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オアシスの街に滞在中、気晴らしに市街を散策していると、重そうな水のバケツを持って小走りで急ぐ奴隷の娘とすれ違った。


「おい、お前!」

「へっ!?」


いきなり俺に声をかけられた娘は驚いて立ち止まる。そして、貴族の服装に身を包んだ俺の出で立ちを見て、不安と恐怖が入り混じった表情になる。


状況が飲み込めず、小動物のように怯えている娘の名札を手に取ると、彼女の主人の欄に悪どさで有名な旅商人の名前があった。おそらくキャラバン隊が、旅の間に使う備蓄用の水を汲む仕事を命じられ、水場とキャラバン隊の野営地を何度も行き来しているのだろう。


娘は自分が何か無礼をしてしまったと勘違いし、お仕置きされると思っているようだ。過酷な旅と労働で鍛え上げられた逞しい肉体からは、水汲みの仕事でかいた以上の大量の汗が滝のように吹き出している。頭が少々弱そうに見えるが、幼さが残る可愛らしい童顔は恐怖で完全に引きつっていた。……ふむ、生え放題の剛毛と、臭いが少々気になるが、まぁたまにはこういう娘も悪くない。


「ヤらせろ」

「っ…!!」


主人の命令でなくても、奴隷に拒否権はない。突然の命令にとまどい、硬直してしまった彼女を、俺は路地裏へと連れ込んだ。


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