笑顔と百合とくすぐりフェチ[創作くすぐり百合小説] (Pixiv Fanbox)
Published:
2020-09-10 10:30:29
Edited:
2021-01-01 05:06:27
Imported:
2023-08
Content
オリジナルのくすぐり&百合小説です。
元々は漫画で書こうと思っていた内容なのですが、心理描写が多すぎて長ったらしいページ数になりそうだったので、小説という形で作品にします。
イラストや漫画のおまけ程度に楽しんでもらえれば幸いです。
↓↓↓
#1『あの子の笑顔と、私の性癖』
小学校三年生に上がった頃、私のクラスには一際目を引く美少女がいた。
まだ小学生なのに、お淑やかで可愛らしい清楚な美少女。
その美少女、夏川優里と私は隣同士の席だった。
「ねぇ優里ちゃん、帰り一緒に帰ろ!」
「……」
「もー!無視しないでよぉ」
私は優里と友達になりたかった。
とにかく可愛いくて、その可愛い顔をもっとずっと近くで見ていたいと思った。
初めて話しかけたのも、確かそんな理由からだったと思う。
「今日も一緒に帰ってくれないのー?」
「……だ、だって……私、遠山さんとそんなに仲良くないし……」
「そんなの気にしなくていいよ!これから仲良くなればいいじゃん!」
「…………」
「じゃあ……今日だけ……」
「やったー!」
優里には友達が全然いなかった。
クラスでもいつも一人で、休憩時間もずっと図書室で本を読んでいた。
ずっと一人ぼっち、そんな孤立した優里をからかったりいじめたりする生徒は、幸いこの学校にはいなかった。
けれど小学三年に上がるまで、ほんとに他の子と喋った事すらほとんど無い様子だった。
典型的なコミュニケーションの苦手なタイプで、自分から人に話しかけることができないみたいだった。
心のどこかでずっと寂しかったのだろう。
最初のうちは私のことを避けていたけれど、何度も話しかけるうちに、意外とあっさり心を開いてくれるようになっていった。
教室でもたまに話すようになったし、帰り道はいつも一緒に帰った。
「優里ちゃんって物知りなんだ、なんでたくさん面白い話知ってるのー?」
「暇な時に本読んでるから……遠山さんも図書室行きなよ、本読むの楽しいよ」
「えー……本って文字いっぱいで読むの面倒くさいよぉ」
「そ、そうかな……」
「でも優里ちゃんはたくさん本読んでるから、テストも100点ばっかり取れるのかなぁ」
「なら明日の休憩時間、一緒に図書室行かない……?」
「行く!私でも最後まで読めそうな簡単な本探してみよう」
「じゃあ一緒に探して…一緒に読みたいな」
「うん!」
「それにしてもさー、優里ちゃんってこんなに可愛いのに頭も凄くいいんだもん、羨ましいよ」
「べ、別に大したことないよ…」
「大したことあるよ!だって先生もクラスの子もみーんな、優里ちゃんのこと褒めてたよ」
「クラスで一番可愛いし、クラスで一番優等生だーって」
「…………っ///」
「ふふっ顔真っ赤になった、優里ちゃんも照れるんだね」
「て、照れてないっ……!///」
「私……優里ちゃんの赤くなった顔初めて見たかも?」
「うるさいっ……千紗ちゃんのバカっ///」
その時初めて、私のことを下の名前で呼んだのを今でも覚えている。
いつもは大人しい感じの優里が、照れて慌てているのが、なんだか珍しくて嬉しかった。
それから小学四、五、六と偶然、優里と私は同じクラスになった。
優里のコミュ症は相変わらずで、唯一の友達である私と一緒にいる時間は、必然的に多くなっていく。
学校では基本的に優里は喋らない、他の子が話しかけても頷いたり一言返事を返すだけ、酷い時は無視する時だってある。
それは今まで通りだ。
けど私と二人の時は違う。
私が話しかけると嬉しそうにしてくれるし、よく笑ってくれる。
「ねぇ……千紗ちゃん」
「どうしたの?」
「私……初めて千紗ちゃんに話しかけられた時ね、正直……嫌だなって思ったの」
「う、うん」
「人と話したりするの苦手なのに、私と話しててもつまらないのに、なんで話しかけてくるんだろうって思ってたの」
「でも……何回も話しかけてきてくれて……段々嫌じゃなくなって……」
「千紗ちゃんと友達になれてよかった……じゃないと私学校でずーっと1人ぼっちだったもん」
「ほんとにありがと……千紗ちゃん」
「えへへ……そんなこと急に言われたら照れちゃうよ」
「でも私も……優里ちゃんと友達になれてほんとに嬉しいと思ってるよ」
「うん……っ////」
「だから……私と優里ちゃんはずーっと友達!約束しよ!中学生になっても高校生になってもずーっと!////」
「くすっ……そうだね、約束するっ///」
そう言って笑う優里の顔は本当に可愛かった。
他の誰にも、きっと見せない、私だけが見られる優里の笑顔。
人前では無口で大人しい優里の、私だけの特別な笑顔。
私はくすくすと控えめに笑うあの優里の笑顔が何よりも大好きだった。
その約束をしたのは小学校の卒業式の帰り道だった。
お互い言葉にするのが恥ずかしいようなことをつい口にしてしまって、その後凄く気まずくなったのを覚えている。
そして中学生になって、また奇跡的に優里と私は同じクラスだった。
「運命だね」なんて言い合っていたのも つかの間、私たちの関係に亀裂が入る事件が起きてしまう。
確か昼休憩に教室の隅の方で二人で話していた時だった。
私と優里が話している所に1人の女子、佐々木さんが割って入ってくる。
佐々木さんは、クラスメイト全員と友達のように接するタイプ、つまり優里とは真逆の明るい女の子だった。
「二人って仲良いよねー、小学校からずっと一緒なんだっけ?」
「うん、優里ちゃんとはクラスもずっと一緒で……」
「…………」
優里は突然 会話に入ってきた佐々木さんに戸惑って口ごもってしまう。
「夏川さんって私と喋ったことなかったっけ?」
「…………え、えっと」
「もー、そんな怯えなくてもいいのに」
「怯えてるっていうか……優里ちゃんあんまり話すの得意じゃないから、ごめんね佐々木さん」
「そっかぁ……せっかく可愛いのにー、夏川さんが話しかければ男子とか絶対イチコロだよー?笑」
「あはは、まあでも優里ちゃんはそういうタイプじゃないし……」
「もっと可愛いとこアピールしなきゃ勿体ないって、あ、そうだ」
何か思いついたのか佐々木さんは優里の背後に回る。
そうして両手で優里の脇腹をくすぐり始めた。
「ほらこちょこちょこちょこちょー♪夏川さんは絶対笑うともっと可愛いってー」
「ひゃあっ!!?あははははははっ!!!?」
脇腹を突然触られてくすぐられて、堪らず優里は叫ぶように笑いだしてしまう。
「びっくりしたー笑、そんなおっきな声出せるんだ」
そう言いながら今度は脇腹の手を段々上に這わせていって優里の腋の下を思い切りくすぐる佐々木さん。
「そ、そこはやめっ!!!ひゃはははははははははははははははははっ!!!!」
「あひゃひゃひゃひゃひゃひゃっ!!!くひゅぐったいぃいっ!!!ひひひひひひっ!!!!」
優里はくすぐられて力が入らない。隙だらけの腋の下に手を突っ込まれて五本の指でこちょこちょされる。
私だってきっとあんなことをされればくすぐったくて笑ってしまう。
けれど
優里のあんな笑い声、初めて聞いた
あんな下品に大きな口を開けて……
私だけの笑顔だと思っていた。優里が私だけに見せてくれるあの可愛らしい優しい笑顔。
あの笑顔とは全然違う、どうしても我慢できないほんとの優里の必死な笑い声。
それをその時初めて聞いた。
人前で笑うのは恥ずかしいって言ってたのに、くすぐられればどんなに嫌でも笑ってしまう。
「夏川さん、腋弱いんだー?ていうかこちょこちょ効きすぎじゃない?笑」
「もうやだぁあっ!!!ひぃいっひひひひひひひひひひっ!!!!!」
「さ、佐々木さんっ!!優里ちゃん嫌がってるからっ!!もうやめたげてよっ!!」
私がそう言ってやっと手を止める佐々木さん。
「えっ?あ、ごめん、嫌だった?」
ほんとにただのスキンシップのつもりだったのだろう。佐々木さんは悪気のなさそうな申し訳ない顔で優里の方を見る。
「ひぃ……っひぃっ……」
「…………っ」
普段は大人しい優里の、大きな笑い声を聞いて驚いたのか、クラスの皆が私たちの方を見ていた。
周りの視線に気づいた優里は耳まで真っ赤になって、目には涙が浮かんでいた。
その後佐々木さんは何度も優里と私に謝ってくれた。
こういうのが苦手な子もいるのにごめんね、って。
突然くすぐったり、そういうスキンシップは控えるようにするって。
謝ってはくれたけれど私は何かを奪われた気分だった。
私の心にはモヤモヤとしたものがずっとあった。
その日、私は優里の家にお邪魔させてもらって二人で学校の宿題をやっていた。
宿題が片付いて、暇になって……
私は自分の心にあるモヤモヤを打ち明け始める。
「優里ちゃんって……あんな風に笑うんだね」
「……っ」
「わ、私こちょこちょ弱くて…急にお腹とか腋とか触られたらどうしても我慢できなくて……」
「私……優里ちゃんのあんな笑い声初めて聞いたよ?びっくりしちゃったもん」
「うう……恥ずかしいから言わないでよぉっ……クラスの人皆こっち見てて……恥ずかしくて死んじゃうかと思った……っ////」
「いつも大人しくてお淑やかで可愛い女の子が、急にあんな風に笑いだしたら誰だって驚いちゃうよ」
「だ、だってぇ…っ////」
「……ねぇ優里ちゃん」
「な、なぁに?」
「優里ちゃん……今までずっと私に合わせて笑ってくれてたの?」
「?千紗ちゃん、何言って………」
「だ、だって優里ちゃんっ…いつもはあんな風に笑わないじゃん……っ」
「私と二人きりの時は可愛く くすくす笑ってくれてたけどっ…あれは……ほんとは……愛想笑いしてくれてただけなのかなって……」
「私といても……ほんとは楽しくなかったのかなって思って……」
「そ、そんなことないっ!!なんでそんな事言うのっ!!酷いよ千紗ちゃんっ」
「じゃあ……いつも私に見せてくれてた笑顔は嘘じゃないの……?」
「う、嘘……っていうかね……」
「今日みたいにこちょこちょされて笑ってる時の、可愛くない、はしたない顔を千紗ちゃんに見られたくなかったのっ////」
「えっ?」
「千紗ちゃんは小学校の頃からずーっと、私のこと可愛い可愛いって言ってくれるでしょ?それが……その……凄く嬉しくて……///」
「だから千紗ちゃんには私の……可愛くない、下品な所は絶対見られたくなかったの///」
「千紗ちゃんの前ではできるだけ笑うの我慢してたんだよ?……千紗ちゃんが面白い話をしてくれて、涙が出るくらい笑いそうになった時も……は、恥ずかしいから何とか大きな声出ないように我慢してた…///」
「なのに今日はあんなに はしたなく下品に笑ってるところ千紗ちゃんにも見られちゃった……
クラスの皆にも見られて恥ずかしかったけど……千紗ちゃんに見られたのが、ほんとに死んじゃうくらい恥ずかしかった……っ/////」
「そっか……そうだったんだ……」
「ご、ごめんね……変なこと聞いて」
「ううん……誤解が解けてよかったよ」
「私……普段はあんまり人と話さないし、喋る時も人より小さな声なんだけど……笑う時だけは凄く大きな声が出ちゃって……昔からその事気にしててね……」
「だから人前で笑うの、恥ずかしいって言ってたんだ?」
「うん……今日みたいにこちょこちょされたりしたら恥ずかしくても大声で笑っちゃうんだけど…」
……その言葉を聞いてから、私は優里の堪えるような笑顔を見る度にドキドキするようになった。
佐々木さんにくすぐられてた時の、叫ぶようなあの優里の笑い声を思い出す。
「優里ちゃんは……やっぱり人にくすぐられるの凄く嫌?」
「うん……あんな下品な笑い声、誰にも聞かれたくないもん…」
「こちょこちょって我慢できないものなのかな?」
「うーん…千紗ちゃんは分かると思うけどね、私、昔から人と接する機会とかほとんど無くて……」
「うん」
「パパもママも共働きであんまり構ってくれないし、一人っ子だし……だからね」
「他の誰かに身体を触られることって、ほとんど無かったの」
「だからその……くすぐったい感覚に慣れてないっていうか」
「多分私って、人よりずっとくすぐったがりな身体なんだと思う」
「つまり優里ちゃんは普通より敏感な身体ってこと?」
「そ、その言い方なんか私がやらしい感じになるからやめてっ///」
「え、そうかな?ごめん」
「でもそっか……優里ちゃんはこちょこちょが苦手なんだ」
「?うん、でもなんでそんなこと聞くの?」
「……別に、なんでもないよ…」
もし、もし……無理やり優里を動けないようにして、隙だらけの敏感な身体を思いっきりくすぐったら……
腋の下もお腹もほんの数秒間くすぐられただけで優里はあんなに取り乱してしまった。
なら……手足の動かせない、抵抗も一切できない状態で、がら空きの腋の下を、お腹を、足の裏をくすぐり続けたら……優里はどんな顔で、どんな声で笑うんだろう。
きっと優里はあまりのくすぐったさと羞恥心で顔を真っ赤にしながら笑い転げる。
私に可愛いって言われるのが嬉しいって言ってた。
だから私に可愛くない所を見られるのは、恥ずかしいから嫌だって言ってた。
でも、もし私が優里のことを無理やりにくすぐったら……
私が見た事もない優里の下品ではしたない姿を、見られるかもしれない
そんな酷いことばかり考えてしまう。
「優里のことを無理やり拘束してくすぐる」
気づけばそんな妄想をしている。
優里のあの笑い声、真っ赤な顔を、頭の中で想像するだけで私は興奮してしまった。
こんな妄想しちゃいけないと思った。
大切な友達が嫌がることを、いくら妄想の中でもしちゃいけない。
考えたらダメだ、考えないようにしよう
……そう思えば思うほど妄想は捗った。
あの時はまだ無自覚だったけれど、既にもう「くすぐり」が私の性癖になっていた。
……私は恥ずかしがり屋で無口な、可愛い親友のことを……くすぐり責めしてみたい
中学生になったばかりの年頃の女の子には、そんな自分の隠れた性的欲求をはっきりと自覚する事は出来なかった。
ただ……それでも
そのはっきりしない、フワフワしたピンク色の欲求を抑えきれない瞬間は訪れてしまう。
女の子同士で友達同士で、くすぐるチャンスなんて幾らでもある。
優里と二人きりで遊んだり、学校で話したりお泊まりをしたり。
隙だらけの腋の下をちょっとつんって触ってみたくなる。
脇腹を手で揉んだらどれぐらいくすぐったいんだろう……。
寝ている時に靴下を脱がせてくすぐってみようとした事もあった。
月日が流れるうちに強まっていく「くすぐりたい」という欲求。
思春期の「そういうこと」をだんだん知識としても身体的にも知っていく時期。
そんな時期に芽生えてしまった私の「くすぐりフェチ」
そしてついに、その性癖が抑えきれなくなってしまう日がやってくる。
続く……。
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2話へ続きます。
駄文で申し訳ございません。
プラン限定でちょこちょこ公開していく予定です。
イラストや漫画の方も今まで通り書いていきますが、もしかしたら続きものの投稿が増えるかもです。