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~第14話・あとがき~

来ましたアンナ編…!かなり思い入れが強い回です…!

恒例ですが、この話も10年以上前から構想がありまして、

牧場の手伝い→ディスクドッグ大会って流れも当初から決まってました。

描きたくてウズウズしてた話の1つです!

pixivでも今のところ第1話に次いでブクマ数が多いんですよね〜。

自分的にも納得な感じがします(笑)


語りどころが多いので、項目分けして語らせていただきます。


【①テーマの深堀りは私の兄から】

今回のテーマは『自分を変える』というテーマでしたが、

深掘りするために元にした実体験は

私の兄(双子なので片割れ)とのエピソードでした。


ちょっと身の上話になりますが…


兄は中学の頃から心因的な理由で体調を崩しがちになり、

私を含め家族とまともに会話をしない状態が

20歳ぐらいの頃まで続きました。


ある日、兄と母が大喧嘩しているのを目撃しました。

仲裁に入り話を聞くと、俺がこうなったのは母のせいだ!と、

兄が母を責め立てている状況でした。

私はこの際だと思い、勇気を出して8年ぶりに兄に話しかけたんです。

かけた言葉はうろおぼえですが…(笑)、

自分を変えたいなら私が協力するから、なんでも頼りな。

って旨だったと思います。


そしたら兄は泣きながら、

「今度一緒に出かけてほしい」と言ってきてくれたんですよね。


後日、一緒に外食しながら、

兄が自分の心境を色々と打ち明けてくれました。

この8年間、何を思っていて、何が兄を苦しめていたのかを。


その日をきっかけに、兄は自分を変えるために

少しずつ行動できる様になっていきました。

私もカウンセリングに付き添ったり、相談に乗ったり、

要所要所で手助けしました。

今も兄の体調は優れないままですが、元々努力家なので

当時に比べれば色んな事ができる様になったし、

新しい事にも自発的に取り組めるまでには

変わることができました。


作中、シベ太がアンナに

「何が(変わる)きっかけになるかわからない」って言ってるんですが、

そんな兄の変化を振り返りながら書いたセリフでもあったんですよね。


兄が前向きになれたのも嬉しいことでしたが、

8年間一言も会話できなかったのに

また兄と普通に話せるようになったことが嬉しくて…。

私にとっても大きな進歩だったんです。

あの時、勇気を出して話しかけて本当によかったなあと。


牧場の外に出なきゃ変われない…と、

ハードルを上げて思いつめていたアンナだったけど、

いきなりそんな無理はしなくても、

本音を誰かに打ち明けてみるだけだとしても

人や関係が変わるきっかけには十分なり得るんだなと感じました。

あとは本人の姿勢次第ではありますけど…。


私自身も自分が大きく変わった転機をいくつか経験してますが、

そんな実体験の数々が、このアンナ編のベースになっています。

だからこそ思い入れ深いんですよね~…(笑)

 

【②ジャッキーについて】

ジャッキーはアンナの保護者役として描いた犬ではありますが、

実は「お節介系の過保護な親」の像も重ねて描いてたキャラでもあります。

…これがまた、うちの母親がそうなんですけど…(笑)


アンナの意思をちゃんと確認せず、

勝手に助け屋に依頼をかけたジャッキーさん。

もちろん思いやりからではありますが、

もし私がアンナだったら…嫌だしありがた迷惑だなと(笑)


なんでも先回りして用意してあげちゃう系の保護者って、

子供の気持ちを見落とす上に、

自分で判断する力を奪っていくんですよね。

だから子供が自立しにくくなってしまう。

確かにアンナは虐待を受けてたので自我が弱く、

仕方がなかった部分もあるんですけど、

もしジャッキーが本気でアンナの成長を促したかったんなら

いきなりアンナに助け屋をあてがうんではなくて

ちゃんとアンナの気持ちを確認した上で

助け屋に会うかどうかを「自分で」決めさせる、ってのが

筋だったんじゃないかなーって私は思っちゃうんですよね〜。

ジャッキー、辛口でゴメンだが。(笑)


シベ太はその違和感に気付いたので、

アンナ本人はどう思っているのか?を直接問いただしました。

すると、アンナが抱えていた不安は自分の社交性の無さではなく

「何も自分で決められない」っていう部分だったことが

判明します。だからシベ太も、「自分で決めろ」という促しに

繋げることができたんですよね。


…なので…根本的にジャッキーの読みはズレてたんです。

早とちりせずにアンナとちゃんと対話していれば

もっと早くに気付けたことかもしれません。

結果的には良かったとはいえ、

この点はジャッキーさんに反省してほしいなと思ってしまいます。

もちろん、いいひとなんですけどねジャッキー…

でもあえて私は辛口でいきます。(笑)


私の親しい人からの受け売りですが、

「あなたはどう思ってる?」って聞くことは

コミュニケーションで大切なことだと思ってます。

勝手に勘ぐって先回りしないこと。

ちゃんと気持ちを確認すること。

自分も昔指摘されてから気をつける様にしてる部分です…。



【③昔の構想について】

初期設定(10年前ぐらい)のアンナは

もっと口が悪くて男勝りな女の子だったんですが、

コミュ障を意識した結果、思ったよりマイルドになりましたw

もっと「ばーか」って言わせたかったです…(


あと、例のベッドシーンでは今月のリクエストでも描いたような

「シベ太がアンナのクッションを無理矢理はぎ取るシーン」を

本当に採用する予定をしてたんですよ…酷いですよね(笑)

しかも、シベ太がアンナにかける言葉も説教じみてて、

「甘ったれんな」って感じの台詞で……

そのプロットの試し書きは高校生の頃に書いたものでしたが、

いやはや…若いうちに漫画にしなくて

本当によかったな~と思ってます…^^;


やっぱり、自分が色々と経験を積まなければ

描けないものがあるな…と、ヒシヒシ感じてます…

これからも…。



_________________



めっちゃ長くなりすみません!!

そんな色々詰まってた第14話でした~。

15話も15話で色々語らせていただくと思います…(笑)


最近リフレクションが解説(考察?)みたいに

なっちゃってすみません…;;

ほんとは解釈も読者さんに委ねたいと思ってるので

あまり自分からはベラベラ語りたくないなと思ってたんですが…


ただ…私も色々考えながら描いてるので、

誰にも知ってもらえないのもそれはそれで寂しくて…TT

むしろ経営支援プランの方にだけは

細かくタネ明かししてもいいのかな~…なんて思い始めてます。


そもそも、この長文を最後まで読んでくれている方が

どれだけいるのかもわかりませんが…(笑)、

自分の裏話だったり核心的な話でもあるので、

もしご興味あれば、引き続きお付き合いいただけると…

嬉しいです…m(_ _)m



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Comments

Anonymous

ご自身の強い経験の数々からロケハンを経て編み出された力作だったんですね。人気が出るのも頷けます。 シベ太くんの、質問で本音を引き出して並べてから一晩という時間と温かな食事を与えて本人に考えさせて決めさせるメソッド、強力ですね。本人の口から話させること、短すぎず長すぎない時間を与えること、まともな思考ができる環境を整えること、どれが欠けても解決に繋がらない…シベ太くんは問題解決のメソッドを洗練させながら強くなってきたんでしょうね。 そんな重厚なテーマを可愛らしいキャラクターとコミカルな物語に乗せられる力量に感服いたします。

あやか

ありがとうございます…! 実はそうだったんです…(笑)試行錯誤した話なので、評価が伴ったのは嬉しかったです…! 強力な手法ですよね〜…。描いたのは自分ですが、具体的な条件をまとめていただけて 思わずなるほどな〜と感じてしまいました(笑) 仰る通り、シベ太なりに経験してきた事から編み出したメソッドなのかなって気はしますね…! お褒めいただきありがとうございます…! あまり主張すると説明臭くなるので匙加減にはいつも悩まされていますが(笑)、こうして受け取っていただけるからこそ作品として成り立たせる事ができています。 押し付けがましくならない程度に、ちゃんと中身を感じられるような物語をこれからも目指していければと思っています!