Home Artists Posts Import Register

Content

(立ち去るか)


草薙は何もせずここで立ち去る事にした。


だが……


(殺されるかもしれんな……こいつら)


ここで見逃しても彼女達が粛清される可能性は高い。

殺され方は様々だ。 

サクッと両断されれ殺される事もあれば、グチャっと潰されて殺される事もある。


(魔生物の餌にされたら……まずいな)


魔物、魔生物に丸呑みされるケース。

合成、合体材料にされるのが色々な意味でよろしくない。


尊厳だのなんだのを語る気は全くないが殺す犯すを超えた尊厳の冒涜の末路だろう。


(ここで屠ってやった方がマシだろうな)


失敗したヘルヘブン女戦闘員が必ず粛清されるわけではない。粛清されない可能性も十分ある。だがそうはならない予感もあった。


(……ガルディゲンの侵攻が近い)


魔大国ガルディゲンの大規模侵攻が近づいている。その剣呑さが憂鬱な影を色濃くした。


ガルディゲン、ヘルヘブンと戦ってきた草薙は、このヘルヘブン女戦闘員が効率良く使い潰される未来を幻視する。


「……」


草薙は女達を見下ろす。


(もったいない)


日本の美徳、もったいないが頭に浮かぶ。

外見だけ見れば美しい女達。だが長くは生き残れないだろう。


「持ち帰っても良かったかもしれんが……」


ふとそんなつぶやきが漏れた。

声は草薙としても意外なほど大きかった。





「うぅっ……」


その声に起こされたのか微かに目を開ける女がいた。



「あっ……」

女が声を漏らす


「……」

草薙が女を見つめる。


葛藤は思いの他長かった――だがそれだけだ。

少しの間女達を見た後、草薙は女戦闘員達に何もせずに立ち去った。

後には、喘ぎ肉付きの良い肉体を弾ませる女戦闘員達。


静かに風が吹いた。



――数日後、女達は粛清される。


撃退され任務に失敗したヘルヘブン女戦闘員達。


草薙に止めを刺されず生き延びた女達だったが、彼女達に下されたのは粛清。


それもガルディゲンの魔生物の餌として吸収されるという尊厳も何もない類の粛清だった。



「あっああぁぁぁぁ」


女戦闘員がゴキュゴキュと頭から飲み込まれていく。

異形の尻尾が女の頭をすっぽりと包み込む。


女のグラマラスな肉体が異形生物の餌に変わっていく。


「むぐっ、むぐううううぅぅ」


尻尾の中で苦しげに息を吐くヘルヘブン女戦闘員。


ジタバタと女が巨大な尻尾の中でもがきくるしくむ。


――魔生物ヒブラヒル。


魔大国ガルディゲンが有する獰悪なる魔生物。

魔生物は欲望と本能のままに、女達を喰らっていく。


「んっ、んんんんんんん」


尻尾の中に吸収された女のグラマーな肉体が輪郭を失いドロドロに溶けていく。

女の美しい肉体が醜い魔生物に呑み込まれ一体化しているのだ。


これは戦闘ではなく食事。

戦闘中とは異なり消化に力を集中させる魔生物は凄まじい勢いで美女達を消化し吸収していく。


「きゃああぁぁ」


吸収された仲間を見て女達が悲鳴をあげる。

恐怖させるために、女達の洗脳は弱められている。魔生物に呑み込まれ吸収される恐怖と絶望を引き出されているのだ。


「いっ、いやあああぁ」


恐怖する女達の悲鳴が屠殺場に響く。


魔生物は女達の恐怖と絶望を喰らい嘲笑うように次々にた女戦闘員達を呑み込んでいく。


妖艶な美女といった風貌の女戦闘員がクパァと開いた尻尾に呑み込まれる。


「んっお゛おぉぉぉ」


上半身が呑まれ、露出した下半身が波打つように震える度にドピュッドピュ勢いよく失禁する。


吸収尾はスッポリと女の肉体を全部包み込んだ。

魔生物は女体をゴキュゴキュと咀嚼するように圧迫し吸収していく。


「溶ける溶けりゅうううぅぅ……ぁ゛ぐぶっ!?」


醜い断末魔をあげる女戦闘員。

そして吸収が始まる。女を呑み込みシ豊満なカーブを描くように膨らんだ尻尾はしぼむように収縮しジュウゥゥっと異音を立て元の形てまた一人ビキニ美女の肉体が醜い魔生物に吸収されて逝く。


女戦闘員を呑み込んだ吸収尾からは、ふやけた女の体液と魔生物の汚物じみた消化液がぐちょぐちょに混じりあいドピャドピャと垂れる。


また一人、美女を吸収した魔生物ヒブラヒルが醜く嘶き、恐怖に怯える女戦闘員を相手に次の食事を始める。


「んっ、あっ、あううううぅぅっ」

「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁぁぁ」


女達の悲鳴が響く。

赤ビキニの女戦闘員、ブラッディーボルンの美女達が魔生物に丸呑み吸収されて逝く。

生まれ洗脳され命令のまま生きそして、何も得る事もなく女達が生を終えていく。



「あぁっ……」


長い金髪の女戦闘員がヒブラヒルの吸収尾を見上げる。迫る死の尾が自分に迫るのを見ながら、ぐにもつかない夢想がよぎる。


(もしっ……)


最後に思い出すのは最後の任務であり、自分達が敗北した男の顔だった。


あの男が去り際に残した言葉が耳に反響する。


「もしもっ……」


ぐにもつかない考えが頭をよぎる――それが最期だった。


「あぐぶっ」


醜い断末がもれる。


頭部が呑み込まれ、ジタバタともがきながら女の全身が呑まれていく。

既に吸収された仲間達と同じ様に――失禁し体液を垂流し溶かされながら吸収される。


魔生物ヒブラヒルの下卑た笑いが響いた。


こうして任務に失敗した女戦闘員達は何も省みられずに十把一絡げに吸収されて逝った。





――関連――


ヒブラヒル討滅戦~草薙悠弥VS魔生物ヒブラヒル~

Files

Comments

No comments found for this post.