<皮>チョコレート怪人襲来①~憎悪~ (Pixiv Fanbox)
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この高校では、バレンタインデーの”チョコの持参”は
先生たちも黙認しており、
毎年、女子生徒を中心にバレンタインデー当日になると
男子に本命チョコを渡したり、
とりあえず適当に義理チョコを配ったり、
女子同士で、友チョコを交換したり、
色々なチョコレートが、飛び交う。
しかしー…
今年は、違ったー。
「----♪~~」
本命チョコレートを生徒会副会長の男子生徒に
渡そうと、手づくりのチョコを手に、
朝早く、生徒会室の副会長を呼び出した、
C組の久美子(くみこ)は、緊張しながらも、
わくわくドキドキしていたー。
「---急に朝早く呼び出しちゃってごめんなさい、先輩」
久美子が、そう微笑みながら、
生徒会室の扉を開けるとー
そこにいたのはーー
全身チョコのような茶色いタイツを着たー
謎の人物だったー。
「----え」
久美子が唖然とするー。
「------」
無言で近づいてくる全身チョコ色タイツの謎の人物ー
久美子はその”異様な”人物を前に
逃げ出すことも忘れて、
震えながら呟くー
「あ、、あなたは…!?」
とー。
「---チョコレート怪人」
全身チョコ色タイツの人物は、そう呟いたー。
「---え…!?」
「---バレンタインデーを憎みし者なりー」
”男”とも”女”ともとれるような声ー
タイツで顔まで隠しているからだろうかー。
そんな風に思いながら、久美子が戸惑っているとー
チョコレート怪人が、久美子の後頭部に手をかざしたー
「---!?」
久美子は自分の身体の異変を感じたー。
”身体がー言うことを聞かないー?!?”
久美子が驚いていると、
チョコレート怪人が、久美子の背後にやってきてー
久美子の後頭部を”引き裂いたー”
後頭部が引き裂かれたような感触を感じー
久美子は一瞬、自分が刃物か何かで真っ二つに
されたーーー…と、思ったー
だが、痛みもなく、血も出ている様子がないー
「-!?」
久美子は、自分の身体の自由が効かないまま、
自分の”目線”が落ちていくのに気づくー
床に横たわるかのようにー
身体にふにゃふにゃして力が入らないー。
「--バレンタインデーは憎むべき敵だ。
リア充のイベントに使われる
我らチョコの怒りを受けるがいい」
チョコレート怪人は、意味の分からないことを口にするとー
”皮になった”久美子の皮を手にするとー
”何か”を近くに置いてあった鞄から取り出したー
「-ー!?」
意識はあるー
だが、身体を動かすことができず、
声も出すことができない久美子はー
その状況を、恐怖しながら見つめることしかできなかったー。
チョコレート怪人はー
”皮にした久美子”を着こむのではなくーー
皮になった久美子の”中”に、持参したチョコレートを
流し込み始めたのだー
「あ、、、ぐっ…」
着ぐるみの”中”にチョコを流し込んでいく
チョコレート怪人ー
久美子は”自分の身体の中”に直接何かを
ぶち込まれるような、
今までに感じたことのない感覚を感じるー
身体の内側から、何かが膨張するかのような、
奇妙な感覚ー
「あ、、、ぁっ、、、ぁっ…」
やがて、久美子の身体が、皮から人間の身体に戻っていくー
「--チョコの怒りを、受けるがいい」
チョコレート怪人は、そう呟くと、
そのまま立ち去っていくー
「--え…」
久美子は、唖然としながら、チョコレート怪人の方を見るー。
”あれはいったい、、なに…?”
そしてーーー
今、一瞬、自分が着ぐるみのような状態にされたのは、いったいー…?
そう思って立ち上がろうとした直後、久美子は異変を感じたー
「おっ…う、、、」
久美子が、胸のあたりを押さえるー。
急激に吐き気がするー
身体が、重いー
「---!?」
自分が呼吸をするたびに、
強いチョコレートの匂いがするー。
そしてーー
「おぇぇぇっ」
久美子は、その場で嘔吐してしまうー。
「---!?!?」
久美子は目を見開いたー。
口から吐き出されたのはー
嘔吐物などではなかったー。
”チョコレート”のような液体ー
「---!!!」
久美子は訳も分からず、混乱するー。
「わ、、わたし、、いったい…?」
そうこうしているうちに、再び吐き気がしてきた。
久美子はチョコレート色の液体を大量に口から吐き出したー
・・・・・・・・・・・・
教室ー
教室に集まった男女が、バレンタインデー当日ということも
あり、にぎわっているー。
「--久米塚(くめづか)と、内山(うちやま)は休みかぁ~」
男子生徒の一人が言う。
久米塚 修平(くめづか しゅうへい)と、
内山 彩香(うちやま あやか)-。
二人とも、クラスの隅っこにいるような生徒で、
去年のバレンタインデーの時に、陰険な女子グループから
揶揄われていた二人だー。
「---お前のせいじゃね?」
男子生徒の一人が言うと、
去年のバレンタインデーの時に二人を揶揄った女子生徒・絵麻(えま)が
「--いや、あたしのせいじゃないし!」と、否定したー。
「---う…ぁ…」
「--!」
クラスメイトたちが、教室に入って来た女子生徒の方を見て驚くー。
「--え?」
教室に入って来たのは久美子ー。
しかしー
久美子の様子は尋常ではなかったー。
「---あ、、、ぁ…」
久美子は目からチョコレート色の涙を流し、
鼻から鼻血を流すかのように、チョコレート色の液体を流しているー。
チョコレート怪人が久美子を皮にし、
久美子の皮の中に液状のチョコレートを大量に流し込みー
その状態で、人間に戻したー
結果ー
久美子の体内は、チョコレートまみれの状態になっておりー
身体が激しい拒否反応を起こし、
次々と色々な場所から、チョコが体外に放出されていたー。
「--久美子?」
絵麻や、他の女子生徒が、久美子に駆け寄るー
久美子は苦しそうに教室の床に両手をつくと、
「はぁ…はぁ…」と呟きながら
口からチョコレートを吐き出したー
「--ひっ!?!?」
「だいじょうぶ!?」
他の生徒たちが、久美子のただならぬ様子を見て、怯えるー。
「---ち、、ち、、チョコレート…怪人が…」
久美子が苦しそうに呟くー
そう呟き終えると、久美子はうめき声をあげながらー
まるで、お漏らしをするかのように、スカートの中から
チョコレート色の液体を垂れ流しにしたーー
「--ちょ!?!?久美子!」
女子生徒の一人・恵(めぐみ)が叫ぶー。
「--ちょ、ちょっとわたし、先生呼んでくる!」
”何かの病気?”
そんな風に思いながら、恵が保健室に向かうー。
しかしー
その途中でーー
「--え」
恵は、表情を歪めたー。
「--バレンタインデーは、忌むべき敵なり。」
チョコレート怪人だー。
女子トイレから出現したチョコレート怪人が
恵の前に立ちはだかったー
「ひっ!?」
恵が驚いて尻餅をついてしまうー
「---ーーー」
全身茶色いタイツ姿の、チョコレート怪人が、
恵の後頭部に手をかざすと、
恵は”皮”になっていくー
「--う、、、ぁ…?」
身体の自由が効かないー。
そんな風に思っていると、
チョコレート怪人が、恵の皮を乱暴に掴んでー
持ち上げたー
”え…なに…??なに…?”
恵が戸惑うー。
そしてーーーー
チョコレート怪人は、
恵の皮の中に頭を突っ込むと、
叫んだー
”バレンタインデーなんて、嫌いだ!”
とー
大声で何度も何度もー
そして、やがて満足したのか、
恵の皮を、チョコレート怪人は放り投げて
再び頭のあたりに手をかざすと、恵は、元の姿へと戻ったー
”バレンタインデーなんて嫌いだ”
”バレンタインデーなんて嫌いだ”
”バレンタインデーなんて嫌いだ”
恵の体内に、言葉が響き渡るー
まるで、催眠術のようにー
チョコレート怪人は、ビクンビクンと震えている恵を見つめながら
笑みを浮かべたー
「---バレンタインデーは、嫌いか?」
チョコレート怪人の言葉に、
恵は唖然とした表情を浮かべながらも、頷くー
無理やり、操られているかのようにー。
「----なら壊せ」
チョコレート怪人は、そう言うと、立ち去って行ったー。
恵は、保健室に向かわず、教室に戻るー。
「--あれ?恵…?先生は?」
陰険な女子の絵麻が言うと、
恵は「ば、、、ば、、バレンタインデーなんて、嫌いだ!」と叫んだー。
「--?」
絵麻や、周囲の生徒が首をかしげるー
久美子はいまだに苦しそうに、チョコレートを時々口から吐き出しているー
「--バレンタインデーなんて、、、嫌いだ!」
恵は、自分でも何でこんなことをしているのか分からないまま、
近くにあった女子の机に置かれているチョコレートを掴み、
そのままそれを踏みつぶしたー
悲鳴が上がる教室ー
次々と他の生徒のチョコを破壊していくー。
「--嫌いだ!嫌いだ!嫌いだ!」
体内からー
”バレンタインデーは嫌いだ”という言葉が
呪いのように湧き上がってきて、
恵はそれに支配されてしまうー。
チョコレート怪人は、その光景を遠くから見つめながら、笑みを浮かべたー
人間を皮にすることで、
人間の中身は”空洞”になるー。
その皮を”着る”ことで、その人間を乗っ取ることができるー。
だが、しかしー
”人間以外”のものを、皮になった人間の中に、ぎっしり詰め込んで
その状態で、人間に戻したらどうなるー?
チョコレート怪人は、不気味な笑みを、タイツで隠した顔ごしに
浮かべたー。
チョコレートを大量に注ぎ込まれて人間に戻された久美子は
チョコレートを嘔吐し続けているー
バレンタインデーへの憎悪を吹き込み、人間に戻された恵は、
身体の底から溢れて来る憎悪に支配されて、暴れているー。
「---!」
暴れる恵と苦しむ久美子に戸惑う教室ー
そこに、バレンタインデー怪人が姿を現したー。
「ーー我はバレンタインデーを破壊するものなり」
顔も茶色いタイツで隠し、
声も何らかの方法で加工している
チョコレート怪人が、ついに教室に姿を現したー。
「---な、、なんだお前!?」
「ぎゃははははははは!」
「きもっ!変質者じゃん!」
教室の”クラスメイト”たちが笑うー。
「---あ、、あんたは!?」
絵麻が叫ぶと、
チョコレート怪人は、
「我はチョコレート怪人」と、答えたー。
暴れる恵ー
苦しむ久美子ー
そして、謎のチョコレート怪人ー
男子のひとりが「この変態野郎!」と叫びながら
チョコレート怪人に飛び掛かって来るー
しかしー
その男子の後頭部に手をかざすとー
男子はみるみるうちにペラペラになってしまったー
「ひぃっ!?」
「きゃああああああ!?」
悲鳴を上げる生徒たちー。
「--リア充は、爆発しろ」
それだけ言うと、チョコレート怪人は、ライターを手に、
皮になった男子生徒の中に放り込み、
そのままチャックを閉じて、人間の姿に戻すー
「え、、、」
人間の姿に戻った男子は、やがて
「あち!あち!!あちちちちちちち!」
と、身体を押さえながら走り回るー。
生徒たちが怯えるー。
「--さぁ、選ぶが良い。
チョコを捨てるか、我の怒り受けるか」
チョコレート怪人の言葉に、
恵と久美子と、ライターを入れられた男子以外は
静まり返るー
「貰ったチョコ、渡そうとしているチョコを捨てれば良しー。
さもなくばーー
チョコの裁きだ」
チョコレート怪人の威圧する言葉にー
教室は凍り付いたー
②へ続く
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コメント
明日はバレンタインデー!ということで
バレンタイン皮モノをご用意しました!
皮にしてそれを着て乗っ取る…ではなく
異物を放り込んで人間に戻す…という、特殊なスタイル、、デス!
もちろん、普通の”皮”要素も(これから)登場しますよ~!
今日もありがとうございました!