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わたしが、わたしで無くなっている…。

なぜー?


わたしの体なのに?


どうして、動かないの?

どうして、嬉しそうに、自分の体を触ってるの?


ねぇ、どうして…


笑い声が聞こえるー

わたしの声なのに、まるで、わたしじゃないみたいな声ー


クスクスと、悪女のような、笑い声ー

いったい、なにー?

だれ?


わたしのからだ、返して…

お願い…


わたし、そんなこと…したくない!


わたしの体を・・・

返して!!!!


「-----はっ!?」


ーーー女子大生の山村 李緒は

自分の部屋で飛び起きた。


「はぁ…はぁ…」

体中に冷や汗をかいている。


「---……」

李緒は恐怖に身を震わせた。。


見回せば、そこには、いつもの自分の部屋ー

見慣れた光景が広がっているー


当然、自分の身体は、自分の思うように動くし、

勝手に口から言葉が出たりすることもないー


それでもー

3ヶ月前のあの悪魔のような日々が忘れられない。


バイト先で、

バイト仲間の昭二という大学生に憑依されて、


”変装して自分のバイト先にクレームをつけたら

 みんなは気づくのか”という

昭二の勝手なおかしな性癖のために、

李緒の体は弄ばれた。


李緒は、あの時、

暗闇の中で、必死に叫んでいた。


何をしているかもわからないままー

おぼろげな意識で、

”私の体を返して”と。


あの時の夢をー、

今でも見る。


あの時の恐怖を、忘れることができないー


3か月が、経過した今でも。


「---」


落ち着くために、コップに水を入れて

それを飲む李緒


「ひどい・・・」

目から涙が零れ落ちる。


あの日の映像をーー

店長が後日、見せてくれた。


長かった髪を切り、

メガネをコンタクトレンズに変え、

メイクや化粧の雰囲気を替え、

ピアスをして、

ミニスカートに胸元を強調した服装…


そんな格好で自分は

自分のバイト先であるコンビニにクレームをつけていた。


信じられなかった。

まるで、自分が他人のように見えたー

まったく記憶にないことを、

まるで別人のような姿でしている自分の姿ー


悪態をつきながら、コンビニ内で

罵声を上げる李緒の姿ー


自分なのに、自分じゃないー

そんな、恐ろしいものを目撃して、

李緒は、恐怖に身を震わせたー


こんなの、わたしじゃないー!

と。


でもーー、

それが真実だった。

そこにいたのは、まぎれもなく李緒で、

李緒が起こした行動も紛れもなく、事実。

記録された”映像”は嘘をつかないー


映像の最後の方にはー

店長とエッチなことをさせられて、

喘いで、イッてしまう自分の姿が監視カメラの映像に

残されていた。


「どうして…」

李緒はあれから、精神的に病んでしまい

バイトを辞めた。


どうして、自分がそんなことをしたのかもわからないままー

戸惑っていた莉緒に。バイト仲間の昭二からLINEが届いた。


”後悔の念”に囚われた昭二は、

李緒がバイトを辞めてしまったあとに、

連絡を入れたのだ。


憑依に関する全てを打ち明けて、

李緒の身体やったことを全て説明したー

そして、心からの謝罪の言葉を送ったー


しかしー

それは、昭二の”自己満足”にしかならなかった。


”逆効果”だったのだー

李緒は、昭二に憑依されていた、ということを知り、

さらに恐怖心を抱いてしまったー


あれから、李緒は、男性恐怖症になってしまった。


”どうせ、みんな、エッチなこと考えている”

”そういう目でしか見ていない”


いつしか、李緒はそんな風に思うようになってしまっていた。


「----はぁ…

 わたし、、、」


でも…


あの時の憑依は李緒 にもう一つの影響を残していた。


「----」

鏡を見つめる李緒 。


今日も欲求があふれ出てくる。


「んあっ…♪」

李緒 が自分の胸を触って声をあげる。


こんなことしたくないー

こんなことしたくないのにー


李緒は、泣きながら

自分の髪の毛のニオイをくんくんと嗅ぎ、

足をこすり合わせて、不気味に笑い、

色っぽいポーズをとってみるーー


李緒 は、正気だ。

憑依されているわけではない。


けれどー

”あのとき”憑依された際に、

憑依していた男、昭二は

李緒 の脳を使って、色々とエッチなことを考えていた。


だからーーー

李緒 の思考が、少し捻じ曲げられてしまった…。


性欲が強くなってしまったー。

我慢、できなくなってしまった。


今では毎日のように、複数回、ひとりでコトを済ませている。


前は、こんなことしなかったのに


「んっ…♡ はぁっ♡ あぁん…♡」


愛液を溢れさせながら

ひとり、幸せをかみ締める李緒ー。


”どうして…どうして…”

快感を感じながらも、変わってしまった自分に

恐怖を覚えー

そこから、抜け出したいと、心の中で叫び声を上げるー


けれど、

李緒の思考までも、あの時の憑依で

捻じ曲げられてしまったー


エッチなことをしないと、

どうにかなってしまいそうになるー


「…いやだ……わたし…こんな…んあぁぁ♡」


確かに、憑依からは解放されたー。


ただ、あの時の憑依は李緒をキズつけただけでなく、

李緒を、歪めてしまった。


今の李緒は、大学で女子大生を見ると

無性に抱きつきたくなってしまうようになった。


昭二の性欲が、憑依していた間に、

”影響”を与えたのだー。


「---わたし…どうしてこんな…」

李緒はそう呟く。


我に返って後悔することも多い。


エッチなことをし終ったあとには、

呆然とした表情で、座り込んでーー

何も考えられなくなるー


涙が目からこぼれて来るー


こんな風になってしまった自分を、情けなく思うー


でも、どうすることもできないー


李緒は歪んでしまった。

憑依した本人の、昭二が後悔しても、もう遅い。

被害者である、李緒がどんなに泣き叫んでも、どうすることもできないー


李緒の”思考”は、もう、変わってしまったのだから・・・



おわり


・・・・・・・・・・・・・


コメント


変装クレーマーの後日談のリメイクでした~!

今回で、完結になります!

初期の作品のリメイクで1話あたりが短いので、

こちらは100円プランでも読めるようにしてあります~!


毎週火曜日は、私の都合で、リアルタイムで小説を

書くことができないので、

いつもこのようなリメイク版をお送りする形に

なってしまっていますが、少しでも皆様にお楽しみ頂けるように、

更新0より、更新1の方が…!ということで、

毎週リメイク版をお送りしています~!

(火曜日の分は、それ以外の曜日でちょっとずつ時間を確保して

 作っています!)


来週の火曜日以降も、別作品のリメイクを作ろうと

思いますので、ぜひお楽しみください~!

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