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高齢者を狙った卑劣な手口ー。

少しでも、被害者を減らそうと、警察は次々と対策を講じ、

その都度、犯罪グループは新しい手段を講じるー。


終わることのない”イタチごっこ”-


そして、

その終わりのない”闘い”の末に、

犯罪グループは”最悪の手段”を手にしてしまったー。


それがー

”憑依薬ー”


・・・・・・・・・・・・・・・・・


「---おばあちゃん、絶対無理しないでよね~?」

女子大生の寺坂 紗智(てらさか さち)が、

祖母の富江(とみえ)に向かって言うと、

富江は「うんうん わかってるよ、紗智」と優しく微笑んだー。


大学生になった紗智は、実家を離れて、現在は一人暮らしー。


紗智は、小さいころから”おじいちゃん” ”おばあちゃん”に

とても懐いていて、

それは、大学生になった今でも変わらないー


大好きなおじいちゃんは、数年前に既に亡くなってしまっているが、

大好きなおばあちゃんは、こうして今も健在だったー。


とは言え、おじいちゃんが死んでからは、

祖母の富江は、みるみると色々な場所が衰えてきて、

最近は、物忘れなども激しくなっている-


”誰かに迷惑を掛けたくない”という理由で

一人暮らしを続ける祖母・富江のことを心配して、

こうして紗智は、定期的に、おばあちゃんの家を訪れているのだったー


「--おばあちゃんには、いつまでも元気でいてほしいんだから」

紗智は微笑みながら、富江の肩を揉むー。


仏壇の写真を見つめるー


大好きなおじいちゃんの分まで、

おばあちゃんには長生きしてほしいー


心からそう思っている優しい孫娘ー

それが、紗智だったー。


「---あ、そうだ、おばあちゃん」

紗智が、帰宅する準備をしながら、富江の方を見つめて

スマホを手にするー


「--最近、またおじいちゃんおばあちゃんを狙った

 詐欺とか流行ってるみたいだから、

 おばあちゃんも気を付けてね…!」


紗智が、スマホの画面で、注意喚起のニュースを表示させながら

富江に伝えるー


「さぎ…?」

富江が首をかしげるー


「ほら!例えば、わたしじゃない女の人が、「わたしだよ~!」みたいな

 こと言って、おばあちゃんからお金をだまし取ろうとするようなやつ!」

紗智が言うー。


祖母の富江は、祖父が会社役員だったことー

退職金をあまり使わない状態で貯金していることから

そこそこのお金があるー。

そういう”悪い人たち”に狙われてしまう可能性も

十分にあるのだ。


「--あぁ、ふふふふ、わたしが紗智ちゃんを間違えるわけないでしょ」

富江が笑うー。


「わたしが事故を起こした!とか、そういう電話もあるかもだから

 ホントに気を付けてよ~?」

紗智が苦笑いしながら言うと、

富江は「紗智ちゃん意外から電話がかかって来たら、まず紗智ちゃんに

電話するから!」とほほ笑んだー。


年齢的に、さすがに物忘れは多くなってきているが

幸い、富江はまだしっかりしているー。


紗智は安心した様子で微笑むと、

「じゃあ、また来るからね!」と、おばあちゃんに向かって

手を振って、そのまま立ち去って行ったー。


「-----」

そんな様子を、物影から、怪しげな男が見つめていたー


”次のターゲットは、決まりだ…”


・・・・・・・・・・・・・・・


帰宅した紗智は、

両親に”おばあちゃん元気そうだったよ”と

LINEで連絡を送ったー。


紗智は既に一人暮らしをしていて、

両親とは離れて暮らしているー。

別に、関係が悪いとか、そういうことはなく、

両親との関係も良好だー。


”そ、よかった!いつもありがとうね”

母親から返事が届くー

紗智は

”ううん、おばあちゃんにいつまでも元気でいてほしいし!”

と、すぐに返事を返したー。


「---ふ~」

やり取りを終えると、紗智は部屋で一息をつくー。


家族思いの紗智はー

友達思いでもあり、大学でも、友達は多いー。

容姿にも恵まれていることから、男子も結構寄って来るのだが、

真面目な紗智は、なんとなく彼氏が出来ないまま、

大学生活を送っていたー。


「---明日は~」

明日の大学の予定を確認する紗智ー。


その時だったー


♪~~~


「---?」

紗智が、部屋の玄関の方を見つめるー。


”誰か来る予定あったっけ?”と思いながら

「は~い」と返事をしながら、

インターホンのモニターに映し出された人物を確認するー。


さすがに、インターホンが鳴らされて何も確認せずに

玄関の扉を開けてしまうほど、紗智は愚かではないー。


”お届け物です”

宅配業者の制服を身に着けた男ー。


「--あ、は~い!お待ちください~」

紗智は、そう言いながら受け取り用の印鑑を手にして玄関に向かうー。


何も注文していなかったとしてもーー

”お届け物”が届くことは、それほど珍しいことではないー。


紗智は、何の警戒も抱かなかったー


玄関の扉を開けるとー

男が、玄関に押し入ってきて、

玄関の扉を閉めたー。


「--えっ!?!?」

紗智がそう思った直後、

男は、紗智の腕を強くつかむー


「--ひっ!?!?な、、な、んですか!?」

紗智が慌てて手を振りほどこうとするー。


「--君のおばあちゃん、お金、持ってるみたいだね」

宅配便の格好をした男が、帽子を捨てると

ニヤリと笑みを浮かべたー。


ガムを噛みながら、ニヤニヤと下品な笑みを浮かべる男ー


「--たっ、、宅配の人じゃない…!?」

紗智が、つい口にしてしまうー


「へへへ、今更気づいても遅いぜ」

男はガムを噛みながらそう呟くと、

ニヤリと笑ったー。


「--君のおばあちゃんから、お金をだまし取ろうと思ってね」

男の言葉に、

紗智は

「そ、、そんなこと、、」と、戸惑うー。


”振り込め詐欺”の犯人ー?


でもー?


と、紗智は戸惑いを隠せないー。


”おばあちゃん”からお金を騙し取ろうとしているのに

何故孫である自分のもとに来たのかー。


「--お、おばあちゃんは、あなたなんかに騙されませんから!」

紗智が顔を赤くしながら言うと、

男は、笑みを浮かべたー


「果たして、本当にそうかな?」

フーセンガムを膨らませて、笑う男ー。


「---け、、警察呼びますよ!」

紗智が叫ぶー。


「---”おばあちゃん、わたしだよ”ってー

 おばあちゃんに電話したらー

 君のおばあちゃん、騙されちゃうんじゃないかなぁ?


 可愛い孫娘のためにー

 お金、渡しちゃうんじゃないかなぁ?」


男が挑発的に言うー。


紗智は、怯えながらも反論したー


「--おばあちゃんは、他の人の声なら気づきますし、

 わたしは、よくおばあちゃんと会ってますから、

 他の人が会いに行っても、すぐに気付きますから!!!」


紗智の言葉に

男は「そうだろうねぇ」と、笑ったー


でもー、と、男は言葉を続けるー


「もしも、お金を騙し取ろうとするのが、君自身だったらー?

 君自身が”大好きなおばあちゃん”を騙してお金を取ろうとしたら…?」


男の言葉の意味が分からないー

紗智は、言葉を失い、頭をフル回転させるー


「--わ、わたしの偽物でも用意するつもり…!?」

紗智の言葉に、男は「ブーっ」と笑いながら”不正解”であることを示すー。


「---…わ、わたしを脅して協力させるつもりなら

 そんなこと、絶対しませんから!」

紗智が、スマホの方に向かって、警察を呼ぼうとするー。


怖いけれどー

言いなりになるわけにはいかないー


「ブーっ!」

男は、紗智の背後で笑うー。


紗智がスマホを手にして、

警察に電話する準備をするー


「--正解はーー」


「--!」

紗智が振り返るー。


男が、紗智を掴み、

紗智に顔を近づけるー。


「--ひっ!?」


「--きみの身体を乗っ取ってーーー

 きみ自身が、おばあちゃんを”喜んで”罠にはめるんだー」


男の言葉を聞いた直後ー


紗智は”そんな、やめて!”と叫ぼうとしたがー

男にキスをされーーー

男がその場で意識を失いー


そしてーーー

紗智は乗っ取られてしまったー


「--ふ、、ひひひひ…くくく…

 あははははははははっ」


紗智は笑うと、

たった今、警察に繋がったスマホを手にして

「ごめんなさい、間違えちゃいました♡」と伝えて、

そのまま通話を終了したー。


「---わたし自身が、おばあちゃんから、

 お金をだまし取るんだよ♡ ひひ」


紗智が笑っていると、

インターホンが鳴る。


倒れた自分の身体を蹴飛ばし、

玄関の扉を開けると、

さらに男が二人入って来たー


「--倉林(くらばやし)、憑依は成功か?」

男のひとりー

年配のリーダーっぽい男が言うー


「えぇ、もちろん」

紗智は笑いながら、イスに腰かけて足を組むー


綺麗な美脚が晒されて、

入って来たうちのもう一人の男・遠藤(えんどう)が笑みを浮かべるー。


「--へへ、アニキ、最高っす」

遠藤がニヤニヤしながら言うと、

紗智は満足そうに微笑むー


少し間を置いてから「おい、ガムは?」と、紗智がかわいい声で言うと、

遠藤が「事務所から持ってきました。これでいいっすか?」と

ガムを紗智に手渡したー。


すぐにガムを噛み始めると、紗智はくちゃくちゃしながら、

リーダー格の男・本郷(ほんごう)の方を見つめたー。


「--よし、じゃあ、手筈通りに、

 その女の祖母から、現金をだまし取るー」

本郷の言葉に、

遠藤と紗智が、頷くー。


「--倉林、お前はその女の身体で、明日、祖母の家に行って、

 金をお願いするんだー。」


「--へへ、わかりました」

紗智はガムを噛みながら、ニヤニヤと笑うー。


「---金を奪い取るまではここが”本部”だー。

 明日、俺が適当に、その女の祖母に連絡を入れるから、

 そしたら、お前は祖母にお金をお願いしに行くんだー」

本郷の言葉に、紗智は頷くとー


「大学は、どうします?」

と、本郷に確認したー。


「--大学なんて休め。

 どうせ、その女の人生だ。俺たちには関係ない」


「--へへ、そうですね」

紗智は笑うと、ニヤニヤしている弟分・遠藤の方を見つめたー


「--遠藤、何笑ってんだ」

紗智が低い声で言うと、

「だってホラ、いつもの」と、

遠藤が嬉しそうに呟くー


”紗智の身体でおばあちゃんからお金をだまし取る”のは、明日ー


今日は、事前の打ち合わせと、憑依の決行がメインでー

残りの時間はやることがないー


「--ったく、お前は金より、それに力を入れてるからなぁ」

紗智がガムを噛みながら呆れた様子で笑うー


「へへ!当たり前でしょ!アニキ!

 さ、今日もたっぷり楽しい夜を過ごしましょうや」


そう言うと、遠藤が、鞄からエッチな衣装の数々を取り出すー


「ほどほどにしておけよ」

本郷がたばこを吸いながら笑うと、

紗智と遠藤は「はい」と答えたー。


”憑依薬”を使って

高齢者からお金をだまし取る詐欺グループ…


このグループは、既に日常的に”孫娘”を狙い、

憑依、おばあちゃんやおじいちゃんから

お金をだまし取っているー。


直接、高齢者の身体に憑依しても良いのだが、

一度、憑依中にその高齢者が心臓発作を起こしてしまい、

憑依している人間まで意識不明の重体になってしまったことから、

移行は、”孫”を狙って憑依しているー。


高齢者の身体にとっては”憑依された時の衝撃”が、

身体に非常に大きな負担となるのだー。


そしてーー

もう一つの理由はーー

このグループの男たちの”趣味”でもあったー。


「--ごしゅじんさまぁ~♡」

メイド服を着た紗智が、遠藤のアレをしゃぶっているー


さっきまでの、真面目な女子大生・紗智の面影など

もはやそこにはないー


”本番”前の余興ー。

彼らのお楽しみのひとつだー。


喘ぎながら、絶頂を迎えている紗智を見つめー

リーダー格の本郷は、静かに笑みを浮かべたー



②へ続く


・・・・・・・・・・・・・・・


コメント


憑依薬を使った悪質な詐欺…!

乗っ取られてしまった紗智の運命は…!?


続きはまた今週中に~!


今日もありがとうございました!

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