対に助けるから」と、だけ呟いて、

乗っ取られている麻奈と静江、そして、

美姫のすぐそばにいる茶髪の男を睨みつけるー。


美姫が、日花里の方を見て頷くー。


”逃げて”


そのメッセージを受け取った日花里は

”今、自分にできることは、美姫を安心させるために

 美希が乗っ取られる前にここから脱出すること”

しか、ないことを悟るー。


ここで抵抗してもー

絶対に、勝ち目はないことを悟るー。


”勇気”と”無謀”は違うー。

日花里は、それをよく理解しているー。

だからこそ、美姫を匿った時にも、

”お隣さんが憑依されている証拠”をちゃんと手に入れないと、と

アドバイスしたのだー


美姫は、日花里が、家の外に向かったのを見て、

”やっぱり日花里は、高校時代から、本当に頼りになる”と、

改めてそう思ったー。


友達思いで、頭もいいし、何より優しくー

その上で「理想と現実の区別」がしっかりつく

現実主義なタイプで、

冷たい現実からも、目を逸らさず、

その上で「どうにかできないかどうか」を

考えることが出来る子-。


それが、美姫からの、日花里に対するイメージ。


”今”すべきことを

ちゃんと、日花里は分かってくれているー。


「--日花里!!!わたしのことは気にしなくていいから!

 巻き込んで、本当に、、本当に、ごめんなさいー!」

玄関の方に向かって叫ぶ美姫ー。

聞こえているかは、分からなかったー


その直後ー

美姫は、茶髪の男にキスされてー

目から涙をあふれさせたまま、茶髪の男に憑依されー

身も心も完全に乗っ取られてしまったー


「--日花里~本当にごめんねぇ~♡

 なんて、な 

 へへへ うるせぇんだよ」


乗っ取られた美姫が、笑みを浮かべると、

突然、玄関の方に向かって走っていくー


「くくく」

その様子を、佐々木家の長女・麻奈と

母親・静江が見つめているー


静江は「ババアより、婚約者のいる若い女の身体のほうが、いいもんな」と

笑みを浮かべるー。


玄関から飛び出した美姫は、全力疾走してーー

佐々木家から脱出した日花里に追いついたー。


「---!!」

逃げようとしていた日花里のところにやってきた美姫は

「逃がさないよ、ひ・か・り♡」と、笑みを浮かべたー


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「--へへへ おかえりぃ」

バニーガール姿の麻奈が手を上げるー


憑依された美姫に捕まった日花里が、

美姫の方を睨みつけると、叫んだー


「あ、、あんた…美姫と約束したでしょ!?

 美姫の代わりに、わたしを解放するって!」


日花里が叫ぶー


自分が助かりたいからー、ではないー。

美姫との約束を破ろうとしているこの男たちが許せなかったー。


「---あ~確かに約束したなぁ~~」

美姫が笑うー


さっきまでの美姫とは、まるで別人ー。

隣人の佐々木家を救おうとしていた優しい美姫は、もう、いないー。


「--俺たちは、約束を守るぜ」

麻奈が笑うー。


「-ーーでもさぁ」

麻奈が、美姫の方を見ると、美姫が微笑んだー。


「--さっき、わたしの代わりに日花里だけは助けてって、

 お願いしたけど、やっぱそれナシでいいですぅ~~♡」

美姫がふざけたポーズを取りながら笑うー。


「--…え…」

日花里が唖然としているー


「--約束をお願いした”わたし”から、

 約束をなかったことにして~、って

 お願いしちゃってるんだから、

 日花里を解放しなくても、約束破ってはないよね~?

 うふふふふ♡」

美姫が笑うー。


最初からー

この男たちは、こういうつもりだったのだー


「--ふ、、ふざけたことを!!美姫を返して!」

日花里が怒りの形相で叫ぶー。


しかしー

背後から全裸の母親・静江が日花里を掴むとー

「ババアより、婚約者のいる若いお前の身体のほうがゾクゾクするぜー

 お邪魔しまーす」と、静江が日花里にキスをしたーー


静江が倒れーー

日花里が、ふらふらとよろめくーー


そしてー

日花里は邪悪な笑みを浮かべるとー

金髪の男に乗っ取られた日花里は、その場で服を引きちぎってー

裸族になったー


・・・・・・・・・・・・・・・・・


それから、数か月の時が流れたー


OL・美姫が住んでいた賃貸は、

美姫が失踪したことによってー

契約が解除されー、

先週から、新しい住人が入居していたー。


佐々木家の父親・大輔は、

家族を救えなかったことを苦にしたのか、

命を絶ってしまいー

長男・誠司は気を病んで入院中ー


そしてー

日花里が憑依されたことで、結果的に解放された母親の静江は、

憑依されていたショックからか、記憶を失い、

そのまま失踪してしまったー。


佐々木家の家にはー

今、

佐々木家の長女だった麻奈と、

佐々木家を救おうとしたOLの美姫、

そしてその親友の日花里が三人で暮らしているー


全員、憑依されたままの状態でー。


「---日花里~~~♡」

ナース姿の美姫が、親友の日花里とキスをしているー


「--美姫~~♡ふふふふふふ」

全裸の日花里が笑いながら美姫にキスをしているー


美姫は、髪型もメイクも、何もかも変えて

まるで”別人”のようになってしまったー。

自分好みに完全にカスタマイズしたのだー。


裸族の金髪男に憑依された日花里は、

裸で過ごすようになったー。

婚約者だった彼氏・亮平のことも、もうとっくに振っているー。


佐々木家で唯一憑依されたままの麻奈は、

身体を使って金を稼ぎながら、欲望の日々を送っているー。


「--あぁぁぁ~美女三人が同居してるなんて、最高だぜ」

エッチ三昧の麻奈が叫ぶー。


「--だよなぁ!ぎゃははははは!」

全裸で酒を飲みながら笑う日花里ー。


「--ふふふふ…はははははははははっ♡」

欲望に満ちた男たちに乗っ取られた美姫、日花里、麻奈の

三人は狂ったように笑い続けたー


美姫と日花里ー

”中身”は互いに変わってしまったけれどー


”身体”の絆は、前よりも強まったのかもしれないー…。


・・・・・・・・・・・・


「-----」

元々美姫が住んでいた賃貸ー、

佐々木家の隣の家に最近引っ越してきた

一人暮らしの女子大生は、”今日も隣の家から聞こえてくる喘ぎ声”に

表情を歪めて、こう思ったー。


”隣の家族が狂ってる”


とー。



おわり


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


コメント


隣人家族が憑依されてしまったことから

始まる悲劇のお話でした~!


結果的に、佐々木家は、4人中3人は、

一応解放はされていますネ~汗


お読み下さり、ありがとうございました!!

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