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女子高生の真美は、学校帰りの電車内で、突然

見知らぬ中年のおじさん・小太郎に身体を入れ替えられてしまったー。


何が起きているのか分からないまま、

小太郎になってしまった真美は、”自分”に話しかけるも、

真美になった小太郎は、”普通の女子高生”のフリをして

”周囲の乗客”を味方につけたー。


事情を知らない周囲の乗客からすれば

”おっさんが女子高生に絡んでいる”という危険な状況にしか見えないのだー。


”そうなること”を予見した上で、”電車内”で入れ替わった小太郎ー。

真美の身体を手にした小太郎は、不敵な笑みを浮かべながら、

小太郎になった真美がいる車両から、1つ前の車両に移動し、

電車の窓に反射する自分の姿を見つめながら

頬を触ったー


「ふふふ…若いだけじゃなくて…すべすべな肌…

 俺とは大違いだ…」

小声で嬉しそうに呟く真美(小太郎)-。


綺麗な手ー

綺麗な肌ー

可愛い顔ー

可愛い声ー

女子高生という若さー

その全てが、手に入ったー


自分のー

”おっさん”の身体なんて、もう、いらないー


「---くくく」

真美(小太郎)は、小太郎(真美)がいる

ひとつ後ろの車両の方を見つめるー。


この電車内を選んだのは、やはり正解だったー

周囲の乗客は、小太郎になった真美のことを

”おかしなおっさん”だと思っているー。


おっさんとJK-。

社会は、おっさんに厳しいー


「ーおっさんの人生はハードモードだってことー

 とくと味合わせてやるぜ」

真美(小太郎)は、静かにそう呟くと、笑みを浮かべたー


・・・・・・・・・・・・・・・


周囲から白い眼で見られる小太郎になった真美ー


「おっさん、これ以上付きまとうと、通報されるぜ?」

電車の乗客の男が言うー。


「--ち、ちが、、わ、、わたしが、、なんていうか…

 その…」

小太郎(真美)はそこまで口にして、言葉を止めてしまうー


今のこの状況が、非常にまずい状況であることは、

小太郎(真美)にもよく理解できたー。


どう考えても、周囲からは、怪しいおっさんにしか見えないだろうし、

自分がもし、第3者だったら、やっぱり”小太郎(真美)”を疑うー。


「---あ、、あの子、わたしの娘なんです!」

小太郎(真美)が叫ぶー。

若い男は「はぁ?!」と戸惑うー。


「--失礼します」

周囲の乗客の返事を待たず、小太郎(真美)は、

前方の車両に向かって歩き出すー。


何が何だかわからないけどー、

”自分の身体を取り戻さないと”


そう思いながら、前方の車両に向かうと、

真美(小太郎)はイスに座ってスマホを見つめていたー


”ん~~~JKのLINEのやり取りー

 見てるだけで興奮するなぁ”


真美になった小太郎宇は、真美の記憶を全て得たことで、

真美のスマホの暗証番号も難なく解いて見せたー。


「--……ど、どういうことですか!?」

小太郎(真美)が、真美(小太郎)の前に立つと、

そう叫んだー


他人の空似ではないー

そして、自分が、この男ー、

小太郎の身体になっている、ということは、

身体が入れ替わってしまっている状況であると、

小太郎になった真美は、ようやく理解していたー。


「---どういうことって?」

真美(小太郎)がクスっと笑うー。


”明らかに入れ替わったことを自覚している顔”だー。


「-ーあ、、あなたが何かしたんですね!?」

小太郎(真美)は思わず叫んだー。


周囲にいる乗客の何人かが、小太郎(真美)と

真美(小太郎)のやり取りを見つめているー。


「---わ、わたしの身体を返してください!」

小太郎(真美)は叫ぶー


周囲の乗客からすれば、

”ちょっとやばい感じのおっさん”にしか見えないこの状況ー。


「--どうして、そう思うんですか?」

真美(小太郎)は笑みを浮かべながら言うー


あくまでも、とぼけるつもりだー。


「--わたしは、普通の女子高生ですよ?

 何か、勘違いしていませんか?」

真美(小太郎)の笑みに、

小太郎(真美)は少し怒りながら頷くとー

「ふ~ん…じゃあ、だったら、自分の名前、分かるんですか?」

と、そう言い放ったー


”入れ替わったばかりのこのおじさんじゃ、

 わたしの個人情報は答えられないはずー”


とー。


”自分の個人情報を答えられない女子高生ー”

そんな光景を見せれば、周囲も少しは信じてくれるかもしれないー。


だがー

真美(小太郎)はクスッと笑うー。


「-わたしは森野 真美ー」

真美(小太郎)は、正確に自分の名前を答えたー


「--!!な、なんでわたしの名前をー」

小太郎(真美)は戸惑いつつも、

真美(小太郎)を睨んだー


”こ、このおじさん、わたしのことを最初から狙ってたのね…?”

そう気づく小太郎(真美)


しかしー

真美のその推理は外れているー。


小太郎は、真美のことを狙っていたわけでもないし、

真美の名前も知らなかったー。

電車内で”入れ替わる相手”を小太郎は物色した結果、

真美と入れ替わったー。

別に、真美を狙っていたわけではないー

たまたま、今日、この時間に、乗り合わせている乗客の中で

”かわいい女”なら、誰でも良かったのだー


真美の名前を知っているのはー

真美になった小太郎が、真美の記憶を全て手に入れたからー。


そうとも知らない小太郎(真美)が、

誕生日や血液型、家族構成、あらゆることを質問し始めるー。


周囲がどよめくー。


電車に座っている女子高生に近づいて行ったおっさんが

座っている女子高生の目の前に立ち、個人情報を

無理矢理聞き出そうとしている光景にしか見えないからだー。


「--誕生日は6月12日、血液型はA型のRH+、

 家族はお母さんが、聖子(せいこ)、お父さんが俊(すぐる)、

 あと、弟の孝義(たかよし)-

 この3人ー」


真美(小太郎)は、正確に、個人情報を答え終えたー


「---!、、な、、なんで、、知ってるの…?」

震える小太郎(真美)-


この男は、そこまでわたしのことを調べたの?と

不安に思ってしまうー


真美(小太郎)は電車が駅に停車したのを見ると、

周囲の乗客が乗り降りしているタイミングで立ち上がり、

小太郎(真美)に耳打ちしたー。


身長ー

体重ー

スリーサイズー

好きな食べ物ー

嫌いな食べ物ー

最後に一人でエッチをした日ー


全てを、正確に呟いたー


「え!?」

小太郎(真美)は、唖然としてしまうー。

真美(小太郎)がにっこりと笑うー


再び、電車が走り出すー。


「---他に何か、質問はありますか?」

勝ち誇った表情で微笑む真美(小太郎)-


真美になった小太郎には、

真美の記憶が全て流れ込んで来たー。

答えられない質問は、ないー。


「--他に、何か?」

真美(小太郎)が少し脅すような口調で呟くー


「---え…あ、、、…」

小太郎(真美)は混乱していたー。


”もしかしたら、わたしの身体を動かしてるのも、

 わたしなのかもしれない”

と、不安に思ってしまうー。


自分が知らないおじさんの身体になっていて、

自分の身体が勝手に動いているこの状況ー。

最初は戸惑ったけれど、

真美は”おじさんと自分が入れ替わった”と判断しているー


しかしー

個人情報を全て正確に答えて見せた真美(小太郎)を見て、

”そうじゃないのかもしれない”と不安に思ってしまうー。


真美(小太郎)がイスから立ち上がるー。


「---あなたこそ…本当に”真美”なんですか?」

と、挑発的に呟く真美(小太郎)-


小太郎(真美)は、真美(小太郎)が、まだ口にしていない

個人情報を呟いたー。


出身小学校や中学校、修学旅行の行き先、仲良しの友達の名前ー。


「---ふふ」

真美(小太郎)は「正解」と笑うー


その笑い方を見て、

”やっぱり、今、わたしの身体を動かしてるのはわたしじゃない”と

確信するー。

”このおじさんが、わたしの身体を動かしてるー”

とー。


「--わたしの身体、返してください」

小太郎(真美)が言うー。


真美(小太郎)は他の乗客の方を見ながら、

わざと不安そうな表情を浮かべるー


それを見ていた乗客の一人が「あなた、いい加減にしなさい」と、

小太郎(真美)に声を掛けるー


小太郎(真美)は、「違うんです!」と声をかけて来たおばあさんに反論すると

真美(小太郎)の方を見つめたー


「どうして、わたしのこと、そんなに知ってるんですか…」

そう、言いながらー。


”最後に一人でエッチした日”や

”スリーサイズ”まで知ってるとなると

もはやそれは普通のストーカーですらない。


”異常”だー。


「----ふふふ」

真美(小太郎)は、笑みを浮かべたー。


そして、呟いたー


”じきに”わかりますよー。


とー。


真美(小太郎)は、それだけ言うと、さらに前方の車両の方に向かって

歩き出したー


”もうすぐー”

真美になった小太郎はほほ笑むー


”もうすぐ、始まるはずだー”

とー。


身体が入れ替わったあとには、

”その身体”の記憶が流れ込んでくるー。

何故なら”脳”にも、人間の記憶や保存されているからだー。

保存されている記憶が、魂に流れ込むー。


真美になった小太郎は、真美の脳から、真美の記憶が

全部、流れ込んで来たー。


時間差はあれど、小太郎になった真美には、

小太郎の脳から、小太郎の記憶が流れ込むはずだー。


そしてーーー


その”記憶が流れ込むタイミング”こそー

気を付けなくてはいけないー。


何故ならー


真美(小太郎)はそこまで考えて、笑みを浮かべると、

次の駅に停車したのを確認しながら、

小太郎(真美)のいる車両の1個前の車両に入り、

窓の外を見つめたー


”俺が女子高生になるからー

 お前はおっさんになりなー”


そう、微笑みながらー


・・・・・・・・・・・・・・・・・


小太郎(真美)は、前の車両に向かっていた真美(小太郎)を

追いかけようとするー。


「ちょっと待って!」

とー。


しかしー

ちょうど駅に停車していた電車ー


たくさんの乗客が乗り込んできて、

小太郎(真美)は、それに押し込まれてしまうー


「ちょ…!待ってよ!」

小太郎(真美)が乗客を押しのけて前の車両に向かおうとするー


だがー


「おい!」

スーツ姿の男に、声を掛けられるー。


「押すんじゃねぇ!」

とー。


小太郎(真美)はすみません…と、謝罪の言葉を口にするー


そしてー

ここでも”過酷な現実”を知るー。


”すみません”

そう言えば、真美に対してスペースを開けたり、通してくれる人が

多かったー


しかし、”おっさん”の身体で”すみません”と言っても

スルーしてくる人が多いー。


小太郎(真美)は、どうして…!と思いながら

やっとの思いで、前の車両に進む扉に手を掛けようとしたー


その時だったー


「-----------!!!!!」


小太郎の脳から、真美の意識にーーー

”小太郎の記憶”が流れ込んで来たー


真美の2倍以上の長さの人生が、

全て、一気にーーー


「---!!!!!あ、、、うあああ…!」


入れ替わりー

それは”入れ替わり薬”によるものであると、

瞬時に理解したー


しかしー

同時にーーー


「あ、、、、あっ…」

記憶が流れ込み終わった小太郎(真美)は、

茫然とした表情で、周囲を見渡し始めたー


・・・・・・・・・・・・・・


「-----記憶が流れ込むときー」

前の車両にいる真美(小太郎)は静かに呟いたー


「”記憶”に飲み込まれないように、注意しないとー」


入れ替わった身体の脳から

記憶が流れ込んで来るときにー

注意しないと

”記憶”に飲み込まれて、自我を失ってしまうーーー


入れ替わった状態は、”不安定”だー。

本来、自分の記憶は”脳”に存在するー


だが、どういうわけか、入れ替わりはー

”自分の記憶を持ったまま、他人の身体に移動することが出来るー”

自分の脳から、自分の魂が切り離された状態にも関わらず、だー。


それ故に、入れ替わった直後は、不安定な状態ー


自我を強く持てば、新しい身体の脳に、自分の記憶が

しっかりと刻まれ、自我を保ったまま

新しい身体を手にすることが出来るー


しかしー


精神的に不安定なままだったりー

自我を強く持てなかったりすればー


自我を失いー

”身体の記憶”に支配されるーー


つまりーー


小太郎になった真美はー

自分の意思が弱ければー

小太郎の身体の”記憶”に飲み込まれてー

自我を失い、小太郎になってしまうーーー


「----ちゃんと、”自分”を強く持てるかな?」

真美(小太郎)は笑みを浮かべながらそう呟いたー



③へ続く


・・・・・・・・・・・・・・・・・


コメント


次回が最終回デス~!

身体を取り戻して電車から降りるか、

それとも…?


ぜひ結末を見届けてくださいネ~!

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