バーサス・サキュバス(仮)〜第0話 (Pixiv Fanbox)

「クスクスっ♥」

「ふふふっ♥」

サキュバス_微笑み

女悪魔があらわれる。

闇から這い出る豊満なシルエットが危うい色香を発する。

それは人間を襲う夢魔の一種。

ガルディゲンの魔族の中では低級。

だがそれをもって容易い敵かといえば断じて違う。

特に男にとっては――

――サキュバス。

惹かれるような美しい女。

スラッとしていながらもグラマラスな肉体は男なら誰もが欲するものだろう。

だが彼女達は魔族。感性も倫理観も人間とは根本的に異なるのだ。

相互理解は不可能、本当の意味で愛を結ぶなどありえない。

人間を糧とし、餌とし、弄ぶ。その悪性こそ、魔性の証明なのだから。

「ふふっ♥」

ガルディゲンの宿敵たるあの日本人を抹殺すべくサキュバスが本性をむき出しにする。

刹那の快楽に酔うように

蠱惑的な笑みを浮かべる魔族の女達。

この中には人工サキュバスも混ざってる。

ヘルヘブン女戦闘員が合成や魔合体によって作られたサキュバスもいるのだ。

等しく下級、等しく使い捨ての魔の美女軍団。

――あの日本人を倒すために

「――あの日本人、今度こそ堕とすわ♥」

「誘惑してあげる♥」

「堕としてあげる♥」

「交わり」

「溶け合い」

「愛し合って」

サキュバス_誘惑してあげる_愛し合って

「「「――気持ちよく殺してあげる♥」」」

サキュバス_気持ちよく殺してあげる

妖艶な殺意が充満する。

甘い蜜のような魔のフェロモンが標的を求める。

魔性の美女軍団、サキュバス達が飛び立った。