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★あらすじ★


階段から転落した際に入れ替わってしまった

真司と愛梨。


愛梨になった真司は、姉の詩織を救出することに成功ー

”銀狼”との戦いは、終わったー。


二人が”元に戻るとき”は着実と近づいていたー


・・・・・・・・・


★主な登場人物★


橋口 真司

大学生。彼女と入れ替わってしまう。


川上 愛梨

真司の彼女。真司と入れ替わってしまう。


馬淵 香澄

同級生。愛梨の幼馴染で親友。


中条 東吾

同級生。真司・愛梨の共通の友人。


天童 麗

同級生。頼りになるお姉さん風の女性。


風間 龍平

同級生。嫌味なインテリ学生で、裏で悪さをしている


※登場人物詳細

(↓に、¥300と出ていますが、このお話を読めている皆様は、既に

 プランご加入(ありがとうございます!)頂いているので

 お金がかかったりすることはありません!ご安心ください)

fanbox post: creator/29593080/post/1060230

・・・・・・・・・・・・


愛梨(真司)は、詩織と別れて、

大学を目指すー


姉の詩織との”本当の再会”はー、

真司としてー

自分の身体に戻ってからー、だ。


詩織と別れる前の会話を思い出すー。


「---わたしは大丈夫」

詩織のことも心配だったが、

詩織は、愛梨(真司)に気を遣ってくれて

”いかなきゃいけないところがあるんでしょ?

 わたしは大丈夫だから”と、言ってくれたー。


姉さんは、目の前にいる愛梨が、弟だと

気付いているのだろうかー。


そんな風に思いながらも、

詩織に頭を下げてー

愛梨(真司)は大学を目指しているー。


姉さんは、もう大丈夫ー

あとは、自分たちが元に戻るだけー。


愛梨(真司)は、真司(愛梨)に連絡を入れるー


既に、浅沼教授は元に戻る方法を完成させていると聞いているー

”全部おわったよ、愛梨

 このあと、そっちに行くから”


この場所からだと、数時間はかかるが、

夕方には大学に到着できるはずだー。


夕方には着くと思うー、と

付け加えて、メッセージを送信するー


早く戻って、愛梨を安心させたいー


そしてー

”元に戻ってー”


メッセージを送った愛梨(真司)は

大学を目指すー


しかしー

大学を目指しながらもー

愛梨(真司)は少し不安を覚えるー


それはーー

浅沼教授のことー


浅沼教授は、何かを企んでいるー


全て、

全て終わったはずなのにー


あとは、元に戻るだけのはずなのにー

浅沼教授の影が、愛梨(真司)の頭から

離れなかったー


・・・・・・・・・・


同時刻ー


昼休みに、浅沼教授から呼び出された

真司(愛梨)は、浅沼教授の研究室にやってきていたー


不敵な笑みを浮かべる浅沼教授ー

その表情は、相変わらず生気がなくー

そして、笑ってはいるが、心は笑っていないー

そんな感じだったー


真司(愛梨)の目の前にやってくるとー

浅沼教授は呟いたー


”すまない”

とー。


「え?」

真司(愛梨)にはその言葉の意味が分からなかったー


「--私は、その身体が、欲しいー」

浅沼教授がそう、呟いたー


「-!?」

真司(愛梨)が驚くー


「--若くて、健康な、その身体がー」


今の愛梨は、真司の身体だー。

真司の身体を指さして、浅沼教授が笑うー。


「---ま、、まさか、最初から…

 そのために…!?」

真司(愛梨)が言うー


浅沼教授が何かを企んでいるのは分かっていたー

でも、元に戻るためには浅沼教授の力が必要だったー

だから、リスクを承知の上で愛梨は、

浅沼教授の研究に協力し、ここまでやってきたー


けれど、まさかー

真司の身体が目当てだなんてー。


浅沼教授の目的はー

”健康な身体ー”

病により、余命宣告を受けている浅沼教授は

結婚を控えた実の娘のために、死ぬわけには

いかなかったー。


入れ替わりの話を噂で聞いた時、

彼は”これしかない”と思ったー

実際に真司と愛梨が入れ替わったのであれば

人為的にその状況を起こすことも可能であると。


だからー

真司か愛梨、どちらかの身体と自分の身体を入れ替えることで、

生きながらえようとしたー。


真司の身体の方を選んだのはー

単純に、中身が愛梨であることから、

その方が、御しやすいと、そう思ったからだー。


「----愛梨!」


「--!?」

浅沼教授が、入口の方を見るー


研究室に

愛梨と真司の共通の友人、東吾と、

腹黒女子・麗、

そして、愛梨の親友で幼馴染の香澄が入ってきたー


「--中条くん?天童さん?香澄?」

真司(愛梨)が驚くー


3人がやってきたこともそうだがー

香澄が来たことにも驚くー


香澄には、入れ替わりのことは知らせていないー


「---…ごめん 愛梨」

香澄が近づいてくる。


「--香澄」

”入れ替わりのことを知られた?”

そう思いながら、真司(愛梨)は香澄の方を見るー


「……そんなことがあったなんて、ごめんね」

香澄が頭を下げるー。

真司(愛梨)は、東吾や麗から聞いたのだと悟り、

「ううん。大丈夫ー

 これからも、親友でいてね」とほほ笑んだー


香澄は、愛梨と真司が入れ替わってることを知らず、

真司になった愛梨に、執拗に迫ったり、告白したりしていたー。

その理由は”死んだ兄の面影が真司にあるからー”


けれどー

真司の態度がおかしいと思った香澄は、真司・愛梨と親しい

東吾たちに、その理由を問いただし、

東吾たちは迷った末に、香澄に入れ替わりのことを

打ち明けたのだったー


「--中身が愛梨なんて知らなかったー…

 本当に、ごめんね」

香澄の言葉に、真司(愛梨)は、優しく微笑んだー


それよりもー

今はー


真司(愛梨)は、浅沼教授の方を見るー


「---教授ーー。

 愛梨や真司たちに手を出そうとしてるならー

 俺は教授を絶対に許さなーー」


東吾が教授の方を睨みながら言うと、

浅沼教授は笑ったー


「----ちょうどよかったー」

と。


「-!?」

東吾と麗が、表情を歪めて

顔を見合わせるー


「君たちにも、全てを打ち明けたいー」

浅沼教授は、そう呟いて、

真司(愛梨)、東吾、麗、香澄に

椅子に座るように促したー


浅沼教授は、しぶしぶ4人が座ったのを

確認すると、呟いたー


「--すまなかった。

 さっきの話の続きだー。


 私は、その身体を狙っていたー。

 私が、君たちを元に戻す方法ー

 もう一度、入れ替わりを起こす方法を

 求めていたのはー

 私自身が、若い身体を手に入れるためー。


 君たちを、元に戻すためじゃない」


浅沼教授の言葉に、

真司(愛梨)は悲しそうな表情を浮かべるー


東吾は「愛梨は、教授のこと信じてたんですよ!」と

怒りの形相で叫ぶー。


「---あぁ…

 でもーーー

 もう、いいんだ」


浅沼教授は、悟ったような表情で、窓の外を見つめたー


「--彼氏をただひたすらに信じてー

 愛しー、

 危険を承知の上で、私の研究に力を貸す

 君を見ていたらーー


 友のためにー

 必死に頑張る君たちを見ていたらー

 ”奪う”なんてこと、できなくなってしまったー」


浅沼教授は、初めて心からの優しい笑みを浮かべて、

4人を見たー


「すまなかったー。

 最初は、君の身体を奪うつもりだったー


 だがー

 気が変わったー


 君たちの力になれれば、それで、いいー。」


浅沼教授は、4人に頭を下げるー


「教授…」

真司(愛梨)が呟くー


浅沼教授は、真司の身体を奪うつもりだったがー

一生懸命で、彼氏を信じる愛梨を見ているうちにー

そんなこと、できなくなってしまったー


「---ーーー生きたいのは、私だけじゃないー

 大切な人がいるのは、私だけじゃないー


 そんな当たり前のことを、私は忘れていたー」


浅沼教授はそう言うと、

自分が、余命あとわずかであることを真司(愛梨)たちに

明かし、そして、ほほ笑んだー


「--最後に、君たちのような若者の力になれるならー

 本望だー。

 君の彼氏が戻ってきたらー

 君たちを、元に、戻そうー」


浅沼教授は、そう言い放ったー。


嘘をついている顔ではないー

心からの言葉ー


「でも、教授はー…?」

真司(愛梨)が悲しそうに言うー


余命あとわずかなのだとしたらー

浅沼教授は、死ぬことになるー


「--ー…私は浅沼 啓介として死ぬー。

 それだけだー。

 最後まで、自分の身体で生きてー

 自分の身体で死ぬー。


 娘にも、ちゃんと打ち明けるー。

 私のことは、気にしなくていい」


浅沼教授は、決意を固めた表情で、そう呟いたー


「--!」

真司(愛梨)がスマホを手にするー


真司が先ほど送ったLINEを、愛梨が確認したのだー


「--真司、帰って来るってー」

目に涙を浮かべて嬉しそうに言う真司(愛梨)


浅沼教授は頷くー


「--よし。元に戻る準備をしておこう」

浅沼教授が、入れ替わりを引き起こすための装置の

準備を始めるー


東吾・麗・香澄の3人は

「よかったね」と優しく、真司(愛梨)のことを

祝福したー


ようやくー

元に戻れるー


・・・・・・・・・・・・・・


「ーーあ~」

愛梨(真司)は苦笑いするー


手をすりむいているのとー

腕に打撲ー

綺麗な足にも擦り傷と痣が出来ているー


”銀狼”の銀次郎たちに殴られたことによる怪我だ。


大学が見えてきて、愛梨(真司)は苦笑いするー


「愛梨の身体を傷めちゃって…

 怒られるかもな」


そんなことを思いながら、歩道橋の階段を上るー

歩道橋の反対側には、大学が見えるー

そこで、愛梨は待っているー


”浅沼教授”のことは気がかりだがー

きっと、きっと大丈夫だと信じてー


思えば、長かったような、短かったようなー

愛梨の身体として過ごした時間ー

それは、きっと、忘れらない思い出になるだろうー

まさか自分が”女の子”になってしまうなんて

思いもしなかったー


大好きな愛梨として、こんな風に

過ごすなんて。


でもー

分かったこともある。


いくら、見た目が愛梨でも、

自分は愛梨には、なれないー

全然、愛梨じゃないー。


人は、

身体と中身が一致して、初めて、その人なのだとー


愛梨の身体で中身が自分ー

それは、愛梨であって、愛梨ではないー


やっぱり、愛梨の身体は、愛梨だからこそ似合うしー、

中身も、愛梨じゃなくちゃ、いけないー。


「---ま…おしゃれするのはちょっと楽しかったかもな」

愛梨(真司)はそんな風に思いながら、歩道橋からの風景を見つめー

元に戻ったあとのことを考えながら歩くー


結婚する約束をしたー

愛梨と結婚することに、もう、何の迷いもないー


愛梨との幸せな日々、幸せな家庭を

何度、思い描いたことかー


”幻想”でしかなかった未来が

今、現実になろうとしているー


届かない想いなんて、ないー

信じて、願い続ければそれはきっといつかー

必ず、届くからー。


自分は、父親のようにはならないー

父は父、自分は自分、

愛梨と幸せ家庭を作りあーーーー


ズキッ


ーー!?


愛梨(真司)は、謎の痛みを感じて

一気に現実に引き戻されたー


歩道橋の反対側から歩いてきていた男がーー

愛梨(真司)をーーー

ナイフで刺したー


「--!?!?え…」

愛梨(真司)が表情を歪ませるー


フードを被った男が笑うー


「--これが…ウルトラ愛梨たんごっこだぁぁぁぁぁ!」

正気を失った狂った表情ー


ナイフを持った男はー

閉店になったメイドカフェの店長ー、国枝だったー


「--ひひひひひ、愛梨たん!

 俺の店、潰れちゃったよぉ!

 俺の人生、台無しだよぉぉぉ!」


愛梨(真司)の胸を乱暴に触る国枝店長ー


「ふ、、、へ、、変態野郎……テメェ…!」

愛梨(真司)が血を流しながら言うー


「ふひっ!愛梨たん!めっちゃくちゃにしてやるよぉ!」

愛梨(真司)の背後に回り、愛梨(真司)の

両胸を揉みまくる国枝店長ー


「-愛梨たん~俺に揉まれたいだろぉぉ?

 おっぱい重たいだろぉぉぉ???」

国枝店長が叫ぶー


肘で国枝店長の顔面を叩きー

国枝店長を振り払う愛梨(真司)-


ズキッ!


「---!」

愛梨(真司)が苦痛の表情を浮かべるー


今度は背中を刺されたー


よろめく愛梨(真司)-

大学の方を見つめるー


「--だから、必ず返しに来てー」


「わかったー。絶対に、約束、守るからー」


「愛梨…」

約束、、守るって言ったのにー


歩道橋の端に押し付けられる愛梨(真司)-


国枝店長が笑うー


「愛梨たん、おっぱい重いだろ~~?

 ひひひ、切り取って楽にしてやるよぉぉぉぉ!」


「--頼む…やめてくれ」

愛梨(真司)が涙を流しながら言うー


「帰らないといけないんだ……頼む」

愛梨(真司)の身体からは血が流れているー


「--ひひひひっ!

 土に還っちゃいなよ!愛梨たん!」

国枝店長が笑いながら、ナイフを振り上げたー


「--うん。待ってるー

 元に戻るための準備してー

 真司を待ってる」


”死ねないー”


「うあああああああああああああああ!!!」

愛梨(真司)が叫ぶー

身体に力がみなぎってー

がむしゃらにもがいてーー

気が付いた時にはーー

国枝店長が、歩道橋から投げ飛ばされる状態に

なっていたー


「--ああ、、、愛梨ぃぃいいいいいいいい!」

国枝店長が、愛梨(真司)の手を引っ張るー


「---!」

愛梨(真司)と、国枝店長はー

そのまま歩道橋から真っ逆さまに、路上に転落したー


・・・・・・・・・・・・


放課後ー


真司(愛梨)、東吾、麗、香澄は

浅沼教授と共に、研究室で愛梨(真司)の帰りを待っていたー


待ち時間の間に、

浅沼教授が時間つぶしに話をしているー


浅沼教授をかつて手伝っていた女子の

様子がおかしくなって、退学までしてしまった件ー

”教授の黒い噂”についてー。


教授が言うには、その子の家庭の事情で、その子は

精神的に病んでしまったのだと言い、

噂になっているような”浅沼教授が何かをした”ということは

一切ないということだった。

そして、今も、その子の相談に時々乗っているらしいー


話は続くー。


「--以前、その身体が、他の女子にドキドキすると

 君は言っていたがー

 それはきっと、本能的なものだろうー」


浅沼教授は言うー。


以前、真司の身体が、香澄に触られた時に

ドキドキしたことがあるー

それで、愛梨は、”真司は香澄のことが好きだったのではないか”と

勘違いしたこともあるー


だが、浅沼教授はこう説明した


「異性と触れたりすると、

 ドキドキしたり、変な気分になったりー

 おそらくはー

 誰と触れ合ったとしても、同じ反応が起きるはずだー。


 入れ替わった相手の、君の彼氏も、きっと

 男子と触れたりしているときは、同じ違和感を

 感じていたはずだ」


その言葉に、真司(愛梨)は「そうだったんですね」と

ほほ笑むー。


相手が好きなのではなく

”異性”に触られたからドキッとしたー。

中身は愛梨でも、身体は男子だから、

反応してしまうー

そういうことなのだろうー


「---お待たせ」


愛梨(真司)が研究室に入ってきたー


「真司!」

真司(愛梨)が嬉しそうに言うー。


「---ようやくお出ましか」

共通の友人・東吾が笑うー


香澄と麗も「お帰りなさい」と愛梨(真司)が

大学に戻ってきたことを祝福するー


「---」


だがー

愛梨(真司)は、額から汗を異様なほどに

流していたー


「---!」

麗が表情を歪めたー


続けて

東吾と香澄ー

真司(愛梨)も、その異変に気付いたー


「約束…」

愛梨(真司)が笑うー


「----守りたかった…ごめん」

それだけ言うと、愛梨(真司)は床にボタボタと血を流しながらー

その場所に倒れたー


「---真司!」

愛梨(真司)が慌てて駆け寄るー


浅沼教授も、表情を曇らせていたー


・・・・・・・・・


・・・・・・・・・・・


あれから1週間ー


夕日を見つめる真司(愛梨)----


「----」

未だ、真司の身体にいる愛梨は、ある決意を固めていたー


あのあとー

真司は助かったー。


だがー

意識が戻らないー

歩道橋から転落した際に頭を強く打ち付けておりー

それが、原因なのだと言うー

いつ、目が覚めるかはーー


分からないー


「------」

真司(愛梨)を、

東吾、麗、香澄は一生懸命慰めてくれたー


けれどー


「---真司…」

真司(愛梨)は目から涙をこぼすと、

「わたし、決めた」と呟くー


そして、浅沼教授の研究室へと向かうー


「--おや」

浅沼教授が、真司(愛梨)に気づくー。


真司(愛梨)は決意の眼差しで

教授の前まで歩いていくと、口を開いたー


「--浅沼教授、お願いがあります」


はっきりとした口調でー

決意を口にした真司(愛梨)-


彼女のお願いにー

浅沼教授は、驚きを隠せなかったー



㉓へ続くー


・・・・・・・・・・・・・・


コメント


次回が最終回(の予定)デス!

幸せは訪れるのでしょうか~?


今日もありがとうございました!!

(Fanbox)


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