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この高校では、バレンタインデーの”チョコの持参”は

先生たちも黙認しており、

毎年、女子生徒を中心にバレンタインデー当日になると

男子に本命チョコを渡したり、

とりあえず適当に義理チョコを配ったり、

女子同士で、友チョコを交換したり、

色々なチョコレートが、飛び交う。


しかしー…

今年は、違ったー。


「----♪~~」

本命チョコレートを生徒会副会長の男子生徒に

渡そうと、手づくりのチョコを手に、

朝早く、生徒会室の副会長を呼び出した、

C組の久美子(くみこ)は、緊張しながらも、

わくわくドキドキしていたー。


「---急に朝早く呼び出しちゃってごめんなさい、先輩」

久美子が、そう微笑みながら、

生徒会室の扉を開けるとー

そこにいたのはーー


全身チョコのような茶色いタイツを着たー

謎の人物だったー。


「----え」

久美子が唖然とするー。


「------」

無言で近づいてくる全身チョコ色タイツの謎の人物ー


久美子はその”異様な”人物を前に

逃げ出すことも忘れて、

震えながら呟くー


「あ、、あなたは…!?」

とー。


「---チョコレート怪人」

全身チョコ色タイツの人物は、そう呟いたー。


「---え…!?」


「---バレンタインデーを憎みし者なりー」


”男”とも”女”ともとれるような声ー

タイツで顔まで隠しているからだろうかー。


そんな風に思いながら、久美子が戸惑っているとー

チョコレート怪人が、久美子の後頭部に手をかざしたー


「---!?」

久美子は自分の身体の異変を感じたー。


”身体がー言うことを聞かないー?!?”

久美子が驚いていると、

チョコレート怪人が、久美子の背後にやってきてー

久美子の後頭部を”引き裂いたー”


後頭部が引き裂かれたような感触を感じー

久美子は一瞬、自分が刃物か何かで真っ二つに

されたーーー…と、思ったー


だが、痛みもなく、血も出ている様子がないー


「-!?」

久美子は、自分の身体の自由が効かないまま、

自分の”目線”が落ちていくのに気づくー


床に横たわるかのようにー


身体にふにゃふにゃして力が入らないー。


「--バレンタインデーは憎むべき敵だ。

 リア充のイベントに使われる

 我らチョコの怒りを受けるがいい」


チョコレート怪人は、意味の分からないことを口にするとー

”皮になった”久美子の皮を手にするとー

”何か”を近くに置いてあった鞄から取り出したー


「-ー!?」

意識はあるー


だが、身体を動かすことができず、

声も出すことができない久美子はー

その状況を、恐怖しながら見つめることしかできなかったー。


チョコレート怪人はー

”皮にした久美子”を着こむのではなくーー

皮になった久美子の”中”に、持参したチョコレートを

流し込み始めたのだー


「あ、、、ぐっ…」

着ぐるみの”中”にチョコを流し込んでいく

チョコレート怪人ー


久美子は”自分の身体の中”に直接何かを

ぶち込まれるような、

今までに感じたことのない感覚を感じるー


身体の内側から、何かが膨張するかのような、

奇妙な感覚ー


「あ、、、ぁっ、、、ぁっ…」

やがて、久美子の身体が、皮から人間の身体に戻っていくー


「--チョコの怒りを、受けるがいい」

チョコレート怪人は、そう呟くと、

そのまま立ち去っていくー


「--え…」

久美子は、唖然としながら、チョコレート怪人の方を見るー。


”あれはいったい、、なに…?”


そしてーーー

今、一瞬、自分が着ぐるみのような状態にされたのは、いったいー…?


そう思って立ち上がろうとした直後、久美子は異変を感じたー


「おっ…う、、、」

久美子が、胸のあたりを押さえるー。


急激に吐き気がするー

身体が、重いー


「---!?」

自分が呼吸をするたびに、

強いチョコレートの匂いがするー。


そしてーー


「おぇぇぇっ」

久美子は、その場で嘔吐してしまうー。


「---!?!?」

久美子は目を見開いたー。


口から吐き出されたのはー

嘔吐物などではなかったー。


”チョコレート”のような液体ー


「---!!!」

久美子は訳も分からず、混乱するー。


「わ、、わたし、、いったい…?」


そうこうしているうちに、再び吐き気がしてきた。

久美子はチョコレート色の液体を大量に口から吐き出したー


・・・・・・・・・・・・


教室ー


教室に集まった男女が、バレンタインデー当日ということも

あり、にぎわっているー。


「--久米塚(くめづか)と、内山(うちやま)は休みかぁ~」

男子生徒の一人が言う。


久米塚 修平(くめづか しゅうへい)と、

内山 彩香(うちやま あやか)-。

二人とも、クラスの隅っこにいるような生徒で、

去年のバレンタインデーの時に、陰険な女子グループから

揶揄われていた二人だー。


「---お前のせいじゃね?」

男子生徒の一人が言うと、

去年のバレンタインデーの時に二人を揶揄った女子生徒・絵麻(えま)が

「--いや、あたしのせいじゃないし!」と、否定したー。


「---う…ぁ…」


「--!」

クラスメイトたちが、教室に入って来た女子生徒の方を見て驚くー。


「--え?」

教室に入って来たのは久美子ー。


しかしー

久美子の様子は尋常ではなかったー。


「---あ、、、ぁ…」

久美子は目からチョコレート色の涙を流し、

鼻から鼻血を流すかのように、チョコレート色の液体を流しているー。


チョコレート怪人が久美子を皮にし、

久美子の皮の中に液状のチョコレートを大量に流し込みー

その状態で、人間に戻したー


結果ー

久美子の体内は、チョコレートまみれの状態になっておりー

身体が激しい拒否反応を起こし、

次々と色々な場所から、チョコが体外に放出されていたー。


「--久美子?」

絵麻や、他の女子生徒が、久美子に駆け寄るー


久美子は苦しそうに教室の床に両手をつくと、

「はぁ…はぁ…」と呟きながら

口からチョコレートを吐き出したー


「--ひっ!?!?」

「だいじょうぶ!?」

他の生徒たちが、久美子のただならぬ様子を見て、怯えるー。


「---ち、、ち、、チョコレート…怪人が…」

久美子が苦しそうに呟くー


そう呟き終えると、久美子はうめき声をあげながらー

まるで、お漏らしをするかのように、スカートの中から

チョコレート色の液体を垂れ流しにしたーー


「--ちょ!?!?久美子!」

女子生徒の一人・恵(めぐみ)が叫ぶー。


「--ちょ、ちょっとわたし、先生呼んでくる!」


”何かの病気?”

そんな風に思いながら、恵が保健室に向かうー。


しかしー

その途中でーー


「--え」

恵は、表情を歪めたー。


「--バレンタインデーは、忌むべき敵なり。」

チョコレート怪人だー。


女子トイレから出現したチョコレート怪人が

恵の前に立ちはだかったー


「ひっ!?」

恵が驚いて尻餅をついてしまうー


「---ーーー」

全身茶色いタイツ姿の、チョコレート怪人が、

恵の後頭部に手をかざすと、

恵は”皮”になっていくー


「--う、、、ぁ…?」

身体の自由が効かないー。

そんな風に思っていると、

チョコレート怪人が、恵の皮を乱暴に掴んでー

持ち上げたー


”え…なに…??なに…?”

恵が戸惑うー。


そしてーーーー

チョコレート怪人は、

恵の皮の中に頭を突っ込むと、

叫んだー


”バレンタインデーなんて、嫌いだ!”

とー


大声で何度も何度もー


そして、やがて満足したのか、

恵の皮を、チョコレート怪人は放り投げて

再び頭のあたりに手をかざすと、恵は、元の姿へと戻ったー


”バレンタインデーなんて嫌いだ”

”バレンタインデーなんて嫌いだ”

”バレンタインデーなんて嫌いだ”


恵の体内に、言葉が響き渡るー

まるで、催眠術のようにー


チョコレート怪人は、ビクンビクンと震えている恵を見つめながら

笑みを浮かべたー


「---バレンタインデーは、嫌いか?」

チョコレート怪人の言葉に、

恵は唖然とした表情を浮かべながらも、頷くー


無理やり、操られているかのようにー。


「----なら壊せ」

チョコレート怪人は、そう言うと、立ち去って行ったー。


恵は、保健室に向かわず、教室に戻るー。


「--あれ?恵…?先生は?」

陰険な女子の絵麻が言うと、

恵は「ば、、、ば、、バレンタインデーなんて、嫌いだ!」と叫んだー。


「--?」

絵麻や、周囲の生徒が首をかしげるー


久美子はいまだに苦しそうに、チョコレートを時々口から吐き出しているー


「--バレンタインデーなんて、、、嫌いだ!」

恵は、自分でも何でこんなことをしているのか分からないまま、

近くにあった女子の机に置かれているチョコレートを掴み、

そのままそれを踏みつぶしたー


悲鳴が上がる教室ー


次々と他の生徒のチョコを破壊していくー。


「--嫌いだ!嫌いだ!嫌いだ!」

体内からー

”バレンタインデーは嫌いだ”という言葉が

呪いのように湧き上がってきて、

恵はそれに支配されてしまうー。


チョコレート怪人は、その光景を遠くから見つめながら、笑みを浮かべたー


人間を皮にすることで、

人間の中身は”空洞”になるー。


その皮を”着る”ことで、その人間を乗っ取ることができるー。


だが、しかしー

”人間以外”のものを、皮になった人間の中に、ぎっしり詰め込んで

その状態で、人間に戻したらどうなるー?


チョコレート怪人は、不気味な笑みを、タイツで隠した顔ごしに

浮かべたー。


チョコレートを大量に注ぎ込まれて人間に戻された久美子は

チョコレートを嘔吐し続けているー


バレンタインデーへの憎悪を吹き込み、人間に戻された恵は、

身体の底から溢れて来る憎悪に支配されて、暴れているー。


「---!」

暴れる恵と苦しむ久美子に戸惑う教室ー


そこに、バレンタインデー怪人が姿を現したー。


「ーー我はバレンタインデーを破壊するものなり」

顔も茶色いタイツで隠し、

声も何らかの方法で加工している

チョコレート怪人が、ついに教室に姿を現したー。


「---な、、なんだお前!?」

「ぎゃははははははは!」

「きもっ!変質者じゃん!」


教室の”クラスメイト”たちが笑うー。


「---あ、、あんたは!?」

絵麻が叫ぶと、

チョコレート怪人は、

「我はチョコレート怪人」と、答えたー。


暴れる恵ー

苦しむ久美子ー

そして、謎のチョコレート怪人ー


男子のひとりが「この変態野郎!」と叫びながら

チョコレート怪人に飛び掛かって来るー


しかしー

その男子の後頭部に手をかざすとー

男子はみるみるうちにペラペラになってしまったー


「ひぃっ!?」

「きゃああああああ!?」

悲鳴を上げる生徒たちー。


「--リア充は、爆発しろ」

それだけ言うと、チョコレート怪人は、ライターを手に、

皮になった男子生徒の中に放り込み、

そのままチャックを閉じて、人間の姿に戻すー


「え、、、」

人間の姿に戻った男子は、やがて

「あち!あち!!あちちちちちちち!」

と、身体を押さえながら走り回るー。


生徒たちが怯えるー。


「--さぁ、選ぶが良い。

 チョコを捨てるか、我の怒り受けるか」


チョコレート怪人の言葉に、

恵と久美子と、ライターを入れられた男子以外は

静まり返るー


「貰ったチョコ、渡そうとしているチョコを捨てれば良しー。

 さもなくばーー

 チョコの裁きだ」


チョコレート怪人の威圧する言葉にー

教室は凍り付いたー



②へ続く


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


コメント


明日はバレンタインデー!ということで

バレンタイン皮モノをご用意しました!


皮にしてそれを着て乗っ取る…ではなく

異物を放り込んで人間に戻す…という、特殊なスタイル、、デス!


もちろん、普通の”皮”要素も(これから)登場しますよ~!


今日もありがとうございました!

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