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治は、頭を抱えていたー。


あの光景はいったいー?


親友である武五郎の様子がおかしいと

武五郎の彼女・優季から聞かされた治は、

密かに武五郎を尾行したー。


優季を誘った武五郎は、優季と合流して

ラーメン店・麺魔界へと入っていくー。


その様子を店の外から見ていた治は、狂気の光景を目にしたー


優季の口の中に、”寄生虫のような物体が飛び込んでいく”光景だー。


苦しむ優季ー

笑う武五郎ー


やがて、優季は、まるで”乗っ取られたかの”ように起き上がると

そのまま武五郎の口から飛び出した寄生虫のようなものと向き合い、

お互いの口から寄生虫のようなものを出しながら

嬉しそうにキスをしたー


「---なんなんだあれは…」

治は、結局、武五郎と優季に会うことなく、

そのまま麺魔界の前から立ち去ったー。


”あの寄生虫のような物体はいったいなんだ?”

困惑する治ー。


武五郎に帰宅後、何気なく連絡を送ってみたが

返信は普通だったー。


いったいー

あの光景はー


「--何かの見間違いだよな…?」

人間の口に寄生虫のようなものが飛び込んで

人間を乗っ取るなんてありえないー

そんな話は聞いたことがないー。


どうしても気になった治は

”明日、武五郎と野本さんに聞いてみよう”と

思いながら、そのままベッドに潜り込んだー。


・・・・・・・・・・・・


「---ねぇねぇ、そういえば、この前のお話、

 どうなった~?」

彼女の紗愛が笑いながら尋ねて来るー。


「--ん?この前の話?」

武五郎と、その彼女・優季のことがどうしても

気になってしまっていた治が、浮かない顔で答えると、

紗愛は「も~~!」と頬を膨らませた。


「-美味しいって評判のラーメン屋!

 今度一緒に行くって約束したでしょ~?」


とー。


「--!!」


「このラーメン屋、美味しいみたいだよ?

 今度一緒に行ってみない?」


紗愛の言葉を思い出すー

そういえば、紗愛も”麺魔界”に行きたいと言っていたー。


昨日の光景が頭をよぎるー。


「---な、、なぁ…紗愛、そのことなんだけど…」

治は、”麺魔界に悪い評判がある”とだけ伝えて

紗愛自身にも絶対に行かないように告げる。


「え~~~!?本当に~?」

紗愛は少しだけ、不貞腐れたような表情を浮かべたものの、

少ししてから

「でも、、まぁ…そういうことなら、わたし、我慢するね」

と、呟いたー


「ごめんな。一緒に行くって約束したのに…

 今度代わりに、紗愛の好きなスイーツ驕るから!」

と、治が言うと、

紗愛は「ふふ、楽しみにしてるね」と笑みを浮かべたー


・・・・・・・・・・・・


治は、お昼の時間に、武五郎の彼女・優季の元に向かったー


「--麺魔界ってお店に毎日通ってて、

 なんか、わたしに麺魔界に行こう、行こう、ばっか

 言ってくるようになっちゃってー

 なんか、頭の中ラーメンになっちゃってる感じ」


昨日は、そんな風に言っていた優季ー

だが、今日はー


「麺魔界?ふふ、超おいしいよ!」

優季が微笑むー。


「---そうだ!森原くんも一緒に行ってみない?」

優季が笑いながら治を誘ってきたー


治は戸惑うー

”なんでみんな麺魔界に誘ってくるんだ?”


とー。


「--あのさ」

治が戸惑いながら口を開くー


「--麺魔界のラーメンに、変なモノが入ってるって

 俺は遠慮しておくよ…


 でも、、昨日は、武五郎のこと心配してたのに、

 なんか今日の野本さん”別人”みたいだなぁ…」


遠回しに昨日見た光景のことを聞こうとする治ー


優季はクスッと笑ったー


「-麺魔界のラーメンを食べるとねー

 ”生まれ変わった気分”になれるの…

 ふふっ…」


いつもの優季とは思えないような、甘い声ー


「----」

治は、そんな優季に違和感を感じずにはいられなかったー。


「---なぁなぁ、麺魔界ってラーメン屋、食いにいこうぜ」

ちょうど、武五郎が少し離れた場所で友達を誘っているー


「……」

不安そうにその様子を見つめる治ー。


「--ねぇねぇ、ラーメン食べに行かない?」


ふと気づけば、優季も、食堂にいた別の子を麺魔界に誘っているー


まるでー

”宗教の勧誘”かのように、

拡散しているー


そんな風にすら、感じるー

「----…」

治は、不安をぬぐうことができないままー

その光景を見つめたー


・・・・・・・・・・・・・・・


にゅる…


女子トイレの個室ー

優季が下品な笑みを浮かべているー


耳から、寄生虫のようなものが飛び出しー

激しくダンスしているー

まるで、動き回るチンアナゴのようなー

そんな不気味な寄生虫ー


優季が「えへぇ…♡」と言いながら

虚ろな目で自分の胸を揉んだりー

アソコを触ったりしているー


「--えへへへへ…人間の…身体ぁ …♡」

優季が、涎を垂らしながら呟いているー。


優季はー

”寄生虫”に乗っ取られていたー


いや、優季だけではないー

麺魔界のラーメンを食べた人間は、

ラーメンの麺の中に潜んでいる謎の寄生虫がー

口から体内に入り込んでしまってー

乗っ取られてしまうー


武五郎もー

優季もそうだー。


そしてーー

”さらに仲間を増やそう”とー、

身近な人間を麺魔界に誘っていくー


「--えへへっ…優季、、感じちゃう…♡ えへへへへっ♡」

乗っ取った身体の記憶をも受け継ぎー

拡散していく寄生虫ー


寄生虫がいつの間にか、優季のアソコから顔を出しながら、

嬉しそうにダンスを踊るかのように、寄生虫が身体を

くねらせているー


優季は、その寄生虫の動きに呼応するかのように、

激しく喘ぎ、身体をふるわせ始めたー


・・・・・・・・・・・・・・・・・


”何かがおかしい”

治は大学帰り、優季に誘われて、麺魔界に向かう

女子二人を見つめるー。


”女子を尾行するとか、俺、やばいやつじゃん”

治はそんな風に思いながらー

再び”麺魔界”の店内を見つめたー。


今度は、昨日よりも近い位置で、

店内から見えないように、店の入り口手前でしゃがむー。


”会話”を

聞くためだったー。


”うふふふ、ここのラーメン、すっごく美味しいんだよ”

優季の声ー


”え~?優季がラーメンとか意外~”

”彼氏の影響~?”


優季と仲の良い女子二人の声ー。


「----」

治は、しゃがみながらその様子を息を潜めて、聞き続けるー。


”えっなんか虫が・・・!?”


”なにこれ?”


優季の友達二人の声が聞こえるー


”やっぱり…”と

治は思うー。

昨日、見た光景は間違っていなかったー

優季の口から、寄生虫のようなものが飛び出している光景ー


”えへへへ…みんなも、わたしと一緒に生まれ変わろ!”

優季の声ー


”きゃあああああっあぐっ、、あっ、、ぐ、、ぐぼぉぉ”


”がっ、、、ぐ、、、がっ”


治は助けに入ろうと思ったー

だがーーー


「---…!」

治は震えていたー


治は特別臆病な人間ではなく

どこにでもいるような大学生だー


だがーーー

身体が動かなかったー


女子二人のこの世の終わりかのような悲鳴ー

そして、寄生虫ー


”寄生虫が人間を乗っ取って、

 どんどんそれを拡散しているー?”


治はその答えにたどり着き、震えていたー


”ふふ…いい身体”


”これが、、人間の身体♡”


優季の友達二人の声が聞こえるー


やがてー

優季と、友達二人の喘ぐような声が店内から

聞こえ始めたー。


”くそっ…なんだよこれ…やばい…”

治は、そう思いながら、見つからないように麺魔界から

離れたー


優季と、優季の友達二人は、それぞれ口から寄生虫を半分出しながら

激しくエッチを繰り返したー


・・・・・・・・・・・・・


「このラーメン屋、美味しいみたいだよ?

 今度一緒に行ってみない?」


彼女の紗愛の言葉を思い出す治ー。


まさかー…

と、戸惑うー。


麺魔界というお店には何かがあるー

”人間の体内に入り込む虫みたいのが、ラーメンに混じっていてー

 それに乗っ取られている”

ように、思えるー


現に、昨日の光景は、完全にそれだったー


既に乗っ取られている優季が、

友達二人を誘い、

友達二人も、乗っ取りの餌食にしたー


「---」

紗愛が自分を麺魔界に誘ってきたー


まさかとは思うが、

紗愛もー?


治の中の不安が強まるー。


その日の昼休みー

治は紗愛に確認したー。


「---麺魔界…行ってないよな?」

とー


「ど、どうしたの、急に?」

紗愛が首を傾げるー。


「--ま、、まだ麺魔界に一度も行ってないよな!?」

治が必死に叫ぶと、

紗愛は

「一人でラーメン屋に行きにくいからって、治を誘ったんだし、

 行くわけないでしょ?」

と、戸惑いながら答えるー


「そっか…そっか、よかったー」

治はそれだけ言うと、

紗愛が不思議そうに「最近変だよ?治…」と、声を掛けて来たー


「-----」

治はどうするかどうか迷うー

紗愛は、お姉さん的な一面も持つ子だがー、

”好奇心”も強いー


見たことを伝えたらー

紗愛は、自分で麺魔界を見に行ってしまうかもしれないー


「-とにかく、とにかくマジで麺魔界はやばいんだ!

 絶対いっちゃだめだ!」

治はそれだけ伝えるとー、

紗愛の前から立ち去っていくー


「--麺魔界にはいかないほうがいい」

「誘われても、絶対に行くなよ」

「とにかく、いっちゃだめだ」


治はー

”まだ麺魔界に行ってない友達”たちに、

麺魔界は危険だと伝えるー。


一部の友達には

”他人には話すな 誰が乗っ取られてるか分からないから”と

麺魔界で見た光景を伝えたー。


”出来る限り、友達を助けたい”

そんな、想いからだったー。



「--なぁ、治。どうだ?一緒にラーメン」

武五郎が声を掛けて来た。


「---」

治は、武五郎の方を見ると、

少し考えてから答えたー


「--いいね、そういえば、この前、職人の技 ってラーメン屋が

 できたからさ、そこに行ってみようぜ」


”あえて”麺魔界以外のお店を提案するー。


だがー


「--いや、ラーメンは麺魔界一択っしょ」

武五郎が言うー。


「--…」

治は”あくまでも麺魔界に誘う気か”と戸惑うー。


「---いやいや、お前、ラーメン博士の異名を持つ

 人間として恥ずかしくないのかよ」


治が言うー

武五郎は、ラーメンが大好きで色々なお店のラーメンを

食べて回っていたことから

”ラーメン博士”などと呼ばれていたー


それを引き合いに出す。


「-ラーメン博士なら、食ったことないラーメン屋は

 行くべきだろ?」

治が笑いながら言うー


武五郎が正気かどうかを、確かめる意味もあるー


「--いや、麺魔界うますぎてさ、

 他のラーメン屋じゃかなわないさ」


武五郎が笑うー


「なんでそんな麺魔界に行きたがるんだ?」

治が言うー。


「--行っちゃわるいのかよ?」

武五郎の表情から笑顔が消えるー


「-そうは言ってないよ。

 でも、他のお店もたまにはー」


「--うるせぇやつだな」

武五郎が低い声で呟いたー


「麺魔界がうめぇって俺が言ってんだよ。

 ごちゃごちゃごちゃごちゃ言いやがって」

武五郎が何度も何度も舌打ちをするー


「おい…なんで麺魔界にそんなに夢中になるんだ!?」

治がそう言い放つと、

武五郎は、血走った眼で叫んだー


「--お前は、敵だ!」

とー。


「---!!」

治は、その言葉に、武五郎が乗っ取られていることを確信したー


・・・・・・・・・・・・・


「---どうして?」

優季が呟くー


「あ~、ごめんな、優季ちゃん」

優季の幼馴染の男子が呟くー


優季から麺魔界に誘われて断ったのだー。


「--なんかさ、麺魔界のラーメンに

 寄生虫が入ってるから、って

 言われてさー


 優季ちゃんも気を付けたほうがいいぜ」


それだけ呟いて、立ち去ろうとする幼馴染ー


優季の幼馴染であるこの男子は

治ともある程度親しく

治が”警告”した一人だったー。


優季が乗っ取られているなど、夢にも思わず

この男子は優季に”警告されたから”と伝えてしまったー


「----誰?」

優季の表情から笑顔が消えているー


「え??あ、いや、それは」

治から口止めされていたこともあって

戸惑う男子ー。


「---誰???」

優季が低い声で男子を脅すー。


「--あ、、え、、、ほ、、ほら、治だよ」

男子が少しビビりながら言うと、優季は「ふぅん」と呟いたー


優季の様子に戸惑いながら立ち去る男子ー


一人残された優季の耳から寄生虫が飛び出すー


「--邪魔する人間…許さない…」

優季はそう呟くと、寄生虫の意のままに、歩き始めたー



③へ続く


・・・・・・・・・・・・・・


コメント


拡散していく麺魔界の”寄生虫”-

恐怖の寄生の拡散から、逃れることは出来るのでしょうか~?


続きはまた近日中に~☆


今日もありがとうございました!!

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