新作イラスト描く・塗り後編（タイムラプス有） (Pixiv Fanbox)

【桜 Exhibition 2023】キービジュアルイラスト制作、第三弾です。前回はこちら

記事の最後に完成イラストも載せてます！

タイムラプス

※画質は設定ボタンから調整できます

下記に作画の各ポイントをまとめました。タイムラプスを見ながら読んで頂けたら嬉しいです！

前回に引き続き、背景を描いていきます。

瓦や紙風船を見てもらうと分かりやすいのですが、固有色とは違う、明るいオレンジを差し色として入れています。

明るい面と暗い面の境界線に差し色を入れることでシャープな印象にすることができます。また、色数が増えることで塗りが単調にならないというメリットもあります。もちろん入れすぎるとうるさくなるので、バランスを見つつです。

◆最奥の街並み

最奥の街並みも、ラフだと大まかに色を置いただけだったので、改めて建物の下描きをし、パース線を引き、細かく描き込んでいきます。

物体は、カメラから距離が遠ければ遠いほど、白くかすんでいきます（空気遠近法という考え方です。）そのため、最奥の街並みは、手前の建物より色味が濃くならないように注意します。ただ私の場合つい濃く塗りがちなので…ある程度塗り終わってから「比較（明）」レイヤで白っぽい青を重ねて色味を薄くします。

また、手前の建物のキワに白色（光が当たって白く光っている屋根）をぶつけることで、建物のシルエットを強調させました。

こういう小ネタを入れるの好きです！

「なんでも屋家業をしている少女が、ペット探しの依頼を受けてこの猫を捕獲しようとしてるんだな～」というのが分かりますね。イラストの主題と関連する小ネタを入れると物語の補強になります。

◆建物をゆがませる

魚眼パース風にしたかったので、「メッシュ変形」を使って建物を大胆にゆがませます。

ゆがませたことで出来た空白は描き足し、猫の顔のゆがみも修正します。

はじめから魚眼パースにした場合、すべての線をフリーハンドで引かなくてはならなくなり効率が悪いです。（デフォルトのパース定規だと直線しか引けないため。）なので初めに通常の三点透視で描いてからゆがませるという手法を用いています。

◆仕上げ

全体に色味が入ったので、ここからはどんどん細部の描き込みをしていきます。

以前はパーツごとに細部まで仕上げ、次のパーツへ…と作業していましたが、全体を大まかに着色してから細かいところを仕上げていくというやり方に変えてから効率が良くなった気がします！

具体的な描き込みポイントとしては、

・襖にテクスチャを貼り、質感の差で目立たせる＆密度を増やす

・キャラをグッと描き込む。たとえば指先を綺麗に整えたり、胸元に飾りを追加して、密度を増やす。

などです。密度高いところほど視線を集めやすくなるので、"粗密バランスでの視線誘導"を考えながら、とにかく見せたい部分の密度を増やします。

さらに、襖にレトロな図柄を描き込むことにしました。キャラクターから、円を描くように猫へ向かって模様を描き入れることで、キャラ→猫への視線誘導を強力にします。

そこからさらに、円を描くように花びらもプラス。襖のレトロ柄と同じく、キャラ→猫への視線誘導のためです。

また、花びらは風の流れを想起させるモチーフなので、画面に空気感をプラスすることもできます。

あとは和柄を入れたり、キャラ以外の彩度をほんの少し下げて、キャラに目が行くようにしました。

あともう一つ仕上げで意識していることは、明暗のバランスです。

一度画面全体をモノクロにしてみると、明暗のバランスが分かりやすいのでオススメです！

今回のイラストだと、キャラ以外の背景全部をいったん「比較（明）」レイヤで薄くしたうえで、

建物の奥側をより暗くして遠景との差を際立たせたり、猫の後ろ側の空間を黒くしたりしました。

コントラスト差が高いところに視線が集まるので、キャラ部分は左側の白い領域←→色の濃い着物、髪、猫部分は白い毛並み←→後ろの空間のコントラスト差でいちばん目立つようにしています。

見せたいところほど密度を高く、コントラスト差を高く…！

完成イラスト原寸サイズ

これで完成です！

レトロな配色で楽しかったです～！

ここまでお読み下さりありがとうございました。また、FANBOXでの公開を許可して下さった桜Exhibition主催のPICOプリンティングイン株式会社さんにも感謝です…！

あと投稿データ作ってるときに気づいたのですが、こんな風に襖だけフレーム外に出すのもなんか良いですね。あとで加筆しようかな

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次回は、年末に尾道あたりを旅行してきたのでその時の写真や感想をアップしたいなと思っています。

2023年もどうぞよろしくお願いします！