<入れ替わり>幻想の日常⑱~欲望の果て~ (Pixiv Fanbox)
Content
★あらすじ★
階段から転落した際に入れ替わってしまった
真司と愛梨。
真司になった愛梨が、浅沼教授と共に
元に戻る方法を模索する中、
愛梨になった真司は、メイドカフェで働く
消息不明だった姉・詩織を助け出そうとする。
しかし、”銀狼の息子”に対して喧嘩腰な態度を取った
愛梨(真司)に腹を立てた国枝店長は
”スーパーあいりたんごっこ”をする、と愛梨(真司)を
脅すのだったー
・・・・・・・・・
★主な登場人物★
橋口 真司
大学生。彼女と入れ替わってしまう。
川上 愛梨
真司の彼女。真司と入れ替わってしまう。
馬淵 香澄
同級生。愛梨の幼馴染で親友。
中条 東吾
同級生。真司・愛梨の共通の友人。
天童 麗
同級生。頼りになるお姉さん風の女性。
風間 龍平
同級生。嫌味なインテリ学生で、裏で悪さをしている
※登場人物詳細
(↓に、¥300と出ていますが、このお話を読めている皆様は、既に
プランご加入(ありがとうございます!)頂いているので
お金がかかったりすることはありません!ご安心ください)
fanbox post: creator/29593080/post/1060230
・・・・・・・・・・・・
「---ねぇ…」
メイドカフェの店内で接客が終わったタイミングを
見計らって、真司の姉・詩織が近づいてくるー
「---はい」
”姉さん”と呼びそうになるのを我慢しながら愛梨(真司)が言うと、
詩織は言ったー
「--愛梨ちゃんは、”銀狼”と関わっちゃダメ。絶対に」
詩織が言うー
「”銀狼”は、愛梨ちゃんが関わるような人たちじゃない」
詩織の言葉に、愛梨(真司)は口を開くー
「でも、先輩が関わるような人たちでもありませんよね?」
愛梨(真司)の言葉に、詩織は口を閉ざすー。
この前、詩織は言っていたー
家出をして、姿を消したあとに、付き合い始めた彼氏が、
銀狼から借金を抱えていて、
借金返済ができずに苦しんだその彼氏が、
詩織を銀狼に差し出したのだとー。
「--ってか、銀狼って何なんですか?
警察に言った方が…」
愛梨(真司)は、つい真司っぽい口調になりながら
そう呟いたー
しかし、詩織は首を振るー
”そんなことしたら、弟にも、みんなにも迷惑がかかるー”
とー。
「でも…!」
愛梨(真司)の言葉に、
詩織は、「この前の愛梨ちゃんのことは、夫に
謝っとくから、もう、次、夫が来ても、何も言わないようにね。いい?」と
釘を刺すようにして言うー
姉・詩織の夫・
銀狼の息子である銀次郎ー。
そんなやつが、姉さんの夫だなんてー、
と愛梨(真司)は怒りを感じるー
愛梨の身体が、怒りでグツグツと煮えたぎっているー
拳を握りしめる愛梨(真司)
しかし、その綺麗な手を見て、真司は正気を取り戻すー。
今、自分は愛梨の身体だー。
愛梨と約束したー。
必ず、元通りに戻ろう、ってー。
だから、この身体で暴力を振るうことはできないし、
ましてや、裏社会の組織である”銀狼”と関わってはいけないー。
「--くそっ」
愛梨(真司)は歯ぎしりをするー
心が晴れないまま、昼休みを迎えるー
休憩室で愛梨(真司)は事務所のソファーに腰掛けながら
誰もいないことを確認して、男っぽい足の開き方をして、
休んでいたー
そこに、国枝店長がやってきて、愛梨(真司)はビクッ!と
震えて、足を、女の子らしいポーズに変えたー。
「------」
国枝店長は、事務所の書類を確認しているー
愛梨(真司)は
そんな国枝店長の方を見つめるー。
姉さんをなんとか救い出したいー。
でも、銀狼に立ち向かうのは危険すぎるー。
だったらーー
この変態野郎からー。
愛梨(真司)は、銀狼に対する反応から
国枝店長も、銀狼と何か関係があるー
あるいは、弱みを握られていると考えていた。
「店長ー」
「--ん?」
国枝店長が、愛梨(真司)の方を見る。
「-ー銀狼って何なんですか?
なんで、お店で迷惑行為をする人を
野放しにするんですか?
変じゃないですか?」
責めるような口調で言う愛梨(真司)-
あくまでも”店でメイドを殴るような客を
どうして野放しにするのか”というスタンスで聞くー
「--ー俺さぁ、昔からメイドが好きでさぁ、
よく大学生時代、メイドカフェに通ってたんだよね」
国枝店長が言った。
「---」
愛梨(真司)が国枝店長を見る。
「でさぁ、みのりちゃんって言うすっげぇかわいい子がいてさ、
俺、思ったんだよ。
この女の胸、揉みまくって俺のものにしてやりたいってさ。
だから、必死で、みのりちゃんにアプローチかけたわけ。
でもさ、みのりちゃんは、俺のこと振ったんだよー」
国枝店長の話が、”銀狼を野放しにする理由”と何の関係が
あるのか分からず、愛梨(真司)は表情を歪める。
「でも、諦めたら試合終了って言うだろ?
だから、俺はあきらめなかった。
メイドカフェから出て来るみのりたんに
俺は背後から覆いかぶさって
夢のような膨らみを揉みまくったのさ」
国枝店長は、ズボンをパンパンに膨らませながら嬉しそうに言うー
完全に変態だー。
「--でもな?
みのりたん、銀狼の息子…銀次郎さんの当時の彼女だったんだよ。
わかる?
やべぇ団体のトップの息子の彼女だと知らずに
俺、みのりたんの胸を揉み揉みしちゃったわけ」
国枝店長が、腕の傷を見せて来るー
「当然、ぼっこぼこのぐっしゃぐしゃにされたよ。」
国枝店長の言葉に、
愛梨(真司)は「それで銀狼のこと、怖がってるんですね」と
蔑むようにして笑うー
女の子に蔑まれて喜ぶような人が
喜びそうな冷たい表情を浮かべている愛梨(真司)-
愛梨を知る人間が、メイド服姿でこんな表情を
浮かべていると知ったら、驚いてしまうだろうー
「---いいや?」
国枝店長は笑うー
そして、呟いたー
「俺は、懲りずにまたみのりたんを襲ったんだよ。
そんなに可愛いのに、裏社会の人間と付き合ってるなんて
興奮するぅ!って言いながら、な~!」
国枝店長がニヤニヤしながら言うー
再び、銀狼の息子・銀次郎に捕まった
国枝店長は死を覚悟したのだと言うー
だが、彼はその時に叫んだー
「性欲に生き、性欲に死ぬなら本望だ!」
とー。
それを聞いた銀狼の息子、銀次郎は、
「どうしようもねぇやつだな」と
国枝店長を鼻で笑いー
そして、呟いたー。
「-キモ過ぎるほどの変態ぶり、気に入ったぜ」
銀次郎はそう言うと、
国枝店長の胸倉を掴みながら呟いたー
「--お前、メイドカフェの店長になってみる気はねぇか?」
とー。
当時の国枝は答えたー
「えっ!?あひっ!?!?メイドカフェの!?
ふへ、ふへへへへ」
笑いながら喜ぶ国枝店長ー
その時から、国枝店長は、
銀狼が経営するメイドカフェの雇われ店長としてー
働き始めたのだったー
「--”銀狼”は、俺にとって恩人なのさ。
ここは楽園だ!
バイトは、みんな俺に揉まれて
嬉しそうに喘ぐのさ!
可愛いメイドがよりどりみどり!
それを、俺は支配している!
メイドの上の王だ!
メイドだらけのハーレムの中心に俺がいるぅ!!
あはは!あははははは!」
国枝店長が嬉しそうに笑うー
銀狼から紹介された子を働かせたりー
国枝店長が面接で「かわいい」と思った子を働かせたりー
ここは、銀狼の資金源となっているだけではなく
国枝店長の性欲を満たすための”王国”にもなっているのだー
「---だ・か・ら」
国枝店長は、愛梨(真司)を睨んだ。
「銀狼の皆さんに、失礼な態度取られちゃこまるわけ。
彼らはここのオーナーなんだから。
俺に、この天国のような店をくれた人たちなんだから。」
国枝店長の顔から笑みが消えるー
「この前の、愛梨たんの銀次郎さんへの態度。
許せないよなぁ。。。
閉店後、スーパーあいりたんごっこだから、
覚悟しとけよ」
それだけ言うと、国枝店長は、愛梨(真司)の
両胸をわしづかみにして、少し揉んだあとに、
愛梨の胸を揉んだ両手のニオイを嗅ぐと
そのまま事務所から外に出て行ったー
「---クズが」
愛梨(真司)は呟いたー
愛梨の可愛い声ー
でも、その声は、愛梨のものとは思えないほどに
怒りが込められていたー。
国枝店長は”銀狼”に雇われている店長ー
しかも、元々どうしようもない変態だったのだろうー
当時、襲ったメイドが、銀狼の関係者じゃなければ
恐らく国枝店長は通報されて、逮捕されー
今、ここにはいないだろうー。
「---はぁ」
愛梨(真司)は、長い黒髪を掻きむしるー。
どうするー。
姉の詩織を助け出す方法はー?
姉の詩織を、銀狼の魔の手から、
解き放つためにはー?
”銀狼”をどうにかできるとは思えないー
裏社会の組織を、ただの大学生である真司が
どうにかするのは難しい。
しかも、今は愛梨の身体だ。
銀狼に睨まれることがあれば、
愛梨にも迷惑がかかるー。
「あ~~~~~」
愛梨(真司)は、イライラしながら
メイドカフェの店内へと戻るー
結局、今日も解決策を見いだせないままー。
国枝店長を追い詰めて、どうにかするのが
一番の近道だろうか。
国枝店長のバイトへのセクハラ行為などを
追求するのは、簡単だー。
警察に助けを求める足掛かりになるかもしれないー
そんな風に思いながら、愛梨(真司)は
メイドとしての接客を進めていくー
「にゃんにゃん!」
お客のおじさんのリクエストに応えて
猫耳メイドを演じる愛梨(真司)-
”くそっ!どうして俺がこんなこと”と
赤面しながらも、なんとかそれをこなしー
今日も、メイドカフェのシフトの上りの時間になったー
”こんなときのために…”
愛梨(真司)は、ボイスレコーダーを持ってきているー。
国枝店長のセクハラ行為を録音し、
国枝店長を追い詰めるー。
そして、なんとか銀狼から、姉を救い出す足がかりにー
ガシャン!!!
「おらぁ!」
ーー!?
愛梨(真司)が振り返ると、
そこには、銀狼の構成員と、
銀狼のトップである”銀狼”の息子=銀次郎がいたー
店の机を蹴り飛ばす銀次郎。
詩織が、銀次郎に寄っていくー
詩織の髪を無理やり引っ張って、
そのままキスをすると、
銀次郎は、「この前の生意気な女!」と、
他の客がどよめく中、愛梨(真司)の方を指さしたー
「---この女のことが、そんなに大事かぁ?」
詩織の髪を引っ張りながら、
銀次郎が笑いながら愛梨(真司)を見つめるー
「---」
愛梨(真司)が拳を握りしめるー
メイドカフェの店内にいた客や、
他のメイドは、そそくさとその場を離れるー
「---大事に決まってる!」
愛梨(真司)は怒りの形相で答えた。
その反応を見て、銀次郎は笑ったー
「クク…テメェみたいな強気な女は好きだぜ。
気に入った」
銀次郎はそう言うと「チャンスをやろう!」と叫んだー
「--こいつを助けたかったらーーー
3日後”3丁目の廃工場”に来いー」
銀次郎の言葉に、愛梨(真司)が戸惑うー
「---ど、、どういうこと…?」
あくまで女の子っぽい口調で答えるー
「--こいつと交換だー」
詩織を指さす銀次郎ー
「詩織を解放する代わりにー
テメェに”妻”になってもらうー。
3丁目の廃工場に、3日後の18時、
迎えの車を出すー。
それに、乗って、俺のところに来いー」
銀次郎が笑う。
詩織は「やめて!」と叫んでいるー
「-------」
愛梨(真司)は考え込んでしまうー
この身体は、愛梨の身体ー
自分の身体なら、命をかけて、姉さんを
迷わず助けるだろうー
だが、この身体はーー
「--3日間、よく考えな。
お前が来なかったら、
詩織は今まで通り俺の妻だ!
もしも警察に通報でもしたらー
詩織は、海に沈むことになるかもなぁ???
はははははっ!」
笑う銀次郎ー
「くそっ…」
愛梨(真司)はそう呟きながらもー
”銀狼のトップ”のことが頭によぎるー
裏社会組織”銀狼”のトップであり、
自身も、”銀狼”と呼ばれる伝説の男は、
若いころに、まるで狼のような圧倒的な喧嘩の強さで
他を圧倒したのだと言うー。
若いころから、若白髪が多く、周囲の人々は
畏れを抱きながら、彼を”銀狼”と呼んだー。
その銀狼は現在でこそ高齢だが、
まだこの一帯を取り仕切る裏社会の存在として
君臨していたー
その話を思い出す愛梨(真司)-
”銀狼”という男そのものに会うことができればー
なんとか、丸く抑え込めるかもしれないー
銀狼の息子経由で、父親である銀狼自身に
会うことができればーー
直談判をしてーー
だがー
この身体は、愛梨のーーー
「--国枝!」
銀次郎が叫ぶ
「は、はぃっ!」
国枝店長が銀次郎の元に駆け寄って来るー
「テメェ、メイドの教育、全然できてねーし、
もういらねーわ」
銀次郎がそう呟くと、国枝店長が「へ?」と悲痛な叫びをあげるー
「--このメイドカフェは閉店ーー!
お前はクビ~!
どっかに消えろ!しっし!」
銀次郎が、国枝店長に向かってそう言うと、
レジのお金を乱暴に抜き取り始めるー
「え…ちょ…!銀次郎さん!それは…!」
国枝店長が泣きそうになりながら叫ぶー。
「--もうさ、いらねぇんだよお前。
売上も上がってねぇし、
使えねーし、
おもしれぇやつだと思って置いといてやったけど、
もう、飽きたわ」
銀次郎が冷たい言葉を投げかける。
「そ、、そんな…!」
国枝店長が涙目で叫ぶー
愛梨(真司)はその光景を憐みの目で見つめるー
「ぎ、、銀次郎さんっ!俺を捨てないで!」
国枝店長が叫ぶー
「うるせぇ!お前はクビで店は閉店だ!」
叫ぶ銀次郎ー
「銀次郎さんっ!」
泣き叫びながら銀次郎に縋りつく国枝店長ー
銀次郎は、うるせぇ!と、国枝店長を殴り飛ばすー
吹き飛んで、カウンターの奥に転がり落ちた国枝店長ー
「--俺たち銀狼のおかげでいい思いを出来てたことに
感謝するんだなー。
これ以上、ごちゃごちゃ喚くと、海に沈めるぞ?」
銀次郎の言葉に、
国枝店長は、泣きながらその場にお漏らしをしてしまうー
愛梨(真司)は、国枝店長の無様な姿から目を逸らすー
欲望に身を委ねて好き放題やっていた変態野郎の末路ー。
欲望の果てに待っていたのは、自業自得の、地獄ー。
「---3日後ーー
詩織を助けたかったら、3丁目の廃工場に来るんだなー」
銀次郎はそれだけ言うと、詩織を抱き寄せながら
愛梨(真司)を睨んで、立ち去ってしまったー
「--俺は…どうすれば…」
この身体、愛梨のものー
でも、姉の詩織を助けるチャンスを逃すわけにはー
戸惑う愛梨(真司)の横ではー
首を告げられ、店を失いー
スーパーあいりたんごっこどころではなくなった
国枝店長が、顔をぐしゃぐしゃにして、泣き続けていたー
・・・・・・・・・・・・・
真司(愛梨)は、一人暮らしの部屋で、
「ひとりぐらしの練習にもなっていいのかも」と
呟くー
最近は、真司の身体でしか味わえない楽しみを
大事にしているー
「----んふぅ…」
”抜いた”
一人でエッチをしたー
男子の感覚は、今しか味わえないー
だからー
これも、精一杯楽しんでおこうー、と。
前向きにー
そうしないと、心が折れてしまいそうだからー
「--それにしても…
男子って、なんだろう…
このやったあとの虚無んは感じ…」
真司(愛梨)は苦笑いするー
♪~~
スマホに連絡が来るー
連絡は、愛梨になった真司からだったー
内容は
”明日、話、できるかな?”
だったー。
「なんだろう…?」
真司からの連絡に、愛梨は、少し不安を覚えながら
そう呟いたー
⑲へ続くー
・・・・・・・・・・・・・・・
コメント
前の憑依長編と同じぐらいの話数で
完結予定デス!
そのあとの長編については未定ですが、
今度は週1ペースぐらいの長編を
書くかも…?しれません(※まだ未定デス)
今日もありがとうございました~!