Home Artists Posts Import Register
Join the new SimpleX Chat Group!

Content

★あらすじ★


階段から転落した際に入れ替わってしまった

真司と愛梨。


そんな、二人に、待ち受ける未来は…?


・・・・・・・・・


★主な登場人物★


橋口 真司

大学生。彼女と入れ替わってしまう。


川上 愛梨

真司の彼女。真司と入れ替わってしまう。


馬淵 香澄

同級生。愛梨の幼馴染で親友。


中条 東吾

同級生。真司・愛梨の共通の友人。


天童 麗

同級生。頼りになるお姉さん風の女性。


風間 龍平

同級生。嫌味なインテリ学生で、裏で悪さをしている


※登場人物詳細

(↓に、¥300と出ていますが、このお話を読めている皆様は、既に

 プランご加入(ありがとうございます!)頂いているので

 お金がかかったりすることはありません!ご安心ください)

fanbox post: creator/29593080/post/1060230

・・・・・・・・・・・・


スマホのニュースを見つめるー


メイドカフェの元店長・国枝についての記事だー


”国枝容疑者 精神鑑定へ”

と書かれているー


国枝店長は、逮捕されたあとに、支離滅裂な発言を繰り返し、

責任能力が問われるだとかなんだか、言われ始めているー


真司(愛梨)は知っているー

国枝店長は、そういう人だー

”わざと支離滅裂な発言”をして、

罪を軽くしようとしているー


どうしようもない人間は

とことん、救いようがないー

そして、そういう人間に限って裁かれない”理不尽”が

この世には、あるー。


「-----な~に、黄昏れてるの?」

愛梨の親友・香澄が、

屋上から風景を眺めている真司(愛梨)の背後から声をかけたー。


「--…いい眺めだな~って」

真司(愛梨)が呟くー

髪が短いのは、やはり”何かが足りないような”気がして

落ち着かないー

愛梨は、小さいころから、長めの髪でずっと過ごしてきたから

男の身体だと、どうしても落ち着かないのだー。


「ーー変なの。いつでも見れる景色でしょ?」

香澄がそう呟くと、

真司(愛梨)は「そうだね」と、少し苦笑いしたー。


「---ーー」

香澄が沈黙するー。


真司(愛梨)の方を見つめるー。


「--……ふしぎ」

香澄が呟いたー


真司は目の前にいるー

愛梨は、バイト先のメイドカフェの元店長に刺されて

昏睡状態ー。


それなのにー

愛梨は、ここにいるー


そう、中身が入れ替わっているからー。

昏睡状態なのは、愛梨なのに、

目の前にいるのは、愛梨ー。

身体は、真司だけれどもー。


「-そんなことが、本当に起きるなんて、ねぇ」

香澄の言葉に、真司(愛梨)は、「わたしだってまだ信じられないよ」と

ほほ笑んだー。


そして、時計を見る真司(愛梨)-

そろそろ、次の講義の時間ー。


「-わたし、もう行くね」

真司(愛梨)が言うと、

香澄は「うん」とだけ、呟いて

屋上から、真司(愛梨)が見ていた方向を見つめるー


「----待ってるー」

香澄がふいに、呟いたー


「-え?」

真司(愛梨)が立ち止って、香澄の方を振り返るー。


「--待ってるー

 入れ替わってるなんて知らないで、いろいろ

 酷いことも言っちゃったけどー…


 わたしたち、いつまでも友達だからー…


 ね?」


香澄は、それだけ言うと、静かにほほ笑んだー


真司(愛梨)は、嬉しそうに頷くー


「うんー

 ありがとうー」


別れの言葉は言わないー


だってーーー

また、会えるからー。


屋上から立ち去っていく真司(愛梨)-

屋上に一人残された香澄は

「--馬鹿…

 でも、、あんたらしいね…愛梨」

と、一人寂しそうに呟いたー


・・・・・・・・・・・・・


お昼の時間ー


真司(愛梨)は、一人、食堂で昼食を食べていたー


「今日はずいぶん豪華じゃない」

腹黒な女子・天童麗が、そんな真司(愛梨)に声をかけたー


麗はいつも通り、小食なのか

少なめの昼食を持ちながら

真司(愛梨)の前に座るー


「--ーー色々ありがとう、天童さん」

真司(愛梨)は、感謝の気持ちを込めて、

そう告げたー


麗や、東吾ー

二人が、側にいてくれただけでー

心強かったー


そう、直接的な支えになれなかったとしても、

二人が、いるだけでー。

それだけで、支えになったー


「--どういたしまして」

麗がそう言うと、

「-あ、そうだ」と、真司(愛梨)が呟くー


「---ちゃんと”お礼”しなくちゃー」

真司(愛梨)が笑うー


麗は、人に親切にすると、いつも”見返り”を求めるー

それ故に”腹黒女子”などと言われてしまっているー

麗の中学時代の辛い経験が、彼女をそうさせているのだが、

彼女は、それを誰かに語ることはしなかったー。


「---いい」

麗が呟いたー


「え?」

真司(愛梨)が、驚くー


麗が”見返りを求めない”なんて、

地球がひっくり返りそうだー


「---今日は、いいから」

麗はそれだけ言うとー

少しだけ考えて、口を開いたー


「--でも、必ずお返しはしてもらうー」

ーと。


真司(愛梨)は少しだけ考えたあとに

麗の言いたいことを理解して、ほほ笑んだー


「--だから、必ず、戻ってくるのよー。

 そのまま、わたしにお返しせずに

 いなくなるなんて、許さないからー」

麗はそれだけ言うと、

優しく微笑んで”わかった?”と、確認の言葉を口にしたー


「--うん。わかった。」

真司(愛梨)は、頷くー。


必ずー

必ず、恩返ししに戻って来るからー


”最後の晩餐ってことね”

麗は愛梨の”いつもより豪華な昼食”を見て、そう感じたー


「--必ず、戻ってきなさい」

麗は、それだけ言うと、真司(愛梨)の方を

まっすぐ見つめて、悲しそうにほほ笑んだー


・・・・・・・・・・・・・・


大学での1日が終わるー

終始、穏やかな1日ー


浅沼教授の研究室の前を通る真司(愛梨)


そこにー

浅沼教授はいないー


真司(愛梨)は研究室を覗くー


色々あったけどー

最後には、浅沼教授は、自分たちを助ける道を選んでくれたー


”死”

余命宣告された

浅沼教授は、あのまま”身体を奪う”道を選んでいれば

助かったのかもしれないー

その道を、蹴ってまで、真司や愛梨を助ける道を選ぶー

というのは、本当に怖かっただろう、と思うー


その道を選べばー

その先に、自分の未来はないー

そうと分かっていながら、その道を選ぶー

それは、とっても恐ろしいことー。


その、怖さが、

今の真司(愛梨)には、少しだけ分かった気がする。


「--」

大学の建物から出ると、

真司と愛梨の共通の友人・東吾が真司(愛梨)を見つけて手を挙げるー。


「ーーー愛梨らしいよな」

東吾が苦笑いするー


「--ーー小さいころから、心配ばかりかけてごめんね」

真司(愛梨)が言うー

愛梨と東吾は小学生時代、一緒の学校だったー


当時も、何かとお人よしすぎて、トラブル続きの

愛梨を、東吾はよく、助けてくれたー


「--もう、慣れたよ」

東吾は少しだけ笑うと、近くのベンチに座ったー


真司(愛梨)も、そのベンチに座るー


「ーーーーなんて言葉かけていいか、分からないな」

東吾が呟くー


悲しそうにー

そして、自虐的にー


こんな経験、今までしたことがないー

そして、これからもないかもしれないー


「---ーーー」

東吾がしばらく考えたあとに、

少しだけ笑うと、頭を掻いて、真司(愛梨)の方を見たー


「-愛梨は、俺を悩ませる天才だな」

笑う東吾ー

嫌味ではいー

友として、東吾が考えに考え抜いたー

今の愛梨にかける言葉ー


「---ふふ、ごめんね」

真司(愛梨)は、少しだけ笑顔を浮かべて、そう呟いたー


そして、夕日に照らされながら

真司(愛梨)は東吾の方を見るー。


「----お願いがあるの」


「--わかった」

東吾がうなずく。


「--へ?」

真司(愛梨)が戸惑うー


「ま、まだ、わたし、何も言ってないんだけど!?!?」

真司(愛梨)が顔を赤らめながら言うと、

東吾は少しだけほほ笑んでから立ち上がってー

真司(愛梨)に耳打ちしたー


「----だろ?」


「---すっごい…正解…!」

真司(愛梨)が笑うと、東吾は、真司(愛梨)の背中を押したー


「さぁ、行ってこいー

 俺に任せとけー

 ちゃんと、こっちのことは、やっておくからさー。

 安心して…行ってこい」

東吾の言葉に、真司(愛梨)は頷くと、

「うん…ありがとう」と、呟いてー

そのまま、名残惜しそうに、けれども、迷いを

断ち切るかのように、立ち去って行ったー


一人残された東吾が、再びベンチに座ると、

悲しそうに呟いたー


「もう少し話していたかったけどー…

 これ以上…一緒にいるとー

 ”止めたく”なっちゃうからさー…


 …じゃあな…愛梨」


・・・・・・・・・・・・・


真司(愛梨)は、”目的地”に向かう前に、

ふと、愛梨の家…

自分の家の前に立ち寄ったー


「懐かしいなぁ…」

もう、何年もこの家に帰っていない気がするー


母の圭子と弟の裕太ー

ふたりが待つ、この家にー…。


真司(愛梨)はほほ笑むー


今は、”ただいま”は言わないし、この身体じゃ、言えないー


「わたしは、わたしに戻ってー

 ただいまって言いたいから…」


そう呟いて、真司(愛梨)が立ち去ろうとすると、

偶然、学校から帰ってきた、愛梨の弟・裕太と遭遇したー。


愛梨になった真司は、裕太と上手くいかずー

揉めてしまったのだと言っていたー


「---あれ?姉さんの…」

裕太が、真司(愛梨)を見て首をかしげる。


真司と裕太も、一応、面識はあるし、

彼氏がいることも伝えているー


「---……姉さんなら…知ってるだろ?」

裕太が、悲しそうに呟きながら言うー


愛梨(真司)は昏睡状態ー

入れ替わりのことを知らない裕太は、

目の前にいる真司が、愛梨であると知らないー。


「-----……」

真司(愛梨)は、口を閉ざしたー


自分が愛梨であると叫びたくなる衝動に駆られるー


でもー


「---ゆ、、、裕太くん」

他人行儀で自分の弟の名前を呼ぶのは

抵抗があるー。


「--はい?」

裕太が真司(愛梨)の方を見るー


「--愛梨、言ってたー。

 必ず、戻って来るってー」

真司(愛梨)はそう言うー。

自分のことを他人のように言うのも、

やっぱり変な気分だー


「え?」

裕太が不思議そうにしているー


「--愛梨は、裕太くんのこと、

 本当に、大好きだからー。

 本当に、大事にしてるからー」


”わたしは、裕太のこと、愛してるからー”


伝えたくてもー

この身体では伝えることのできないー

姉から弟へのメッセージー


「--どうして、そんなこと、分かるの?

 姉さん、意識不明なのに」

裕太が不思議そうに聞いてくるー


「さぁ…」

真司(愛梨)は裕太に背を向けたまま呟くー


目からは涙がこぼれているー

それを、見せないためにー


「なんでだろうね?」

真司(愛梨)はそれだけ言うと、

裕太の前から立ち去っていくー


一人残された裕太は「姉さん……な、わけないよな」と

不思議そうに呟いたー


・・・・・・・・・・・・


「---」


真司(愛梨)は、先日の”決断”を思い出していたー


「--浅沼教授、お願いがあります


 ---わたしと、真司を入れ替えて下さいー」


それが、愛梨の決断ー

昏睡状態の愛梨の身体と、今、自分がいる真司の身体を入れ替えるー


自分が、意識不明の自分の身体に帰りー

そして、真司が、元気なこの身体に戻るー


真司を助けてあげたいー、という優しい愛梨ならではの想い、

自分は、やっぱり、自分の身体で、という思いー

そして、浅沼教授の余命の問題で、もう一度入れ替わりを起こせるのは”今”しかないという現実ー


迷いに迷った末に、

今の状態で入れ替わりー、

愛梨は、意識不明の自分の身体に戻ることを決意していたー


真司(愛梨)が病室にやってくるー


そこには、眠ったままの愛梨(真司)と、

浅沼教授、そして病院の担当医がいたー。


病院の担当医、そして院長と親しい浅沼教授が

特別に、この病室に入れ替わり装置を運びこみ、

愛梨と真司が入れ替われるように手配してくれたー


病院の担当医が、浅沼教授と会話を交わし、

外に出ていくー


浅沼教授がため息をついたー


「本当に、これでいいのかね?」

とー。


この装置は耐久度の問題や、身体の健康上の問題から、

”何度も繰り返し使うのは危険”だと、浅沼教授は言うー


浅沼教授自身に時間があれば、

色々してやれるのだが、自分の余命・体調的にも

これが最後ー。


一度入れ替わったら、それで終わりー

もう、引き返すことはできないー


「--本当に…本当にそれでいいのかね?」

浅沼教授は、愛梨の決断に戸惑っていたー


今、入れ替わるー

それはつまり、愛梨が意識不明になり、

真司が意識を取り戻すことを意味するー


「--わたし、頑張り屋なので、

 入れ替わったとたんに、わたしの身体も

 すぐに意識を取り戻すかもしれませんし!」

真司(愛梨)が笑うー


浅沼教授は表情を歪めるー

愛梨の身体は”重症”だー

いつ意識を取り戻すかもわからないー

下手をすれば、このまま一生ー


「ーー

 最後まで、自分の身体で生きてー

 自分の身体で死ぬー。」


真司(愛梨)が呟いたー


「-!」

浅沼教授が真司(愛梨)の方を見るー


「--教授も、そう言ってたじゃないですか。

 わたしも、自分の身体で、人生、全うしたいですー。


 それに、わたしの場合は、意識不明なだけですから、

 必ず、絶対に戻って来れると思いますから」


真司(愛梨)の固い決意にー

浅沼教授は苦笑いしたー


「---君には、敵わんな…」

浅沼教授は、元々、真司の身体を奪い、

自分が生きながらえようとしていたー


だが、あまりにも一生懸命な真司(愛梨)を見てー

心を入れ替えたー


そlして、今もー。


「--…もう、行くのかね?」

浅沼教授が言う。


「はい。みんなとあいさつは済ませてきました」

真司(愛梨)が頷くー


「----」

浅沼教授は真司(愛梨)の手を見たー


手が、震えているー

怖がっているー


これから”意識不明の自分の身体に戻る”


考えようによってはー

”これから、死ぬ”ようなものー


目覚める保証は、ないー


「---では、ここに」

浅沼教授は、用意したベットを指さすー


既に、もう一つのベットには、愛梨の身体ー

中身が真司で昏睡状態のままの愛梨が眠っていて、

ヘルメットのようなものがついているー


「君たちが入れ替わったときの状況を、装置で

 人工的に再現し、入れ替わりをもう一度発生させるー」


浅沼教授の言葉に、真司(愛梨)は本当に大丈夫なのですか?と

少し不安に思いながら聞くー

浅沼教授にとっても、こんな装置は初めてのはずー


「--私を誰だと思っているのかね?」

浅沼教授の自信に満ちた返事にー

真司(愛梨)は”あぁ、大丈夫なんだ…”と安心してほほ笑んだー。


「------」

装置の準備が進むー

真司(愛梨)はヘルメットのようなものを被り、

手を握りしめるー。


”みんな…わたし、必ず、戻って来るからー

 意識を取り戻すからー”


香澄、東吾、麗、弟の裕太、大切な真司ー

色々な人の顔を浮かべるー


そして、目から涙をこぼすー


「-----私が…」

浅沼教授が、装置を起動する直前に、言葉を口にした。


「--私が、この世にいる間に、戻ってきなさい」

とー。


厳しくー

冷淡なー

浅沼教授なりの、エール。


”余命宣告を受けた私が死ぬ前に戻って来いー”


早く、目を覚まして、元気な姿を見せてほしいー

そういう、エール。


「----はい」

真司(愛梨)は、静かに頷いてほほ笑むとー

そのまま、眠りについたー


入れ替わりの装置が起動するー


・・・・・・・・・・・


・・・・・・・・・・・・・・・


気付けば、愛梨と真司は、周りが白く、

何もない世界にいたー


「---愛梨!?」

真司が驚くー


「---真司」

愛梨が静かにほほ笑んだー


「---今度は、真司が”待つ”番ー」

愛梨の言葉に、

真司は意味が分からず首をかしげるー


愛梨が、白い世界の奥の方に歩いていくー

真司は、反対側に吸い込まれていくー


「あ、、愛梨!?どこに行くんだ!?」

真司が叫ぶー


愛梨は立ち止って振り返るー


「---結婚して、二人で幸せな家庭ー

 作ろうねー」


今はまだー

”幻想”に過ぎないー

幸せなその光景ー


いつか、”現実”にするためー。


今、こうして、もう一度入れ替わることが、

最後に、幸せにたどり着く道だと、信じてー


あの日ー

真司は、愛梨にプロポーズをしたー


”銀狼”との戦いを前に

「--”婚約破棄”にならないように、必ず、戻って来るからー」

と約束したー


今ー

愛梨が、同じ言葉を口にするー


「--”婚約破棄”にならないように、必ず、戻って来るからー」


ほほ笑む愛梨ー。


”さよなら”は必要ないー

だって、必ず、意識を取り戻すからー


「愛梨…!!!!」


飛び起きた真司ー

その目には、涙がこぼれていたー


久しぶりの、自分の身体ー


入れ替わりが、もう一度、起きたー


愛梨は、昏睡状態のままー

昏睡状態の自分の身体に、愛梨は戻って行ったー


「----愛梨…」

真司は、返事をしない愛梨の身体の前で、静かに悲しんだー


病室にいた浅沼教授は、しばらく二人にしてあげよう、と

病室の外に静かに立ち去って行ったー


・・・・・・・・・・・・・・・・


数週間後ー


大学の屋上で、元に戻った真司は、

遠くの景色を見つめていたー


「---お前の姉さんは、元気か?」

共通の友人、東吾がやってくるー


夕日を見つめる真司ー


「あぁ、姉さんは元気だよ。

 最近は色々やり取りもしてる」

真司は、意識を取り戻してから

姉の詩織と”本当の再会”を果たした。

詩織は今は、お昼のバイトをしながら、

就職活動を続けているー。


「---愛梨は、相変わらずか?」

東吾が言うと、

真司は頷いたー


愛梨は、意識を取り戻さないままー


東吾は、少しだけため息をつくー。

愛梨が自分のために、昏睡状態の身体に戻った、なんて知ったら

真司は取り乱して落ち込むと思っていたー


だが、真司は、前向きだったー


”愛梨が戻ってきたときに、怒られないようにー”


と、いつ愛梨が目を覚ましても良いように、

前向きに振舞っていたー


「----お願いがあるの」


最後ー

真司(愛梨)と話した時ー


真司(愛梨)からお願いされたー


”真司が落ち込むようなことがあればー

 お願いね…”


とー。


「---ーー愛梨、真司は大丈夫ー。

 あとは、お前が目を覚ますだけだぞ」


数日後ー

病院を訪れた東吾は、寝たきりの愛梨に向かって、そう告げたー


真司は、

夜の街を歩いていたー


幸せそうな夫婦と子供を見つめる真司ー


自分と、愛梨と、まだ見ぬ子供ー

そんな光景がー

そんな、幻想のような日常が

いつか、訪れるのだろうかー。


父には、”お前には俺の血が流れている”などと言われたー

だから、幸せな家庭を作ることはできない、とー。


だが、違うー

父は父ー

自分は自分だー


いつの日かー

愛梨との幸せな日々ー

頭の中で空想することしかできないその日々が

必ず、訪れるはずだからー


「----愛梨…俺は、いつまでも、待ってるからー

 いつまでもーーー」


愛梨が目を覚ますまでー


”幻想”が”現実”になるその日までー


何日後ー

何週間後ー

何か月後ー?


それともー


それは、分からないー


でもー

必ず、

必ず、いつかその日が訪れると、信じているからー。



おわり


・・・・・・・・・・


コメント


入れ替わり長編の最終話でした~!


前回の長編(憑依)と、差別化のために

暗めな路線、現実は物語のように綺麗には進まない、みたいな

感じの作風で書いた結果、

前回の長編以上に好き・嫌いが激しく分かれそうなお話に

なりましたネ…!


好きだった皆様も、苦手だった皆様もいると思いますが

無事、完結できて一安心です!


私自身、今後の創作のための貴重な経験になりました~!


長編は、次は女体化X異世界転生のお話「異世界の星空」を

近日連載開始予定デス!

こちらはファンタジー要素満載な感じで、

憑依長編の方に、どちらかというと、雰囲気は似てる…かもしれません!

(現代じゃなくて、ファンタジー世界が舞台(現代も出て来る)なので、

 ちょっとまた違いますケド…)

皆様にお楽しみ頂けるように、ゾクゾク要素も含めて

頑張りますのでよろしくお願いしますー!


入れ替わりの長編も、またそのうち、機会があれば!

長編以外では、今連載中の「え!?男の娘?ぴえん」はもちろん、

「ネガティブ&ポジティブ(仮称)」というお話も準備中デス!


入れ替わり好きの皆様は、ぜひお楽しみくださいネ!


コメントが長くなっちゃいました!

とにかく、ありがとうございました~☆

明日はMC(洗脳)モノ「お前の彼女は俺たちのパシリ」連載スタートデス~☆!

(Fanbox)


Files

Comments

No comments found for this post.